ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム)
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ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム)

  • カーティスがユキに紹介した仲間の一人。ドクターXが扱うガンプラ。見た目はまさしく∀ガンダムだが、細かいところまで手が及んでおり、完成度は高い。ガンダムハンマーは装備していないが、月光蝶も含めた装備は使用可能。ビルダーとしての実力も高い。Drのデカールが貼られているのは彼が元々外科医師を目指して医療の世界に入ったものの、院内の派閥争いや権力闘争に嫌気が指し、医者を辞めてからは『国境なき医師団』に加わり、世界を見聞しながら全く使う暇のなかった相当額の貯蓄(実家も含めると普通に一生遊んで暮らせるレベルの資産家)を切り崩しながらGBNを始めている。なので年齢もそれなりでカーティスよりもややイケおじな感じなので、親しみを持たせるためにアバターは犬タイプの獣人型の子供を使っている。ガンプラ製作は少年時代からの趣味でGBNはサービス初期からのダイバーである。性格は温和で遊び好き(悪い意味ではない)。しかし、命を軽んじたり、無意味な差別や偏見には容赦なく立ち向かう。ユキの行動に対してのストッパー役としてカーティスが声をかけた。ちなみにカーティスもまたマギーに負けず劣らず人脈が広く、ソロダイバーを中心としたネットワーク『蛇の足(セルピエンテ・タコーン)』の代表としていつも暇人している。
ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム) アピールショット1

現実世界・開放型精神病棟・個室105号室

「GBNを始めた…って。なんでまた。それにガンプラはどうしたの?」

ユキは驚きを隠せず、サクラに聞いてくる。

「買って来てもう作ってるよ。登録もしたし」

「アバターは?『フォース』は?…まさか、悪い人に騙されて無理矢理とか…」

「お姉ちゃん考え過ぎだってば…親切なビルダーの人がいて、色々教えてもらったの」

「親切なビルダーって…?」

「今は内緒☺️。GBNでお姉ちゃんに会いたいから、ダイブ時間を教えて。ロビーで待ってるから。あと、アバターはこんな感じー」

身振り手振りのジェスチャーで自身のアバターの特徴を説明するサクラ。それをなんとなく理解したユキは今度は自分のGBNのダイブ時間を教える。

「…とりあえず分かったわ。それで、何のためにGBNを始めたの?」

「病院の面会以外にもお姉ちゃんに会いたいから。あ。ちゃんと学校の勉強はするよ?…それとGBNに使うお店はお姉ちゃんが通ってたところだよ?会いたいからって理由じゃ…駄目?」

「…うぐっ」

ユキはサクラのこういう、うるうるとしたお願いに弱い。料理当番の交代やお風呂に一緒に入るという等のときにお願いされるお決まりのシチュエーションだが、結局、毎回許してしまうあたり、彼女に対しては過保護なのかと思ってしまう。

「…分かったわ。私の負けよ。好きにしなさい」

「やった~☺️」

サクラは笑顔いっぱいにするが、ユキは、少し難しい顔をして、

「…今、前のコアガンダムのアーマーが損傷してしまったから、新しいのを作っているんだけど、最後の調整が上手くいかなくて煮詰まっているのよ」

彼女が見せたのはまるで、ヒールを履いた西洋の騎士のような姿をしたガンプラだった。右腕には長大な槍を持たせている。ただし、カラーリングに統一感がないのだ。

「このアーマーにガンダムフレーム等に使われる『ナノラミネートアーマー』の特性を付加させたいのよ…って分からないよね?」

『ナノラミネートアーマー』…鉄血のオルフェンズで使用されている装甲システムでMSの動力源である『エイハブ・リアクター』から発生する『エイハブ粒子』が装甲の塗膜と化学反応して、ビーム兵器に対して絶大な防御力を持たせたものであるが、衝撃等の物理的なダメージには弱い。何故なら、それによって塗膜が剥がれるリスクがあるからである。

「…うーん。鉄血のオルフェンズは観ていないからよく分からないけど要は『エイハブ・リアクター』っていうのを合体するときにコアガンダムに直付けすれば良いんじゃないかな?」

「え?」

ざっとではあるが、説明したばかりなのにサクラはさらっと答えた。続けて、

「だってガンダムSEEDのニュートロンジャマーキャンセラーもMSによってまちまちだけど頭の中とかに入っているし。それでいいと思うよ?」

何故、ガンダムSEEDのニュートロンジャマーキャンセラーのことを知っているかどうか確かめることを忘れ、その言葉にユキははっとした。

「確かにそうね。鉄血の『エイハブ・リアクター』は特に頑丈に作られているって設定だし…いいアイデアかも。…ありがとうサクラ。おかげで完成できるかも」

「どういたしまして。…あと、お姉ちゃん。まさか、その成形色のまま完成させるわけ?」

「まあ…そうだけど」

その言葉にサクラはムッとした。

「ちゃんと塗装して☹️でないとちゃんと部分塗装したわたしが恥ずかしい思いするんだから⤵️」

「わかった。わかったからちゃんと塗装するから心配しないで。ね?後で冷蔵庫の冷凍室に隠しているハーゲンダッツ食べていいから…ね?」

「本当?いいの?…っていつの間に買ってたの?そんな高級アイス…まさかお姉ちゃん一人でこっそり…」

「…違うわよ。何か良いことあったときに二人で食べようって買いためておいたの…結局、私はこんなことになっちゃったし…好きな味食べていいわよ。病院じゃ食べる機会なさそうだしね…」

しかし、サクラは、

「…いいよ。お姉ちゃんが退院して快気祝いに一緒に食べよ?…それにおせっかいで辛いだろうけど少しずつ病院の回復プログラムを受けよ?お姉ちゃんがずっとベッドの上だなんてわたしもつらいー」

彼女が最後まで言い切る前に、

「面会時間もう終わりますよ。退室をお願いします」

看護師の声が聞こえて来たので少し涙目になっていたサクラはポケットからハンカチを出して涙をさっと拭き上げると、

「今度はGBNでね。お姉ちゃん。またね」

「…ええ。またね。ダイブするときは連絡するから」

そうして彼女はユキの個室から出て行った…。

「さて、私も両方無理しないように頑張らないとサクラに顔向けできないわ」

個室の扉すら開けることも出来なかった。けど、このままじゃ駄目だ。せっかくサクラに勇気を貰ったのだ。前に進まないと…。

それからというもの、ユキは担当医師のカウンセリングを受けながら、外界に対する恐怖心を堪えながら個室の扉と何度も葛藤し続けたこと数日、…ようやく、ガチャリと扉が開く音がした。きぃ…とゆっくり扉の外から空気が入り込む感覚が彼女を包み、扉は完全に開かれた。

(やった。やっと開けることができたよ。サクラ…)

心の中で達成感を味わいながら、ふらふらとユキはへたりこんでしまった。それを偶然、見掛けた担当の看護師が慌てて彼女に駆け寄り、

「看護師さん。やりました。やっと、扉、自分で、開け、られました」

たどたどしく息を荒くしながら看護師に言う。

「…良かった。やっと開けることができたのね。貴方の少しの心の強さがここまで導いてくれたのよ…さあ、今はベッドに戻って大人しくしててね。お薬持ってくるから」

彼女は看護師に支えて貰いながらベッドへと戻って、ようやく少しずつ落ち着きを取り戻していった…。

(…あとは、ガンプラ、完成させないと、サクラやカーティスさんにも、連絡取らないと、心配させちゃう…)

意識が混濁していく中、そんなことを考えながら看護師から渡された頓服薬を飲み、そこで目の前がブラックアウトした…。

ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム) アピールショット2

翌日。GBNロビー

あのあと、ユキは翌日に目を覚まし、何故か無性にシャワーを浴びたくなる衝動に駆られ、今までボディタオルで済ませていた身体の汚れ落としをシャワーで落としたくなった。こんな心境の変化に担当医師は、

「…頑張って自ら行動をしたからね。身体の方も気持ち良くなっておきたい心が思ったんじゃないかな?」

ー久しぶりのシャワーだった。気持ち良かった。こんな爽やかな感じになるのは何時ぶりだろう…そして、看護師に預けていた(精神病棟では刃物や刃物になりそうな道具、首を締めるほどの長い紐や布類など自殺に繋がりそうなものは強制的に預けられて、使用する場合、日にちと時間を記入する必要がある)大きめの手鏡で自分の顔を見る。顔は気持ち痩せこけていたが、表情は悪くなかった。身体を拭き終わると、長い髪をブラシと櫛で整えGBNの端末に近づく。今朝、完成させた新しいガンプラをスキャンさせヘッドギアを頭から被り、GBNへとダイブした…。

「さてと、サクラのアバターはどれかしら…って…もう、何ですぐ分かっちゃうのよ…」

視線の先にはサクラのアバターらしき女性が近付いて来た。確かにサクラの面影があるアバターだ。そういえば自分も似たような面影のあるアバターにしてたっけ…。

「お姉ちゃん~こっちでは初めましてだね。初心者ビルダーのサクラです。よろしくお願いします☺️」

「こ、こちらこそよろしくね…って、何か変な感じね」

多少ギクシャクしたが、二人は姉妹だ。すぐにいつものような雰囲気に戻った。二人はロビー内を歩きながら、サクラが、

「ちょっと外に出よ?お姉ちゃんに紹介したい人がいるから」

「もしかして、サクラにGBNとガンプラバトルを教えてくれた人?」

「そうだよ。一人は用があるから来れないけど、『アダムの林檎』のマギーさん」

「えぇ⁉️あのマギーさん?…よくダイブしたばかりで知り合いになれたわね…ってあの人初心者のナビゲーターをやってたんだっけ…。でも、運が良いわよ。普通、中々遭遇しないって」

お互い話しながら外に出ると、ちょっとおしゃれな都会的な感じのテラスにたどり着いた。すると、そこにはアリスとカーティスの姿、犬の獣人型の子供のアバターが白いテーブルに座していた。何とも奇妙な組み合わせだが、GBN内ではよくある光景だ。

「カーティスさん。お姉ちゃんをお連れしました☺️」

「ああ。助かるよ。ユキ君だとゆっくりお茶会しながら自己紹介も出来そうもないしね」

「…そうね。ユキはわたしが言うのもなんだけど、ちょっと、せっかちなところがあるっぽいし」

「ふぇ?…これってどういうことですか?」

カーティスはブラックコーヒー。アリスは紅茶。獣人型のアバターの人は日本茶を飲み、無言のままだったが、二人はサクラの声に答えた。ユキは何のことやらさっぱりだったが、仲間集めの話をしていることだけは分かった気がする。 

「どういうこととは何だね?これから、あのセラヴィーガンダムにリベンジするために仲間を二人揃えると言っただろう?…まずはドクター自己紹介を」

カーティスが言うと獣人型の子供のアバターは日本茶を置き、

「僕はドクターX。GBN初期からのビルダーさ。あと、『GPD』も経験しているよ。こんな身なりだけど中身はカーティスより年上だからそこのところよろしく。面倒ならドクターでいいよ。…ただXについては突っ込まないで。色々とあるから」

自己紹介なのか何なのか分からない言葉で言うドクターX。Xの由来は下手に突っ込んではいけないと思ったユキだった…。

余談ながら、『GPD』とはGBNがサービス開始前から行われたガンプラバトルでかみ砕いていうと、実物のガンプラを用いたものでバトルでの損傷がガンプラに返ってくる方式だ。しかし、そのせいもあってか次第にガンプラを損傷させることなく、スキャンさせ自身がダイブするGBNに取って変わられた経緯をもつ。ただ、『GPD』の愛好家が未だにいるのもまた事実である。

彼女はふと、疑問に思った。カーティスは『二人』連れてくると言っていたが、一人しかいない。そこで、

「…確かに二人揃えるって言ってましたけど。一人足りません?そちらの方は分かりますけど、…まさかもう一人って…」

「いい加減気付きたまえ。もう一人はサクラ君だよ」

「え、えぇぇぇ⁉️」

「よろしく、『お姉ちゃん』❤️」

すっとんきょうな声を上げてユキはただ唖然とするしかなかった…。

ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム) アピールショット3

「そんなの聞いてません‼️サクラは初心者クラスですよ‼️昨日今日始めたばかりの‼️」

ユキは激しくテーブルを叩いた。その振動で三人の飲んでいるものもゆらゆらと揺れる。

「…おっと。せっかくのコーヒーがこぼれしまうじゃないか。落ち着きたまえ」

「これが落ち着いていられますか⁉️アリスも何か言って‼️」

カーティスがなだめようとするも彼女の興奮は収まる気配がない。アリスが代わってなだめるかと思いきや、

「カーティスから聞いたけど…ユキって。妹のことになると心配して過保護になるって本当だったのね。驚いたわ…」

彼女も関心する始末。そこへ、彼が冷静に言う。

「…いつ、誰がサクラ君が昨日今日始めたばかりの初心者とは言ってないぞ。彼女は二週間前から私とマギーのレクチャーを受けて、私たちがお墨付きをあげるほどのビルダーとしての才能を開花させているんだ」

「…え?…二週間前から…?」

「でへへ…☺️」

サクラは照れながらニヤニヤと笑っている。それが、ユキの逆鱗に触れたのか分からないが、

「でへへじゃないでしょ‼️何で私にそんなこと隠してたの‼️」

「サプライズだよお姉ちゃん?。でも前から一緒にGBNで遊びたかったのは本当だもん。…いつも病室で寂しそうにダイブしているのを想像したらわたしも辛くなっちゃったから…せめて、こっちでは一緒に居ようって…うぅぅ」

サクラの表情がだんだん曇っていき…今にも泣き出しそうな顔をしていた。

「…分かった。分かったから泣くのは止めて。ね?サクラの気持ちは良く分かったから…あなたがわたしの役に立とうって気持ちも良く分かったから」

「…本当?」

上目遣いで彼女はユキを見る。これが、通じたのか、

「本当。ほんとの本当。…ただし、バトル中、決して無茶をしないこと。それと学校の勉強は疎かにしないこと。分かった?」

「…ょし。やった~☺️」

サクラは彼女に見えないようにガッツポーズして素直に喜んだ。

「…今さりげなくガッツポーズしてなかった?」

「え?…してないよ~😅」

彼女はユキのジト目に焦りながら答える。その様子を見ていた周りの三人は、

「ユキの弱点は女の涙ならぬサクラの涙ね」

「…そのようだ。まあ、私も現実世界では人のことを言えない立場にいるのだが…ね」

「僕的には、相当妹さんを甘やかして面倒見ているのが想像できるよ」

それぞれの私見を述べていた。そして、カーティスが声を上げた。

「そういうことだ。ユキ君。サクラ君のエスコート役しっかり頼むよ?」

「…分かりました。サクラのことは私が面倒見ますから。もしものときは彼女のことよろしくお願いします」

彼の問いにユキはサクラのことを託すように答えた。続けて、カーティスは、

「…では、これから作戦会議を始める。相手はー」

彼が言い掛けたその時、意外なところから声がした。アリスだ。

「わたしたちがこれから向かって行うことはGBNでも一部の人しか知らない事実で真実味の無い噂程度は流れているけど…危険が伴うわ。これを聞いて躊躇ったのなら遠慮なく辞退してもいいわ…」

続けて、

「わたしたちがこれから向かうのはGBN内のディメンションじゃなくて『エルドラ』。通称1G1202C。地球から30光年先にあるとされる惑星よ」

「…え。どういうこと?」

ユキはもちろん他の三人も動揺を隠せずにいられなかった…。

ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム) アピールショット4

アリスは語る。

「…ELダイバーのサラ姉さんは知っているよね?『第二次有志連合戦』の発端となった。…元々わたしたちELダイバーは実体のない電子生命体で今こうやってあなたたちと話しているのは電子の海からデータをサルベージする『ビルドデカール』と肉体を成すための『モビルドール』があって始めてこうして存在しているの。まあ、その際の余剰データの違いによって姿や性格が決められるみたいだけど、そこのところは一端置いておくわね」

「ELダイバーの話は分かったわ。それと『エルドラ』のことと、どう関係しているの?」

ユキは真綿に水が染み込むように理解した。他の三人はある程度理解はしているようだ。しかし、何故彼女だけが理解していたかというと、実際に『第二次有志連合戦』に参加していたのだ。AVALON側として。だが、この時ユキは心身共に変調を起こしており戦える状態ではなかった。その後、チャンピオンで隊長でもあるクジョウ・キョウヤに病気を理由に抜けることになったのである。

「じゃあ、ここからは重要な話。ELダイバーでもう一人の姉のメイ姉さんの憶測だけど、かつて『エルドラ』に住んでいた『古き民』は滅びかけた星の再生して願って自身を電子データに変えて宇宙に旅立って行ったの。そして、その因子が開発中のGBNのシステムにたどり着いたことで『エルドラ』と繋がったの。ユキは知らないだろうけど『アルス』という存在がGBNに侵入した事件を知ってる?」

「ああ。あのイベントか。マギーに駆り出されて焦ったぞ。つまり、あれはイベントじゃなくて実際に起こった事件だと?」

カーティスは多少驚いたかのように言った。そして、

「そんなことがあったなんて知らなかった…」

ユキは驚きを隠せずにいた。このとき、彼女は重度のうつ状態でまともな生活すら出来ない状況だった。

「僕もちょうど医療ボランティアとして海外に行っていたからそんなことがあったなんて知らなかったよ」

ドクターXも同じように驚きながら答える。

「あの事件以来、GBN運営は基本的に『エルドラ』へのアクセスを『BUILD DiVERS』以外、禁止にしたの。そして、異常が発生した場合はわたしたちELダイバーが対処することになったのでも…」

「私やカーティスさんが『エルドラ』にアクセス出来てしまった…。まあ、私はあなたに呼ばれて来たわけだけど」

「私の場合はエリアが変わったと思っていたら君たちに出会った訳だが」

すると、アリスはいきなり頭を下げた。

「ごめんなさい。わたしは波長の合う人と話ができる能力があるって言っていたけど、あれは嘘なの…。ユキがわたしに呼ばれて来た…って言ってから勢いでそう言ってしまったの。本当にごめんなさい‼️」

「いいわよ。謝らなくて。でも、声がしたのは本当よ?幻聴じゃないわ…じゃあ、あの声は誰?」

「今は分からないことは放っておきなさい。無理に考えても答えは出ないさ」

ユキの疑問にカーティスは、それは一端置いておくように促した。そして、最後にアリスはこう言葉を締め括った。

「…とにかく。今から行く『エルドラ』はもうひとつの現実…リアルなの。ホログラフィック端末やその他のGBNの機能は使えるけど、一度アクセスすれば二度と戻れなくなる可能性もあるし、身体が傷付いたり、死んでしまったりするかもしれない。それでも行くならアクセス権限を与えるわ。でも、躊躇するなら貝のように口を閉じてこのことは忘れー」

彼女が最後まで言い切る前に、カーティスが端末を表示させて、言い始めた。

「さて、これから作戦会議を始める前にこの五人で『フォース』を結成しようと思うが、…どうする?」

「…ちょっ、待ちなさい⁉️最後まで話聞きなさいよ‼️」

アリスがキレた。もちろんカーティスにだ。

「聞いたからこれからのことを話し合おうと言っているんだよ」

「…私も付き合うに決まっているでしょ。人を最初から巻き込んでおいて、今更引き下がる訳ないでしょ」

ユキもそうするのが当たり前のように答える。サクラも、

「わたしはお姉ちゃんと一緒に居たいから着いて行くだけだよ。アリス?」

「僕は知的好奇心からかな。いまだ人類がたどり着いてない惑星なんて、例え電子的にとはいえ、そりゃあわくわくするさ」

ドクターXも興奮を隠せず、ニコニコして言った。

「あなたたち…バカじゃないの?…でもありがとう。アクセス権限渡すから…」

貶したいのかお礼を言いたいのかアリスは分からずアクセス権限を全員分転送する。すると、サクラが手を挙げた。

「『フォース』の名前はアリスに関わることにちなんで『Alice Divers』がいいと思います☺️」

「『Alice Divers』か。安直だが悪くないよ」

「いつも変な名前付けるサクラにしてはずいぶんまともね」

「お姉ちゃんひどいよ~わたしだってたまにはまともな名前を付けるよ~😅」

「そんなにサクラちゃんのネーミングセンスはひどいのかい?」

「酷いってものじゃないですよ。ドクター。彼女のガンプラの武装の名前があまりにー」

『フォース』の名称を決めるはずがサクラのネーミングセンスの悪さの話に刷り変わりつつあったので、カーティスは一度咳払いをして、

「…とりあえず名前はその名称で登録しよう。リーダーはどうするかね?」

そう彼が言った途端に、ユキたちの人差し指がカーティスの方を指した。

「はぁ…やっぱり私か。元々、向きじゃないんだが仕方ないか…」

本当に困った表情で、端末で『フォース』の登録を済ませる。その様子を見て、ユキは不思議そうに尋ねた。

「『向き』じゃないってどういうことですか?私から見ればカーティスさんはリーダー向きだと思うんですけど…?」

「ああ。そのことかい?私は現実世界では妻子持ちでね。もうこれが妻も娘も胆がすわっていてGBNにダイブするためのお小遣いもしっかり管理されていて、娘には年上の彼氏が出来たみたいでもう不安で不安で仕方ない…現実世界では外弁慶って奴だよ」

「ちなみに僕が聞いた話だがカーティスは国際結婚って奴だよ。東欧系の美人さんだそうだ。娘さんはそのハーフ。モテない訳がない…という訳さ」

カーティスの答えにドクターXも付け足す。どうやら、二人は長い付き合いみたい。プライベートなことを話すくらいには。

「何か…色々大変なんですね。すいません…リーダーを押し付けて」

「なに。構わないさ。この面子でリーダーが務まりそうなのは私くらいだろう…さあ。気を引き締めて作戦会議だ。これから転送するのは私がユキ君たちを助けた際に何とか記録したマップだ。皆端末を表示してくれ」

端末に表示されたのは真ん中に一本のメインストリートがあり、周囲は細い路地で構成された村と街の中間のような場所だった。

「このメインストリートは南北に走っていてその北側にセラヴィーガンダムGNHW/3Gがいるとされる。確定ではないが」

マップの北側に黄色い三角形マーカーが表示される。

「このガンダムは背中に三機のMSを抱えており、真後ろにセラヴィーガンダムの本体となるセラフィムガンダムがあり、左右にセムというMSを一機ずつ抱えている。数ではこちらに分があるが、ここからが問題だ」

マップに表示されたマーカーが四つに増えて左右に一つずつ配置され、残りの二つは縦に並んだ。

「この配置はセラフィムガンダムが持つ特殊なシステム…トライアルシステムを発動するためのものだ。このシステムは太陽炉搭載機に対して機能停止に追い込む。セムはそれの有効範囲を拡げるためのMSだ。ここまでで質問は?」

「はい」

「何だね。サクラ君?」

手を挙げたサクラは疑問に思ったらしい。

「もしかして、この中に太陽炉を搭載しているガンプラが在るんですか?」

「ああ。一人だけいる…アリス君だ」

「アリスだけですか?疑って悪いと思いますけどドクターのは…」

「僕のガンプラは∀ガンダムだよ。だから心配しなくていいよ」

「∀ガンダムがどんなガンダムか分からないけどとりあえず安心しました」

サクラはそれに一応納得して、カーティスに話を続けさせようと促す。

「さて、この時点五対四から四対四になり、なおかつアリス君を守りながら戦わなくてはいけない。そこでだ、セムと戦う役とセラヴィー、セラフィムの二つを相手取る役、アリス君を守る役に分けようと思う」

マップに青い三角形のマーカーが五つ表示され、それが左右に一つずつ配置され、残りの三つの内、一つは北側の二つの黄色い三角形のマーカーの近くに配置された。残り二つはそのままの配置になった。

「左右の黄色い三角形のマーカーはセムと思われる。セムはMSと言っても、あくまでもトライアルシステムの増幅機能に特化したものだ。戦闘能力はそこまで高くないはずだ。なのでここはサクラ君とユキ君に。アリス君の護衛にドクター。お願いします。私はセラヴィーとセラフィムの二機を相手取る。その間、ユキ君とサクラ君はセムを撃墜し、私のサポートに回ってくれー」

カーティスが作戦内容を話し終わり切る前に、

「カーティスさん。お願いがあります。セラヴィーとセラフィムの二機の相手は私にさせて下さい。お願いします…‼️」

何とユキが頭を下げ、彼に作戦内容の変更を言って来たのである…。

つづく…。

ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム) アピールショット9

今回は全体的に文章に情報量が多くて、申し訳ありません。どうしてもELダイバーやエルドラの説明を入れておかないとダイバーズやリライズで何が起きたか、分からなくなるので。エルドラへ行けるのはリライズの『BUILD DiVERS』以外禁止やアクセス権限。異常はELダイバーが対処する云々などは独自設定です。

あと作戦会議のマーカーの形と色はリライズに合わせてます。

ちなみに最初、文章を書いたときはエルドラに行くシーンはもっとシリアスで作戦会議まで書けませんでした。…ところが一度、ガンスタを開いているタスクを下書き記録せずに閉じてしまい、もう一度、書き直すはめになりました。そして、今の文章に変えて書き直しました。以上、あとがき駄文でした。

追記:

8話以降の投稿は作者の体調ともっとお話に没入感を出すできる限りの努力をするため、いつもより遅れそうなので申し訳ありません。

ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム) アピールショット10

さて、ここからは∀ガンダム制作について、意外と、細かい部分塗装の箇所が多かったです。

あと、ハンマー付けて欲しかった…。MGじゃ付いていたのに…。

ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム) アピールショット11

洗濯後の天日干しシーンを再現しました。これ、意外と全体の角度が難しかったです。

ガンダムビルドダイバーズRe:ALICE 第7話 Dr・∀ガンダム(ドクターンエーガンダム) アピールショット12

最後にコアファイターこんな小さくても裏側はモールドがびっしりでした。

今回はユキの協力者が全員集合します。ドクターXはRe:RISEのパル的な立ち位置です(財力は下位互換とアバター的にですが)

コメント

  1. Zoo 2か月前

    ガンプラの出来もさることながら、純粋にストーリーが読み応えたっぷりで非常に良かったです。
    時間があるときに、過去作もじっくり読ませていただきます。

  2. Acra.Jc 2か月前

    コメント失礼します。

    しっかりと読ませていただきました!!
    また続きが気になる終わりかたですね~♪個性のある仲間達もでてきて「行くぞ!冒険」って感じがしました。まぁ、エルドラはもう1つのリアルだろうから覚悟がいるでしょうね…
    途中のエルドラやELダイバーの説明はアニメを見ていたこともあってか、より分かりやすく感じました。最後の「貝のように口を閉じ…」はカッコいいキメゼリフですね♪

    Dr.∀ガンダム!ネタ機体かと思いきや月光蝶とかガチじゃないですか!すごくロンメルさんのライバルのようなニオイがプンプンします!!

    最新話、ご連絡ありがとうございます!まだまだゆっくり読ませていただきます。

    長文失礼しました。

    • yukihiro 1か月前

      ここまでの話に対して辻褄が合わない部分があったので最初から見直して加筆訂正しています。もし、機会があれば読んで下さると嬉しいです。

    • yukihiro 2か月前

      実は貝のように口を閉じて…の台詞は私の大好きな漫画機動戦士クロスボーンガンダム1巻のキンケドゥというキャラが主人公に言った台詞からリスペクトしてます。

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