【SD三国創傑伝】夏侯月姫トールギス始龍

「曹魏重臣・夏侯一族の深窓の令嬢。
夏侯淵の姪にあたる。

優美で穏やかな箱入り娘ながら、尚武の名門・夏侯の血を継ぐ真っ直ぐな気性と熱い信念を胸の内に秘める。

建安年間、侍女達を伴い城外へ薪を採りに出ていたところを野盗に襲われるが、調練中の劉備の義弟・張飛に救われ運命的な出会いを果たす。

惹かれ合う二人は懇意となり、やがて張飛は正式に月姫へ求婚。

当時、漢の都・許昌において曹操と劉備は同盟関係にあり、両者の重臣たる夏侯一族の子女と張飛との婚姻は二勢力間友好の象徴として歓迎され、祝福に満ちた輿入れとなった。

しかし幸せも束の間、漢室重臣連の曹操暗殺計画が露見！この連署に憂国の義憤に駆られた劉備の名もあった事から曹操は激怒し、両勢力は一転して敵対関係に陥った。

生まれ育った家と心に決めた夫、板挟みに苦しむ月姫であったが、添い遂げると誓った信念は固く張飛に従い親族と敵する道を選ぶ。

長き流浪と敗戦が続く苦難の中、よく夫を支え子供達を育て、良妻賢母の務めを果たした。
後に桃園🍑の大望叶って建国された新天地・蜀漢へ入り、成都の地で天寿を全うした。
息子の張苞は張飛譲りの武勇で次代の蜀軍を率いる勇将へ成長し、娘の敬哀皇后は蜀帝劉禅の妃に迎えられ季漢王朝の皇族となった。」

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三国創傑伝オリジナル武将第五弾です。
魏の夏侯一族出身で張飛の妻に迎えられた女性、夏侯月姫をモチーフとしています。

演者モビルスーツはコミック作品『機動戦士ガンダムW Endless Waltz～敗者たちの栄光～』よりトールギス始龍(シロン)です。
三国創傑伝には夏侯淵トールギスと夏侯惇トールギスⅢが登場しており、去年オリジナル武将として夏侯覇トールギスⅡを製作した事もあって、夏侯一族＝トールギス系とする流れから女性パイロット繋がりで設定しました。

トールギス始龍は初代トールギスと同型機(頭部のみリーオー型)で、張五飛の亡き妻・竜妹蘭(ロン・メイラン)の乗機です。
五飛の妻の存在はアニメ放映版ガンダムW本編では詳細に語られなかった設定ですが、こちらコミック版Endless Waltzで丁寧に補完して描かれました。

トールギス始龍は本来は濃紺色の設定ですが、リーオー顔という特徴を鑑みて量産機リーオーの緑・赤・黄の三色を基調とするカラーリングにアレンジしました。(蜀漢のイメージカラーとしての緑色という意味合いも兼ねています。)

創傑伝の貂蝉クシャトリヤ、孫尚香ルージュの女性武将らしいSJP-2規格をベースに、夏侯トールギス系の意匠を組み合わせて造型しています。
顔はギ・エリア部隊兵のリーオーフェイスを使いました。
額の花飾りと盾の兎紋様はコーエーテクモ『真・三國無双8』に登場した同一人物モチーフのキャラクター・夏侯姫のデザインを取り入れさせて頂きました。

【夏侯月姫の名について】
夏侯淵の弟の娘＝張飛夫人は、正史『三国志』魏志に明記される実在の人物ですが、正確な名前は伝わっていません。

"夏侯月姫"という名は三好徹の小説『三国志外伝』の創作名称が初出で、SEGAのゲーム作品『三国志大戦』等でも採用され広く知られるようになりました。
他にも"夏侯氏"や前述の『真・三國無双8』の"夏侯姫"の名でも呼ばれています。

古代中国の女性は正確な名前がほとんど伝わっておらず、一般的に生家の姓を取って"◯氏"や"◯夫人"、高貴な女性への尊称として"◯姫"などと呼ばれます。
三国志に登場する有名な女性も、大喬・小喬は「喬公の娘(姉妹)」くらいな意味ですし、貂蝉は元々架空の人物で動物の貂(テン)と蝉(セミ)を象った冠である貂蝉冠を由来とする通称、また呉帝孫権の妹にして蜀帝劉備の妻というハイパーセレブな孫尚香ですら従来は"孫夫人"としか伝わっておらず、現在広く知られる"尚香"の名は遥か後世の京劇の演目で命名された由来不明の愛称であるなど、軒並み正確な名前はわからないという実情があります。
(晋太祖司馬懿の妻・張春華なんかは珍しく正史に姓名が残された稀有な例です。)

上述のような背景からどの呼び方でも正式な呼称というのは難しいと思われた事から、今日広く一般に知られた創作名称である夏侯月姫の名をあえて取らせて頂きました。

【夏侯月姫と夏侯覇】
「入蜀から三十余年。
蜀主劉禅妃の母、皇帝の義母という立場から太后の位に遇され老境を過ごしていた月姫の元へ、一人の敵将が降伏して来た。

名は夏侯覇、魏の名将・夏侯淵の息子である。
正始年間、曹魏本国で発生した司馬懿のクーデターにより身の危険を察知した夏侯覇は、大胆にも不倶戴天の敵国・蜀へ逃げ、従兄妹にあたる月姫との親縁を頼りに亡命して来たのだ。

「夏侯一族は悉く司馬懿に誅殺され、もはや帰る国は無い」と最後に一縷の希望を頼り遥々やって来た夏侯覇の姿に、月姫は若き日に御恩を受けた心優しい伯父の面影を重ねる。

偽計を疑う諸将の反対もあったが名将・姜維の心眼に適い、最後は月姫の懸命な助命嘆願により劉禅から帰参を許された。

こうして蜀将へと転身を遂げた夏侯覇は、その後半生を賭けて司馬一族の魏軍と死闘を繰り広げる事となる。」

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これまで50体以上SD武将ガンプラを製作してきましたが、女性武将を作るのは今回が初めてでした。
いきなりオリジナル武将、しかも量産機顔というハードモードを選択してしまいましたが、先達の皆様方の作品を参考にさせて頂くなどして何とか完成させる事が出来ました。

毎回説明文章がめちゃくちゃ長くなってしまい恐縮ではございますが、ここまで読んで下さり感謝申し上げます。

以上、閲覧頂きありがとうございました。