アナハイム・エレクトロニクス社が開発したガンダムタイプの試作機。名称の「アトラス」は「ギリシャ神話」に登場する天の蒼穹を支える神を由来とする。
アトラスは地球連邦軍系とジオン公国軍系の技術を融合する形で開発されており、重力下運用において高い汎用性を獲得している点が特徴である。従来の連邦軍製モビルスーツとは異なる機体構造を持ち、ジオン軍の水陸両用機の技術から取り入れた球体関節や、脊髄を模した背骨状のフレームを採用している。この構造と気密性の高い設計により、極めて高度な駆動柔軟性と水中運用性が付与されている。
試作機ということもありデータ収集も兼ねて新技術が惜しみなく投入されており、コックピット構造は大きく異なっている。従来の物から機器類は大きく減らされ、正面に三面ディスプレイを備える。さらに試作段階の全天周囲モニターが採用され、ハッチは二重構造となっている。コアブロックシステムは採用されていないが、球形のコックピットブロック自体が脱出ポッドとして機能する物となっている。また、ヘッドレスト左右には異なるモデルの照準器を1基ずつ備えている。
本機の特徴の1つである重力下専用の汎用サポート装備「サブレッグ」はアトラス専用のフライトユニットと呼べる代物で、可動アームを用いて位置を変更することで様々な運用法がある。これによって地上のみならず空中でも高い機動性を発揮することが可能だが、サブレッグに機動力の大半を依存しているため、サブレッグを破壊されてしまうと大きく機動性が低下する弱点を有している。
アトラスはムーア同胞団から多額の出資を受けて開発されており、パイロットには是非同胞団員という依頼があった。そのためフルアーマーガンダムで多大な戦果を挙げたイオ・フレミングを召集しようとしたが、連邦軍上層部はガンダムを奪われたイオを嫌い、フレミング・インダストリー社もフレミング家の御曹司を再び戦場に送ることを拒んだため、召集は難しい状態であった。しかしイオが自ら動いてしがらみを破って召集に応じ、サンダーボルト作戦に投入されることとなった。左肩部にはイオのパーソナルマークが描かれており、イオの操縦スキルを最大限活かせるよう細部までチューンナップが施されている。
特殊装備
サブレッグ
腰部に可動アームを介して2基接続される重力下専用の汎用サポート装備。2基の大出力スラスターと武装コンテナが一体となった装備で、可動アームにより広い可動範囲を持つ。標準的な背部への配置の他にも様々な位置に変更することで、自由自在な飛行が可能。脚部に装着することでホバリングや垂直上昇が可能となり、ブレードシールドと組み合わせることで潜航形態へ簡易変形することも可能である。また、ウォータージェットエンジンを追加することで、水中での機動性も高められる。
武装・必殺攻撃
レールガン
アトラスガンダム専用の試作レールガン。機体の全高に匹敵するサイズの大型火器だが、本機のパワーであれば片手で軽々と扱うことが可能。火薬を用いる一般的な実体弾火器よりも遥かに高速度の初速を得られる点が特徴で、3本の給電レールによる電磁誘導で実体弾を加速・発射する。その威力は長距離から重装甲のMSを一撃で撃破する程。水中ではレールガンとして使用することはできないが、放電を利用した電磁パルス・ガードとして応用することが可能。ミサイルや魚雷程度であれば完全に無効化可能だが、戦艦の主砲やメガ粒子砲は防ぐことができない。
アサルトライフル
ブルパップ式のアサルトライフル。ジム改陸戦型と同様の物で、銃身下部にグレネード・ランチャーが併設されている。レールガンの使えない水中では、こちらがメイン武装となる。非使用時にはサブレッグのコンテナ内に1挺ずつ予備マガジンと共に収納されている。
ビーム・ライフル
アトラス専用のビーム・ライフル。後部にエネルギーパックを備えており、水中で使用可能な程高出力となっている。ただし水の抵抗でビームが収束しきれず拡散するため、範囲攻撃に用いられる。銃身下部にはビーム・サーベルが内蔵されている。
ニードルガン
アクア・ジム等と同様の針状の実体弾を発射する携行火器。本機のセンサー性能が優れているのか、長距離から命中させている。
ブレードシールド
アトラス専用の大型シールド。表面に多数のブレードが備えられている。頭部と胴体を覆い隠す程の防御面積を持ち、至近距離からのビーム砲撃にも耐える超耐熱性を誇る。OVA版ではブレードがオミットされている。
ヴェロス・メデューサ (メデューサの矢)
OVA版にてブレードシールドに追加された補助兵装。13連装のニードル発射装置が8基あり、シールド両側にブレードと入れ替わる形で装備されている。発射されたニードル弾は敵機のセンサーや隙間などに突き刺さり、発泡性硬質化ベークライトを噴出させる。泡は徐々に膨らみながら固まることで敵機の動きを阻害し、内部機構を破壊する。
魚雷発射管
背部に追加装備される2基のウォータージェットエンジンに3門ずつ計6門内蔵されている魚雷発射管。
関節構造
関節構造に(本作における)ジオン軍の水陸両用MSを参考にした球体関節を採用し、人間で言う脊椎に当たるパーツを背中に追加している。
従来型のMSより人間に近い構造になっているため、関節稼働範囲も広い。
結果として四肢が細くマラソン選手のようなアスリートチックなシルエットになっている。
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