瞋痴（じんち）〜2つの心〜

【妄想設定:ストーリープロット】
マクギリス・ファリド事件後、残党による最大規模のテロが勃発。
ガエリオはテロ鎮圧部隊として宇宙にあがり、キマリスヴィダールに乗り込んで自ら戦場に立っていた。

どこから手に入れてのか、残党はダインスレイブを使用。母艦を守るため、キマリスヴィダールはランスでダインスレイブの軌道を変えるという離れ業をやってのけるも機体は衝撃で機能停止に陥る。

目覚めたガエリオの前にアインが現れる。
混乱するガエリオにアインが言う。
「あなたの復讐は正しかったのか」
走馬灯のようにガエリオの記憶が現れては消える。私欲のため暴走した友を止めたことは、正義であったはず。しかし、心にしこりが無いわけでもない。

ガエリオが見ている前でアインが血まみれになっていく。
「殺すことだけが、正義なのか」
否定するガエリオの言葉に力はない。
アインの体が足からボロボロと崩れ、首と心臓だけになる。
「結果として私の心を利用し、人を機械として人外の力を得たあなたは、本当に正義なのか？」

ガエリオがひざまずく。アインの復讐心を利用していたことは否定できない。ましてや、アインが果たしたかった復讐はマグギリスではなく、鉄華団だった。
「だが、マグギリスは悪魔に魂を売った！」
「それはあなたも同じだ」
ついにアインの顔も崩れ、脳と心臓だけになる。それでもアインの声が聞こえてくる。

「すべてを白日の元に晒し、罪を償ってください。もう二度と私のような犠牲者が出ないようにするために」

10日ぶりに保護されたガエリオは多数のマスコミが取り囲むなか、キマリスヴィダールのコックピットから出てきた。
カメラドローンが近づいてきたのを確認すると、ガエリオは土下座した。

そして、キマリスヴィダールに組み込まれた禁忌のシステムのことを話し始めた。
この放送をラスタルが見ていなかったことも災いし、ガエリオの贖罪は全宇宙に知れわたる。
こうして阿頼耶識システム全般に悪魔のシステムというレッテルが貼られ、阿頼耶識システムは表向き完全に撤廃されることとなった。
その後、ガエリオは裁判にかけられ20年の禁固刑が言い渡される。
マクギリスを止めたこと、自ら阿頼耶識typeEの秘密を暴露した点は考慮されたものの、世論のガス抜きもかねての重い判決となった。

阿頼耶識システムは軍の中でも最重要機密となったことで、すべてのガンダムフレームは永久凍結されることになる。
そして、400年の月日が流れた。

死んだはずのアインが目を覚ますと、そこには「あの少年」がいた。
アインが口を開く前に少年がアインの胸ぐらを掴む。
「あんたも同罪なんだよ。ガンダムから解放されたければ、オルガみたいに前を向くしかない」
少年はアインを突き飛ばす。すると、アインの後ろにキマリスヴィダールが現れてアインを両手で握りつぶした。
次の瞬間、アインの意識はキマリスヴィダールの中にあった。
不思議なことにパイロット無しでも機体を動かすことができる。
キマリスヴィダールが暗闇の中、両腕を大きく開くと老朽化した建物の屋根はあっさりと破れた。
「ここは、火星？」
赤茶けた大地に青い空。
アインはガンダムに囚われた己の魂を解放すべく、火星の地を踏みしめた。
鉄の血と鋼の肉体で。

完。

以上、妄想設定でした。
リライズコンもありますので、作成内容などは割愛させていただきます🙇‍♂️
最後まで読んでいただきありがとうございました😊