MGキットの全塗装に初挑戦。
米海軍に配備される設定のヴィダールを製作しました。
ガンスタ初投稿です。
製作コンセプト(長めのIF設定妄想)
宇宙艦隊の黎明
近未来、地球圏の資源が枯渇の危機に瀕し、月や小惑星帯の希少鉱物やエネルギー資源を巡る熾烈な争奪戦が勃発した。この資源競争は太陽系全体の開発を急加速させ、各国が宇宙空間での覇権を握るべくしのぎを削る中、人類史上初の宇宙戦闘が現実のものとなった。戦火は地球の大気圏を越え、無重力の真空空間へと広がり、新たな戦場のルールが人類に突きつけられた。
この未曾有の状況下、地球上で培われた軍事技術は、過酷な宇宙環境に適応する形で劇的な進化を遂げた。特に海軍の伝統的な海洋支配力の概念が、広大で三次元的な宇宙空間での戦術に応用されることとなった。海軍が長年にわたり磨き上げた艦隊運用ノウハウ——艦船の連携、補給線確保、戦略的機動——は、宇宙戦艦の運用においても驚くほど有効であることが判明した。
技術的転換の中心にあったのは、米国宇宙軍の先進的な技術力であった。宇宙軍は、レーザー兵器や電磁加速砲、量子通信技術といった最先端の装備を開発し、これらを海軍の戦術的知見と融合。艦隊戦の伝統と革新が交錯する中、米国海軍は宇宙戦艦を中心とした新たな軍事組織「米国宇宙艦隊」を誕生させた。この艦隊は、単なる戦闘集団ではなく、太陽系全域を舞台に資源確保、領土防衛、外交的示威を担う戦略的プラットフォームとして機能。旗艦級の宇宙戦艦は、1,000メートルを超える巨体に反重力推進システムやプラズマシールドを搭載し、惑星間航行を可能にする一方で、戦闘時には高速機動と精密攻撃を両立させた。
この新時代において、米国宇宙艦隊は地球圏の安定と太陽系進出の要として君臨しつつも、新たなライバル国家や企業連合との対立を深めていく。果たして、人類は宇宙という無限のフロンティアで協調を選ぶのか、それともさらなる戦乱の道を突き進むのか——その答えは、星々の間に漂う無数の艦影が握っていた。
火星の秘宝
近未来の太陽系において謎の特殊合金骨格を基盤とし、軽量構造と高出力スラスターを融合する卓越した機動性を誇る神秘の遺物——ヴィダール。その流線型の機体は、火星の赤い砂漠深くに埋没していた謎の遺跡から、米軍の精鋭技術者集団により極秘裏に発掘・解析された。ヴィダールの加速性能は、従来のロケット推進を凌駕するほどの瞬発力を発揮し、無重力空間での3次元機動能力は、敵機の予測を嘲笑うかのように自由自在。パイロットの神経系と直結するインターフェースは、まるで機体が意志を持つかのような反応速度を実現し、次世代の宇宙戦に最適な究極の兵器として判断された。
しかし、ヴィダールの起源については一切の記録がなく、安全性や潜在的な倫理的問題——例えば、機体内部に残る未知のナノマシン群がパイロットの精神に及ぼす影響——は不明のまま、あるいは意図的に無視された。米国政府は、これを「自国最新技術の粋を集めた平和の為の次世代型兵器」と位置づけ、激化する宇宙戦闘での優位性を主張し続ける。実際、ヴィダールは特殊フレームの耐久性と融合した米軍の量子コンピュータ制御システムにより、優れた射撃兵装や格闘兵装を搭載。単機で小型艦隊を殲滅可能な破壊力を備え、米国宇宙艦隊の戦略的切り札として喧伝された。
だが、その技術水準が人類の科学力を遥かに凌駕する異常事態は、各国間の対立を一層深めている。対立国家連合は、ヴィダールを「火星の古代遺産を独占する侵略ツール」と非難し、独自の有人操縦式兵器開発を加速させた。これにより、太陽系全体を巻き込んだ宇宙用兵器開発競争が深刻化。火星軌道上の資源採掘権を巡る小規模戦闘が頻発し、ヴィダールの実戦投入が噂される中、過激団体からは「異世界から送り込まれた呪いの兵器ではないか」というオカルト的な推測と批判が囁かれている。ヴィダールの謎めいた起源が、別世界の宇宙戦争の遺産を示唆する中、戦闘の激化と共に多くの疑問——誰がこれを埋めたのか? それは人類の味方か、それとも破滅の予兆か?——が置き去りにされ、星間紛争の渦はさらに拡大を続けている。
北欧の影
北欧神話の終末戦争「ラグナロク」において、ヴィーザルは巨狼フェンリルを倒し、破壊と再生の狭間で新世界の礎を築く神として謳歌された。その神話的役割は、近未来の太陽系において、米国宇宙艦隊の使命と重なり合う。艦隊は、地球圏の秩序を維持し、資源と領土を巡る熾烈な紛争から人類の未来を守る防衛の要として、星々の間に屹立する。
この北欧神話モチーフの命名には、単なる象徴以上の意味が潜んでいるのかもしれない。米国は表向きは自国技術の産物と主張するが、裏では北欧諸国——スカンジナビア地域の先進的な軍事技術大国——との繋がりを深めるための政治的ジェスチャーとして、この名前を選んだ可能性がある。あるいは、極秘の軍事技術提供を受けた見返りとして、北欧神話をモチーフに据えたのかもしれない。こうした憶測は、国際的な諜報ネットワークで囁かれ、ヴィダールの神秘性をさらに高めている。北欧諸国自身は中立を保ちつつ、資源共有の名目で米国と密接な協力関係を築いており、この提携が太陽系全体の力学を変える鍵となっている。
ヴィダールの呪い
神話の精神は幾星霜を経て、ヴィダールのパイロット達に受け継がれる。彼らは、米国宇宙艦隊の最精鋭として、神秘の遺物ヴィダールを操るために選ばれた者達だ。その選抜と訓練は、「ヴィーザルの誓い」と呼ばれる過酷な特殊訓練課程によって形作られる。この課程は、単なる技術習得を超え、寡黙に任務を遂行し、艦隊の名誉と地球圏の秩序を守る不屈の覚悟を植え付ける儀式的な試練である。
「ヴィーザルの誓い」は、特殊訓練用地下施設や無重力シミュレーターでの極限訓練を通じて、パイロットの肉体と精神を鍛え上げる。訓練では、ヴィダールの神経直結インターフェースを制御するための超人的な反応速度と、量子コンピュータの戦術データを瞬時に処理する能力が求められる。しかしそれ以上に、課程はパイロットに絶対的な忠誠心と犠牲の精神を刻み込む。訓練の最終試練では、パイロットは孤独な模擬戦闘で仮想の「フェンリル」——対立国家連合の艦隊群を模した敵——を打ち破り、自国の守護者としての誓いを立てる。この誓いは、ヴィダールが新時代の秩序を体現する象徴であることを再確認する儀式でもある。
パイロットのヘルメットには、ヴィーザルのシンボル——巨狼フェンリルを踏み砕く足——が精緻に刻まれ、銀色の鉄兜に浮かび上がる。このシンボルは、パイロットが単なる戦士ではなく、神話の継承者として宇宙の混沌に立ち向かう存在であることを示す。
しかし、ヴィダールのパイロット達を取り巻く試練は、単なる訓練や神話的象徴にとどまらない。ヴィダールに宿る未知のナノマシン群は、パイロットの神経系に接続するたびに、微細な精神干渉を引き起こす可能性が指摘されている。「ヴィーザルの誓い」を経たパイロット達は、任務中に異常な集中力や幻視を報告し、海軍内一部派閥はこれを「ヴィダールの呪い」と呼んで非難を強める。火星軌道や小惑星帯での小規模戦闘が激化する中、ヴィダールのパイロットは、艦隊の名誉と新秩序を守るため、己の肉体と精神を賭して戦場に立つ。果たして、彼らは神話のヴィーザルの様に新時代を切り開くのか、あるいはラグナロクの破壊の渦に飲み込まれるのか——その運命は、星間を駆けるヴィダールの戦火の中に隠されている。
拘ったポイントなど紹介
- カラーリング
MG ヴィダールの重厚感を追求したいと思案し、メインカラーを深みのあるネイビーブルーで塗装することを決めました。
「ネイビー」から海軍をイメージし、米海軍のシンボルカラーとブルーエンジェルスに着想を得て、差し色にはイエローを採用しています。
外装ブラック部や武装類のメタリック塗装にも力を注いでおり、狙っていた上品な質感を出せたと満足しています。 - 肩部のデカール
本来ならばヴィダールの機体番号モチーフのデカールを貼る場所ですが、米海軍仕様ということで変更しています。
ブルーエンジェルスのスーパーホーネットに倣って「U.S.NAVY」と迷いましたが、サイズの関係で「USN」としました。
キット付属「XX」以外のデカールを貼る方は少ない印象なので、オリジナリティを出せたと感じています。
- 写真撮影
ガンプラ撮影用の黒背景を購入し、インターネットやモデラーさんを参考に撮影をしてみました。
撮影やライティング等は全くの素人なのですが、試行錯誤が楽しく時間があっという間に過ぎてしまいました。
ヴィダール製作の目標だった重厚感を何とか表現出来たのではないかと感じています。
黒い背景ということで、はからずもHGUCシリーズの説明書表紙の様な雰囲気を少し感じています。
- 配色シミュレーション
ペイントソフトを使用して配色のシミュレーションをしてから塗装してみました。
様々なカラーリングを試していくうちに、ネイビーブルーにたどり着きました。
- 仮組み状態の1枚
最新のMGキットということで、組んでいてとても楽しいキットでした。
初めてMGに挑戦しましたが、すっかり魅了されてしまいました。
- 塗装後の1枚
塗装については、Mr.カラーとガイアカラーを使用しています。
メタリック塗料の希釈が難しく感じましたが、何とか仕上げることができました。
また、鉄血のオルフェンズ汎用のガンダムデカールに加え、30 MINUTES MISSIONSの汎用デカールも使用してみました。
良いアクセントを加えられたと感じています。
文章が非常に長くなってしまいましたが、
最後までご覧いただきありがとうございました!
渋いヴィダールも良いですよね
コメント
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はじめまして、としです。
カラーリングにおける設定の説得力が素晴らしいと思いました!
背景が想像できると観てる方も楽しくなります😆
あと、文章もすごく読みやすくて素晴らしいです!
ありがとうございます!
沢山書いてしまったので、褒めていただけて嬉しいです!
配色シミュレーションの結果を精密に再現できているのすごい!
ありがとうございます!
配色に悪戦苦闘したので、褒めていただけて嬉しいです!
水星の魔女をきっかけにガンプラを始めました!
まだ初心者ですがよろしくお願いします。