カッコいいMSを作りたい！〜バトンをつなぐ〜

　『歴史』

①ガンプラ黎明期

　遥か40年以上前、テレビ再放送で「機動戦士ガンダム」を見て、躍動するシャア、奮戦虚しく散るランバ・ラル、アムロに翻弄される黒い三連星を見て胸震わせた一人の少年は、ジオニストへの萌芽を無意識に歩み始めていた

　胸のトキメキのまま、おもちゃ屋に走った少年は、人生の不条理を初めて学んだ　最初のガンプラブームで人気キットが手に入らないのだ　当時は情報を得る手段もなく、アッザムリーダーとサラミスばかりが棚晒しになっているのを眺める日々が続いた　結局、真っ白いガンダムと1/60シャアザクを組んだのみ　劇場版三部作を見終えて、少年の最初のガンダムブームが終わった…

②ガンプラ爆発期

　少年は大人になり、「平成の機動戦士ガンダムが放映される」という話を聞いて、昔を懐かしんでテレビをつけた…炎の中、立ち上がるストライク、ジンの攻撃をはねのけて殴り飛ばすストライク、マリュー・ラミアスの揺れる胸に頭を焼かれた男はヨドバシカメラ・ホビー館（当時は新宿・紀伊國屋書店の裏手にあった）に走った

　なんと！そこにはガンプラのパライソ（天国）が広がっていた　ファースト、ゼータ、ダブルゼータ、08小隊、0080、0083、V、G、W、F91などあらゆるシリーズのキットが山積みされていた勿論、SEEDのキットも

　男はゼータ以降のガンダムを履修しつつ、狂ったように組んでいった…素組みのままに…　実際、毎週のように新キットが発売されていた黄金時代だったのだ…男はSEEDとSEEDdestiny見続け、一喜一憂しつつ、SEED劇場版を待った…待った…待ち続けた…男は仕事に忙殺されるようになり、次第にガンプラから遠ざかり、SEED劇場版への絶望を胸にガンプラを封印したのであった…ただ二本のニッパーを残して…

③ガンプラ開眼期

　ある日、男は旧ツイッターで驚天動地の報せを得る　「ガンダムSEED劇場版、近日公開！」

　男はなじった「今更、やるだと！信じられるか！」と…

　だが、公開が１日、また１日と近づくに連れて疑いが確信に変わりつつある中で、吸い寄せられるようにヨドバシカメラに行った　しかしかつての黄金時代が嘘のように閑散とした売り場、限られたキット

　「寒い時代と思わないか…」男の脳裏にワッケインの言葉が蘇った

　それでも男は久々にファーストのガンダムやザク、EGのストライクなどを組み、進化したキットに驚嘆した　入手しづらいキットとは別にガンダムの食玩Gフレームやモビリティジョイントガンダムとも出会った

　最初はどれも素組みだ　スミ入れ・部分塗装・缶スプレー塗装と沼に足を踏み入れ、次第に全塗装へと至るのであった　HGキットやGフレームが男の主戦場…ある日、GフレームFAのドムを砂漠仕様に塗装したのが、一気に沼にハマる契機であった

　そう、男は、フリーダムウイングはついにガンプラに真に開眼したのだ…そして今…

　『製作へのこだわり』

　大前提として最初のタイトルであげたように「かっこいいMSを作りたい」があります

　ならば「かっこいい」とは何か？以下の三点が私の考えるかっこ良さの構成要件です

　①実存性を高める　ガンプラは子供に買わせたい為に原色を多様したものですが、年を経るにつれて物足りなくなりました　皆様も同じと思いますが、「現実に存在する姿を見たい」と思った時、オリジナルカラーはあまりにも派手…　実在の兵器や建設機械を見れば地味な色で無骨な存在です　まず出来るのは単純なカラーの変更です

　②ミリタリー属性を強める　参考になるのは実際の兵器と歴史です　具体的には第一次世界大戦から現代のウクライナ戦争（未だ終わりを見ない戦争に安直に呼ぶべきではないかもしれませんが）に至るまでの兵器と戦い方の変遷です

　戦争は時代・地域・状況により千差万別　どれ一つ同じものがありません　ただ、そこに生きる人々は誰しも「故郷を守って再び帰りたい」という切なる思いがあります　そう考えた時、兵器はその土地の色・気候に合わせた色に変えられます　鉄の黒からグレーやジャングル迷彩、砂漠迷彩、冬季迷彩などなど…私もそれを意図して色を決めています

　③ポージングへのこだわり　撮影やポージングが上手い人は世間に沢山いらっしゃるので、私ごときが言うのは烏滸がましいですが、参考にしている言葉があります　文化勲章を授与された彫刻家・中村晋也（なかむら　しんや）先生の言葉です

　「私はその人物がもっとも輝いていた瞬間を切り取って表現したい」　意訳ですが、これは先生と対面して直に伺った言葉です　先生は日展での作品発表の他、日本各地で歴史上の人物の銅像製作にもあたられています　鹿児島市の大久保利通卿立像やJR伊集院駅前の島津義弘公騎馬銅像、熊本県菊池市の菊池武光公騎馬銅像、宮城県の片倉景綱公坐像など…興味を持たれた方は調べてみて下さい

　MSが最高に輝いた瞬間を考えると、やはり戦闘の一瞬を切り取った状況でしょう　故に私はMSのモノアイやツインアイ越しの視線と銃口・砲口は一致させます　敵を倒そうとする者が、相手から視線をそらすことは死を意味します　そこさえ抑えれば、あとは劇中の名シーンを真似ていけばいいと思います

　最近、二千を越える人々に見て頂いたフリーダムガンダム　ありがたいことです

　道具　私も皆様と同じ道具を使っているので、大げさに語ることもありませんが、スミ入れ用に画材屋の世界堂さんでFABER-CASTELLのアーティストペンを見つけて愛用しています　このタイプは黒のみ、太さが0.3 と0.1と 0.05があります　0.1を主に使い、後は状況次第で使い分けています

Gフレームシリーズとの出会い　

　昔のようにガンプラが潤沢に供給されていればいいのですが、今現在は難しいです　ノンスケールではありますが、食玩のGフレームです　入手しやすいものを、すきな色に、ガンスタなどで知り得た技術を試す試験台として、ポージングもし易いので、大いに助けられています　Gフレームで試した技術や思いつきをガンプラにフィードバックしているので、ガンプラとGフレームは私にはなくてはならない存在です

　バンダイ・キャンディ事業部のGフレーム担当者さま、ありがとう！！　ガムは噛まないけど　笑

　Gフレーム SEED勢の皆様　あいつらがいないな…

　Gフレーム　ガンダム・ジム達　ガンキャノンも欲しいよね　再販してください　あ、前列左端のガンダムは体験版ガンプラです　 

SDさん達

　ﾒｲﾄﾘｸｽ「おい　続きはいつだ！」

は、はい　いくつか作らなければならないのもあるので、年明けには再開します

　ここまで読んで頂いてありがとうございます！　最後にバトンを繋いでくれた愉快な仲間たちを紹介するぜ！　敬称略

「バレーボールおじさん」→「ニャア軍曹」→「さーしーすー」→「ヨッチャKID」→「ASUR」→「meg-ocero」→「mototti」→「ろぶやん」→「ape100」→「TOMSIM」→「おやプラ」→「sc30」→「猩々（しょうじょう）」→「Hiro0079」→「グフカス大好き」→「アッポー」→「フリーダムウイング」（イマココ）

　さて…次に指名するのは…ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥル…（ドラムロール）…

　「薩摩模型塗装工務店」さん！君に決めた！　読んで、その気になったらオネシャス！！