刻限のゼルトザーム-暴走-

ゼルトザームの放った槍は右腕のアーマーを容易く破壊するが―――

ヒロトも足からミサイルを繰り出し、槍の破壊に成功する。

「リミテッドチェンジ！」

ヒロトはサターンアーマーから右腕のアーマーを喚び出し、剥き出しになったコアガンダムの腕を覆うように装着する！

右腕のブレーカドリルを回転させ、ゼルトザームへと繰り出す！

「…シドー・マサキ！目を覚ませ！お姉さんが、ミズキさんが待ってる！」

「……！…」

「……殺せ…！……殺して、くれ…！」

「俺は、この手で…！もう、取り返しの、つかない…！」
マサキは姉の名前に反応するも、エルドラの民を襲ったという自責の念が彼を責めていた…。

「君に守られた人たちもたくさんいるはずだ！本当の君に！」

「戻れない…！戻せない……！」

「そんなことはない！やりなおすんだ！！」

「……もう…！」

ゼルトザームが変容していく。元々凄まじかったパワーは更に増し、全身から触手のようなものが溢れだす…！

「うわぁぁぁぁっ！！」
その触手にヴィートルーガンダムはあっという間に蹴散らされた…！

《CAUTION》《CAUTION》《CAUTION》

《CAUTION》《CAUTION》《CAUTION》

《CAUTION》《CAUTION》《CAUTION》

ゼルトザームのコクピットを無数の警告の表示が展開される。

「…く、ゥ…！ウゥワァァァァァァァァ！！！」
ゼルトザームから漏れでた力が周囲に放たれ、量産タイプのエルドラ機たちがその衝撃に呑まれて散っていく。

ゼルトザームの首は異様に折れ曲がり、触手が広がっていく。

ゼルトザームの5つの目が怪しく光る。
シドー・マサキの辛うじて残っていた意識は消えさった。
宇宙でのビルドダイバーズとの戦闘以降、これまでも暴走はしていたが、異様な姿と化したゼルトザームは、それを遥かに凌駕していた。