Gアーマー　試作型

「オデッサでの戦いが近くなってきている・・・」

箝口令でも敷かれているのだろう、上層部からは何も情報が降りてこない。
だが、人の流れ、武器の流れ、後方部隊の慌ただしさは、近いウチに何らかの大規模な作戦がある事くらいは予想出来る。

RGM-79

あのRX-78ガンダムを雛形とする量産型として製造されたモビルスーツ。
先行試作型と言うべき機体のテストを始めて2ヶ月程経つ。
ジオン側でも問題になっているようだが、地球上ではその移動能力が問題となっている。
局地的使用なら問題はないが、戦略的見地からすると、従来の戦車などと同様に、航空機などを使った運搬方法を確立しなければならないことが明白となった。
それに対してMSは大きく、重く、従来の輸送機では効率が悪く、ミデア型が唯一対応出来るといった状況で、そのミデアにしても足が遅く、絶対的制空権下でなければその運用自体もままならぬ事は容易に想像できた。

そこで浮上してきたのがRX-78用に開発されていた強化パーツ

コードネーム「Gファイター」

RX-78と合体分離機能を備えるという、俄には信じられない機体ではあるが、RX-78が汎用性の高い試作機ということで用意された各種プランの1つであり、実際に試作機が完成していたが、本来運用の想定されていたRX-78が2号機を残して破壊されてしまったので、例のホワイトベースに送る2機の他に完成していた4機の試作機をジャブローにてテスト運用することになった。

「第一MS空挺団」

試作機のRGM-79とGファイターを運用して各種作戦に投入するために急遽編成された寄せ集め部隊。

テストパイロットではなく、各部隊から集められた素養の高いパイロットで編成された部隊。

その運用は、連邦軍本体ではなく、レビル将軍直下に置かれるという特殊部隊としての運用が想定されていた。

ジャブローにて試作機のGMを使い、分離合体のテストを行い、実戦に供する事が出来る目処が立った。だが、GM自体は少し手を加えなければならないことが判明。

両腕にシールドを持たせると武器の携行が出来なくなるため、バックパックにフレキシブルアームを取り付け、そこへシールドをマウントするという方法に改造された。それにより、シールド自体に降下時のエアブレーキ兼スタビライザーとしての機能を持たせる事になった。それによりビームサーベルがバックパックにマウントできなくなった為、腰部へ移動。着陸時に衝撃を受ける脚部はRX-78と同等とされ、GMより強化された物が使用された。

そしてオデッサへの部隊派遣が決まった・・・

オデッサへはワルシャワ方面からの平原をビッグトレーを要した侵攻部隊が進む計画らしい。
地中から黒海へジオンは水陸両用モビルスーツによる強固な防衛戦を
展開しているため、陸上からの侵攻を余儀なくされることとなった。
オデッサ西方にはカルパティア山脈があり、そこを超えての大軍の侵攻は難しい。
どうやら上層部は数で力推しする計画らしい。
全く兵の命を何だと思っているのか・・・

ただ、ワルシャワからの侵攻ルートにはリヴィウの高台にあるメガ粒子砲陣地を突破しなければならない。
無闇に侵攻すればビッグトレーとてその餌食になることは間違いない。
更にその周辺には強固な対空陣地が築かれており、誘導兵器が無効となった今次戦争において、それらを攻略することも容易ではない。

そこで浮上してきたプランが空挺団による敵地への侵攻である。

Gファイター4機、GM3機
Gファイター1機には武装コンテナを持たせ、高速で侵攻、空中分離、降下、コンテナ内の武装を受領し、後方攪乱しつつメガ粒子砲の破壊、及び出来るだけ対空陣地を破壊するという過酷な任務である。
幸い、現状敵の地上部隊は、護衛の最低限の部隊しか存在していない事が確認されている。

第一空挺団に使用される機材はレーダー波を吸収する特殊塗料を使用した青い配色がベースとなっていた。

そしてその部隊の中にブレイブ・ゴッド少尉の姿もあった・・・