【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第一巻《ワタシノユメ》第六章 -【模型部再興はじめます!】-【期間限定公開】

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どこからともなくおはこんばんちわ、神宮寺Re⑦です。さてさてもはや恒例となった先行試し読みです 

***

「陰キャアイドルはGBN〈世界〉を救いたい。」

あらすじ

自分は救世主になれない──そう思っていたのに。

第一次有志連合戦の裏で行われた不定期開催イベント〈ゲリラレイドボスミッション〉、その中でエリカは義姉であるアカネが巻き込まれたことで復讐を誓った。その巻き込んだそのダイバーを見つけるためにエリカは根暗で陰キャの性格とは真反対の明るくて眩しいアイドル活動をはじめることに。いまだにアカネとの距離がありながらも謎の転校生ハルナが現れ、そしてGPD全日本大会決勝で負けたかつての宿敵〈蒼穹のプリンス〉にも再会を果たす。互いの想いが交錯する世界でエリカは自分の本当の夢を見つける。

これは自分と世界とその裏側に向かい合う物語──。

***

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第一巻《ワタシノユメ》第六章 -【模型部再興はじめます!】-

***

わたしとアカネ、そしてハルナとショッピングモール〈アウドムラ〉でプラネタリウムを見た数日後のこと。

ここはいつも通りの相変わらずに過ごしている学校の教室。

橘輝夜生徒会長から提案を受けて、即決で了承した模型部の再興に向けて、わたしとアカネそしてハルナは話し合っていた。

「再興っていってもなにやればいいの?」

ハルナが開口一番にわたしたちに質問をなげかける。

……いや、ほんとなにからはじめればいいんですかね……?

とりあえずガンプラ組み立てる、とか?

それじゃいつもと変わんないか……家でもやってることだし。

というかカグヤ生徒会長はいまどこにいるの?寝てるの?

そんなわけないか……生徒会長なんだし……

「そうはいってもガンプラバトル部は綺麗にしないといけないし、模型部だって部員がほとんどいないんでしょ?どっち優先したほうがいいの?どう思うエリカ?」

……あ、あのとりあえずわたしのこと見るのやめません?ド陰キャにそんないきなり対処法を思いつくほど頭良くないんだけど?助けて!イマジナリーフレンド!エリちゃん!

(そんな急に言われたってわけわかんないよ!)

(部員が増えないと意味なくない……?心当たりいるの?)

(すでにわたしたち三人いるんだからあと二人が加入すればとりあえず一応、部としては成立するんじゃない!?)

(そうだ!そうだ!それからだよ!……あ〜でも、わたしそもそもそんな友達いないし……)

(それ以上はいけないって!わたしたちのライフはもうゼロよ!だれか救急車を呼んで!いますぐに!ヘルプミー!アンビュランス!)

……う、うるさいなぁもう!すこしは落ち着いて話してよ!

って、勝手に喋ってるのわたしか……なんかすいませんうるさくて。

「……とりま二人集めればいいんじゃない?」

打開策もクソもなく、部員を増やす方向性で決めたわたし。

……これしかなくない?ってかどうやって増やすの?アメーバみたく勝手に増えてくわけじゃないし。

「やっぱりそうなるよね〜、でカグヤ生徒会長とかはどこ居るの?」

それはわたしが聞きたいんだけど……まじでどこ居るの?生徒会長?……だれか連絡先知ってる人いる?

「あ〜あたしそういや生徒会長と連絡先交換してたんだった、忘れてたわ」

それを早く言えコラァァァァァ!さっきまでのわたしの労力返せよぉぉぉぉ!おにぎり一個分くらい返せよぉぉぉ!つかもう帰りの飲み物代くらい奢れよぉぉぉ!……ごめんなさい調子こきました。

「いつのまに連絡先交換してたのアカネ?」

「……え?GP・デュエルで対戦したあとだけど?」

「こ、こ、行動力すごいね……さすが陽キャ……」

「ふつうじゃない?彼氏になるわけじゃないんだし」

その発言はフラグって言うんだよ!……なんか知らないけどさりげない伏線が思いがけないところで回収したりするんこともあるんだよ!少年漫画とかだと!……すいませんちょっと熱くなってしまいました。

そういやラーメン食べてないなここ最近、駅ナカにあるラーメン屋に今度ひとりで行こうかな?え?そこの二人と行けって?わたしにそんな勇気ないんですけど!?友達を誘うのなんて大イベントなんだけど!?

イベント行くならひとりでエンジョイしたいんだけど?

……ちょっと、というか早く話進めろって?そりゃそうですね。

「カグヤ生徒会長だっけ?なんであんな人になんで彼女いるんだろうね?頭おかしいとおもうんだけど」

おっとぉ……?ハルナ選手!ここで先手を切ったぞぉ!

さぁ〜て!どうなるハルナ!君は生き延びることができるのか!

「それ以上言ったら本人が来るのが定石なんだよ……ハルナ……」

と、アカネが小声で返すと──。

ほら、そんなこと言ってるたらご本人登場だよ……

「遅れてすまないね?待たせてしまったようで、いま話している最中かな?……どうかしたのかな?」

「い、いいえぇ……なんでもないですよぉ?お、おつかれさまです〜カグヤ生徒会長」

あ、急にハルナが静かになった。

「書類を片付けるのに時間がかかってしまってね?……ハンコを押すだけでも疲れてしまうんだよ困ったもんだね」

それまたご苦労様なことで……生徒会長もきたし、わたしもう寝ていいかな?……だめ?やっぱり?

「ところでいつも付いてきてる二人はどうしたんですか?」

アカネが生徒会長に付き添いでほぼ見かける、カオリとユイについて聞き出す。

「彼女たちかい?カオリくんは生徒会で書記をやってて、ユイくんは会計でね?ことあるごとに呼びされてしまってなんかそういう風に見られてしまってて、すこしばかり大変でね……慕われているというのは喜ばしいことではあるんだけどね」

彼女じゃなかったの……ついてっきりそういう関係かなんかだと思ってましたよ。

ってことはわたしと一緒か……よかった……ってなにが?

「……へ、へぇ〜」

「生徒会長も来たことだし、今後について話をしましょうか?」

「ここではなんだから模型部に来てみるかい?」

カグヤ生徒会長が模型部へとわたしたち三人を向かわせた。

***

都立星羅高等学校、模型部。

かつてここに所属していた部員たちが行った文化祭での発表において、企業の目に留まりゆくゆくは表彰するまでのことになったらしいとの伝説が残っていた。

それはガンプラバトル部にも波及し、いつしかその三人を部員たちが”偶像”として信仰するまでになっていた。

ってなにこの前置き……?ラノベの冒頭かなんかなの?わたし?……そんな風に見える風貌してます?わたしのことじゃない?……それはわたしも知ってる。

多くの作品とトロフィー、記念写真が飾れている一室。

そこでわたしはひとつの写真を見つめる。

そこにあったのは女子三人が笑顔で写っているものだった。

中央に黒髪ロングの人、左に金髪ツインテール、右に白髪ショートの女の子たちが。

「……これって?」

そうわたしがカグヤ生徒会長に聞き出すと……

「彼女たちがこの模型部もといガンプラバトル部での貢献によって表彰された人達だよ、中央に居るのがヤトガミ・マリア、左がスメラギ・アミ、右がアサクラ・エリナ、というらしい」

机に軽く腰をかけていたカグヤ生徒会長。

「……そんな過去があったんですね」

輝かしくん写る三人に思わず見惚れてしまうわたし。

そんな中アカネが、ひとつのガンプラを手に取る。

「なんかこのガンプラ、どこかで見たことない?エリカ」

アカネが手に取ったガンプラは……

「……この色のデスティニーガンダム!わたしたちがGP・デュエルで初めてみたガンプラだよ!まさかここにあるなんて!」

そう、それはかつてわたしとアカネがはじめてGP・デュエルに触れたあの日に出逢ったガンプラだった。

そのデスティニーガンダムをみてわたしは、ガンプラをはじめようと決めた運命のあの日のことを。

いまわたしが使ってるデスティニーガンダム・ルヴァンシュも元々はこの作品を見て作り上げたものだし。

浅葱色をメインとして、関節類は金色で彩られ、捕色として紫色と白色が加わったその作品の姿を。

「……デスティニーガンダム・エンプティ?」

アカネが作品名を口にする。

「エンプティってなんだっけ?」

「たしか英訳で空っぽ……じゃない?」

ハルナの問いにわたしはそう答えた。

「……どうして”空っぽ”なんだろうね?」

「それは作った人に聞かないとわからなくない?」

「そりゃそうだけどさ、なんか気になるじゃん」

「作品に見惚れているところすまないんだが、話を進めようじゃないか?三人とも」

あああぁぁぁ!ごめんなさい!つい!夢中になっちゃって!そうですよね!話進めなきゃですよね!……ね!アカネ!ハルナ!

「……一応話したは話したんですけど、部員増やさないとどうにもならなくないですか?生徒会長」

「それは十分わかってはいるんだが、その方法がね」

そうか……方法か……んんん〜……どうしたもんですかねぇ……ガンプラに触れてみないことには楽しさって伝わんないしなぁ……

このあいだガンプラ組んでたハルナはどんな感じだったんだろう? 

「ガンプラはじめて組んだ感想はハルナ?」

「結構楽しかったよ〜?夢中で組んじゃったし、それがどうかしたの?」

そこでわたしはなにかをひらめいた。

そうだ……!これだ……!こうすればいいんだ……!

「……部活紹介というかたちでガンプラ組み立て体験会とかどうですか?たしかいまならバ○ダイとかに問い合わせをすれば簡易的なガンプラを提供してくれるんじゃなかったでしたっけ?」

そう、バ○ダイはプラモデルを手軽に触れてもらってはじめてもらうために、最近からこの手のイベントを模型店とか家電量販店で見かけたことがあった。

「それはいい提案だねエリカくん、先生たちに掛け合ってみることにするよ」

「……部室に集めてがんぷらを実際に触れて体験してもらおうってこと?」

と、ハルナがわたしに。

「……そうそう!まずは手に取ってもらわないと難しく感じるかそうじゃないかなんてわからないからね!気楽にやってみないとなにも始まらないからね!」

続くようにアカネも。

きっかけなんてなんでもいい。

興味をもってもらってそこからはじめてみれば楽しいことが広がっていくかもしれないし。 

そこまで難しく考えることでもないし!

あっえっと、なんかやってて設定だの塗装のことだのいちいちマウントとらないと気が済まないクソッタレな人たちとかは猿以下なんだから無視でいいよ、そんな人たちとは関わらないほうが楽しいよ?

そんなことより自分が楽しいっ思う気持ちのほうを大事にしよ?ね?

あ〜ごめんごめんつい、思い出しちゃって!

もぉ〜う!イマジナリーフレンドエリちゃんは〜!こういう時にばかり饒舌になるんだからぁ〜!

「……とりあえずの方向性は決まったね、いやいや助かったよ、どうして思いつかなかったんだろうね」

「生徒会の仕事でいっぱいいっぱいだったからじゃないですか?」

アカネが心配そうな顔で話す。

「かといって辞めるわけにいかなくてね、なにかあったら報告するから楽しみにしているといいよ三人とも、たぶん上手くいくと思うからね」

「期待してますカグヤ生徒会長〜」

ハルナは安心してか笑みをこぼしながら返答していく。

「模型部再興するぞ〜!」

アカネがわたしとハルナにむけて手を上げて宣誓する。

「「おぉ〜!」」

そうわたしがハルナが反応する。

こうしてわたしたちは模型部再興に向けて活動するととなった。

***

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