グフ・ゲネラル　「グフ重火力強化型」

グフ・ゲネラル「グフ重火力強化型」

グフ・ゲネラルは一年戦争時、キャリフォルニアベースにて開発されたグフの総合火力強化型機体である。開発はグフ・カスタムとほぼ同時期に行われ、競合していたとも言われている。本機は一般仕様のグフやプロトタイプと近い外観を有しながらも独自の機体構成をしており、主に"単騎の攻撃能力の単純強化、それによる単独作戦能力の拡大"というコンセプトだったようである。ノーマルタイプとは比にならない出力を持ち、それによる武装キャパシティや運動性の向上が見られ、ある程度コンセプトの基準を満たしていたとされる。しかし比例して機体の扱い易さやコストパフォーマンスも犠牲になっており、結果として試験機と要請に応じて実戦配備された数機のみが確認されている。少ない機体数にも関わらず交戦した連邦軍には多大な被害を与えており、ヨーロッパ戦線に配備された機体は"鬼神の如き戦い"だったと伝わる。戦後にもジオン残党での運用が確認されており、その機体スペックから"量産されていればヨーロッパ戦線が崩壊していた"とも噂されるという。

基本コンポーネントは一般仕様に手を加えたものとなっており、徹底した改修によって機体外観の剛性が高められている。そのハイパワーと堅牢な装甲を高い運動性でコントロールしてこそポテンシャルを発揮する仕様だが、これは一般パイロットには極めて難易度の高い仕様ともいえた。

ヨーロッパ戦線を戦い抜いた本機は試験目的を兼ねて武装も特殊なタイプが用意されており、それら全てを同時に装備した"フルパッケージ仕様"となっている。

バックパック

出力向上型の独自パック。完全に地上用に特化した高性能排熱システム内蔵のバックパックであり、機体の機動力を安定させる試験装備の一つ。それ自体も重量がありザクでの稼働テストでは機体側がパワーと重量に振り回されたという。

75mm　ヘヴィガトリングユニット  

グフカスタムのガトリングシールドと共通のマガジンを有するガトリング。こちらは独自の内部機構によって火力強化が図られたモデルだが、反動も高く精度に難のある武装として試験機の粋を出なかったとされる。しかし実戦運用の結果は良好であり、複数の敵機を弾幕で圧倒する優秀な武装と評価された。

またシールド装甲部分の強度は極めて高く、外部からの衝撃に強い特殊合金が用いられている。耐弾能力はルナチタニウム合金にも劣らないという。

整備性の観点からガトリングシールドと共通のマガジンを用い、口径は75mm。高火力だが反動が大きくコントロールには技量を要する。実戦では容易くジムの装甲を貫通せしめた。

機体のパワーをもって強引にコントロールすることでバランスが保たれており、ガトリングの運用もパイロットの技量を含めれば一応の解決をみている。

ヒートマチェット

試作近接武器

ヒート・ホークの延長にある格闘兵器だが、錬成素材レベルでの見直しが図られており、最高温度が３０％増加した高出力ヒート武装となる。ザクの戦闘データからルナチタニウム合金にはヒート・ホークが有効であることが判明しており、採用された経緯をもつ。このことから"対ガンダム戦"も想定されていたことが伺える。

質量兵器としても強力であり、重量だけでMSを破壊できるだけの代物でもある。ヨーロッパ戦線での初戦では、連邦の渡河作戦をこのヒートマチェットとザクマシンガンのみで阻止した。

ザクでの試験運用では、"片腕での使用は関節に対して重大な負荷が掛かり破損のおそれアリ"とされていたが、本機は駆動関節が徹底的に強化されており運用上の問題を解決している。

3連装ガトリングガン

グフカスタムと共通武装。固定武装が多く、近接格闘を得意とするグフとは相性がよく、採用されやすい。

ザクバズーカ

マガジンは腕部シールド上に２つマウントしてあり、バックパックと腰部のミサイルポッドと合わせて中距離に対応している。

ジオン規格の武装のほとんどが使用できたという。

ヒートロッド

初期型の仕様でヒートロッドが採用されている。

機体のパワーが上がったことで電圧が向上しており、ヨーロッパ戦線での連邦軍渡河作戦では汽水域の川を渡ろうとした歩兵中隊に対して"河ごとヒートロッドで感電させる"という使い方が行われた。

夜間戦