【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第十四章 -【二度目のレイドボスミッション】-【期間限定公開】

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お久しぶりです神宮寺Re⑦です。

今日も今日とて遅れておりましたビルドダイバーズ(Re RISE)二次小説

「陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。」

の【試し読み】投稿の更新です。

***

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》

『生まれた意味はいったいなんなんだろう──。』

あらすじ

義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。

これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。

***

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***

第二巻《ユメノトビラ》第十四章 -【二度目のレイドボスミッション】-

***

暖かな日差しもだんだんと伸びてきた五月下旬。

いつものようにわたしは模型部の部室でフィギュア製作を進めるために3DCADデータの作業を行なっていた。

……とは言うものの、橘輝夜先輩からの助言によってようやく全体的に人間の身体が出来上がってきてはいたんだけど。

「……さすがに放課後の時間の活動ぜんぶこればっかりになると飽きてくる〜」

言い出したのはわたしだし、やらなきゃいけないのはわかってるんだけどこうも毎回同じような作業が続くと……メンタルの維持があまりにもできなくなってくるよ……誰だよ!やろうって言い出したのは!ごめんなさいわたしですね、はいちょっと黙ってやります、わたしのことは気にしないでください。

「せんぱ〜い、ちょっとうるさいですよ」

「見てるならなんか手伝ってよ!そこの新人部員!」

「え〜やだ〜めんどくさいんですけど〜、そう思いますよねハルナ先輩?」

「私に振られても困るんだよね、ホノカさん?」

九条穂乃果。

一年生のお嬢様で、わたしたちが前に行ったショッピングモールの建造に関わる投資をした〈クジョウ・コーポレーション〉の財閥令嬢……なんだってさ。

生きてる世界が真逆すぎてなんも親近感が湧かないこと以外なにもわからないけど。

「ところで彼氏さんはどうしたんです?今日は来てないようですけど」

そういえばカグヤさん、今日は部室に来てないけどなにか用事でもあったりするのかな……?でもまだ自由登校にはなってないよね?

「……チャット送ってはいるんだけど返事がこれっぽっちもないのはなんなんだろうね」

「浮気でもされたんじゃないですか?ほら、ハルナ先輩ちょっと怒らせたら殺されそうだし」

「ひとつ、いいかな?」

「なんですか?手短に言ってくださいよ?」

「上級生にその言い回しは失礼じゃないかな?もうすこし敬意を持って話したらどう?淑女ならね」

「……もしかして地雷踏みました?すみませーん気をつけまぁ〜す」

そこはかとなく女同士の諍いをはじめるのはやめてほしいところなんだけど……

というかアカネはなんでこんなときにいないの!生徒会長だからいろいろな手筈とか話し合いがあってこっちに来れないってことくらいはわかるんだけどさぁ!?

少しの時間の休憩としてわたしはPCから離れてホノカさんに話をすることにした。

というかホノカさんのあのSガンダム、HGモデルではMS固定だったはずなのに完全変形なんてどこからそんな技術がって……気になってて……

◇◇◇

「聞きたいんだけどホノカさんのSガンダム、それ自分で作ったの?」

そうするとホノカさんは部室にあるGP・デュエルの筐体に置かれたその作品を手に持ってわたしに見せるように差し出した。

「あぁ〜?これですか?これ友人に代理製作してもらったものなんですよ、綺麗でしょう?」

……自分で作ってないってこと!?

代理製作はモデラーさんが依頼金を受け取ってユーザーに完成品を届けるものではあるけど、まさかこんなに身近にいようとは思わなかったよ。

「ところで製作依頼の値段って……?」

「三万円くらいです、学生のバイトの給料くらいらしいですけど」

「わたしにとっては大金だよ!?」

「それは先輩の感覚の話でしょう?一緒にしないでくれますか?」

「そ、そうだけど……その友人って?同級生なの?」

「まぁそうですけど、それがなにか?」

「男なの?女なの?」

「それってそこまで重要な話ですかエリカ先輩?……男ですけど」

「もしかして付き合ったりとかして──」

「してません、ただの都合の良いセフレです」

セフレってなんの躊躇いもなしに言ったよこの子!?ってかなにその自信ありげなドヤ顔!?めちゃくちゃ腹立つ!

こっちはまともに明るい青春ライフ!なんて一年も経たずに終わったって言うのに!

「彼氏にしたら良いんじゃないのかな……?そこまでやってくれるなら」

「え?なんでですか?一生を添い遂げます〜みたいなノリですか?バカバカしくありません?」

「……あ〜いやそういうんじゃなくてその、ね?ハルナ?」

「困ったら私に聞く癖やめないエリカ?」

「ご、ごめん」

違うんだって!こうでもしないと真面目に人の話聞けないんだってわたし!

「その人ってここに通ってたりするの?」

「別の高校に行ってますよ彼なら、たしか〜横浜あたりの工業高校に」

「へ、へぇ〜?名前は?」

「遠野めるる、ワタクシと同い年だったかな?」

「めるる?なんか女の子みたいな名前なんだね……?」

「聞いた話ですけど彼の母親はGBNの仕事してるみたいですね〜」

「よくそんなこと知ってるね?」

「はじめて家にお邪魔したときに話してくれましたし、そのときに済ませましたよワタクシ」

「済ませたってなにを!?」

「言う必要あります?」

「そ、そうだよね……はははは……」

と、そんな世間話を膨らませていた最中に部室のドアがずりずりと開けられていく。

◇◇◇

「遅くなった〜!作業進んでる?エリカ」

「来るのが遅いよアカネ!」

「やっと現生徒会長がお見えになられましたか」

「この子だれ!?ってかハルナはそこで何してんの?」

「この人は九条穂乃果さんで模型部の新入部員だよ!やっと一人目ゲットだよ!」

「エリカ先輩、ワタクシのことポケモンみたいにいうのやめてもらえます?」

「……それもそうなんだけど!」

「へ、へぇ〜ようやく新入部員が来てくれたのね、これでひとまずは前進だね」

「私のことは気にしないで」

これでひとまずは安心って感じではあるけど、文化祭までの期間でなんとかわたしのやってる作業を終わらせなくてはいけないんだ……責任重大すぎ……

「……エリカは作業止まってるけどやんなくていいの?」

「いまは休憩!ずっとPCに張り付いてたら頭おかしくなっちゃうよ!」

「それもそうか……ていうかみんなはGBNで開催されるレイドボスミッションには参加するの?」

「なんかまたやるらしいじゃないですかそれ、半年前くらいにもやりましたよね?」

そうホノカさんが聞き耳を立ててアカネに話をする。

「なんか今回はGBNからの特別ミッションがあるらしくて成功すると報酬もかなり貰えるらしいんだけどさぁ〜?ほんとかなぁ?」

報酬山分けミッションみたいなやつ?ネットショッピングとかだとポイントをより多くもらえるみたいなやつはたまにやったりするよね?お客さんを増やすためとかなのかな?

「その報酬っていくらくらいなんです?」

「……えっと、ちょっと待ってていま見るね〜」

そういうとアカネはスマホを持ち出してGBNの攻略サイトを探すために調べ出した。

それから数十秒がたったとき。

「……えとえと、今回の第三十三回〈ゲリラレイドボスミッション〉の特別功労報酬は──いち、じゅぅ、ひゃっく、せん……まん……あれ?待ってこの桁数……」

「はやく教えてよアカネ!」

「五〇〇〇万ビルドコインだって……お城とか艦船のフォースネスト一括で買えちゃう量だよこれ!」

ご、ご、ご、ごせんまん!?

「その程度ですか安いですね、まぁやりますけどワタクシ」

ホノカさんの金銭感覚どうなってんの!?

安いのそれ!?現実のレートに置き換えたらビル一棟買いみたいなもんだよ!?……たぶん、知らないけど。

そんなこんなで今日の模型部の活動は終わりを迎えた。

***

『第三十三回目となる本日のゲリラレイドボスミッションは!特定のレイドボスを倒したフォースまたはソロダイバーに運営から五〇〇〇万ビルドコインが支払われる大判振る舞いです!さてさて〜!?みなさんはこの苛烈した戦いの中を生き残ることができるのか〜!』

GBNにログインしたわたしたちのフォース〈ASTERLISK〉とホノカさんはロビーで司会を務める女性の映像を見ていた。

「やっとはじまったねエリカ」

「……さすがにちょっと緊張する」

「カグヤはなんで連絡よこさないの……」

「まだ連絡つかないのハルナ?」

「一週間以上もないなんてなにかおかしいよ」

「ほんとに浮気でもされたんじゃないです?」

「心臓に悪いこと言わないでホノカさん」

「ほら!はやくいくよみんな!」

アカネに手を引かれてわたしたちは二度目になるゲリラレイドボスミッションへと足を運んだ。

◇◇◇

「ザク・ブロッサム!エリカ!フォース〈ASTERLISK〉!いくよ!」

「ガンダムシュヴァルゼッテ・ハンティア!アカネ!やっちゃうぞ〜!」

「ガンダムポータント!ハルナ!いきます!」

続々と出撃していくガンプラたち。

「Sガンダム!ホノカ!参ります!」

飛び立った宇宙空間で彼女たちは、レイドボスを探す。

散らばった隕石群がガンプラに当たり並々ならぬ緊張感の中で、エリカたちは目を配らせる。

〈レクイエム〉。

劇場版ガンダムSEED freedomに登場。

全大戦時に破壊されたものがファウンデーションによって修復され、デスティニープランに反対する〈オーブ〉を亡き者にするために稼働した決戦兵器。

これを迎え撃った世界平和機構コンパスのキラとラクスは己たちの自由を勝ち取るために戦線を潜り抜けた。

レクイエムから発進されるレイドボスのガンプラかわたしたちに攻撃を仕掛けてきた。

「なんなのよあの大群!?三〇〇〇くらいいんじゃないの?」

アカネが見たその光景に思わず身震いするほどの鳥肌が立ってしまう。

「……あれは!?ELSダブルオーライザーじゃん!?」

ELSダブルオーライザー。

漫画版劇場版機動戦士ガンダム00に登場。

地球外変異性生命体こと「ELS」がモビルスーツに擬態したもので、劇場アニメ版ではELSジンクスとして地球に向かう彼らがソレスタルビーイングのガンダムマイスターたちおよび残存戦力のすべてを防衛として配備させた連邦軍と戦闘状況になる。

余談だがグラハムが劇中で敵対したときに言ったセリフである「……まさか敵がガンダムタイプとはな!」は元々登場予定だった際の名残である。

◇◇◇

「よろしかったのですか?あんなに報酬を弾ませて」

「……人は所詮自身が得をするという状況になれば、獣のように欲望を出す生き物なのだから利用するほかないだろうメイリン?」

「IRIS-9999は現在地は不明の中ですし、本当に誘いに乗ってくれるでしょうか彼女は」

「まったく手間のかかる小娘だよ、こちらの意図も汲んでもらいたいもんだ」

「サーバーサイド3におけるデータ汚染状況は一定の落ち着きを示しています、ですが私たちのGBNを狙う目的がいまだに不明瞭すぎます……今後の対策はどうなさいますかデュランダル?」

「現状このまま、というわけにはいかないがリボンズとイゼルカントには報告書から対抗策を模索してもらっているところだ。君には変わらず仕事を続けていればいいメイリン」

「……了解しました」

「本日のゲリラレイドボスミッションにて使用されるAIダイバーはIRISシリーズの稼働可能なものすべてでよかったのですよね?」

「それで構わない、気になることがあるのか?」

「いえ、確認のためです……それでは」

◇◇◇

エリカのザクが〈ビームマシンガン〉から放出される弾丸が敵ガンプラに打撃を与える。

それに続くようにアカネとハルナも射撃を行い、各機で撃破していった。

だが、はじまったばかりのミッションでハルナは一際目立つ振る舞いをするガンプラを発見する。

輝く二対の長大な粒子の剣を顕現させ、かつて見たカラーリングとは異なる風貌になったその姿を。

「なんで!なんであなたが私の敵になっちゃうんだよ!意味わかんないよ!カグヤ!」

そう、それは彼女のボーイフレンドであるタチバナ・カグヤが目の前に敵として現れている。

サングラスと首に紅いマフラーを携えた彼に彼女の声が響きこだまする。

『ガンダムエピオンアズラエル……カグヤ!この世のすべてを断罪する──!』

***

ビルドダイバーズ(Re RISE)二次小説

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

こちらのつぶやきによる【試し読み】の更新はおおよそ一週間に一度程度を目安にしています。

2025/11/21現在、pixivにて第二巻第十八章まで更新しています〜早くつづきを読みたい方はそちらのほうまで〜

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