【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第十一章 -【GBN-AIダイバー感情育成プログラム】-【期間限定公開】

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お久しぶりです神宮寺Re⑦です〜今日も気楽にビルドダイバーズ(Re RISE)二次小説を気楽に投げているアカウントはわたしです〜

ってなわけであれからのつづきです。

***

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》

『生まれた意味はいったいなんなんだろう──。』

あらすじ

義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。

これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。

***

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***

第二巻《ユメノトビラ》第十一章 -【GBN-AIダイバー感情育成プログラム】-

***

あれから数時間後、四回目のデートの最後にGBNをすることになった私とカグヤ。

ログインして数十分が経ったあとフォルダに一通のメールが届いていた。

「GBNからメールが来てるんだけど、こういうことってあるのカグヤ?」

「たまにアンケートとか送られてくるからそれじゃないのか?」

アンケート……?なら別にいいけど、あまりこういうのって普通は話をしちゃダメなやつだよね?

とりあえず開いてみよっか……なんなのかわからないとどうしようもないわけだし。

私はフォルダからGBNの依頼メールを読んでいくと──。

◇◇◇

『GBNをいつもご利用いただきありがとうございます。あなた方が楽しんでくださっていることにわたくしたちは感謝をしています。本題なのですが我々はあなた方に特別なご依頼を承ってもらいたくこちらにメールを差し上げました。ご依頼内容は以下のとおりです。

〈GBN-AIダイバー感情育成プログラム〉について。

こちらが開発中のAIダイバーへの育成に参加されてもよい方はこのまま返信してください。

また、相互で情報共有のため随時報告をしてくださるとより開発がしやすい環境となりますのでご理解ください。

それに加えて本計画では参加されたダイバー様方のみにだけ、ほかの方との交流を許可します。

なお、このことについては身近な人や親族などにも他言無用である秘匿事項になりますため決して口外しないようお勤めください。

最後にこのプログラムに参加を申し込まれるダイバーのみなさんはこちらにサインとIDを控えたものを参照の上、検討していただきますことをお願い申し上げます。』

◇◇◇

「だってさ?どうするカグヤ?」

「まぁいいんじゃないのか?参加しても」

「じゃあそうしよ!」

「おう」

私とカグヤはGBNから依頼されたプログラムに参加するため、メールを返信して運営からの対応を待つこととなった。

***

それから一時間後、GBN運営の返信から指名された場所にやってきた私たち。

「……ここでいいんだよね?」

「そのはずだが」

荒れ果てた地の中にあった施設に入っていく私たち。

見たところなにかの収容施設なのはわかったけど……

「ようこそおいでくださいましたハルナさんカグヤさん」

「あなたは……?」

「〈GBN-AIダイバー感情育成プログラム〉の統括指揮を任されておりますメイリンと言います、よろしくお願いします」

「よ、よろしくお願いします」

「ところでなにをすればいいんだメイリンさん?」

「それではこちらにお進みください」

メイリンさんに案内され、施設内を歩いていく。

その中には数々の部屋があって多くの子供がそこで遊んでいた。

◇◇◇

中枢部へと招き入れられた私たちはそこで一人の人物と出逢う。

「よく来てくれた、この育成プログラムに参加してくれたことを心より感謝申し上げる……デュランダルだ」

「……彼女がこの〈GBN-AIダイバー感情育成プログラム〉の管理者であるデュランダルです、なにかお困りのことがありましたらこの方にご相談されますように」

「……そ、そうですか」

「もしかして運営の上層部の方ですか?」

カグヤがデュランダルに向けて質問を投げかけるように話す。

「ええ、もちろんですとも?なにか気掛かりなことでもありましたか?」

「い、いえべつに……」

「ではこちらに──」

私とカグヤはメイリンさんによる手招きによってとある部屋へと入っていった。

◇◇◇

「これがいま我々が開発を進めておりますAIダイバーの研究室になります」

多くの機器類とそれを行なっている運営の作業員数十人が事にあたっていた。

「……すごい人数ですね」

「開発の人員はおおよそ五〇〇人おります」

「そ、そんなに……」

「これがGBNの裏側ってことなのか……?」

「あなた方の参加されたプロジェクトは見せれるところだけ、だということをご理解ください」

「わ、わかりました」

「それもそうだよな……」

通された部屋を抜けて、私とカグヤは開発の最深部にあたる場所へとやってきた。

***

十列におよぶカプセルに入っている人間の姿を目にした私たち。

思わず少しだけゾッとして鳥肌が立ってしまう。

「こちらがAIダイバーの生産場所になります、この中からお二人にお一人選んでいただき育成してもらいます」

「この中からですか……?見たところ一〇〇〇人くらいいますよ?」

「これらは現在稼働しているIRISシリーズの後期生産タイプなのです、あなたたちを待ち望んでいたのですよ?」

「そうは言ってもね……」

「なんだか話が大きくなってきたなハルナ……」

「だよね……」

思わず足がすくむほど、気軽なノリで返事をしてしまったことに立ちくらみしそうになっていた私。

そこで一人のAIダイバーを選んだけど、本当に私たちでいいのかな……?

「……この開発プロジェクトにご参加していただいたこと誠にありがとうございます、それでは──出てきなさいIRIS-6666」

一つのカプセルが選出され、目の前に出現する棺桶。

扉が開いてひとりの女の子が私たちを出迎える。

「……IRIS-6666、あなたはこれからこの人たちと一緒にGBNを旅してください」

「こ、この人たちと?」

「そうです、あなたはここにいるハルナとカグヤと家族になったのです喜ばしいことですよ」

「か……ぞ……く?」

髪型は金髪のショートで眼の色はエメラルドを彩っていた彼女。

おおよその背丈と体型から想定される年齢設定は十歳くらいに見えた。

「ハルナさんカグヤさん、彼女に名前をつけてください」

「え?なまえ?……まだなにも知らないのに?」

「育成プログラムなんだから名前ないとわからないだろハルナ」

「それもそうだけどさ……」

「なにか思いついたか?」

「うぅーん……なにか……なにかないかなぁ、なにかないカグヤ?」

「おれに言われてもすぐには出てこないよ」

「そうだ!ユメってのはどうかな?」

「ユメ?なにかあるのか?」

「夢を広げてほしいから”ユメ“、どうかな?」

「いいんじゃないのか?」

「んじゃあこの子の名前はユメで!」

「ユメですね、ではそれで登録します」

「お願いします!」

私とカグヤが育成することになったAIダイバーのIRIS-6666の名前は「ユメ」に決まり、彼女とGBNをともにすることに。

◇◇◇

「……あなたがハルナ?それで隣にいるのがカグヤ?」

「そうだよユメ、これから私たちと一緒にいろんなところに行ってみようよ!」

「ああそうしよう!」

「よろしく!ママ!パパ!」

「なんだか本当の家族になったみたいだねカグヤ?」

「なにかのロールプレイをしてるみたいだなおれたち……」

「たしかにそれもそうだね〜」

私たち三人は晴れ渡る空の下でこのGBNを散策する壮大な旅に出向いていった。

***

GBNの仕事を終え、真夜中の二三時を過ぎたくらいの時間にくたびれながら家に帰ってきたワタシ。

「ただいま〜……ってもう寝てるよね……」

ワタシには結婚している彼と十五になるひとり息子がいた。

「遅いぞマフユ?また今日も残業だったのか?」

「……そうだよ、だからこんな時間になるまで仕事してたんじゃん」

「上司に相談したらどうなんだ?仕事させすぎだって」

「そんなこと言ったってワタシは好きでこの仕事してるんだからいいでしょハヤト」

「そうは言ってもだな……マフユ……」

彼の名前は各務隼人。

勤めている仕事先は塗料関連の下請け会社らしいけど。

大学時代に仲良くなってからそのあと結婚したワタシのはじめての恋人であり夫である。

体型は中肉中背でワタシよりも背が十センチ近く高く髪型は黒、眼の色はルビーに輝いていた。

ワタシはGBNで「メイリン」という名前を使って仕事を日々こなしていた。

なにを考えているのかさっぱりわからない上司の顔色をいつも伺いながら、彼女の提案した計画のサポートを任されていた。

「夕飯なら子供ともう食べてしまったぞ?」

「いいよ、ワタシは弁当食べるから」

「そんなので栄養がつくのか?いつ倒れてもおかしくないぞ?」

「いいって、子供が起きちゃうでしょハヤト?少しは声を静かにして」

「……マフユのこと心配してだな」

「心配?だったら将来のこと考えてくれてるの?」

「そんなのわからないじゃないか、いくら金があっても未来がどうなるかなんて誰にも知り得ないことだろ」

「だからその為に資金を貯金してるんでしょうよ、少しはワタシの身にもなってよあなた一人でやってるわけじゃないの」

「んなこと言ったって帰りの遅いおまえがなにか子供達にしてあげたことあったのかよ!?なぁ!?」

夫であるハヤトにいつも子供たちのことを見てもらっているワタシにとってその発言はあまりいいものではない。

「こっちは毎日毎日頭下げて仕事して、疲れ切ってる中でやってるんだからそのくらいわかってよ!」

「俺だって子供の世話しながら仕事やってんだよ!自分だけが不幸ぶればいいと思ってんのかよ!」

いつもワタシたちは夫婦の共同生活の中で、事あるごとに喧嘩が絶えなかった。

今日もこんなことをするために生きているんじゃない、そう頭の中で思っていてもつい口が滑ってしまったことに嫌気がさしていた。

「……だったら!だったらさ!ワタシのことくらい労ってよ!」

「それはお互い様だろ!なんでいつもそうなんだよ!少しは冷静になれよ!」

「冷静……?冷静だよワタシは!」

帰りにコンビニで買ったビールを片手にワタシは彼に反論をする。

「いつも酒ばっか飲んでるやつに言われたくねえよ!」

「いいでしょこれくらい!こうでもしないとやってけないんだよ」

「こんな生活ばっかしてたらおまえ倒れるぞ……?」

「大丈夫だって、ほら!ピンピンしてるよ!」

彼と目を合わせながらワタシはおもむろに腕を捲し上げる。

「……いまにも折れそうなくらい細い腕だな」

「へへへ……褒められちゃった〜」

「褒めてない、っていうかいい加減酒飲むのやめろよ」

「じゃあ布団に連れてって〜寝かせて〜!あっ……それともいっちょこの勢いのままワタシのこと抱いとく?あなたの大好きな胸で受けとめてあげましゅよ〜?」

「まったく手間のかかる妻だこと……なんでそうなるんだよ頭おかしくなったのか?あんまり調子こくと痛い目に遭うぞ?」

「この世界のほうがおかしいんでぇ〜す……ふひひひひひ……」

「あぁ〜もう!めんどくさいなぁ!」

ワタシは彼に引きずられながら息子のいる部屋の隣の寝室へと運ばれていった。

***

ビルドダイバーズ(Re RISE)二次小説

「陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。」

2025/10/27現在pixiv先行にて第二巻《ユメノトビラ》第十七章まで更新中です〜つづきを早く読みたい方はプロフのリンクからそちらのほうまで〜

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