【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第十五章 -【Get you Back】-

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お久しぶりです神宮寺Re⑦です。

今日も変わることなくビルドダイバーズ(Re RISE)二次小説の試し読み投稿の更新です。

と言うわけであれからのつづきです。

***

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》

『生まれた意味はいったいなんなんだろう──。』

あらすじ

義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。

これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。

***

前回→

***

第二巻《ユメノトビラ》第十五章 -【Get you Back】-

***

レイドボスを次々と撃破していくフォース〈ASTERLISK〉。

だが、総数三〇〇〇にも及ぶガンプラの軍勢によっていくら攻撃を繰り返しても、まったく数が減るような気配すら感じられないでいる。

ハルナと別れたエリカとアカネは防戦一方のなかで圧倒された数によって四苦八苦していた。

「まったく数が減っているように見えないんだけど!?」

そんなエリカたちを見ていたとあるフォースが加勢してくる。

「フォース〈JUPYPER CRISIS〉!援護するよ!あんたたち!」

「サー!イエッサー!」

「姫様をお守りするのが俺たちの使命!」

かつてエリカたちと対戦した面々が現れる。

ボリノーク・サマーンを操る女性ダイバーのマイラを筆頭に、ガンダムアメイジングエクシアを使う男性のミリタ、そして同じくビギナ・ギナを使用するカルマが合流する。

「……って!?なんでいんの!?」

アカネが会敵して早々に彼女らを見て、つい口が滑ってしまう。

「なんでって……!?こんな美味しい話に参加しないダイバーがいないと思います!?」

「それはそうだけどさっ!」

「きますよ!まだまだ!」

「わかってる!」

エリカとアカネに合流したフォース〈JUPYPER CRISIS〉。

それによって、次々と敵を投げ払っていった。

◇◇◇

ハルナは敵として対峙することになったカグヤを止めようと奮戦していた。

二対の長大に膨れ上がった粒子の剣先を顕現させるカグヤ。

両手の武器を大きく振り上げ、ハルナへと襲いかかる。

ガンダムエピオンアズラエル。

かねてよりカグヤが使用していた銀色と空色を組み合わせて彩られていたエピオンが変化した姿。

これまでの差異としてネイビーブルーとペールグリーンのカラーリングに改められており、今まで以上の性能として〈ビームソード〉に触れるとバーナーのように燃えさかる炎が対象物を焼き尽くす威力を放つ。

「……ハルナ!おまえまでおれを否定するのかよ!」

いまにでも泣きそうな震える声で、彼女であるハルナに攻撃を繰り出していた。

ハルナはその剣に対して左手の〈GNピアスソード〉で受け止め、反論するように彼を諭そうとする。

「カグヤがなにしたいのか今の私にはわからないよ!こんなことして言い訳ないじゃん!バカ彼氏!」

(……じゃあおれはなにを目標にすればいいんだよ?なぁ?)

(どうやって進んでいけばいいのか示してくれよ!)

(もう……自分がわからないんだよ……)

(助けてくれよ……)

ハルナが様相の変わったカグヤに向かって、受け答えをするも強引な力でクレーターへとガンプラが押されていた。

「……すこしはちゃんと私の話を聞いてよ!ねぇってば!」

……と、二人の口論が続いていた最中に一人のダイバーが駆けつける。

『ワタクシがいることを忘れてないでくれませんかっ!?先輩たち!?』

Sガンダムを操るホノカが対峙しているカグヤとハルナに向かって通信を飛ばす。

だが、そんなことは気にするそぶりさえ見せないハルナ。

それはそうである、目の前には戦う必要のない彼を引き戻さなければいけない状況にいるのだから。

「いいかげんにしてよカグヤ!こんなことしなくたっていいじゃん!」

(あの、ワタクシがいることは無視するんですか?)

「……どいつもこいつも!おれを馬鹿にしやがってぇえええええ!」

「人の話をちゃんと最後まで聞けっていってんの!」

(……いや、あのだからワタクシのことは?ちょっと?お二人さん!?)

側から見ればただの痴話喧嘩を目撃しているホノカ。

……不幸中の幸いのことにレイドボスがこの宙域には現れていないのが良いのか悪いのか、ホノカにとってはそれがそこはかとなく居心地の悪さを感じていた。

むしゃくしゃしたホノカが二人に向かって射撃を振り撒く。

その粒子の光が左右のクレーターに大きく穴を開ける。

「……ちょっと!ホノカさん!?場所考えて撃ってよ!頭おかしいんじゃないの!?」

『それが助けに来たワタクシに言うことなんですか!?』

「だったら手伝ってよ!私の彼氏をどうにかして取り戻すんだから!」

『いやです』

「返事早すぎじゃない!?」

『いやですよ……なんでわざわざ報酬目当てできたのにお構いなしにイチャイチャしだすバカップルの喧嘩に巻き込まれなきゃいけないんですか……』

「イチャイチャなんかしてないけど!?なにを見てそう言ってんの!?この状況のどこが!?」

『鏡を見てから言ってくれます先輩……?じゃ、あとは自分でなんとかしてください』

ホノカは二人のことはまるで見ていなかったように、颯爽と離脱していく。

「……ぇぇえ!?」

ハルナとホノカの会話には見向きもせずカグヤは、二振りの剣の威力を増幅させてハルナのガンプラを押し潰すように隕石のクレーターを沈ませていく。

「……ちょっと!いいかげんにしてよカグヤ!」

◇◇◇

エリカたちは共闘するフォース〈JUPYPER CRISIS〉とともに、レイドボスを撃破していた。

「なんでこんなにいんの!?ってか特定のレイドボスってなんなの!?」

エリカの発した言葉によって、いまだに報酬がもらえる倒すべきボスが現れていないことに苛立ちを覚えていた。

「……やるよ!フォース〈MARS RAY〉!一緒に戦うよ!」

「やっちゃうよ〜!」

「いくよ〜!」

かつてエリカたちが戦ったフォースである〈MARS RAY〉のフォーンファルシアを操るオリバ、ガンダムグシオンリベイクフルシティのノノセ、ウーンドウォートのクロミの女性ダイバー三人が横から共闘するようにビームの粒子と実弾による雨が撃ち出されていく。

「……って!?あのときの!?」

「細かいことはあと!敵を捌ききるよ!」

「オリバのいうことなら仕方ないですね!」

「そう言われたらやるしかないね!」

と、アカネがエリカに通信を繋ぐ。

「エリカ!?ちょっとエリカ!?……あ!あれ!」

「なに!?アカネ……?」

「……なんかあそこにレイドボスに襲われてるフォースがいるんだけど!」

通信を繋ぐアカネが前方数百メートル先にいるフォースのダイバーたちが、ELSダブルオーライザーによってガンプラが汚染されることを防ぐために奮戦しているのが見えた。

「……助けにいくよエリカ!」

「う、うん!でも……」

オリバたちのことが気がかりだったエリカは戸惑っていた。

「気にしないでください!はやく助けに行って!」

「わたしたちのことは構わないで行ってください!」

「……あなたにはやるべきことがあるはずです!」

三人がエリカに応えるように声援を送る。

「……ありがとうございます!ここは任せましたよ!負けないでよ?」

そうエリカが伝えると──。

「はは……!これは頑張らないとね!ノノセ!クロミ!」

「「了解っ!」」

三人の敬礼とともにエリカとアカネは救助に向かうために戦線をあとにした。

◇◇◇

全機グスタフ・カールを使用するフォース〈DRY FLOWER〉はレイドボスによって窮地に立たされていた。

反撃として実弾の攻撃を闇雲にばら撒いていくが、敵はそれにびくともせず彼らとの距離を詰めていく。

「なんなんだよこいつら!どんな難易度設定してんだよ運営はよ!」

「こんなの!こんなのやってられないよカエデ!」

「ふざけるのも大概にって感じだよソウビ!」

「二人とも気を引き締めていけよ!」

「「わかった!」」

粒子の塊が幾度となく彼らに向かい、それに疲弊しきっていたカエデとソウビそしてサクラ。

三機に取り憑いたレイドボスがアイスのように溶ろける金属の波を流し込むように、カエデたちをじわじわ蝕んでいく。

「……くそっ!こんなところで終わるのかよ!」

「ははは……こりゃ呆気ないですね……」

「こんなことになるなら参加しなければよかった……」

操作不能になりつつある自分たちのガンプラに、正気を失い意気消沈する三人にエリカとアカネがやってくる。

『諦めるのにはまだはやいよ!』

『あたしたちがいるんだから!』

囚われたカエデたちを救うためにエリカとアカネは、交互に射撃を敵に与える。

その攻撃によって撃破されていく取り憑いていた三機のガンプラ。

「……助かった!……って!おまえらかよ!」

「悪かったね!あたしらでさ!」

「いや……そんなことを言うつもりは毛頭ねえけど……」

「正直じゃないですねカエデ?」

「あれあれ?ちょっと照れてます?」

「う、うるせえ!」

するとエリカたちの目線の直上に一機の四方に広がるシルエットが浮かび上がる。

明らかに一度見たことのある形状、だが一艇だったライフルが両手に装備されており武装が追加されているのが理解できた。

「……あれって!?もしかしてメア?」

「エリカには伝えなきゃいけないことがあるでしょ……!ここはあたしたちが引き受けるから行きなよ!」

「……で、でも!」

「いいから!行ってよ!エリカ!」

「わかった!やられないでよねアカネ!」

「んなことはわかってるって!」

コードネームIRIS-9999、もといメアのガンダムエアリアル改修型を発見したエリカはアカネを残して彼女と話すためにその場をあとにした。

◇◇◇

ハルナはカグヤがおかしくなったことで怒りが湧いていた。

「……あぁもう!頭きた!」

画面上のスクリーンを傍目に、スロットにあるものに気がついたハルナは……

(……なんかよくわかんないけど!これを使えばいいんだよね!)

「──TRANS-AM!起動して!」

その一言によってハルナのガンダムポータントが機体を紅く染め上げ、出力を一定時間大幅に底上げする機能によって追い詰められていたその状況から脱却する。

「これで……すこしはまともに戦えるよねっ!やるよ!ポータント!」

◇◇◇

今の私には彼がどんな気持ちでやってきたかなんてわからない。

けど……!それでも……!私はそんな彼のことを嫌いになんかなれない!

私がここに来てカグヤと出逢ってから、雁字搦めだった日々を変えてくれたのはあなただったから!

だから──!なにがあっても彼のことは裏切りたくない!

これまでの私の気持ちをわからせないといけないのなら!

私は!カグヤを!こてんぱんに倒す!

覚悟してよねカグヤ?私……さすがに制御が効かなくなるかもしれないけど!カグヤが悪いんだからね?

……私のこと好きにさせたことを思い知らせてやる!

***

ビルドダイバーズ(Re RISE)二次小説

「陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。」

こちらのつぶやきによる【試し読み】はおよそ一週間に一度程度の更新を予定しています。

はやめにつづきを読みたい方はpixiv先行で公開中です。

2025/11/24現在、第二巻第十八章まで更新中です。

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