スペースコロニー内の反地球圏統一連合勢力によるテロ作戦「オペレーション・メテオ」で投入された5機のガンダムの1機[1]。トールギスやウイングガンダムゼロを設計した元OZの技術者のひとり・老師Oが開発を手がけ、L5コロニー出身の少年・張五飛がパイロットを務める[2]。
機体駆動システムを得意分野とする老師Oの思想を反映して、高い俊敏性で敵陣に切り込む近接戦闘を得意とする。このため5機中最大のファイティングアビリティ値を有し[3]、中国武術の体さばきを再現可能なほどの関節可動域をもつ。武装も右腕の「ドラゴンハング」や「ビームグレイブ」といった、間合いの長い接近戦用装備でまとめられている。
両肩アーマー前面にはレンズ状のファイティングサイトが設置され、戦闘中の情報収集や分析能力にも長けている[4]。射撃武装は頭部バルカン砲のみながらも[3]汎用性はウイングガンダムに次いで高い[5]。
機体名の「シェンロン」は五飛自身が名付けたものだが[6]、普段は「ナタク(哪吒)」の愛称で呼ばれている。これは本機をかばって死亡した五飛の妻・竜妹蘭(自称ナタク)の影響からである。五飛は本機に妹蘭の魂が宿っているとしていた[7]。
ビームグレイブ / ビームトライデント
薙刀状の格闘ビーム兵器。軽量で取り回しがよく、薙ぎ払いや刺突といった多岐の運用が可能[2]。不使用時は背部ラッチに背負うようにマウントする。EW版では、アルトロンガンダムのツインビームトライデントの発振器を片側のみとしたシングルタイプのビームトライデントに変更されている。
バルカン
頭部に2基固定装備される。装弾数は少なく、掃射時間は1分に満たない[8]。
ドラゴンハング(火炎放射器)
右腕のガンダニュウム合金製クロー。肩内部に折りたたまれたフレームを展開することで自在に伸縮し[2]、クローで敵を切り裂いたり[5]、両側に内蔵された火炎放射器(ドラゴンハングファイヤー)で融解させる[3]。EW版ではクローは大型化しているが、肩アーマー内の延長アームは省略されている。
シェンロンシールド
左前腕装着式の円盤状シールド。接近戦での取り回しを考慮し、小型軽量に造られている[4]。縁は鋭利な形状で、リーオー程度なら盾を投げつけて破壊することも可能[
獠牙(タウヤー)
『敗栄』で新設定されたオリジナル武装。青龍刀(柳葉刀)に似た形状の実体剣。巻き取り式のケーブルでシェンロンシールドと接続されており、投擲後の再回収が可能となっている。
その他
エアリーズから奪った火器を使用した事もある[9][注 1]。
劇中での活躍
揚子江でOZ艦隊を壊滅させつつ南下し、インダス川補給基地やアフリカのヴィクトリア湖基地を襲撃する。最後はドラゴンハングを失った状態でOZの月面基地を単独襲撃し、集中攻撃を受けて鹵獲される。しかしこれは、より強い力を得ようとした五飛の計算によるものだった。
製作エピソード
テレビ版のデザインを担当した大河原邦男は自著において、前作『機動武闘伝Gガンダム』のドラゴンガンダムが好評だったことからデザインされた旨を語っている。また、ドラゴンハングの甲のデザインはゴッドガンダムからの延長線だという[10]。
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