ボール　R型

一週間戦争において、連邦はミノフスキー粒子の散布により目を奪われ、
続いて小回りの利くMSが飽和的に投入されたことで苦戦を強いられた。
結果は連邦の大敗。
艦隊は壊滅的な打撃を受けた上、レビル中将が敵捕虜となり指揮系統も喪失してしまった。

生き残った連邦上層部はこの期に及んでもなお、艦船による砲撃戦および戦闘機による攻撃を主とする方針を変えようとしなかった。

しかし、一部の高官はMSの運用に際しては活動半径や補給の観点から、
母艦の存在が不可欠であることを見抜いており、部隊が展開する以前に
これを撃沈することで優位に戦闘を進めることが可能となると指摘した。

また、ミノフスキー粒子の散布下においてレーダーによる索敵が困難となるのは
ジオン側も同様であり、この状況下で敵の布陣を先に把握できれば
非常に有利に当たることができると考えられていた。

高濃度ミノフスキー粒子はレーダー波を妨害する一方で可視光は大きな影響を受けない。
そこで連邦高官は高性能カメラおよびミノフスキー通信に対応したアンテナを装備する
偵察機を複数配備するプランを発案、これにより開発されたのが当機である。

しかし、後にレビル中将が奪還され、V作戦およびビンソン計画が発令されたことにより
連邦の方針は大きく転換され、当機は少数が生産されるに留まった。