【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第一巻《ワタシノユメ》第十六章 【次期生徒会選挙】-【期間限定公開】
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どこからともなくおはこんばんにちわ神宮寺Re⑦です。なにも変わることなく気楽にビルドダイバーズRe RISE 二次小説を投げています。
というわけであれからのつづきです〜
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「陰キャアイドルはGBN〈世界〉を救いたい。」
あらすじ
自分は救世主になれない──そう思っていたのに。
第一次有志連合戦の裏で行われた不定期開催イベント〈ゲリラレイドボスミッション〉、その中でエリカは義姉であるアカネが巻き込まれたことで復讐を誓った。その巻き込んだそのダイバーを見つけるためにエリカは根暗で陰キャの性格とは真反対の明るくて眩しいアイドル活動をはじめることに。いまだにアカネとの距離がありながらも謎の転校生ハルナが現れ、そしてGPD全日本大会決勝で負けたかつての宿敵〈蒼穹のプリンス〉にも再会を果たす。互いの想いが交錯する世界でエリカは自分の本当の夢を見つける。
これは自分と世界とその裏側に向かい合う物語──。
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第一巻《ワタシノユメ》第十六章 -【次期生徒会選挙】-
***
「ガンプラ人気投票……?だってさ」
とにも変わらず学校の屋上でお昼を食べるわたしたち三人。
そしてアカネがスマホの画面を見ながらわたしに話題を振ってくる。
「なんだっけそれ?」
「人気投票なんてあるの?」
ハルナはガンプラにそんなことがあることを知らないため、宇宙猫の状態でアカネに顔を向ける。
「ここ最近からはじまったやつで、なんかプ○ミアムバ○ダイで発売されたガンプラの中から好きなやつをあたしたちが投票してその中から上位に入ったのを再販するっていう企画なんだよ」
「……へ、へぇ〜」
ガンプラ人気投票は数年前から企画されたイベントで、その中から選ばれたのを再度販売するっていう手法が取り入れられていた。
「私はわかんないけど、エリカとアカネはどうするの?」
「んん〜いっぱいあるからねぇ……どうしようかなぁ……」
「そうなんだよねぇ……ガンプラたくさんあるしねぇ」
そう、一般流通で販売されているほかにもオンラインショップ限定で発売されたガンプラは山ほどある。
そのプレミ○ムバ○ダイがはじまったのをおよそ一五年くらい前からだし、そこから徐々に増えていってマイナーな機体から主役級のもののバリエーション、イベント限定モデルなんかも定期的に販売されていたから。
……もちろん買える数には限りがあるし、全部知ってるわけじゃないんだけど。
「いま欲しいやつってなんだろうなぁ……」
アカネはスマホをじっくり見つめながら投票したいガンプラを吟味していた。
「なんかあるのアカネ?」
「いや、それがね……多くてわかんないんだよ……」
ページを数えるだけでも一〇ページ近くはあるため、その中で決めるのは難儀なものだった。
「ADVANCE OF Zとかは?」
「……たしか複数組み合わせるとバリエーションが再現できるやつかぁ、それもいいなぁ」
ADVANCE OF Z シリーズはガンダムTR-1ヘイズルからいろいろなガンプラを組み合わせて換装させることができる遊び心が感じられるものだ。
その中でも以前にも戦った中にいたガンダムTR-6 ウーンドウォートはそのガンプラだけでも楽しいほか、別のガンプラと組み合わせるとその派生機が再現出来るなど面白いガンプラだった。
両腕をジムのものにしたり、ジオン系のマラサイやハイザックとかに変えたり、同じティターンズ製のギャプランのものにも付けられたりと多種多様な再現ができるのも楽しいやつだ。
「あぁもう!こんなにあるのなんて決められないよ!」
「そりゃそうだよね〜」
ハルナはゼリー飲料を飲みながら、ほわほわしたように雑に受け流す。
「……っていうかほんとにお昼それで足りるの?」
わたしはハルナがいつも愛飲しているゼリー飲料を見て、不安に思っていた。
「これ?まぁ体育がある日はおにぎりとか食べるけどそうじゃない日はこれで十分だよ」
「そ、そうなんだ……」
少しばかり気まずく感じるわたしは、公式大会基準で戦ったGP・デュエルでハルナが敵意を向けたことにあった。
そんなことをする必要がないのに、なんであのときそうしたんだろうか……
なにもなければいいんだけど、そういうわけにもいかないし。
考えすぎなのかなぁ……?ただの気まぐれ?なわけある?
「そういやさ、今度次期生徒会選挙じゃん?エリカとハルナはどうするの?」
(生徒会選挙……?ごめんそんなこと一ミリも考える余裕なかったんですけど……ここから入れる保険ってありますか?)
(GBN!GBNをやりたいんだよ!わたしのザクが宇宙を駆け巡りたいって言ってるんだよ!)
(……そんなことよりお寿司食べたいです)
(今日!今日は〈AXIZ〉でセールやってるんだよ!足りない塗料を買いに行かなきゃいけないのに!)
(選挙とかどうでもいいよ!わたしいまハルナのことが気になってるんだよ!)
「誰と喋ってるのエリカ?」
「……あ、あぁ気にしないでいつものやつだから」
「エリちゃんね……はいはい」
「エリちゃんってだれ?私たち三人しかいなくない?」
「それはだねハルナ、エリカはちょっと別の人を頭の中に住まわせているんだよ……事件はここじゃなく脳内で起きてるの」
「なんで刑事風?ってか誰?」
やめろ!やめろぉ!ハルナに変なことを教えるなぁぁぁ!間違いではないけど、それ以上誤解を生ませる発言はやめてぇぇぇ!
「わたしのことはいいからさ!お昼の時間が終わっちゃうよ!ねぇ!」
「わかったってば〜」
「今日もはやいね」
いくらお昼休憩があるとはいえ、友達と喋っているとあっという間に過ぎていく……
お弁当を食べ終えたわたしとアカネ、そしてゼリーを飲み干したハルナはそそくさと片付けて教室へと戻っていった。
***
次期生徒会選挙。
毎年行われる恒例となっているこの選挙は、先生からの推薦のほかにも生徒からの薦めによって選出されたクラスメイトがそれぞれ代表して体育館で壇上に立ち、演説を聞いて候補者の中でもっともふさわしい人物を決めるものである。
三月になったこともあり、カグヤ生徒会長は任期満了のため次の会長選をやることになっていた。
ホームルームの時間に体育館にきたわたしたちは、床に座りカグヤ生徒会長の挨拶を待っていた。
「え〜では、ここから前生徒会長である橘輝夜よりご挨拶があります、それではよろしくお願いします」
女性のアカリ先生から開示された生徒会挨拶によって、カグヤ生徒会長が壇上へと登っていく。
「ご紹介に預かりました、橘輝夜です。生徒会長なんだからしってますよね?」
はじまった挨拶によって静まり返る体育館。
カグヤ生徒会長の話に耳を傾けるわたしたち。
(そりゃ……知ってるって……あんなことがあればね)
「生徒会長という立場上、あまり余計なことを言うべきではないんですが生徒会という仕事は大変です、だれがこんなことをやり出したんですかね?」
(……知らないってそんなの、だれなの?)
「お〜!?どうした生徒会長!不満でもあるのか〜!」
話を聞いていた生徒からヤジが飛んでくる。
それを返すようにカグヤ生徒会長は……
「はっきりいってありありのアリですね!なんですか!毎回呼び出されては書類に目を通さないといけないわ!先生たちの話は第一に聞かなきゃいけないし!……毎日くたびれながらここにきてましたよ!」
愚痴をこぼすようにカグヤ生徒会長は、任期が終了なこともあるため溜め込んでいたであろう気持ちを吐き出していく。
「もっといえ!もっと!あるだろ!生徒会長!」
さらに畳み掛けるように別の生徒が生徒会長に問いかける。
「……さて、ここまでの愚痴は置いておいて、おれを推薦してくれたことには感謝しかありません。まして二年生になったときなんてまさか自分が生徒会長になるなんて思ってもみなかったですし、というか推薦を出したカオリくんとユイくん!?どういうつもりだったんだい!?なにもおれ聞いてなかったんだけど!?」
え……?カグヤ生徒会長って自分からなったんじゃないんだ?
「それはカグヤ生徒会長が頼れそうだったからですよ!言わせないでください!」
「……前から好きだったからです!女の子に告白させるなんていけない男の子ですね!生徒会長!」
おおぅ……なんたる人望の良さ……わたしじゃ到底叶いっこないや……
「ありがとう君たち……!すまないがユイの気持ちには応えられそうにないが、いまおれがこの場所に立てているのは応援してくれた人がいたからでその気持ちに応えようと日々仕事に向き合っていた……!だからこそ、おれは胸を張って言えるだろう──」
なんだろう……?
「……一歩踏み出したその瞬間から──明るい日々がはじまることを知っていて欲しい、もちろん辛い日もあるだろう……だが!だがそのときは苦しいだろうがそんなことがあったからこそ巡りめぐって自分の背中を自分が押してくれるって信じていてほしい!それだけだ!……ご静聴ありがとうございました!これからはただの橘輝夜になりますがよろしくお願いします!」
在校生たちの大きな拍手とともに手をみんなに向けるように振ったカグヤ生徒会長は壇上を降りていく。
「さすがは私の彼氏だね」
「……みなよ私の彼氏をって感じでドヤ顔しながらこっち向かないでよハルナ」
「えぇ〜?べつにいいじゃん」
隣に座るハルナはわたしに視線を合わせながら、してやったりの顔でカグヤのことを見ていた。
次に集まるときには生徒会長が別の人に変わることになる。
……わたしとりあえず眠いですけど、寝てちゃダメですか?
生徒会長選は翌日からはじまることになった。
***
生徒会長選の演説のため、それに使う文章を考えていたわたし。
というかそもそもなんでわたしがこの作業することになってるの?
アカネ……?あの?なにがどうなってるの?
「アカネ〜!こんな感じでいいかなぁ?」
「……なになに?」
パソコンに打ち込む文章を読むアカネ、というか推薦出したのハルナもなの?……ってあれ?カオリ先輩とユイ先輩も?
「……ごめんあたしよくわかんないや」
「大事な演説に使う文章なんだよ?すこしはちゃんと読んでよ」
「そうは言われてもさぁ……ところでなんであたしを推薦したの?」
「言わせないでよ恥ずかしいじゃん」
「えぇ〜……」
というかハルナどこにいるの?今日は模型部の活動ないよね?
「ってかハルナは?」
「たしかカグヤと生徒会の片付けの手伝いに行ってるらしいよ?健気だね〜」
クソ!リア充めぇぇぇぇぇ〜!思わず羊になってしまうくらいだよ!羊が一匹……羊が二匹……羊が三匹……羊が──。
なんか羊を数えてたら眠くなってきた……今日は部活動ないんだし、ちょっと寝てから帰ろうかな?
「おい!エリカ!ここで寝ようとすんな!」
そういえば夜中の学校ってワクワクするよね、どんなかんじなんだろう?お化けとか出るのかな?わくわくさーん!なにか作って〜!
「……とりあえずこれでよしっと」
文章を打ち終えたわたしは疲れたのか椅子の背もたれに寄りかかる。
「お疲れ様エリカ〜」
「ど、どうもありがと〜!そうだ今日は〈AXIZ〉にでも寄ってく?わたしまだナイチンゲール組んだことないんだよね〜」
「ナイチンゲール買うつもりなの?あんなクソでかいやつ?」
「いいじゃん〜!持って帰るのはちょっとしんどいけど大きいキット組みたいじゃん!」
「それはまぁわかるけど……」
大きなキットって箱を開ける楽しみはあるけど、いざ作ろうとなったらかなり体力持ってかれるからわたしやったことないんだよね……だからちょっとやってみたくて。
「そういやエリカ、コンプレッサーが壊れてたエアブラシどつするつもりなの?買い替えるの?」
忘れてたぁぁぁぁあ!いろんなことに追われすぎてまったく考えてなかったよぉぉぉ!どうしてくれんだよおおおお!
「つかあんたさ、バイトとかどうするの?さすがにこのままってわけにはいかなくない?仕送りだけだとギリギリなんだし、一応貯金はしてるけどさ」
「……いつも冷凍食品ばっかり買ってすみません」
「そうじゃなくって、ほら?彼氏と別れたんでしょ?そういうのはいいの?」
「いや、……なんていうかそういうのはもういいかなぁって」
……欲しいとかほしくないとかなんか考えるだけ無駄っていうか、べつに居なくても変わらなかったなぁって思っただけで。
ハルナ……?普通に羨ましいけど?仲良さそうだし、だいたい毎日一緒に帰ってるしさ……
くそぉぉおお!わたしもそんな風になるはずだったのにぃぃぃ!
「あっそ、それなら良かった」
「……アカネ?」
「ううん、なんでもないよ?やることやったし帰ろっか」
「だね〜」
文章作成が終わったわたしたちはパソコンの電源を落として、身支度を済ませて夕食と模型&ホビーショップ〈AXIZ〉に行くために学校から帰っていった。
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