ザクヘッド(筆塗り)

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長年使い方に悪戦苦闘していたアクリジョンをどうにか活かせないかと、カプセルトイのザクヘッドを実験台に筆で塗装しました

同社から販売されている水性ホビーカラーよりもさらに低臭で、しかも完全硬化後はかなりの塗膜強度を持つアクリジョン(乾燥と硬化は別です)

しかし筆で塗装する場合にはやたら筆の跡がベッタリと目立ったり、塗膜の厚さでモールドが潰れたり、色ごとに隠蔽力が極端に違うなど、その特殊性に何度も打ちのめされました…

「1/144のMSのキレイなベタ塗りには難しいけれども、もっと大きなスケールのものならば、ある程度筆の跡があっても味(戦車プラモの雨だれ汚れの様に)として見ることも出来るし、隠蔽力もコントロール出来そう」

なにより近年水性塗料について、たくさんの情報がネット上や雑誌面で得られるようになり、性質や扱い方も自分の中で少しづつ解って来たというのが製作の始まりでした

現在はアクリジョンでベースカラーという下塗り向け塗料が出ていますが、今回のザクヘッドは海外製の白いプライマーを使用して塗装開始一度白くしたのは単純に色の発色を良くするため(元の成型色は量産型ザク)海外製のプライマーを使用したのは白の発色がすごく優れているからとかではなく、使いかけで余っていたというだけの理由です凹み部分には影色になりそうな暗い色を塗装

現在はアクリジョンでベースカラーという下塗り向け塗料が出ていますが、今回のザクヘッドは海外製の白いプライマーを使用して塗装開始

一度白くしたのは単純に色の発色を良くするため(元の成型色は量産型ザク)

海外製のプライマーを使用したのは白の発色がすごく優れているからとかではなく、使いかけで余っていたというだけの理由です

凹み部分には影色になりそうな暗い色を塗装

イエローやブラウン系などをザクカラーのグリーン系の色に混ぜたり混ぜなかったり様子を見ながら希釈は廃盤により現在では入手が難しいと思われるアクリジョン専用薄め液(青いラベルのやつ)アクリジョンは塗膜が弱いという意見をたびたび目にすることがありますが、5~10分で見た目は乾燥していても、表面を指で軽く触って塗面がペタペタしている状態では塗膜が完全に硬化していません完全硬化前の塗膜にパーツのエッジや硬いものが当たったりして、塗膜が剥げたりしていることがそういった情報が流れる要因ではないかと思っていますパーツ表面の塗料が一旦乾燥した後にドライヤーで弱い温風をしばらく当てると、それまでペタペタしていた塗膜がツルツルに変化するのがわかるはずなので、一度お試しなってみてはいかがでしょうか

イエローやブラウン系などをザクカラーのグリーン系の色に混ぜたり混ぜなかったり様子を見ながら

希釈は廃盤により現在では入手が難しいと思われるアクリジョン専用薄め液(青いラベルのやつ)

アクリジョンは塗膜が弱いという意見をたびたび目にすることがありますが、5~10分で見た目は乾燥していても、表面を指で軽く触って塗面がペタペタしている状態では塗膜が完全に硬化していません

完全硬化前の塗膜にパーツのエッジや硬いものが当たったりして、塗膜が剥げたりしていることがそういった情報が流れる要因ではないかと思っています

パーツ表面の塗料が一旦乾燥した後にドライヤーで弱い温風をしばらく当てると、それまでペタペタしていた塗膜がツルツルに変化するのがわかるはずなので、一度お試しなってみてはいかがでしょうか

適宜ブルー系の色なども重ねて一つの面がベタ塗りの均一の色にならないように注意して塗り進めましたこの辺りのグリーンはルマングリーンやデイトナグリーンの明るいグリーンをメインに使用して暗くなり過ぎないようにしています筆に取る塗料が多すぎるとすぐにモールドが潰れるので常に調整が必要

適宜ブルー系の色なども重ねて一つの面がベタ塗りの均一の色にならないように注意して塗り進めました

この辺りのグリーンはルマングリーンやデイトナグリーンの明るいグリーンをメインに使用して暗くなり過ぎないようにしています

筆に取る塗料が多すぎるとすぐにモールドが潰れるので常に調整が必要

カーキグリーンをメインに混色した色を多く塗った所、いきなりかなり暗くなってしまいました…アクリジョンはこれが難しいところ…色ごとに極端に隠蔽力が違い過ぎるのですブラウンやイエローもまだ多少読み取ることが出来ますが、暗いグリーンにかき消されてあまり目立たない状態になってしまいました

カーキグリーンをメインに混色した色を多く塗った所、いきなりかなり暗くなってしまいました…

アクリジョンはこれが難しいところ…色ごとに極端に隠蔽力が違い過ぎるのです

ブラウンやイエローもまだ多少読み取ることが出来ますが、暗いグリーンにかき消されてあまり目立たない状態になってしまいました

隠蔽力の特に弱い原色イエローやルマングリーンを何度も重ね塗り、明度を上げてなんとか暗すぎる状況を回避他の塗料と違い、前の塗面を溶かして定着するわけではないので、色付きのフィルムを何回も被せていく様なイメージが近いと思います

隠蔽力の特に弱い原色イエローやルマングリーンを何度も重ね塗り、明度を上げてなんとか暗すぎる状況を回避

他の塗料と違い、前の塗面を溶かして定着するわけではないので、色付きのフィルムを何回も被せていく様なイメージが近いと思います

明度は上がったものの、彩度が低いと感じたので、蛍光グリーンを混色したグリーン系の色でさらに上塗りこれ以上やるとモールドがダルくなりそうだったので、ここで打ち止め(最終的に塗装開始から20回ほど塗り重ねました)その後、動力パイプのグレーも同様の手法で塗ってみたのですが、グレーはどれも隠蔽力が高い色が多く、どうにも上手くいかず、グレーだけは最終的に諦めて他社の水性塗料で塗装することに

明度は上がったものの、彩度が低いと感じたので、蛍光グリーンを混色したグリーン系の色でさらに上塗り

これ以上やるとモールドがダルくなりそうだったので、ここで打ち止め(最終的に塗装開始から20回ほど塗り重ねました)

その後、動力パイプのグレーも同様の手法で塗ってみたのですが、グレーはどれも隠蔽力が高い色が多く、どうにも上手くいかず、グレーだけは最終的に諦めて他社の水性塗料で塗装することに

貼り付けたデカールが古いもので、貼り付ける前のデカール保護のために塗ったクリアーが厚くなってしまい、貼り付け後も段差が結構目立ったので、貼り付け後にラッカーのクリアーを厚く吹いて1500と3000のスポンジヤスリで研ぎ出してデカールの段差を無くしました研ぎ出しは本来必要無い工程でしたが、結果的にはデカールの段差も全く目立たず、むしろキレイになって良かったですグリーン部分は影色に残したブラウンのアクリジョンがかなり残って活きていたのと、せっかく作ったアクリジョンの塗面がよく分からなくなるのが嫌だったので、モールドをもう少しだけ強調するためにステインブラウンを極少量使用した以外はウォッシングは全く何もせず動力パイプはさすがに印象が弱かったのでステインブラウンをウォッシング兼スミ入れに使用台座は黒下地にガイアカラーのステンレスシルバーを吹きっぱなし

貼り付けたデカールが古いもので、貼り付ける前のデカール保護のために塗ったクリアーが厚くなってしまい、貼り付け後も段差が結構目立ったので、貼り付け後にラッカーのクリアーを厚く吹いて1500と3000のスポンジヤスリで研ぎ出してデカールの段差を無くしました

研ぎ出しは本来必要無い工程でしたが、結果的にはデカールの段差も全く目立たず、むしろキレイになって良かったです

グリーン部分は影色に残したブラウンのアクリジョンがかなり残って活きていたのと、せっかく作ったアクリジョンの塗面がよく分からなくなるのが嫌だったので、モールドをもう少しだけ強調するためにステインブラウンを極少量使用した以外はウォッシングは全く何もせず

動力パイプはさすがに印象が弱かったのでステインブラウンをウォッシング兼スミ入れに使用

台座は黒下地にガイアカラーのステンレスシルバーを吹きっぱなし

アクリジョンを筆塗装でどうにか使えないかずっと模索してきて初めて自分で満足出来る製作品が出来ました動力パイプに使ったグレー系の色は今後の課題ですが、グリーン部分はアクリジョンの透明性(悪く言うと隠蔽力の無さ)があってこそ出せたおもしろい塗装面だと思います塗料そのもののクセがかなり強く、水性ホビーカラーが全面的にリニューアルされた現在はアクリジョンの優位性は少なくなってきていますしかし、国内品では圧倒的な臭気の少なさの割に完全硬化後の塗膜がかなり強固になることや、一度乾燥すれば基本的に塗装面が泣かない等、ユーザー側がメリットをきちんと理解すれば使い方はまだまだあるように感じました。

アクリジョンを筆塗装でどうにか使えないかずっと模索してきて初めて自分で満足出来る製作品が出来ました

動力パイプに使ったグレー系の色は今後の課題ですが、グリーン部分はアクリジョンの透明性(悪く言うと隠蔽力の無さ)があってこそ出せたおもしろい塗装面だと思います

塗料そのもののクセがかなり強く、水性ホビーカラーが全面的にリニューアルされた現在はアクリジョンの優位性は少なくなってきています

しかし、国内品では圧倒的な臭気の少なさの割に完全硬化後の塗膜がかなり強固になることや、一度乾燥すれば基本的に塗装面が泣かない等、ユーザー側がメリットをきちんと理解すれば使い方はまだまだあるように感じました。

アクリジョンをメインに筆塗りしました

コメント

  1. 74120’5 1年前

    レポートを読むと、アクリル絵の具で絵を書く時のような何層にも同系色を重ねる手法なのに、完成品は有機的というか印象派的というかその雰囲気ではなく、どちらかというとパキっとした感じなのが面白いですね。
    それでいてウェザリングを施したような風合いもあって、しかも黒立ち上げなどのグラデーション手法よりも自然な風合いというか、やれ加減とというか、かなりキマってますね。
    思い描いた色味/発色を出すのには、相応の経験とノウハウを貯める必要がありそうだけど、逆に言えば研究のしがい、楽しみもありそうだなと。

    • 随分遅くなってしまいましたが、コメント頂きましてありがとうございます。

      明るい色を乗せても、そこからさらに同系色の暗い色を何度も重ねたので、印象派のようなフワッとした感じはないのかもしれませんね。
      黒は一切使っていないのと、筆で塗ることによってエアブラシとは違う独特の透け感が出せたかと思います。

      色によって隠蔽力(透明感)や塗り感(塗料のノビ?)が全く違うので、おっしゃる通り研究のやりがいはかなりあると思います。

      ただ塗装完了までに主流のエアブラシでのベタ塗りより遥かに時間がかかりますので、リアル等身のMSにはあまり現実的ではないかもしれません。

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