【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第一巻《ワタシノユメ》第五章-【星屑の彼方に】-【期間限定公開】

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さてさね今日も今日とて気楽にビルドダイバーズRe RISE 二次小説を投げている神宮寺Re⑦です。

***

「陰キャアイドルはGBN〈世界〉を救いたい。」

あらすじ

自分は救世主になれない──そう思っていたのに。

第一次有志連合戦の裏で行われた不定期開催イベント〈ゲリラレイドボスミッション〉、その中でエリカは義姉であるアカネが巻き込まれたことで復讐を誓った。その巻き込んだそのダイバーを見つけるためにエリカは根暗で陰キャの性格とは真反対の明るくて眩しいアイドル活動をはじめることに。いまだにアカネとの距離がありながらも謎の転校生ハルナが現れ、そしてGPD全日本大会決勝で負けたかつての宿敵〈蒼穹のプリンス〉にも再会を果たす。互いの想いが交錯する世界でエリカは自分の本当の夢を見つける。

これは自分と世界とその裏側に向かい合う物語──。

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《ワタシノユメ》第五章 -【星屑の彼方に】-

***

「……やぁこんなところで会うなんて奇遇だね?デートかい?」

そう、再び現れたのは橘輝夜生徒会長そのひとだった。

(……また会うのかよ、偶然かなんか知らないけどこう立て続けに出てくると怖さのほうが勝っちゃうよ……)

(というか用事でもあるの……?)

「……げっ」

あっなんかハルナが心底嫌そうな顔してる。

……いやまぁ、あんなこと言われたらそりゃあねぇ?

そこんところどうなんですか?生徒会長?

「嫌われてしまったようで、申し訳ないことをしたと思っている。ただひとつ知らせたいことがあってね?ここで会えてよかったよ」

「知らせたいこと──……ですか?私たちになんかあるんですか会長?」

アカネが懐疑心満載の表情で返す。

「廃部されていたガンプラバトル部の再興を、もししたいと思うのなら、してあげてもいいよ?」

「なんか煮え切らない言い草ですねカグヤ生徒会長?……どういう意味ですか?」

(……わたしですか?運ばれてきた付け合わせのライスを食べてますけど、わたし会話に入らなくてもいいよね?お腹減ってるし)

(あ、お米おいしい……カップラーメンばっか食べてたせいで味覚がおかしくなってたのかな)

(……サラダも食べちゃおうかな、この和風ドレッシングうま……!あっ、やばいこぼしちゃった……とりあえず拭いておかないと……)

「先日のバトル、おれは君たちを侮っていたようだ、それに君たち三人になら部員不足で深刻化している模型部も任せられると思ってね?詳しいことは学校で話そうと思うんだが……どうかな?」

「どう思うエリカ?……って食べるの早くない!?」

(わた、わわわわわわ……わたし!?ごめんなにも考えてないんだけど……あ〜!フォーク落としちゃったよぉ!)

「い、い、いいんじゃない!?」

「まぁエリカがいいならあたしもいいですけど、ハルナは?」

「私プラモデルのことわかんないし、いいよ別に?……そこの人は好きじゃないけど」

お〜……さすがに手厳しいなぁ……ハルナ……

「了承したとみていいのかな?それじゃあまた学校で会おう」

……と、帰る仕草をしているカグヤ生徒会長に──。

「ちょっと!どこ行ってたんですか!生徒会長!」

「なにも言わずに置いていかないでくださいよ〜!」

「待たせてしまってすまなかったね、カオリくん、ユイくん?」

……彼女?二人も一緒に来てたのね、なんだこの相変わらずのリア充……爆発してくんないかな。

(わたし……?リア充継続クエスト失敗しましたけど……?この話はもういい?……それもそうですね)

◇◇◇

テーブルには注文したワンプレートとワンポンドハンバーグと付け合わせのサラダとライス、そしてトマトスープ三人分が並べられていた。

わたしはデミグラスソースをアカネは和風ソースを付けていた。

「……ハンバーグ冷めちゃうよぉ〜もう!こんなときくらいゆっくりさせてほしいよね〜!エリカ」

「そ、そう、だね……?」

「とりあえずハンバーグにはデミグラスソースをかけ──」

「ハンバーグには和風ソースでしょ!?なんでデミグラス!?濃くて食べづらいじゃん!」

(……はぁ!?ハンバーグにはデミグラスって決まってんじゃん!和風……?和風もいいけどいまはデミグラスの気分なんだよ!)

「ハルナはデミグラスと和風どっちがいいと思う!?」

アカネがそう問いかけると……

「……あのえっとあんましお肉とか食べな──」

「「どっちがいいと思う!?」」

「あの……だから私そんなに食べないからわからないって……」

「ハルナが決めて!」

「ひぇぇぇぇぇぇ…………」

たじたじになっていたハルナは先日組み上げたガンプラのことを話し出した、それとGP・デュエルのことも。

「ところでさ?ガンプラって説明書通り組み上げるだけで……いいの?展示されてたやつなんかかなり手が凝ってたけど?」

「はじめてなのに、そんないきなりすごいの作れるわけなくない!?考えすぎだよ!」

「……わたしもそうだったからいいんじゃない?」

そりゃまぁ凄いと思われる作品をつくりたいよ?……てか、はじめてでそれは無理ゲーじゃない!?歩きはじめたばかりのひとにフルマラソンなんて出来るわけなくない?

「そ、そう?……ちょっとなんか安心した〜!あとGP・デュエルのことなんだけど、私不思議なことに”一度”触ったことあるような感覚だったんだよね?なんでだろ?」

GP・デュエルの普及前にあったアーケードゲームみたいなやつをやったらことがあるってこと?それならわかるけど。

「そんなこともあるんだね〜、これからどうする?プラネタリウムでも観に行く?」

「ぷらねたりうむってなに?」

ハルナってプラネタリウムも知らない……?そんなことある?

「360°広がる大きなスクリーンに映し出される星々を解説ととまに楽しむところだよ!ついでだし三人で行かない!?」

「……へぇ〜?楽しそうだからいいよ」

そうしてわたしたちは昼食を食べ終えて施設内にあるプラネタリウムへと足を運んだ。

***

プラネタリウム〈アルビオン〉。

ショッピングモール〈アウドムラ〉の中にある唯一の宇宙を体験できる大型施設。

映画館のスクリーン三つ分を占める会場には多数の席とそれを見渡せるドームがわたしたちを迎えた。

「……わたしたちのいるこの星──地球は太陽からおおよそ一億四九六〇万キロメートルもあります──」

解説をしているのはネームタグ「アキナ」と書かれている大人の女の人だった。

「そして太陽から海王星まである惑星がそれぞれの周期を辿りながら、この宇宙を何度も回り続けています──」

「なお、冥王星は二〇〇六年に再定義されたことによって第九惑星から準惑星へと格下げされています──」

解説を聞きながらわたしたち三人は見上げた星の映るドームに感激を受けていた。

「……すごくきれいだよ!エリカ!」

(う、うん!それはわかるから!……おとなしくして!」

そんなわたしたちが星を楽しんでいた頃──。

***

GBN運営管理室。

ここは日々ダイバーたちから送られる要望や問い合わせ、バグの処理やイベント企画作成などに使われている重要なところである。

「今日だけで報告書がこんなにあるのか……いつもいつもこれだとさすがに対処がしきれないな」

デュランダル。

このGBNで管理を任させれている人間のひとり。

今日も減らない書類仕事に嫌気が差しながらも彼女は取り組んでいた。

「……それで捜索活動中の”IRIS-9999″の特定位置はどうなっている?」

「そのことにつきましてですが、現在サイド6付近を航行中との連絡が要請したフォース〈SLEEVE ENGEGE〉から出ています。どうされますか?」

と、デュランダルの補佐官であるメイリンが報告書とともに知らせる。

「引き続き捜索活動を続行のうえ、もし攻撃があったら捕縛も視野に入れて対処するようにと伝えろ──」

「かしこまりました、そのように通達しておきます。それとこのGBNで不可解な情報がありまして……」

「なにがあった?いつものバグか?バグの対処ならリボンズに任せ──」

「バグとは違います、このGBNに直接介入してくる者がいるようでして……以前として原因特定ができないとこまねいているようです」

「いたずらではないのか?このGBNのサーバーは何十もの固いプロテクトをかけているはずだが──?」

そもそもこのGBNは独立したサーバーが各所に設けられており、直接介入できるほど簡単には入れない構造となっていた。

「そちらのほうも引き続き検証作業を続行するとのことです、それでは失礼いたします」

メイリンがそう言うと部屋の扉を開けて退出していった。

「いったいなにが起こっているんだ……このGBNに……?」

***

サイド6近傍。

フォース〈SLEEVE ENGEGE〉はGBN運営管理室から届けられたIRIS-9999の捕縛要請を受けて、無限に広がる宇宙を探索していた。

「IRIS-9999……GBNからの高額報酬が貰える仕事を引き受けたとはいえ、こんなのいったい誰がやるんだ──」

フォースリーダーである〈紅蓮のブラスト〉のことシキヤ・カナデは、GBNで出来たであろう存在そのものを秘匿するほどの重要な要件に関してどこか疑心暗鬼になっていた。

「カナデ隊長!……IRIS-9999が現れました!左舷から急速に接近中──!」

フォースメンバーであるタイモから、慌てた声とともにカナデに知らせる。

「なに!?現れただと!?……都市伝説じゃなかったのか!?」

『……あなたたちはだれ?なにしにきたの?』

発せられる高い声によって、ダイバーがいるのは確実と……そう思えた、はずだった。

「IRIS-9999!いますぐにGBNの運営に戻れとの通達が出ている──!こちらの要請に従わない場合は攻撃の許可も得ている!航行目的を教えたし──!」

(……ダイバーの姿がないだと!?それなのにガンプラは稼働している……どうなっているんだ!?)

『…………あなたちはきらい、アタシに付き纏わないで──そうじゃないと──』

IRIS-9999が操るガンプラの全身に配置されたビットがライフルへと結合していく。

(……お!おい!まて!話を聞いてくれ!敵じゃない!おい!話を聞いてくれ!)

ビットが結合されたライフルを対するフォース〈SLEEVE ENGEGE〉の五人へと向けるIRIS-9999。

『……アタシの邪魔しないで──!』

「散開!散開しろ!大型の砲撃が来る──!」

放たれた砲撃によって散らばっていた隕石を一瞬にして焼き尽くし、五人のダイバーはその攻撃に腰を抜かした。

「こんなの!こんなの!人のやる仕事じゃありませんよ!GBNはなにを考えてるんですか!」

フォースメンバーであるチアキが怯えながらIRIS-9999の異常なまでのガンプラの威力に足を掬わせる。

「実戦テストともなしにあの威力なのか……?GBNはなにを隠しているんだ?」

砲撃を回避したカナデだったが、GBNで起こっているこの出来事に疑念が拭えなかった。

この出来事がGBNに新たな戦いを告げる一端だったことはまだ誰も知らない──。

***

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