【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第十八章 -【推しなんです!】-【期間限定公開】

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お久しぶりです神宮寺Re⑦です。今日も変わることなく気楽にビルドダイバーズ(Re RISE)二次小説の投稿です〜

ってなわけであれからのつづきです〜

***

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

第二巻《ユメノトビラ》

『生まれた意味はいったいなんなんだろう──。』
 

あらすじ

義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。

これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。

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第二巻《ユメノトビラ》第十八章 -【推しなんです!】-

***

二度目の〈ゲリラレイドボスミッション〉に参加したわたしたちのフォース〈ASTERLISK〉は、ミッション達成と同時にGBNのロビーにもどっていた。

「賞金五〇〇〇万ビルドコインだよ!?これからどうしよっか!?」

興奮気味にアカネが鼻息をたててわたしに声をかけてくる。

……というかこんなにはしゃいでいるアカネの顔を見たの初めてだよ?とりあえず落ち着こ?
 

「……それはあとで考えるとしてハルナはどこ行ったの?」

「あれ?そういや居ないね?もう帰っちゃったのかなぁ……」

せっかく優勝したのに肝心のメンバーが居ないって、少しばかり寂しくなる。

「あとホノカさんは?」

「プレイヤーログを見たけどいないみたいなんだよね」

「えぇ……」

ってことはわたしとアカネだけしかこの場に居ないの!?

せっかくがんばってきたのに……!
 

と、そんなとき一人のGBN運営関係者と思われる白髪の男性に話しかけられたわたし。
 

「フォース〈ASTERLISK〉の方々ですか?」

「そ、そうですけど……なにか?」

「これからミッション達成報酬の授与式に招待をしたいのですが、お時間ありますでしょうか?不参加の場合にはこちらから伝えておきますが……」

「行きます!ぜひ参加させて頂きます!ほら!アカネ!行くよ!」

「やっ、ちょっと〜!急に腕をひっぱるなぁ!」

「もう一人の方がいらっしゃらないようですが?」

「なんか用事があるらしくて!申し訳ないです!」

「それでしたら仕方ないですね、ではこちらのほうまでいらしてください〜」
 

ネームタグには「コモレビ」と付けられているのを歩きながら見つけたわたし。

時間はすでに夕刻の一九時を過ぎていた。

ほんとのところなら家に帰ってご飯たべてテレビとか流し見してるところなんだけど、そうもいかないよね……さすがに。

そしてGBN運営関係者に連れられてわたしとアカネは、施設内にあるパーティー会場へと足を運んだ。

◇◇◇

会場としてシンデレラ城の中に入っていったわたしとアカネ。

大きなシャンデリアが何個も天井に吊されて屋内に明るい光を照らしていた。

そこで一緒にゲリラレイドボスミッションを参加したフォースのメンバーたちがわたしたちを出迎える。
 

「おぉ〜!ようやく主役の登場か〜!遅かったじゃないかフォース〈ASTERLISK〉?」

「こらこらソウビってば!少しは静かに喋ってよ!」

「サクラはちょっと声抑えて……」

グスタフ・カールを操り、アロウズが使用していた軍服を三人とも同じ衣装でフォース〈DRY FLOWER〉がわたしとアカネに合図を手で送っていた。

置かれていたワイングラスに注がれたジュースを手に取りテーブルへと合流する。
 

「あのときは助かったよお二人さん?」

「そんなことよりまずは礼をしなきゃでしょ?失礼すぎだよソウビ」

「こりゃすまない、助けてくれてありがとうフォース〈ASTERLISK〉」

「い、いや……お、お、お互いさまですし……」

そうわたしが相槌を打つとアカネも続けるように──。
 

「さすがに見過ごすわけにはいかないでしょそりゃ〜!堅苦しいことはここまでにしてさぁみんなでかんぱーい!」

「「「「「かんぱーい!」」」」」

高音のグラスを打つ音がこだまするパーティー会場の端っこでわたしは安堵していた。

談笑していたその最中で続々とフォースの人達がわたしたちに顔を合わせるようにやってきていた。

◇◇◇

「あんたたち挨拶だよ!挨拶!」

「姉さんちょっと引っ張らないでくださいよ!せっかくのイベント報酬の衣装がぐちゃぐちゃになります!」

「……あんまりこういうの慣れてないんですって」

全員白色で統一されたガンプラで構成されたフォース〈JUPYPER CRISIS〉の三人がわたしたちの前に現れた。

衣装はジオン公国軍で使用されている軍服を身に纏っている。

ボリノーク・サマーンを使用していたマイラ。

アメイジングエクシアのミリタ。

ビギナ・ギナのカルマがテーブルに集っていたわたしたち五人と目を合わせる。
 

「……おうおう!君らも来たのか!」

「だからソウビは大声で話すのやめて」

「もう帰っていいサクラ?」

「まだはじまったばかりでしょうカエデ?」

「……そうは言われてもさぁ」

「あのお邪魔でしたか?」

「主役が帰ろうとしてどうする!」

「き、気にしないでください!」

カエデさんがわたしに視線を逸らしてサクラさんの後ろに縮こまっていた。

増えてきた人の数によって思わず人見知りを発動したわたしはここから撤退しようと勇足で移動しようとしたとき──。
 

◇◇◇

「こんなところに居たんですねフォース〈ASTERLISK〉!」

……あの、もう家に帰りたいんですけど帰らせてくれない感じですか?お腹空いてるんですけど、飲み物を飲んでもGBNだと体感するだけだから余計に勘弁してほしい。
 

やってきたのはフォース〈MARS RAY〉の三人。

フォーンファルシアのオリバさん。

ガンダムグシオンリベイクフルシティのノノセさんに。

ウーンドウォートのクロミさんがこぞってやってくる。

機体色を火星の赤で統一したカラーリングで構成されたガンプラを使う女性だけのグループ。

「ようやく会えましたね!エリカさん!」

わたしの両手を囲むように目をキラキラさせてまじまじと見つめてきていた。
 

「ちょっと!オリバ!ずるいよ!」

「あ〜!ノノセだっていくない!右手掴んでる癖に!だったら左手は渡さないよ!」
 

なんだかいつのまにかに女の子に囲まれているのわたし!?

あの!ちょっと!身動きが取れないんですけども!

アカネ!どうにかして!
 

「エリカのことはお構いなくどうぞ〜!」

(はやくエリカから離れて欲しいんだけど)

ぜったいそんなこと思ってないでしょアカネ!ってかわたしより力強くない!?引っ張りすぎだよ!

「ご、ごめんなさいわたし!これから用事があるので帰ります!帰るよアカネ!」

「え〜?もう帰るの?」

「家に帰って寝たいんだよ!それになにも食べてないじゃん!」

「……それなら仕方ないかぁ、それじゃまた会いましょうねみなさん!」

ようやく人混みから……じゃなくてパーティーから抜け出すことが出来たわたしとアカネはGBNからログアウトしようとタッチパネルで動作をしようとしたんだけど。
 

◇◇◇

「あ、あの!エリカさんですか!アイドル活動してる!」

「そうですけど……なにか用ですか?」

握手を求められたわたしはそれに応じてダイバーネームを聞き出す。

「あああ!ごめんなさい!ライブとか見てて推しになったカナエって言います!ぜひ仲良くしてくれませんか?」

「い、いいですけど……」

「わぁ!やったぁ!ライブ活動をはじめたときからずっと見てたんです!」

「それはどうも……」

ってことは半年くらい前からってこと……?

カナエさんはオレンジ髪のツインテールで海のような淡いディープな蒼色な綺麗な瞳で興奮しながらわたしを見つめていた。
 

「し、失礼しました!ここにくれば逢えるかなって思ってきてみたら拝見できてテンション上がりぱなしでっ!」

「そ、そうですか」

「もう済みました?」

アカネが急かすようにカナエからわたしを離そうとする。
 

「す、すみません!もう大丈夫です!」

「じゃ、じゃあまた会えたら」

「そのときはよろしくお願いします!エリカ殿!」
 

殿……?聞き間違いじゃ無いよね?

もしかしてわたしと同じ感じのオタクなのかな……?

そんなこんなでGBNからわたしとアカネはあとにした。

***

ワタクシはガンプラを始めてから自分がバトル的ななものにはめっぽう弱いことで辞めようか迷っていた。

そんなときにふと訪れたGP・デュエル全日本大会決勝戦で戦っていた一人の男の子に心を奪われてしまっていた。

その人の名前は橘輝夜。

この都立星羅高等学校に在籍していると知ったときは思わず、ベッドの上で野田打ち回ったのを覚えている。

そしてそんな彼のいる模型部に訪れたワタクシは思わずそっけない態度で接してしまっていた。

大会で優勝するほどの人がこんな近くにいることに驚きつつも、内心はめちゃくちゃ焦ってた。
 

だけど──そんなカグヤ先輩は……!
 

◇◇◇

「なんだよ!これ!……こんなことでおれがっ!おれがっ……!」

「さようなら──!センパイ!」
 

ワタクシのSガンダムから分離したGボマーに装備された〈ビームスマートガン〉からの射撃がカグヤ先輩のエピオンを貫いていく。
 

「〈BATTE ENDED〉!」
 

◇◇◇
 

こんな弱い人だなんて思ってもみなかった!なんなの!好きになったワタクシのことを馬鹿にしてるの!ワタクシがやられてやっぱりすごい人だったんだって!思い知らせて欲しかったのに!この有様はなに!ふざけるのも大概にしてほしいのよ!
 

その日から二ヶ月くらい経過してGBNで不定期に開催している〈ゲリラレイドボスミッション〉でまた見たときは彼女とイチャイチャしやがるし!挙句ワタクシたちと敵になるし!意味がわからない!あんなにカッコよかった人がなんでそんな風になってしまうのが皆目見当もつかないったらありゃしない!

好きになってしまったワタクシの気持ちを踏みにじらないでくれる!?

むしゃくしゃした状態でGBNからログアウトしたワタクシは一人の通行人に話しかけられた。

「あの……ここに赤いドレスを着たお嬢様を知りませんか?探してるんですよ、何処にいらっしゃるんでしょう……」

「そんな人、こんな東京のど真ん中に居ると思わないのだけれど……あなたは?」

「ミハエルといいます、その人の護衛としてここにやってきたんですが……困りましたねこれでは陛下に怒られてしまいます……」

彼は白髪のポニーテールの男性だった。

見たところワタクシより五歳くらい離れた背の高い風貌で、黒いスーツを着こなしていた。
 

「ミハエルと言いましたね?もしお探しなら警察に届出でも出されたらどうなのです?」

「けいさつ……?どのようなところなのでしょうか?」

まさかそんなことも知らないなんてことあります……?

ありましたわね目の前に、この人が……

「街の治安と市民の生活を守るところと言えば伝わりますかしら?」

「なんとなくですが、あぁ!どうしましょう!これでは惑星〈ローレル〉の危機的な状況のことをはやく知らせないといけないのに!」

「〈ローレル〉……?それは何処なのですか?」

「いえ!こちらの話なので!失礼致しました!では!」

「あぁ……ちょっと!お待ちなさいよ!」

有無を言わせずにミハエルという方はワタクシの前から走って消えていった。

いったいなんなんです……?

……っていうかこの解消しきれない気持ちをどうすればいいのかワタクシもう限界なのですけれど!

***

陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。

2025/12/16現在、第二巻《ユメノトビラ》第二〇章まで更新中です〜はやめにつづきを読みたい方はそちらのほうまで〜

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