「最高にカッコいいドラッツェ改を目指して」
0083年、暗礁宙域にて目撃された機体。
わずかな画像と技術メモのみが残されている。
最大の特徴は頭部で、ザクの頭部を流用し複座式に改造されていたようである。
型式番号は不明だが、肩部スラスターの形状から便宜上「MS-21D」と呼称する。
パイロットはヴェルナー・クライス。
背部にMIP社製PX-09 パルス・キャノン、
脚部にZ2TEX社製VEM-04A 電磁アサルトライフルを装備している。
※ Z2TEX=ジオニックとツィマッドの合弁企業
MIPおよびZ2TEX製の装備がどのように調達されたかは不明である。
しかしヴェルナーが元ジオニック社の技術者であったことから、
彼の人的ネットワークや技術的知見を通じ、非公式ルートで入手したものと推察される。
機体には「ジオニック」のマーキングが施されており、
これが軍の正式配備ではなく、企業ベースの技術流用による独自調達であることを裏付けている。
また、脚部内側や腕部などには申し訳程度に「ジオンマーク」が残されており、
これは「ジオンマークが無ければデラーズ・フリートへの参加が認められなかった」という証言と符合する。
そもそもドラッツェ自体が寄せ集めの機体であり、
破損や欠損部分の差し替えによって一機ごとに仕様が異なる。
その中でも本機は、異質な兵装構成と複座化という改造により、
特に異彩を放つ存在であった。
ヴェルナー終戦時の乗機MS-06F2との比較
機体解説
・本機は「盾なんかいらない」を体現する徹底した後方支援機。遠距離からの援護射撃に特化している。
・よって近接武器なし、バックパック縮小も「速度より航続時間を優先」するための処置。
・メインコックピットは胸部に維持。
・副操縦士は頭部のサブコックピットで索敵/監視/射撃補佐/状況管理/通信/パイロットの精神的サポートを行う。
・ただし頭部はほぼ無装甲で、被弾時の即死は免れない。
武装解説
MIP社製 PX-09 パルス・キャノン(中距離用)(Pulse eXperimental-09)
・一点突破よりも弾幕形成を重視。
・極短周期の断続ビームを連射可能。
・リコイルによって最大12発を連続射出でき、再充填には約2秒。
・継続的な火力投射によって味方の突撃を支援する役割を担う。
・通常のビーム・ライフルと違い、収束度は低めだが、広範囲に薄く弾を撒けるのが強み。
Z2TEX社製 VEM-04A「VENOM」 電磁アサルトライフル
・正式名称は Violent, Energy, Neutralizer Overdrive Module「暴力的なエネルギーで敵機能を無力化する、限界出力モジュール」。
・一部の資料では Violent-Electro-Magnetic とも表記される。
・口径は小さいが初速10km/sという桁外れの兵器。
・直撃すれば即死級の破壊力を持つ、トンデモ系実験兵装。
・中距離のパルス・キャノンと組み合わせ、長射程を補完している。
ジオニック社製 3連装ミサイルポッド(MPL-3N-Mk.2)
・支援機としての「遠距離火力」の一端を担う。
・大型兵装と合わせ、安定した支援力を確保。
Z2TEX(ジーツーテックス)
・正式には Zeonic-ZIMMAD Technical Experimentation eXtension。
・ジオニック社とツィマッド社が共同で設立した技術実験拡張部門。
・主に試作機や実験兵装の開発・運用を担っており、革新的な新技術兵装を多く生み出してきた。
・ヴェルナーも設立初期に短期間ながら深く関わっていたと言われている
制作こぼれ話・改造内容
最高にカッコいいドラッツェ改を目指して
制作期間:1か月半
「自分のイメージにどこまで近づけられるか」に挑戦しました。
素組ではどうしても納得できない部分が多く、そこから徹底的に手直しを加える方向へ。
気になった点と修正方針
・元キット:プレミアムバンダイ限定販売 MS-21D1 ドラッツェ改(2016年5月)
・足が長すぎて付け根が貧弱に見える → 脚部を短縮。結果的に付け根が太くなり、安定感が増した。
・バックパックがカッコ悪い → フィンを含めて短縮、全体のバランスを調整。
・頭部の違和感 → 大好きな旧ザクの頭部を元に後部延長したものを作成(エイリアン的シルエットを意識)。
・肩関節のむき出し構造 → より説得力を持たせるような構造に変更。
武装面でのこだわり
・元キットのガトリングはマガジンが無く不気味だったためオミット。
・代わりに「フック船長」マシンガンに戻し、リベット感を強調。
・キャノン追加:エネルギーパック+接続ケーブルを自作、充電ランプは子供の発案を採用。
・脚部装備:3連装ミサイルポッドだけでは物足りないので、超強力なアサルトライフルを追加。
・各武器は別会社製、ヴェルナーの人脈で集めたという設定にリンク。
キャラクター設定とのリンク
・パイロットはオリジナルキャラ「ヴェルナー・クライス」。元ジオニック技術者という背景に合わせ、武装の調達理由やマーキング設定を落とし込んでいる。
・マーキング:ジオニックを3か所(時代的には存在しないが“ヴェルナーはいつまでも技術者”という解釈)。加えて小さくジオンマーク(デラーズフリート参加条件)。
・各社ロゴ・武器名を強調、提供元が武器提供の代わりに社名露出を希望、MIP社は戦後にロゴ変更したという裏設定も盛り込み。
ディテール・塗装
・スジ彫り・ディテール追加は最小限、あくまで「自作武器と頭部」が見どころ。
・機体色は当初は緑寄りを検討したが、最終的にドラッツェの青をベースに彩度を落とし渋めに。
・無難な塗分けに抑えつつ、武器は企業ごとに塗装を差別化:
ジオニック=グレー
MIP=ガルグレー
Z2TEX=メタリックグレー
ハプニング編
今回も例に漏れず、小さな事故やトラブルが連発しました(笑)
・紛失:脚の接続部とアンテナ、どこいった!?(未だに行方不明)
・破損:アクションベースの基部が「ミシッ」→パキッ!で死亡
・あったはずのガルグレーがどうしても見つからず、夜ヨドバシへダッシュ
・油彩のチューブがカッチカチで断裂 → 廃棄
・Mr.カラーC118(RLM78ライトブルー)を間違って2個買ってた、しかも、今回一切使わなかったというオチ付き
・指のケガ:右×2、左×1
あとがき
今回、50目前にしてギリギリでガンプラに戻ってくることができました。
それも、誘ってくださった皆さんのおかげです。本当に感謝しています。
1年に5体作れたとして、あと50体。これが現実。
でも、作りたいものはまだまだあります。戦車も含めれば、ストックは100近く…。
(いや、ほんとに減らない)
でも、時代は変わりました。
いろいろな機材やツールも揃ってきていて、改造のハードルは確実に下がっている。
3Dプリンターやデジタルモデリングの力も借りながら、
これからは時間節約・なるべく楽して、でもこだわるところにはこだわって、
自分なりのペースで続けていけたらと思っています。
最高にカッコいいドラッツェ改を目指して、「自分のイメージにどこまで近づけられるか」に挑戦しました。
コメント
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さ、最高にカッコいいです🤤✨
バトオペで散々泣かされてきた宇宙の覇者が、射撃性能も強化され、何とも硬そうな増加装甲が戦意を完全に失わせますね✨
戦場で一番会いたくない機体、No.1✨無意識にフォロー押しちゃいました笑
作成コンセプトから細かな設定まで最高に格好良いドラッツェですね(zaku-kao2)
自分もドラッツェが手に入ったらいつか改造したいなぁと思っておりましたが、こんなにも素敵なドラッツェが見れるとは(zaku-kao6)
実際、私生活で色々あって計画通りに制作活動を行えないのが常ですし…、身体的な問題なんかも出てきたりするとあと何体作れるんだろうと考えることはありますね😔自分は後悔しそうなので極力多くは積まないようにしていますが、まんすこザメルさんがよりよい制作活動を送れるよう願ってます☺️
meg-oceroさん、コメントありがとうございます!
設定まで読んでいただけて嬉しいです。「最高に格好良い」なんて…素直に受け取らせてもらいます!
自分の中でも、このドラッツェはone of the mostです。
>あと何体作れるんだろうと考えることはありますね
本当にそれ、共感します…。60歳まではなんとか行けても、70代でバリバリ改造はちょっと想像できないんですよね。
なので最近は、余分な積みプラは知人に斡旋したりして、無理なく作りきれる量に整理中です。モデラー的終活とでも言いましょうか(笑)
ストックを抱えすぎずにコントロールされている姿勢、すごく参考になります。
お互い、無理のないペースで、末長く楽しんでいきましょう。
あたたかいお言葉、励みになりました!ありがとうございました。
こんなん戦場で出くわしたらバックで逃げるわwってくらいカッコイイですw
いやーホント昔に比べたらいろんなツールが安価で買えて便利な時代になりましたよね、逆にガンプラは買いづらくなりましたけどw
hallyさん、ありがとうございます!
「出くわしたらバックで逃げる」って、最高のほめ言葉ですw 嬉しいです!
本当に、昔に比べてツールは増えて、ネット上の参考資料にも事欠かず嬉しい限りですが…
ガンプラ本体はマジで見つからない!
一年戦争ジオン系なんて再販されても、店頭で見かけることほぼないですよね。
ちなみにこのドラッツェ改、今は中古相場で1万円超えとかになってて、
「いや、それ、まにあわせの量産機だったよね…?」って突っ込みたくなります(笑)
最早後継機扱いでいいのでは?
okinasanさん、はじめまして!コメントありがとうございます。
後継機扱いでOKとは、うれしいですね!
「ザク頭型が実は試作初期案だった」「ヴェルナーがドラッツェの設計にかかわっていたかも」という自分的裏設定もあって、頭部の改造はむしろ原点回帰という見方もできます。
ザク2F2のボディ流用で、頭部を新規開発する理由が見つからなかったもので・・・
ドラッツェ = MS-21C = DRA-C = コードネーム「ドラゴン」のC型(ドイツ語のアー、ベー、ツェーのツェ)
ドラッツェ改 = MS-21D = DRA-D = ドランデ(ドイツ語のデー)
ドラッツェ偵察型 MS-21E = DRA-E = = ドラエル(ドイツ語のエー)
という、これまた自分的裏設定もあったりします。
設定とか考えるのが本当に大好きで、公式の隙間を縫って、納得できない設定も実は~だったのように、自分を納得させながら生きてますw
今後ともよろしくお願いいたします。
ガンプラ復帰第一弾です。コメント・交流も大歓迎です!よろしくお願いいたします!
ジオン機体を愛する社会人モデラーです。
旧ザクやドラッツェなど、地味な機体にこそ浪漫があると思っています。
長らくブランクがありましたが、模型趣味に復帰。
今後は3DプリンターやBlenderなどのデジタル技術も活用しつつ、無理なく楽しく製作して逝ければと思っています。
昔のような気合と根性の工作はもうできません(笑)
制作スタイルは、
「自分がカッコいいと思える形に近づけること」。
オリジナルキャラや世界観を設定するのも好きで、機体を“生きた存在”として成立させることを大事にしています。
投稿作例では、できる限り制作記録や設定、失敗談なども残していきたいと思っています。
コメント・交流も大歓迎です!