【試作背景と狙い】
一年戦争に於いてモビルスーツの有用性は空間戦闘のみならず、地上戦闘な於いても示された。
しかし重力のある地上戦闘に於いては、いくつかの運用課題も同時に克服する必要があると考えられた。
①戦闘地域までのMSの移動速度、運搬の問題
巨大な歩兵であるMSが地上を移動する際の移動手段はMS自体の歩行、または陸上母艦・大型トラックによる運搬が主とされた。
そのため、戦闘地域へのMSの展開に時間が掛かることがMSの運用戦術の大きな制限事項となっていた。
※ガウ攻撃空母やホワイトベース級の航空母艦は絶対数が少ない上に、MSを降下させる際には対地速度を100km/h程度まで落とす必要があり、対空兵器の的になりやすいという問題があった。
②MSの空中戦闘における運用の制限
当時のMSの空中機動は垂直方向へのジャンプまたは航空母艦からの降下からの自由落下と言って差し支えないものだった。また当時のMSは重量に対する推力(パワーウェイトレシオ)が低く、空中における運動性は戦闘機動として満足のゆくレベルではなかった。また着地に際しては地上との相対速度を0にする必要があるため、着地の場所を選ばなければ敵からの集中砲火に晒される。
着地地点の地形や地質も着地の衝撃に耐えうるものでなければならず、着地場所の選定はMSの空中戦に制限を掛けた。
こうした問題を解決するために、一年戦争時のジオン軍ではド・ダイYSという要撃爆撃機がSFS(サブフライトシステム)として運用された。また連邦軍においてもライトライナーと呼ばれるSFSのはしりとも思われる追加兵装が開発されるなど、MSの空中戦闘能力の向上に対する挑戦がなされたが、上記の問題を解決するには至らなかった。
宇宙世紀0081に至ってもこのような課題に対する有効な解決方法は見出されておらず、連邦軍のMS開発部門では以下の要件を満たすMSの開発要求が提出された。
・自力で離陸でき、かつ航空戦闘機程度の空中機動性を有すること
・当時の一般的なMSと同程度の火力を有すること
・100km程度の航続距離を持つこと
【試作開発の経過】
宇宙世紀81年4月に本機の開発はスタートした。
空戦に対応した試作機の開発はいくつかの連邦軍MS開発研究所にコンペティション形式でオーダーされた。
本機はキャリフォルニアベースで制作された試作機である。
当時一般的に出回っていたジム改をベースに一部を当時の高級機であったジム・カスタムに入れ替え、ジェネレーターを強化している。
空戦に関連する機能は腰のユニットに集約し、地上戦闘時には折りたたむことが可能である。
【試験結果とその後】
本機はキャリフォルニアベース周辺でテストが実施され性能が評価された。
要求事項のうち空中機動性と火力については及第点であったものの、航続距離が極端に短いという欠点を抱えていた。
MS形態の空力特性は劣悪だったため、腰部ユニットに配置した翼面によって生じる揚力だけでは空中で自重を支えることができず、浮上を推進剤に頼っているため推進剤消費が莫大で、戦闘機動の持続時間は数分だった。
また当時のMSのOSは空戦に対応しておらず、腕を動かす、銃を構えるといった所作による空力特性の変化によるMSの飛行中の姿勢変化をパイロットの操縦によって修正することになってしまった。
このような繊細な操作を要求することはテストパイロットからは著しく不評で実戦は不能という判定を受けた。
この結果を受けて、人型の形態を保ったままMS自体に空戦能力を与えるという方針は転換され、MSを空戦に特化した形態に”変形させる”というアイデアが主流となった。
本機の評価データはその後のアッシマーの開発に流用されることになった。
その後、本機のコンセプトを受け継ぐMSとしてはバイアランが開発されるが、これも試作機数機が作成されるに留まり、本格的な単独空戦能力を有するMSはクスィーガンダムの登場を待つことになった。
というわけでジム改をベースに空中戦実証試作機を、という設定で作成しました。先に設定を考えて、それに合わせて模型を作るというのはとても楽しい作業です。
模型的にはガンダムver.kaを作るときに使ったジム改ジムカスタム+EGガンダムの余った部品をベースに切った貼ったを切り返して作りました。
一部RGストライクガンダム、フルドドを混ぜています。
翼面は展開状態と折りたたみ状態、どちらも作れます。
腰のユニットはEGガンダムの前腕部+スネの部品を切り貼りしています。中央のテールスタビライザーは家にあった20年物のフルドド(電撃ホビーの雑誌付録版!)の部品を使いました。
翼面はRGストライクガンダムのエールストライカーから奪い取りました。って、またジャンクが増えてしまったじゃないか。。
今回の裏テーマはパテを使わないことでした。
結果、完遂しました。
こういうニコイチ、サンコイチ的な作り方のことを最近はミキシングと呼ぶようですね(子供のときによくやりました)
また一つ学習しました。
腕が長かったので上腕を1mmほど詰めました。
あと首を1mmほど延長して下を見れるようにしています。
脇の青い部分、下側はヤクルトの容器を切り貼りして作りました。
結果、キットのままより少し細く、1mmほど長くなっています。
背面がとてもいい感じです。
アレックスと同じタイプのバックパックですが、バーニア部分は干渉するのと、流石に腰ユニットに直噴はまずかろうということで埋めました。
EGガンダムのヘリウムコアが無改造でまんまハマりました。
塗装はアクリジョンです。
ZプラスやG3ガンダムのようなカラーパターンを狙いました。
空戦試作ということでスプリッター迷彩を意識しました。
ガンダムマーカーのメッキシルバーで一部塗装しましたが、素晴らしい輝度ですね。
着想としてはアルドノアのカタクラフトがベースにあります。
陸上の機動性としてドムに負けないジムを作りたい!というのもありました。
可動はそこそこです。
ジムライフルを構えるくらいはできます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
次回は今年を代表する空戦モビルスーツを作ります。
コメント
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G3とZプラスの両方のテイストが感じられますね。
カラーだけでなく機体の設定にも。
コメントありがとうございます。狙い通りに受け取ってもらえて嬉しいです。
最近20年ぶりくらいにエアブラシを握った出戻りモデラ―。
模型を作るのはとても楽しい!
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