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終焉への鎮魂歌
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終焉への鎮魂歌

地球連邦軍初の快挙である、モビルスーツが開発され、新たな世界の礎となったあの日から、幾許かの月日が流れた。

物語は、静かな墓場から始まった。

モビルスーツの墓場を訪れた私は、とある壊れた機体を引き取った。
光を浴びて静かに眠るその姿は、兵器とは思えぬほど、美しかったから。

調べてみると、私が引き取った機体は、かつての戦争でのちに英雄と呼ばれる者を、陰で支えた機体であった。
後方支援機であり、両腕を失ってもなお、パイロットの希望で出撃し続けた機体だった。

終戦を迎える少し前に、パイロットが亡くなったことで、出撃をしなくなったらしい。
この機体を操れるのは、そのパイロットだけだったようだ。
機体を引き取った私は、すぐに腕の修理を始めた。
パーツ自体はすぐに入手できたが、このまま取り付けるのも味気ない。なにか面白い、この子にしかない特徴をつけてあげたい。

そう思っていた矢先、機体に変化が訪れた。
翼が、生えてきたのだ。

あまりにも唐突な変化に、対応できない。
漆黒の翼が、妙に生物めいた動きを見せ、不気味な音を立てる。

ぽかんと見つめているうちに、翼はどんどん成長し、大きくなっていく。
このままでは、機体を内側から破壊してしまう。

その時、目に付いたのは、金に光る鎖だった。それを手に取り、機体に鎖を巻きつけて固定をする。
翼の成長を食い止めるための鎖が、ミシミシと悲痛な叫びをあげる。
動こうと、羽ばたこうしているのだ。

こんな鎖など、すぐに引きちぎられるだろう。
だがそれでも、なにもしないよりマシだった。
さらに鎖を追加し、地へ固定する。
その翼に触れた時、声が聞こえた。

「私たちが命を賭して守った、その未来がコレだというのか。こんなもののために、私は死んだというのか」

それは、小さな声だった。
耳を澄ましてようやく聞こえるほどの、小さな、悲痛な咆哮だった。

怒りでも、憎悪でも、悲哀でもない、例えようのない感情が、洪水のように流れ込んでくる。
混乱した私は、ただその場にひざまずき、土下座をするが如く、地に突っ伏して泣いた。
ひとしきり泣いたあと、私はただ一言、
「ごめんなさい」
とだけこぼした。

返事は、なかった。
そして、機体はもう、話すことも、動くこともなかった。

記憶の水底に沈められた、或る一機のモビルスーツの、起動音が響く。

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