ーー参ったな、存外強い。
所詮はCランクからの挑戦、つまりは若葉マーク外れたばかりの者からの辻バトルだと侮っていたのかもしれない。
ボクはレバーを動かし自分の機体ーーブロンテスを引き起こす。
ダメージは……よし、無駄に受けちゃいない、十分に戦闘可能範囲だ。
『ーーこの程度か?』
通信と共に目の前の丘に、フワリと梟の様に音も無く一体のガンダムが降り立つ。
フリーダムガンダムのベースとしたミキシング改造を施したそれはGBN初心者がやりがちなそれであるが、どうして中々こちらに対する動き自体は上級者のそれだ。
「ここからだ!」
レバーを思いっきり引くと同時にフットペダルを踏み込むとブロンテスは大きく後ろに跳躍した。
逃げるためじゃない。
右手のビームライフルを構えつつも、左手で腰に担いだバズーカを掴み構える。
一瞬遅れて敵が追撃するべく跳躍したが……、それは読んでいたしロックも完了済みだ。
「天使と…ダンスだ!」
ビームの閃光とバズーカの爆風をありったけヤツに浴びせる。
思ったとおりだ。
引かれれば距離を詰める、セオリー通りの動きだ。
格闘をメインにした機体であれば、非常に理に適った動きであるが、相手の機体のベースはフリーダムガンダム。
公式では遠近万能機であると謳うものの、その実、砲撃戦に有利な武装を搭載する射撃機としてカテゴライズされるべき性能である。
よって先程の動きの模範解答としては、コチラの攻撃を回避後に豊富な射撃兵装を利用しての砲撃戦だ。
だが、それをしてはこない。
よっぽど接近戦に自信があるのか、それとも機体特性を理解しきれていないのか、それは分からない。
しかし、翼を展開してからの高速移動形態、ハイマットモードに移行している事から砲撃戦は頭にはないようだ。
そのチグハグさが付け入る隙だ。
『ーー遅いぞ』
不可解だ。
左腕のバズーカの利き腕じゃ無い分勘定には入れて無かったが、それでも利き手のビームライフルを当てるための回避ルート制限は出来ているはずだ。
しかし、現実にはビームライフルにてダメージは入っていないと言っても良い。
命中はしている、いや、正確に言うならば最低限のビームシールドを張り叩き落とすように防いでいる、と言うのが正しい。
一般的なビームシールドの使い方といえば効果範囲を広げて面で防ぐと言うものだ。
だが、彼の行動は全くの逆だ。
効果範囲を最小限、代わりにダメージカット率の強化を図っていると見るのがいいだろう。
『ゼロ距離…!取ったぞ!』
瞬く間の瞬発力で目と鼻の先。
咄嗟にビームライフルを突きつける様に構えるが、トリガーの瞬間に相手のライフルが添い射線が逸れる。
あらぬ方向に飛んでいくビーム光に舌打ちをしながら左手の弾切れになったバズーカで殴りつける。
嫌な音が鳴り響く、これでバズーカは確実なデッドウェイトになったが、その衝撃を防いだ相手のライフルの片側を潰せた。
距離を取るべく、フットペダルを踏み込む。
『…ちょこまかと……!』
同時にサイドアーマーに搭載している小型爆弾「ドーゲン」を切り離していた。
高火力、広範囲の爆風だ。
この距離では回避しようがない。
もっともこちらも巻き込まれてしまうが、爆発距離の関係でダメージレース勝ちするのは見えた。
「行けッ!」
少しでもダメージ範囲から遠ざかる、かつ逃げられない様に迅速に。
ドーゲンを強制起爆させるべく、胸部バルカンで狙い撃つ。
しかし。
『!!』
しかし、その意図を読まれたのか宙返りしつつドーゲンを蹴り上げ更に上昇する。
バルカンの光が先ほどまで存在したドーゲンと彼の機体がいた空間を過ぎていく。
驚くよりも先に見上げると、フリーダムは使えなくなったライフルを捨て、左手でビームサーベルを引き抜いていた。
『やるじゃないか、ここまで本気にさせるなんて』
エネルギー反応がビームサーベルに集まっている。
必殺技か!?
判断すると同時に、発動阻止すべくビームライフルで狙い撃つ。
だが、彼は慌てることもなくそのビームを軽く打ち払う。
みるみる間にビームの刀身が渦巻く。
それは言うなれば竜巻の剣と言った様相であった。
『ーーライドオンーー』
接近をかけるべく彼の機体が燐光を散らし急加速する。
咄嗟に両腕の射撃兵装を投げ捨て迎撃すべくビームサーベルを引き抜きシールドを構える。
『ーープレステイル!』
その一閃を防ぐために、ビームサーベルを振るうが竜巻の剣に触れる瞬間に弾かれる。
その隙は見逃されない様だ。
竜巻の剣はこちらの装甲をガリガリと削り取りやがて振り抜かれる。
モニターにはビームの閃光、その後表示される『YOU LOSE』の文字。
放心よりも先にボクは彼への対抗策を練ろうとしていた。
で、ガン=カタ機を作ろうとして家の中でぼーっとしてたら以前買っておいたフリーダムとストフリが目に止まって……。
ついでに小説家になろう的なサイトで昔々連載していた作品(無期限休止中)の主人公くん専用機を作ろうと思い立ったので。
まぁ、その作品、ガンプラはおろか、ガンダムとは全く関係性のない作品でしたが。
コンセプトは「嵐の中で輝いて」です。
余談ですが、機体としての名前はプレステイルは何語かは忘れましたが、意味としては「暴風」と言う意味だったはずです。
……なのに嵐なのか……とつっこまないように…!
フレーバーストーリーとしては、以前に制作したガンダムブロンテスのパイロットVS本機となっております。
基本的に戦闘シーンを描く時は視点を提供するパイロットは負ける様になってます。
一応、作品紹介用のストーリーなんでそのパイロット視点だと機体がイマイチ描写出来ないからです。
三人称視点にすればイイ?
個人的に内面描写がしにくいのです。
プレステイル(フリーダムガンダム改)
Height:18.0m
Weight:68.2t
Weapon:高エネルギービームライフル
シュペールラケルタ・ビームサーベル
ピクウス・76ミリ近接防御用機関砲
バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲
ビームシールド
機体としてはよくあるミキシング機であり、特筆すべき点は「機体に限っては」特にはないだろう。
射撃戦と言ったこのベース機体の特性さえ守っていれば…例えば、近距離では両手のビームライフル、中距離以降ではバラエーナ、至近距離ではビームサーベルと言う具合に…、それさえ守っていれば正直言って初心者であろうと上級者であろうとも一定の活躍が望める。
特筆すべきはこの機体を操るユーザーであろう。
彼自身、ガンダムシリーズへの理解のレベルは低く、シリーズに理解が深い彼の双子の妹から教わってやっと少し知っていると言えるほどだ。
それは射撃性能が高いフリーダムを選定しておきながら、格闘戦を好んでいると言うことからも察せるだろう。
彼の基本戦術はフリーダムの高機動を活かした最接近戦、その際両手のビームライフルをガン=カタ要領で扱い相手の攻撃を捌き撃つ。
これは彼自身の射撃の腕が悪いのを補うために自然と身に付いたことであり、それは先読みとも言えるほどの反応速度を持って実現している。
もっとも本人曰く、ちゃんと見て反応している、とも統計学に基づく行動の結果とも。
ストライクフリーダムから流用されたライフルには連結し強化されたビームを放つ事が出来るのだが、それが使われることはほぼ無い。
これは彼自身射撃が苦手で事を自覚している上に、シリーズへの理解度の低さによる機構自体を忘れているためでもある。
それは接近戦への絶大な自信でもある。
にもかかわらずストライクフリーダムのビームライフルを使用しているのは、彼は左利きでありその接近戦でのアドバンテージをギリギリまで隠匿する目的もある様だ。
バラエーナも正規の方法で使われる事は大して無い。
ライフルの連結機構と同じく忘れられている疑惑さえある。
よってハイマットフルバースト形態に移行する事は基本的に無く、バラエーナは射撃の反動を利用した緊急回避の為のサブスラスター的な用途で使われる事が多い。
彼は毎回バラエーナの本来の使い方をうっかり忘れる為、デッドウェイトになっているこのパーツを外したがっているが双子の妹からは「フリーダム感を完全に消すつもりか、アンタは!?」と阻止され続けている。
絶大な自信を持つ格闘戦であるが、基本的に徒手空手の方が得意と言うこともあり、ビームサーベルはあまり使用しない。
しかし必殺技としてビームサーベルを使用するのは何の因果か……。
一方でビルダーとしては現在更に格闘に特化したMFに興味が出てきている模様。
総じてビルダーとのミスマッチ感が否めない本機であるが、逆にそのアンバランスさが戦闘を有利に働きかける一要因でもあるだろう。
しかし、機体特性を完全に無視すると言うこの戦術は初心者はおろか、上級者でさえおいそれと真似できるものでもない事は併記しておく。
制作工程です。
基本的なところとして、ガンダムほぼ知らないと言う使用キャラに合わせて、ミキシング初心者がやりがちなポン付けを心掛けています。
頭部。
フリーダムをベースにパテとジャンクパーツで構成されてます。
何のジャンクパーツなのかは分からないのです…。
制作上のイメージとしては鳥。
胴体。
ほぼフリーダムそのまま。
一応、首が埋まって見えたので首を1ミリ延長しております。
腰部。
フリーダムをベースにフロントアーマーをストフリ、サイドアーマーはスッキリさせるためにビルストのを装備しました。
ポージングにレールガンが邪魔すぎた……。
腕部。
肩はフリーダム、二の腕以下はストフリ。
ほぼポン付け。
脚部。
ストフリに交換してそのまま。
バックパック。
そのままフリーダム。
武器。
最初に書いた通りガン=カタをさせたかったのでストフリの武器をチョイスしました。
あと、武器を盛るのではなく使わない武装は積極的に減らす方向……今回であれば射撃戦をあまり想定する必要も無いのでレールガンが相当。
まぁ、コレは前述通りポージングの邪魔になりやすいってのもあります。
バックパックも変えようか検討しましたが、流石にここを変えるとフリーダム感がなくなる為取りやめました。
カラーリング。
いつもと違うキャラという事で微妙にいつもとチョイスを変えました。
具体的にはメタリックグリーンですが、まぁ、ほぼいつものです。
白はインシグニアホワイト。
緑はメタリックグリーン。
グレーはミディアムグレイ。
濃いグレーはグレイグリーン。
銀はシルバーリーフ。
主人公機らしいカラーリングからは外したつもりです。
さて、今回はどうだったでしょうか?
ガン=カタ機が出来て満足なのと、フリーダムタイプをはじめとしたMSの特徴である背中のウイングにかなり苦戦しました。
……主にポージング関係で……。
重いんだよ……!
まぁ、それは置いといて……長々とご閲覧ありがとうございました♪
今は全てに恐るな 痛みを知る ただ一人であれ
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去年は密かに月一投稿を目標にしてました。
……成功したのかは何となく微妙なところ。
ですんで、今年は究極で完璧な月一投稿を目標に……!
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AGE1っていいよね……。 多分、以前よりつぶやきまで見てく…
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