【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第五章 -【人間になりたくて】-【期間限定公開】

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お久しぶりです神宮寺Re⑦です。

なにも変わることなくビルドダイバーズ二次小説を気楽に投げているアカウントです。

さて、あれからの続きです〜

***

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》

生まれた意味はいったいなんなんだろう──。

あらすじ

義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。

これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。

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第二巻《ユメノトビラ》第五章 -【人間になりたくて】-

***

「おねえちゃんたち楽しそうだねェ!?ワタシたちと一緒にアソボウヨ」

「オレもいるってことワスレナイデくれよ」

フォース〈ASTERLISK〉と〈JUPYPER CRISIS〉のバトルの最中に乱入してきたのは「レイ」と「キラ」と名付けられているAIダイバーの二人。

「こんなときに誰なんだよおまえら!?」

エリカの一言に一切反応しないAIダイバーの二人。

「えぇ〜!?やだコワイヨ〜キラおにいちゃん〜たすケて〜」

「……レイにその口答えするとハ、なってないなぁお嬢ちゃん!?」

そうして本当のフォースバトルが幕を開けた──。

◇◇◇

GBN運営管理室でデュランダルとメイリンはモニター監視によるダイバーたちを見届けていた。

「どうやら“IRIS-0000“および“IRIS-0001”はフォースバトル中に乱入行為をしているようです」

「見ればわかる」

「しかしこの状況どうするおつもりですか?」

「もともと彼らは高ランクダイバー向けのものだ、こちらが手を出さなくともやってくれるだろうさ」

「……ですが未だ行方不明の”IRIS-9999”のことはどうされます?」

「まだ発見できないのか?いつまで鬼ごっこしていれば気がすむのか」

「対処にあっていたフォース〈SLEEVE ENGEGE〉からの連絡が絶った以上、どうしようにもありませんが……」

「……またダイバーたちに協力をかければいいだろう、どのみち我々のまえに勝手に出てくる」

「了解しました」

◇◇◇

「……こいつらってエクストラボスなの?」

アカネはGBNでのミッション内でごく稀に現れる事象についてだと思っていた。

だが、そんな情報はダイバー間で共有されているはずなため見たこともないガンプラがこの場に出てきている時点で不可解としか言いようがない。

ましてGBN運営側からのミッション情報内で公表されているはずなため、この状況そのものをアカネは疑っていた。

「エクストラボスだったら表示されるはず……だよね?なんでなにも出てこないのコイツら……」

エリカもアカネと同じく突如として現れたガンプラと見ず知らずのダイバーに困惑していた。

「……あレあレあレぇ〜?オネエさんたちワタシタチのコトシラナイのカナぁ〜?」

AGE-FXをベースとした四方に鋭利に尖ったシルエットを形づくり、近接戦闘用であろう「ドッズランサー」を装備させたガンプラを操るIRIS-0001。

ダイバーネームは「レイ」と表示されている。

そして機体名は「ガンダムブラックランサー」と書かれていた。

◇◇◇

AGE-FX/XXXX ガンダムブラックランサー。

学生の女性モデラーである白鳥 明日香がかつて製作したガンプラ。

GP・デュエル全日本大会で負け続きであった彼女がAGE-1から3、およびFXのパーツを組み合わせてミキシングされたもの。

そのあとに木兎 理梨菜と出逢い友人になり、彼女の「ダイダルバズーカ」による砲撃主体の戦い方から近接戦闘特化仕様機として「ドッズランサー」に装備変更され、彼女の操るガンプラとして譲渡された経緯を持っている。

なお、元々のこのガンプラの名称は”革命“を冠した「ガンダムリヴォルツィオーネ」である。

カラーリングは黒と赤を主体としていた。

◇◇◇

レイは女性の容姿で黒髪ツインテール、そして眼の色はルビーでひときわ輝きを放っている。

「ガンダムブラックランサー!レイ!……タノシモウヨ!オネエチャン!」

エリカのザクに向かって急速に近づくレイ。

その後方ではキラが腰部から〈GNライフルビット〉を〈GNソードⅡブラスター〉と結合させ、砲撃態勢へと移行していた。

「……なんかヤバイのが来るよ!エリカ!アカネ!」

ハルナが危機を感じたのか高い声で注意を二人に呼びかける。

「すこしはフォースバトルに集中したらどうなのかしらね!」

この緊迫した状況の中でもマイラはハルナに〈シールドクロー〉を胴体部めがけて鷲掴みにするように迫っていた。

「……ちょっと!いまなにが起こってるかわかってないの!あんたは!」

「それとこれとは!話が違いますってのよ!初心者さん!」

混戦状態の最中、ハルナに掴み掛かろうとしたマイラ。

その攻撃を一瞬にして変えたのは──。

「……ウダぅだウルサイナ!オレのことを無視するとはイイ度胸シテクレルナ!テメエら!──〈対烈撃蛇話砲〉!」

眩い閃光とドリルのように回転しながら迫る強力な砲撃がマイラのガンプラを抉り取るように襲った。

「なにがおこったんで──」

「……っ!?」

振り向くその瞬間でさえも与えずにマイラとハルナは目前で消失していく。

「マイラぁぁぁぁああああああ!」

「ハルナまで──!?」

マイラがやられたことで叫ぶミリタ。

ハルナを倒されたことで唖然とするアカネ。

◇◇◇

GN-0000/KILL クアンタ・イミテーション。

同じく学生モデラーである鷹野 紗弥加が製作したガンプラ。

友人であった烏山 真夢梨が作り上げた同名機をそっくりそのまま模倣したもの。

ダブルオークアンタをベースに主武装として〈GNソードⅡブラスター〉や腰部に設置した〈GNライフルビット〉四基、左脚部に〈GNカタール〉一基、そして太陽炉を有する肩部バインダー部に〈GNバスターソードⅢ〉を装備させている。

サヤカがGBN内での〈プロジェクトIRIS〉に参加した際に前述のアスカの「ガンダムリヴォルツィオーネ」と一緒に供与され、デュランダルの企画によって確立された計画内で使用していた。

◇◇◇

キラの容姿は男性ダイバーであり、紅色ショートの髪型で緑色のエメラルドの煌めきを映し出していた。

フォース〈ASTERLISK〉はエリカとアカネだけになり、対していたフォース〈JUPYPER CRISIS〉はミリタのみとなってしまっていた。

「……よくも!二人を!」

ミリタがレイに向けて射撃を繰り出していく。

その攻撃にたいしてレイは脚部に装備させていた〈ビームサーベル〉を斬りあげた。

レイとの距離を詰めるミリタ。

だが……レイはまともに相手にすらしていなかった。

「……雑魚ハ!この世から消え失せロヨ!生ゴミごとキがヨォ!」

ミリタの視線のさきには〈ドッズランサー〉を逆手持ちするレイの姿が映し出されていた。

「なんなんだよ!おまえはぁぁぁぁぁあ!」

ミリタがエリカたちの前から消失していく。

「……ツギはおねえちゃんたち、だよネェ!?」

(……殺気しか感じられないこのダイバーは何者なの!?)

エリカは理解が追いつかないこの場面に恐怖心を抱きはじめていた。

「考える暇なんてないよエリカ!倒すよあの二人を!」

アカネが鼓舞するようにエリカに通信を紡ぐ。

「……わ、わかってるけどっ!」

エリカは〈ビームマシンガン〉で敵対する二機のガンプラに牽制攻撃を仕掛ける。

「すこしはっ……!当たってよね!」

アカネも援護するように〈ビームスナイパーライフル〉の援護狙撃を行いそれを支援していた。

絶えず撃ちだされるビームの雨にレイとキラは……

「──お兄さマ?連携デいきましょウ!」

「おウさ──!イモウトよ!」

キラはGNフィールドを展開し、そのうしろにレイは隠れるように身を潜めた。

その行動はまるでエリカとハルナが以前のバトルで使用した「戦術フォーメーションS34」そのものを具現化していた。

「……こんなに厄介な連携だったなんてね!やってやろうじゃないの!」

「これじゃあ勝てないよ!」

そのとき──。

『……そこをどいて』

誰かの声がエリカとアカネに届く。

その声に従って左右に散らばったエリカとアカネ。

すると後方から戦艦の主砲に匹敵するほどの緑色に光る粒子の長大な砲撃が二人の間をすり抜けてレイとキラに向かっていった。

「この砲撃っ……!?どこかで!?」

アカネはこの砲撃に見覚えがあった。

かつてブレイクデカールによって肥大化したエリカのザクに向かって支援攻撃が放たれたものとまったく同じだったからだ。

「……コンナノキイテないっ!」

「ここでお役御免だとでも言うのか──!?いささか地味な幕引きダナ……」

レイとキラのガンプラはその砲撃によってフィールドを軽々と突破され、撃破されていった。

「わたしたちを助けてくれたの……?でもどうして?」

エリカは後ろを振り向くと──。

『ようやく逢えたね?おねえちゃん』

白髪ロングの容姿。

蒼色のサファイアのように綺麗な瞳。

優しく包み込むような声でエリカとアカネを出迎える。

「……だれなの?」

アカネは彼女にたいして、名前を聞いた。

『ワタシの名前はメア、もウ一度あナたたちに逢いニきタよ』

そんなことを言われてもエリカとアカネには彼女のことの記憶はないに等しかった。

逢いに来たと言われても、初対面なはずの彼女には困惑してしまう。

「……一度逢ったことがあるの?」

『覚えててくれなかったノ……?悲しいナぁ……』

ダイバーネームの表示には「メア」とある。

そして個体識別番号であろう「IRIS-9999」の印字も見てとれた。

操るガンプラは……

「あれはガンダムエアリアルの……改修型?」

エリカがメアのガンプラを目視で確認する。

XVX-016RN ガンダムエアリアル改修型。

機動戦士ガンダム 水星の魔女に登場。

物語中盤から破損したエアリアルを全面的にブラッシュアップした本機はそのあと幾度かの戦闘ののち、アーシアンの勢力である「ガンダムルブリスウル」および「ガンダムルブリスソーン」と会敵する。

エルノラの娘であるエリクト・サマヤの模造品として作られたリプリチャイルドの”スレッタ・マーキュリー“が搭乗し、グエル・ジェタークの「ダリルバルデ」のなどと決闘を繰り広げた。終盤に「クワイエット・ゼロ」のメインユニットとしても稼働する。

メアのエアリアルは白を基調とする「νガンダム」のカラーリングで彩られていた。

「そこのエアリアル!ただちに運営のもとに戻りなさい!繰り返す!運営のもとに戻りなさい!」

GBN運営の警備隊である「ガードフレーム」三機から発せられる男性の声。

その指示にメアは聞く耳を持つことはなく……

『ワタシのことはホッといてよ!……うるさイんだよ!イツモいつも!』

(ちょっと……おこってる?)

エリカはメアの言動からなにかされたのかと感じとっていた。

『ワタシね?もう一度“人間“になりたいなって……そう思うノ──だからまた逢おうね?おねえチャン』

その言葉の本当の意味をエリカとアカネはなにもわからないまま、メアは刹那の光の速度で目の前から姿を消していった。

***

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》第十五章までpixivにて先行更新中です〜つづきを早く読みたい方はそちらの方まで〜

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