RX-80N

V計画の最終到達点ともいえる高性能量産型MSであるRGM-79SP ジムスナイパーⅡ。

V計画で完成した高級試作機のRX-78を更に進化させたG4計画。

この２つの成果を一つに統合し、次世代機を産み出そうという計画がRX-80計画である。

開発は元となった後期に生産されたRGMシリーズやRX-78のセカンドロットの改造を手掛け、積極的に革新的技術を採り入れる実績のある開発部門と工廠を持つ連邦軍オーガスタ基地と同基地の複数の研究所が担当した。

まず製作したのは、既存の規格準拠であるRGM-79SPのジェネレーター換装機である。これについてはG4計画のRX-78-4で採用されたジェネレーターを改良して搭載した。改良型ジェネレーターによりハイパービームライフル等の強力なビーム兵器をドライブすることが出来るようになった。RX-78-4が扱えなかったメガビームランチャーも安定して運用可能であるが、本機との組み合わせに制限された。(これにはエネルギーCAPを発展させたEパック技術の基礎研究も役立っている。)もっともメガビームランチャーは連続使用に向かないため、後にEパック方式に変更し、ビームスナイパーライフルに転用されて別の機体により試験されたようだ。

四股に関してはRGM-79SPと形状こそ似ているものの中身はG4計画のMSオプション兵装に対応したものに生まれ変わっている。ショルダーブースターや、腕部ビームガンユニット、脚部可変式スラスターユニット等を使用することが可能である。

しかし、RX-80Nが完成しテストが始まった頃に一年戦争後を見据えた連邦軍のMS開発方針が改められ、既存のMSの延長ではなくフレーム構造をも見直すことを含めた次世代機の開発へと方針を変えることとなり、連邦軍内においては既に開発承認されたプロジェクト以外は新型機開発は凍結となり既存の統一規格の下でのMS改修等に限定された。本機は実証機を作成し、それがほぼRX-80試作1号機ではあったが連邦軍上層部よりの通達により、開発コストが過剰であるとしてこれ以上の試験・開発は中止となった。

RX-80は正式に製造されたか不明で、完成した本機RX-80N(Nは規格外を示し、正式に製造される機体との区別に付けられた)も予備部品と共に行方不明となる。オーガスタ基地の別の研究所で操縦系の試験機として利用したあとで、廃棄されたという話がある一方で、戦場で特殊兵装を装備した本機に酷似した機体を目撃したという報告が複数上がっており、連邦軍内の一部から正式に承認されていない機体の運用実態に関する調査委員会の発足がなされたが、大半はRGM-79SP及び同MSの特殊装備を誤認したものであるとの調査結果が出て終了している。