～バトンをつなぐ～

私は「機動戦士ガンダム」作品を熱愛し過ぎて、制作していない間の何十年間も、馴染みのお店でガンプラを買い続け、眺めては積みを重ねてきました。ファーストと呼ばれる作品、OVA作品、また外伝的なゲーム作品や、ギレンの野望の様なIF的なものまで、宇宙世紀に萌えに萌えています。ですのでモデラーではなく、今年からやっとガンプラを制作し始めた「ただのガンダム好き」です。特別な知識も技法もないのです。

しかしここGUNSTAでも、SNSでも色々な魅力的な作品が拝見出来て、YouTube等の動画でも制作風景や解説が見れる、大変ありがたい時代です。私はガンダムが好き過ぎと言いましたが、設定重視の作品も、オリジナリティ全開の作品も、どちらも大好物です。MSV直撃世代なので、エース仕様機や地域により改修された機体や派生し開発された機体、開発途中にあるプロトタイプ的な機体は大抵は飛びつきます。

そんな私がガンプラを作る時に意識している事は、制作毎に一つでも何かにチャレンジし「うぉぉ！格好良い！」と自分で思うガンプラです。

写真のMGグフver.2は三作目に作ったものです。この時は全塗装とスジ彫り、デカールワークに挑戦しようと頑張りました。始めはスジ彫りの力加減がわからず友人に聞いてみたら、「乾燥してる素麺が折れない程度だ」と言われ、なるほどそうなのか！と思いましたし、実際上手く出来る事が多くなりました。単純な工作しか出来ませんが、設定に近くしたいと思い調色したり、表面処理をきっちりしたいと意識したりと、漠然と作るより楽しかったのを覚えています。

また二十年数前にデタラメに作ったMGドムをリニューアルに挑戦しました。この時は塗装にグラデーションつけたり、妄想設定で一般兵士が駆る機体にしようと制作しました。いつも意識している事は、パッと見で派手に弄った箇所がわからない様に仕上げる事です。何故なら特別な技法も、確立された作風もまだ無いので、地味でも色んな過程の工作が、全体に馴染んでバランス良く収まれば、拙い私でも格好良くしてあげられるからです。

超絶なスタイル改修や可動、ハイクオリティな塗装、目を見張るディテールアップ等出来ない私でも、単純な工作が全体にバランスを崩さない様に、ある程度馴染ませて作れれば、格好良く仕上げられます。

格好良い！と自己肯定出来るのも大切な部分だと思います。趣味ですから楽しく良い時間にしたいですもんね。

写真のガンプラも元々のモールドの彫り直しをしたり、○で囲んだ部分の様に地味にスジ彫りやモールドを足してみたりも効果的だと感じます。見た方々に「あれ？何か素組と違う気がする」と思って貰えれば、自分でも大体格好良いと満足出来ています。

作業している間も楽しいものですし、少しずつ練習にもなりますから、一つ作る毎に何かにチャレンジしています。いつかド派手な作品も作れる様になりたいですから、経験出来る機会は大切ですし、失敗も経験になりますもんね。

それとミキシングも効果的なんだと感じました。これも初めての事でしたが、色々経験を重ねていましたので、ザクIIとドム試験機とドムを使い、何とか形に出来ました。しかしこの後ウェザリングで盛大に失敗しました...失敗も経験失敗も経験…(涙)

ミキシングをするとパーツがどんどん余ります。これをまた再生して一機組むのも楽しかったですよ。これは五体分の余りと、キットの余剰パーツと3Dプリントパーツを合わせて出来たザクIIです。モールドの彫り直しと専用カラーだけでも大満足です。お家に眠るジャンクパーツを掘り起こすのも良いかもしれません。

塗装やディテールアップパーツ、スジ彫りやデカールワーク、ウェザリングやスタイル改修、ミキシングビルド等々色んな事をするしない関係なく、単体で何度も見て何度も考えて、全体のバランスの取り方に注目するのが良い事なのかも知れません。私はいつもその時間が至福の時間になっています。

このザクIIドアン機は映像作品を見て、漢らしさに惚れて、勢いだけで作った機体です。素組で合わせ目も消さずデカールも無し、ガンダムマーカーで少しの部分塗装と、ウェザリングマーカーでウェザリングだけです。映像で見た強烈なイメージとバランスをそのままぶつけました。私的には大満足な機体になりました。

当たり前過ぎて申し訳ありませんが、超絶技法であれ簡単仕上げであれ、全ての工作過程において、全体のバランスを何度も見て検討し、自分の格好良いイメージへ向かう事が一番お伝えしたい事なのです。現在のガンプラは技術進化やメーカーの努力により、パチ組みだけで凄く格好良くなってくれます。楽しまないと損だと教えてもらいました。更にSNSやこのGUNSTAがあり、色んな方々と交流出来ます。私は沢山の方々に勉強させてもらい、教えてもらい刺激されて、物凄く楽しめている自信があります。

技量や知識に差がある事、環境や時間的に出来る事に制限がある事、それぞれの好みの作風がある事、色んな事があり千差万別、十人十色ですから、合う合わないはあるでしょう。でもきっと趣味として楽しめれば、最高に良い時間をくれると思います。皆さんの作品に驚き、感動し、自分も作りたい！と思える事の幸せを大切にしていきたいです。

またいつか皆さんにお伝え出来る機会がありましたら、その時は自分なりの作風や技法を示せたらと思います。いつも交流してくれる方々への深い敬意と感謝を！長々と駄文失礼いたしました。最後まで読んで頂いてありがとうございました。