【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第九章 -【救済の輪廻】-【期間限定公開】

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お久しぶりです神宮寺Re⑦です。

今日も今日とてビルドダイバーズ(Re:RISE)二次小説を気楽に投稿しているアカウントです〜

ってなわけであれからのつづきです

***

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》

生まれた意味はいったいなんなんだろう──。

あらすじ

義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。

これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。

***

前回→

***

第二巻《ユメノトビラ》第九章 -【救済の輪廻】-

***

三年前。

「──IRIS-9999によるAIダイバー実証運用テストを開始します」

GBN内における試験場で十数人あまりの作業員とともにデュランダルはその行く末を見守っていた。

「デュランダルさま、稼働承認の許可を」

「あぁわかっている」

彼女の補佐を務めているメイリンがデュランダルに権限の了承をとっていた。

「プロジェクトIRIS開発責任者による承認を確認」

「これよりバトルテストをはじめます」

「リリナおよびサヤカ?よろしいですね?」

『いつでもいいよ』

『おっけー』

管理室内に年若い女の子の明るい声が響き渡る。

「双方ともに精神異常などは観測されていません」

「危険はないと判断し、続行します」

「データを取得する目的を最優先とするため、ダイバーSランク向けに調整中」

「……調整終了、IRIS-9999起動します」

「リリナ、サヤカ、出撃してください」

◇◇◇

「さてさて!やるよサヤカ!」

「……めんどくさいなぁ」

「そんなこと言ってらんないよ!ガンダムヴィダール!リリナ!でるよ!」

「ガンダムエクステンドフリーダム!サヤカ!いきます!」

◇◇◇

幼稚園に入っていたぼくは同級生と砂遊びをしていた。

「いっしょにあそぼうよ!」

「いいよ!」

名札にある「エリカ」の文字。

彼女は黒髪の短髪のよく一緒にあそんでいる女の子。

「今日はなに作る?」

「ロボット!ロボットつくろ!」

「んじゃつくろ!」

べたべたと砂の感触に気持ちよさを感じながら、ぼくらは大きな城を作っていた。

そして出来た砂場に横たわる大きいロボット。

「できた〜!」

「やったね!」

するとそこに先生がボクたちに呼びかける。

「あそびじかんはおわりです!ご飯たべますよ〜!」

「「はぁ〜い」」

ボクたち二人は手洗い場にきて、汚れた手を洗い流していた。

「またあそぼうねエリカ!」

「うん!芽亞!」

◇◇◇

あの日ボクは変哲も何もない日常を過ごしていた。

幼稚園から帰って夕食どきになり、テーブルには両親と一緒に食卓を囲んでいた。

「芽亞、ちゃんと座って食べなさい」

「はぁーい」

母親である白石純香がボクに注意を促す。

叱られるのも嫌なので、椅子にすぐに腰かけた。

テレビをつけると緊急時による放送がはじまっていた。

『ただいま大気圏外からこの地球に向けて未確認の物体が突入してきているとの情報が入ってきています、国民の皆様におかれましてはただちにシェルターに避難してください。繰り返しますシェルターに避難してください。これは訓練ではありません。国家非常事態宣言による国民保護を最優先とした警告です。繰り返しますいますぐに避難を!避難をしてください!これは訓練ではありません!命に関わる重大なものです!繰り返します!避難してください!避難してください!危険です!危険なんです!避難してください!』

アナウンサーによる危機迫る必死の呼びかけに……

「……避難って言われたってどこに逃げればいいんだよ、なぁ純香?」

「あなたこそこんなところにいる場合ではないでしょう?」

「そうは言ってもな……」

「ここにいちゃダメなの?」

父親の響也が戸惑っているのかテレビから伝わるこの地球の危機にしどろもどろになっていた。

ボクはなにが起きているのかまったくわからないまま、この場所で過ごしていた。

そして──。

地面を大きく揺らす振動がボクたちを襲う。

家具が一瞬にしてめちゃくちゃになり足場を踏む空いた場所さえも遮られてしまった。

逃げようにもどうすることもできないでいるボクたちの家族。

「はやく!逃げましょ!はやく!ここから!」

「あぁ!逃げよう芽亞!」

「まってよとうさん!かあさん!ちょっと!」

必死に脚を上げてここから飛び出そうとしたそのとき……

直上から眩い明るい閃光が建物を覆いつくす。

「なんだ──なにが起きて……」

その光に包まれたことでボクたち家族は、その命を、人生を、叶えたい夢を、刹那の如くなにも成せないまま星になった。

◇◇◇

(ここは……?どこ……?砂漠……?なんでこんなとこにいるの?)

(……なんなのこれ?なにが起こってるの?)

彼女が目を覚ましたとき、視界に広がる砂埃の舞う広大な大地に怯えはじめていた。

タクラマカン砂漠。

機動戦士ガンダム00 1stシーズンに登場。

テロ組織による燃料埋設地域による襲撃に際し、ソレスタルビーイングはこれに介入。だが本来の目的は近くで行われていた三大国家群である「AEU」「人類革新連盟」「ユニオン」による合同軍事演習が彼らを誘き寄せるためにわざとそれを無視していた。

圧倒的な物量による軍事作戦によってガンダムマイスターたちは疲労困憊になり、命を散らそうとしていた。

そんなときに現れたのがセカンドチームである「トリニティ」が彼らの窮地を救うことになる。

(……ねぇ?なんなのこれ?あのとき死んだはずだよね?なんでこんなことになってるの?)

「……あれか!目標は!」

「テンション上がりすぎだよリリナ!落ち着きなよ!」

リリナはGBNの開発に関わることができたことで嬉しさと楽しさの高揚感でいっぱいいっぱいだった。

木兎 理梨菜。

かつて行われていたGP・デュエル全日本大会準決勝戦にて旭川エリカのデスティニーガンダム・プレリュードと戦うも夢敗れてしまう過去をもっていた。

容姿は薄紫髪の長髪で眼の色は灰色のようにくすんでいる。

友人であったサヤカも共に参加できたことで冷静ではあるものの同様に嬉々悠々としていた。

鷹野 紗弥加。

木兎 理梨菜とGP・デュエルで出逢ったことで友人となったものの、もう一人の友達である白鳥 明日香と離ればなれになったことで関係に亀裂が入り彼女のことをリリナとともに追い続けていた。

容姿は茶髪の長髪にアメジストのように輝く瞳を宿している。

IRIS-9999のスクリーン上に映るネームプレートには生前と同じ名前である「MEA」と表示されている。

(……なんで名前が同じなの?なんで知ってるの?)

「……お手合わせ願おうか!」

リリナが実弾のライフルを何発も同時にメアに向かって放っていく。

なにが起きているのか理解が追いつかないメア。

ASW-G-XX ガンダムヴィダール。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ2ndシーズンに登場。ガンダムキマリスを操るガエリオが友人であったマクギリスのグリムゲルデと交戦したのち消息不明となっていた本機を偽装するために改修が施された機体である。

特筆すべき点として「阿頼耶識tape-E」を搭載し、三日月との戦闘ののち戦死したアインの脳を擬似的に使用した非人道的な技術をしていた。

リリナの使用するカラーリングは紫と黒を主体とするサイコガンダムをモチーフとしたものとして彩られている。

(なんで攻撃するの!……なんでよ!なんなの!)

(……手?これが手なの?)

おもむろに自身の両手を確かめるメア。

だがかつて人間だったときのように生きている感覚がない。

それもそのはずである、だってすでに彼女は──。

(これがいまのボクなの……?うそでしょ……?)

握りこむ手の感覚は固く金属が軋む音のみが発せられている。

そんな感覚に違和感がありつつも、彼女に刃を向ける二人にたいして対抗措置を打つしかなかった。

(……こんなこと!こんなことしたくないのに!)

(ボクに!ボクを責めてくるやつらなんて!大嫌いだっ!)

メアの怒りに呼応したガンダムエアリアル改修型は瞳を赤くさせ、身体の各部位に装着されていた〈ビット・ステイヴ〉を展開して右手を向けてリリナとサヤカに攻撃の指示を行った。

「……そうはさせないよっ!」

サヤカが〈コピペシールド〉を射撃の直撃を防ぐように全面に構えて防御態勢をとる。

(……いい加減にここからいなくなってよ!戦う意味なんてないんだよ!なんでわかってくれないんだよ!)

機体色を紅く発色させたサヤカは〈アサルトモード〉を使い近接戦闘をするためにメアに距離を縮める。

ZGMF-X20A ストライクフリーダム。

機動戦士ガンダムSEEDdestinyに登場。

シンのインパルスとの攻防によって大破したキラの乗機であったフリーダムを受け継ぐ機体として開発されたもので、もともとは量産を前提とした試作機であった本機をクライン派の一党が奪取し、改修することで完成の日を浴びる。

ラクスの想いを受け取ったキラは戦場を駆け抜けていった。

ZGMF-X20A/EX-0 ガンダムエクステンドフリーダム。

鷹野 紗弥加が使用するストライクフリーダムをベースとして改造されたガンプラ。

G-セルフ パーフェクトパックの装備をドラグーンから変更させ肩部も前述のものに入れ替えたミキシングスタイルで製作されている。

〈アサルトモード〉によって高威力の砲撃がメアを狙い撃ちする。

(……こんなの!こんなのおかしいよ!)

◇◇◇

「IRIS-9999精神異常数値を確認、危険です!これ以上は!」

「……戦闘続行すべきではありません!」

「暴走状態となれば我々も危険に晒されます!」

「いますぐに停止信号を送る必要があります!デュランダル!」

「構わない、続けろ」

「本気でおっしゃっているんですか!?正気ですか!?」

「これが成功しなければ、わたしの悲観を叶えられない」

「いったいなんの目的があってこんなことを!?」

「君たちに言ったところで理解してくれないだろうさ」

「……なんなんですかそれ」

「仕事をしているこっちの身にもなってくださいよ!」

「騒がしいな君たちは……」

◇◇◇

(ボクに歯向かってくるなんて!みんな!みんな!こんな世界なんてめちゃくちゃになっちゃえ!)

〈ビームライフル〉に結合されていくビットたち。

砲撃に移行するメアは対する二人に向けて、照準を合わせていく。

リリナとサヤカの真ん中を過ぎ去っていく砲撃。

その威力は星をも滅ぼしてしまいそうなくらい、なにもかも無きものにするかのような凄まじい威力で彼女たちに怖けさせた。

「……うっひゃあ〜これはヤバいやつだよ」

「これがAIダイバーの力なの……」

リリナはその砲撃によって俄然としてやる気が出たのか、腰部から〈バーストサーベル〉を左手に力むように持ちメアへと刃を向ける。

突貫してくリリナ。

メアはこれに〈ビット〉を結合させたままの〈ビームライフル〉を振り回してリリナに打撃を加えていく。

「……っ!?」

「リリナ!」

サヤカが強打されていったリリナを見かねたのか機体色を濃緑に染め上げる〈高トルクモード〉を発動させ、メアに殴りこみをかける。

「これしきのことでぇぇぇええええええええ!」

(このひとたち怖いよ!ボクのことなんで敵だと思ってるの!)

(こんなとこいちゃいけない!はやくここから逃げなきゃいけないのに!)

勢いよく握り込めた右手の拳がメアに直撃する。

(……いたいよ!いたいって!痛いんだよ!おねえさんたち!)

その場所から離れたい一心でメアは宇宙へと向かって一直線に光の速さの如く飛び立っていった。

***

つづきをはやく読みたい方はpixiv先行版の方まで〜

2025/10/13現在 陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第十七章まで更新しています〜

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