余談〜未来という名の地獄

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見知ったコックピットでシュウジ・イトウは目を覚ました。彼が目覚める前の最後の記憶はイズマコロニーでガンダムのサイコミュが暴走。その衝撃に巻き込まれた事だった。

シュウジ[…そうか。あの時と同じゼクノヴァが起きたんだ。でも…]

だが、前に体験した”違う世界”でのゼクノヴァとは様子が違った。彼はガンダムと共に何も見えない宇宙に漂っていた。モニターは使えるが、操作は一切シュウジを受け付けない。まるで誰かが止めているようだった。

???[…起きたか…]

その声はシュウジの頭に直接呼びかけてきた。

シュウジ[誰?]

するとガンダムはシュウジの問に答えるかのように動き始めた。そして、視界の先から何かが迫ってきていた。

???[…我々は間違えてしまった…]

シュウジの眼前に現れたそれは見たこともないほど巨大な宇宙戦艦だった。地球やジオンの戦艦など小船に思えるような巨大な宇宙戦艦。それがシュウジの目前を過ぎていく。巨大過ぎて全景がわからなかった。シュウジ[…これは…]???[我々がいた世界の最後。我々は利便性と効率性だけを考え続け、いつしか自ら考える事をやめてしまった。宇宙へ出た我々は多くの戦いを経験した。他の星間国家との戦争で滅びにも瀕した。だが、

シュウジの眼前に現れたそれは見たこともないほど巨大な宇宙戦艦だった。地球やジオンの戦艦など小船に思えるような巨大な宇宙戦艦。それがシュウジの目前を過ぎていく。巨大過ぎて全景がわからなかった。

シュウジ[…これは…]

???[我々がいた世界の最後。我々は利便性と効率性だけを考え続け、いつしか自ら考える事をやめてしまった。宇宙へ出た我々は多くの戦いを経験した。他の星間国家との戦争で滅びにも瀕した。だが、"奇跡"が起きて我々は生き延びた。だが、我々はそこで間違えた。あの奇跡を前にしても我々は生き延びるためと言い訳をして誤り続けた。そして、最悪が目前に迫った我々は自らの手で故郷の星を…]

その巨大戦艦は艦首から強烈な光を放った。その禍々しい光は地球へ向けて飛んでいき…。そして地球は跡形もなくなった。シュウジ[これは現実なの?]???[我々の世界で起きた現実だ。自ら故郷を壊した我々は

その巨大戦艦は艦首から強烈な光を放った。その禍々しい光は地球へ向けて飛んでいき…。

そして地球は跡形もなくなった。

シュウジ[これは現実なの?]

???[我々の世界で起きた現実だ。自ら故郷を壊した我々は"あの艦"に全てを託して過去へ飛ばした。我々の愚行を繰り返さないために。しかし…我々の"希望"は時を超える過程で変質してしまった。そして君たちの世界にも取り返しのつかない影響を…]

シュウジ[あなたは後悔しているの?]

???[…ないと言えば嘘になる。だが、まだ人類と未来を信じてみたいんだ。だから、エレノアを止めてくれ]

シュウジ[わかったよ。じゃあそろそろ戻るよ]

???[ああ。君をマチュの近くへ送る。彼女は地球のラサにいる。幸運を祈る。無事の帰還を]

シュウジ[ありがとう。…最後にあなたの名前を聞いてもいいかな?]

その声は暫し沈黙した後、シュウジの問いに答えた。

???[山南…山南修だ]

そしてシュウジは光に包まれ、気がつくとガンダムと共に地球のどこかの荒地にいた。視界がはっきりするとジムが見えてきて無線が飛び込んできた。

ランディ・スミス[こちら海兵隊ラサ警備隊。所属不明のガンダムに告ぐ。現在このエリアは戦闘中だ。直ちに身分を表せ。さもなくば攻撃する]

シュウジ[僕は…シュウジ・イトウ。ガンダムX00のパイロット。敵じゃない]

その時、シュウジにとってよく知る、そして愛おしく思える声が飛び込んできた。

マチュ[シュウジ!?シュウジなの!?]

そして、

シュウジ[戻ったよ…マチュ]

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