白い影がグリッチを疑うような反応を持って俺の機体に襲いかかる。
「ーー何だ、この速さ……!?」
まんまと賭けに乗った5分前の俺を殴り倒したい。
何がたかが一年戦争時のMSだ、何が10年も前のロートルだ、だ。
思い上がっていたと言うつもりこそ無いが、あの動きは誰もが自分の腕っぷしを疑うだろう。
なんせ、シミュレータ上の白いMSを捉え撃ったとしてもそこには亡霊のようにいないのだ。
先読みされているようなある種の気持ち悪さを感じる。
「俺のガンダムの方が新型のはずだ!」
最早呪詛に等しいそれは狭いコックピットに反響する。
俺はフットペダルを踏み込み回避を続けながら、肩部マルチランチャーのトリガーを引く。
一筋の線を描きデータの宇宙を駆けていくグレネード。
もちろん当たるとは思っていない。
データ状の相手だ、先読みのような挙動は大方、NPCの反応速度を極限まで上げた結果であろう。
それであれば撃墜することはまだ芽がある。
白いMSがグレネードに反応し、閃光を残し回避行動をする。
待っていた!ーー俺はすぐさまビームライフルのトリガーを弾く。
数条の光が白いMSの回避先に伸びる。
「ーー終わりだ!」
勝利を確信したが、甘かったようだ。
白いMSが錐揉み回転でビームの隙間を縫う。
俺は舌打ちをしつつ、連続でトリガーを弾く。
白いMSは急に制動をかけて、その閃光を避けると同時にこちらに向かって来る。
シミュレータ上であってもこんなバカなことがあってたまるか、と知らず知らずのうちに毒付いていた。
そもそもビームライフルの一撃は戦艦の火砲並みの威力を持つ。
つまりは、MSの装甲などあってないようなモノ、当たればタダじゃ済まない。
故に一撃で落とせるのだから、戦闘軌道は自ずとドッグファイトの軌道を取る。
だが、この白いMSはなんだ?
ビーム光の隙間と隙間の間を縫って一直線に突っ込んでくる。
よっぽど腕のいいパイロットのデータを使っているのか、もしくは頭が狂ったパイロットのデータを使ってるのか。
いや、接近戦を狙っている……!?
俺がそれを察した時には、モニターには白いガンダムの顔が全面に映し出されていた。
思わず乾いた笑いが出た。
「……白い、悪魔が……!」
次の瞬間、ピンクの閃光がモニターを包む。
それと同時に『YOU DEAD』の文字。
これが戦場でなくてホッと安堵する自分がいた。
……。
シミュレータ訓練が終わりコックピットから出る汗だくな俺を迎えたのは、案の定いつもの専属メカニックの若い人懐こい顔だった。
「ーー中尉殿、如何でしたか?」
コイツ……ーー聞かなくとも外でモニターしていただろうに。
俺は測定用のヘルメットを脱ぎ、手渡すと口を開く。
「どうもこうもないね。白い悪魔に対峙した俺は敢えなく戦死、それだけだぜ」
肩をすくめる俺に、彼は言う。
「しかし、あのガンダムがビームサーベルを抜いたのは中尉殿だけでしたよ?」
それを意味するのはつまり…。
戦いに二度目は無い、俺は髪をクシャリとかく。
それが分かっているからこそムシャクシャするのだ。
……決めた。
「…軍曹殿ーー」
「えぇ、分かってます。いつもの店、ですね」
何だ。
わかってるじゃないか、酒に付き合え、と言うのを。
よっぽどコイツの方がニュータイプだ。
「お前も、お気に入りのキャサリンに会いたいだろうしな」
「中尉殿!?」
その声は喧騒の格納庫にかき消されていった。
今回はMGガンダムVer.ONE YEAR WAR 0079です。
突然ですが、数あるMGのガンダムの中でも随一にカッコいいと思うのです…!
細いわけでもなく、かと言ってマッチョすぎない非常にバランスの良い体型なのです。
コンセプトは『DESTINATION』。
目的地とか行き先っすね〜。
アムロの乗ったガンダム、彼が乗る事で発揮されるその機動能力及び圧倒的な攻撃命中精度……もはや一般のパイロットが追い付くことが出来ない領域。
それでも尚それに追い縋ろうとするパイロット達の目的地、それをイメージしてます。
Gー3なのは単なる好みです。
ストーリー的な話は、ある意味でお馴染みになってきた感がある気がしてきた中尉殿と整備兵。
書いているうちにガンダムあまり関係なくなってきたのはナイショのお話。
新型バズーカ装備!
ビームサーベル抜刀!
制作工程です。
個人的にめっちゃ好みな感じなんで、あまり改造ポイントはありません。
あ、書き忘れてましたが、今回、撮影環境変えてみました。
100均のドールハウスのスチロールボードに手でライトを持って撮影してたのから、ライト付きのボックスタイプに。
これが良い感じだったらつぎも使いやす。
結構楽で良いなぁ。
頭部。
頬のダクトを開口しました。
うむ、イケメン。
胴体。
弄らなくてもガッチリだけど、少しRX78-2から変化を持たせたくてダクトのフィンと首周りを少しずつ削って形状変更しました。
腕部。
ガチっとした腕に惚れる。
腰部。
キュッとしたウエストも良き。
脚部。
ふくらはぎのスラスター部分の開口、及び縁を薄く。
ダム成分も素敵。
バックパック。
いい感じ。
武器。
悪くない。
ビームサーベルがいつのまにか片方無くなってたんで、別のやつから持ってきました。
……どこ行ったんだろ……。
バズーカは新しい方のアレックスに付いてたやつです。
シールドは、十字マークやっぱいらんなぁって思い出したんで、外して1ミリプラ棒で適当に塞ぎました。
カラーリング。
Gー3は複数のカラーイメージがある機体ですが、大河原邦夫デザインっぽくまとめました。
……っぽくってのがミソです。
要はイメージのカラーリングです。
まぁ、めっっっっっっっっちゃ地味にになりましたが。
使ったグレーは、ライトゴーストグレー。
ダークゴーストグレー。
グレイバイオレット。
ガンシップグレー2です。
あとバーニアにはガンメタルシルバー。
ライフルのスコープにはチタンシルバーを使ってます。
……写真じゃ分かりにくいか?
(肉眼でも分かりにくいですが)
デカールは五月蝿くならない程度に。
結構全身にディテールが入ってるんでそれのバランスのためです。
ラストシューティング!
さて今回は如何だったでしょうか?。
個人的にはミリタリちっくなGー3が作れて満足してます。
最近は地味ーに忙しくてあまり回れてません……。
ある程度落ち着いたら回ります。
閲覧ありがとうございました♪












ただ夢中で駆け抜けた 新しい未来を見たくて
コメント
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お疲れ様でした😊
今回もストーリーを堪能しました😁
文章構成力が秀逸なので、ストレス無く読み進められる😁🎶
《《《乾いた笑いと「白い悪魔が」》》》こ一文に、背筋がゾクリ💦次いでニヤニヤが止まらない😌👍
仰る通りで、このキットのフォルムは『『『最適解』』』だと、自分も考えます🤩💖
そして「G-3」をイメージした、この作品🧐
正に『『『白い悪魔』』』を体現して、おりますね😃💓💓
VerOYWはシンプルながらザ•ガンダムなデザインが良いですよね👍😉
しかし、こG3の単色の78はジークアクスの影響か巨大さを感じちゃいますね🥳
肩のスリーラインがオサレ🥰
コメントありがとうございます♪
VerOYWはここ2、3年前に初めて存在を知ったんですよ…
ガンダムベースに売られてたときに、そのデザインにベタ惚れしました(gundam-kao3)
ジークアクスはまだ未視聴ですが、聞く噂やネタで期待値だけがめっちゃ上がってます(iori_sei)
肩のラインは大河原先生の画集が元ネタで、シンプルでカッコ良かったので再現を試みました(gandam-hand2)
コメント失礼します。素敵なオリジナルストーリーナイスです(gandam-hand2)
やっぱりG-3ガンダムは「推し」機体なので、迷わずいいね!しました。
G-3は名前込みで惹かれるものがあります(gundam-kao6)
コメントありがとうございます♪
良いですよね、Gー3……(gundam-kao8)
落ち着いた色で好きなのですが、公式でも結構塗装パターンがフワフワしているのは困りものです(gandam2)
ストーリーはある意味で白い悪魔に対峙するジオン兵の気持ちになりながら書きました…!(zion_emb)
あの「地味さ加減」がG-3の魅力ですもんね♪
たしかに塗装パターンが曖昧なのも厄介なとこですが、それも含めてジオン兵からすれば「得体の知れない化け物」のような存在なのだと思います(zaku-kao9)
この地味さが一層ミリタリ感をかき立てるのです(iori_sei)
得体の知れない化け物と聞いて、ア・バオア・クーでの戦いに何とか生き残ったジオン兵の証言から構築されたと考えれば、カラーリングのブレがあるのも何となく納得出来るかも…?と思いました(gundam-kao10)
去年は密かに月一投稿を目標にしてました。
……成功したのかは何となく微妙なところ。
ですんで、今年は究極で完璧な月一投稿を目標に……!
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