【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第一章 -【部活の顧問が世界大会出場者!?】-【期間限定公開】

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お久しぶりです神宮寺Re⑦です。

変わらず気ままにビルドダイバーズ二次小説を投げているアカウントはこちらになりまぁ〜す。

というわけで……

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》開始です

***

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》

生まれた意味はいったいなんなんだろう──。

あらすじ

義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。

これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。

***

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***

第二巻《ユメノトビラ》第一章 -【部活の顧問が世界大会出場者!?】-

***

都立星羅高等学校。

十年前に共学となった本校は、都内にある進学校で有名である。

就職率はそれなりに高く、本校卒業者で活躍している人物も多く存在していた。

そしてアカネが生徒会長となってから一週間の時が経った。

わたしはなにも変わらず、これといってやりたいこともなく毎日をダラダラと過ごしている。

その日の放課後──。

部活として成立した〈模型部〉は、現状アカネ、ハルナそしてわたしの三人で活動を行っていた。

とはいうものの……

「ガンプラ体験会用のガンダム、結局余っちゃったね……これ」

「参加が増えたのは良かったけど三箱残っちゃったかぁ……」

ハルナがため息をしながらわたしと話し合っていた。

予定していた数は生徒たちに行き渡ったのはいいけど、これどうすんの……?

このままにしとくわけにもいかないよね?

かといって部外者に勝手に渡すなんてできないし……

「……ところで部活の顧問ってどうなってんのエリカ?」

「顧問……?あぁそういや今日来るって言ってたような?気がしないでも……ない?」

「どっちなのそれ?」

「わたしにはわかんないよ」

「えぇ〜部長なんだからしっかりしてよ〜」

そう言われましてもですね?わたし勝手に決めさせられた感じなんですけど?アカネはこんなときに生徒会の仕事の最中だし、困ったもんだよ……どうしろっての……

◇◇◇

「やぁ〜暇そうにしてるから見にきたよ?」

「……げっ」

「おぉ〜!カグヤじゃん!用事でもあったの?」

「なにもないけど、気になってね」

橘輝夜。

現三年生となり、この高校の元生徒会長である。

いや、なにもないなら来なくてもいいでしょ……

というか目的はハルナに会いにきたことくらいじゃない?

だって付き合いはじめたばかりだもんね?

彼女のことは見に来るよね?

わたしですか?

そんなこと一切ありませんでしたけど?

誰も聞いてない?ごめんさっきのは忘れてください……

「そういえば今日顧問の先生が来るって話を言伝に聞いてね?」

「さっき話してたよそれ」

顧問のことより残りのガンプラのことをどうにかしようよ!?

わたしの目の前でイチャイチャすんのやめてもらっていい?

嫌味かな?そうなのかな?当てつけなのかな?

「……用がないなら帰ってくださいよ元生徒会長さん」

「心外だねエリカくん?おれもこの模型部の部員になったのに」

……はい?

わたしが書いたときカグヤさんの名前なんて見ませんでしたけど?まさか?ははは……まさかね〜?

「……あ〜それ、エリカが大変そうだからってアカネが書いて出したって」

「職権濫用!この人たち阿漕なこと平然とやってる!最低だぁ!」

「まあまぁそう言わずにエリカくん……」

どうもこうもあるかぁ!

勝手に話を進ませるなっていってんだよ!

部長になったのわたしなんだから話くらい通すのが筋でしょうよ!なに考えてんのこの人たち!

「……ってことは」

「今日からよろしく頼むよ、ハルナとエリカくん」

よろしくできるかよ!

一番この状況で得してんのハルナだけじゃん!

わたしになんもいいことないじゃん!

「よ、よろしくお願いします……」

どこもよろしくできるような気分じゃないんですけどね?

ってかわたしのバイト先にきたときなにしてたの二人とも……

んなことはいいや、残りの部室の片付けやっちゃおう。

「そういえばハルナ?部活終わったらどこ行こうか?」

「ええ〜今日は家に帰るよ〜」

だ!か!ら!人前で!仲!良!く!するな!

「二週間くらいデートしてないんだぞ?」

「それとこれとは話が別だよカグヤ」

「……それはわかってるが」

一気に空気を悪くしないでよ!こっちの身にもなってくれよ!話すならここじゃなくて廊下でやってよ!

「さすがに親御さんに話しはしておかないといけなくないかい?」

「気が早すぎるよ〜気持ちはわからなくもないけど」

……もうそこまで話進んでるの?ロマンティクスしちゃったから?

いや、したのに振られたわたしはいったいなんだったのか……

その真意を確かめるためにわたしはアフリカの奥地へと向か──。

「砂漠って、なにもないね」

「誰と話してるのハルナ?」

「宇宙と交信してる」

「世界観が壮大だね、まるでパニック映画のプロローグだ」

「……ちがう!ちがうちがう!そういうことじゃないですから!」

(……ってかさ〜、もう帰りたいんだけど)

(あぁぁぁぁ!録画しておいたアニメ見てないよぉ!?)

(手がいたいので保健室行かせてくれない?)

(わたしの春なんてものは!ありませんでした!閉廷!解散!)

(で、いつまで見せられるんですかこの仲良しカップルの戯言を……)

(ガンプラの改造案がまるで閃かないよ!問いかけても出てこないよ!……あっ、なんかパーツ落ちてる)

「誰かいるのかい?」

「……わたしですか?なんのことです?」

「エリカにはイマジナ(ry」

「あぁ!言うな言うな!もういいからなにも言うなハルナ!」

「べつに隠すことじゃないでしょうよ」

「それはわたしが決めることだよ!」

「えぇ〜……」

「ところで誰なんだい?」

その話題はもういいでしょうよ!わたしのことはただのモブだと思ってればいいじゃん!

「……あぁえっと、ですねこれにはワケがありまして」

「ワケ……?とは」

引き下がってくれよぉ〜たのむよ〜わたしのことを聞いたってなにも面白くないんだからさ〜勘弁してよ……

「……あれ?誰か来ましたよカグヤさん?」

◇◇◇

「ここが復活した模型部……なのね」

「ごめんなさいどなたですか?」

わたしがその人に声をかける。

入ってきた大人の女性は白髪ショートの髪型でサファイアのような碧い瞳をしていた。

おそらくはモデルと大差ないような長身のスタイルで、スラッと伸びる脚にはグレーのタイツを履いていた。

「今日からこの模型部の顧問になった美濃 瀬那だよ、よろしく?」

「顧問の先生だったんですね!失礼しました!いまお茶とかを出しま──」

わたしはお茶を出そうと脚を運ぼうとしたのだけど……

「あぁそういうのはいいよ、ところでちょっとアタシとGP・デュエルしてくれない?この中に全日本大会に出たことがあるやつがいるのでしょう?」

「……おれのことですか?」

「へぇ〜あなたが?そんな風には見てないね」

「どういう意味ですか?」

「そのままの意味だよ、まるで歩きはじめたばかりの子鹿のような風貌だってことだよ」

「喧嘩売ってます?」

なんか顧問のセナさんとカグヤがバチバチし出したんだけど!?

「……売る価値すらないよ、キミ程度の実力じゃあね」

「ちょっと!少し言い過ぎなんじゃないですか!顧問だからって生徒を貶すような発言はよろしくないんじゃありません?」

「キミのガールフレンドがこうも言ってるよ?」

あぁなんかもうこれ止まらないやつだよ!止めなきゃダメなやつだよ!よくない波動がビンビンきてるよ!

「私のことはいいですけど、カグヤに謝ってくれません?」

「じゃあアタシに勝ってくれたらそうしてもいいよ」

「……わかりました、やりましょう」

「ちょっとカグヤ!?相手は先生だよ!?」

「それとこれとは話が違う、おれを怒らせたのはこの人だ」

「血気盛んなことは褒めてあげるけど……彼女がいるからいいところ見せたいのかな?さぞ強いんだろうね?」

「…………なにが言いたい?」

「それはバトルで証明できるでしょ」

わたしが止められるような隙はほとんどなく、カグヤさんと顧問のセナ先生がGP・デュエルで練習試合をすることになった。

***

ゼダンの門。

機動戦士Zガンダムに登場。

ジオンが最終決戦として使用した資源衛星を連邦またそれに近い勢力が接収したもの。

ハマーン・カーンが率いる公国軍残党は、この本拠地に小惑星〈アクシズ〉を向かわせ激突させた。

その後、ティターンズは大規模な損害を受けてこれまでに培ってきた戦力の多くを失った。

「ガンダムエピオングレイシャー!カグヤ!状況を開始する!」

「ゲルググ!セナ!……お手並みを拝見させていただく」

双方向から発射された二機のガンプラ。

練習試合であるためGP・デュエルのダメージランクはDとしており、作品が傷つくことはない。

カグヤの操るガンダムエピオングレイシャーは機動戦士ガンダムWに登場したその機体を銀色と空色のカラーリングに改められ、〈ビームソード〉を二振りに増加させ出力を上げるために追加でエネルギーパックを備えたものだ。

gMS-01 ゲルググ。

対するミノウ・セナが操るガンプラは機動戦士ガンダムジークアクスに登場したものである。

ジオン公国軍のエースである”シャア・アズナブル”が鹵獲した「ガンダム」をリバースエンジニアニングし量産化したこの機体は、連邦系の技術とジオンの系譜がリミックスされている。

スガイ機は白と赤のカラーリングに彩られ、クランバトル内で戦った「ガンダム」にマブを戦死されたことにより彼女はそれに「執着」するまでに変わり果てる。

静止させようとしたボカタの声は届くことがなく、彼女を止めるにはコックピットを貫くしか方法がなかった。

セナのガンプラはスガイ機のカラーリングのまま各部位に筋彫りによるディテールアップが施されている。

「──本気でいかせてもらう!」

「キミのその力……アタシの本気で応えよう!」

カグヤは両手に力強く握る〈ビームソード〉を顕現させ、対するセナのゲルググに向かって近接戦闘を試みる。

「──ほぅ?やる気はあるみたいだね、だからなんだって話だけど」

セナに急接近するカグヤのガンプラ。

動じることもなくセナは両手に掴む〈ビームライフル〉を撃ち込んでいく。

何度も発射された桃色の粒子がカグヤの両脚を掠めていく。

「……舐めてるんですか!先生!」

「──は?それはキミだろ」

(まったく、たかがこの程度の実力で全日本大会に出たっていうのか……聞いて呆れるな)

至近距離まで近づいたカグヤは〈ビームソード〉を交互に繰り出して、セナのゲルググを追い詰めようとした。

だが──。

原典機の三倍相当の長大な〈ビームソード〉を振り回したカグヤの攻撃に意図も容易く交わしたセナ。

「……所詮その程度か」

「なんで当たらない──!こんな近くな距離なのになぜだっ!」

「キミはガンプラの性能に頼りすぎているからだよ、考えもなしに力をばら撒けば勝てるとでも思ってるの?」

……そう、カグヤはなにも思考を働かせることもなくただがむしゃらに己の力を誇示することだけばかりこだわっていた。

「クソがぁぁああああああ!おれに力をよこしやがれよ!──〈ゼロシステム〉!」

〈ゼロ・システム〉。

機動戦士ガンダムWの作中内にて使用されたこのシステムは機体の基本性能向上と引き換えにパイロットの負担をすべて無視するものである。

高度な情報分析と予測を同時に行い、脳に直接伝達するインターフェイスだ。

そのためパイロットにはそれ相応の暴走状態にまで追い詰められるため、精神的な負荷がかかってしまう呪われたシステムである。

「……うるさいよ、紳士ならもう少し冷静になったらどうなのかな?」

「──おれを怒らせたことを後悔させてやるっ!」

「威勢だけは相変わらずいいんだね、反吐が出るよ……そのウザさは!」

頭に血が昇ったカグヤはセナに自身の力を見せつけようと剣を振り下ろす。

それすらセナは左手から伸ばしたピアノ線をカグヤのガンプラの両手に括りつける。

「……この程度でっ!」

「反応が遅いんだよいつもキミは──!」

ゼダンの門のクレーターめがけてガンプラを動かすセナ。

星を形づくる小惑星の四方の半円状の上部にカグヤのエピオンをぶつけた。

「こんなことで……!」

「──キミはいったい誰と戦っているの?」

見下すようにそれを視認するセナ。

もともとセナは彼のことを相手にすらしていなかったことが明白のもとに晒される。

「ちょっと!練習試合なんですから手加減したらどうですか先生!」

バトルを見ていたハルナのガンプラであるガンダムポータントが意を切らしたように駆けつける。

「ただこの程度の遊びごときにそこまで怒ることないじゃない」

「……もういいじゃないですか!これ以上なにがしたいんですか!?」

「それはキミの彼氏に聞いたらどうだ?」

「ちょっとカグヤ!しっかりしてよ!」

「戦いの間に入るんじゃねえよハルナ!これは先生とおれのバトルだ!」

(色恋沙汰なんかしてる暇があるのなら少しは自分のことくらい知ったらどうなんだいこのクソガキは)

「興醒めだよ、今日はもういい……」

「ふざけんなよ!まだはじまったばかりだろうがよ!逃げるのかよ先生!」

「その言葉、そっくりそのままキミに返すよ」

「…………なっ!?」

痺れを切らしたセナはバトルを中断させるボタンを押していった。

「──〈BATTE ENDED〉!」

***

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2025/8/4現在

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》第十三章までpixivにて更新しています。

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