なぜかAKさんとますらおさんに宣戦布告するおじさん
手の可動を作ったのは良いけど、すごく殺風景だったので、前から気になっていたAKさんの作風と、ますらおさんの作風に挑戦しようと思いました。
ハヤマオさんには勝手に宣戦布告したにもかかわらず2連敗。
おじさんは今度こそはと一生懸命プラ板を刻みました。
まずはAKさんの作風を目指しました。
みなさん、この手だけでどれだけのプラ板を切り出さないといけないか想像したことありますでしょうか(zaku-kao8)
ハッキリ言います。これだけで気が狂います。
それに貼り付けるのもセンスなのか正確さなのか、AKさんみたいにはなりません(zaku-kao9)
まずAKさんに敗北。
そしてますらおさんの作風ですが、
わかりにくいかもですが、ますらおさんはプラ板に三つ穴をあけがちです(zaku-kao8)
アタシはこれには自信が有りました。
….しかし、三つの穴を開けるだけということが、むしろ難しくて、変なバランスになります。何パーツかやってみましたが、ますらおさんみたいになりません(zaku-kao4)
ますらおさんのやりそうなことで、排気のヒダヒダはまぁ出来た感じですが、鉄棒みたいな飾りはブサイクになりました。
ますらおさんにも敗北です(zaku-kao8)
…というワケで、今回も惨敗しました。
AKさんとますらおさんは、出来上がった【型】が確立してると思います(zaku-kao8)
今日現在は負けを認めて撤退しますが、
また、お二人の型に挑みにいきますからね(zaku-kao8)
写真は
『ドーン‼️』と『私はこれで会社を辞めました』です。
手の可動を作ったのは良いけど、すごく殺風景だったので、前から気になっていたAKさんの作風と、ますらおさんの作風に挑戦しようと思いました。
ハヤマオさんには勝手に宣戦布告したにもかかわらず2連敗。
おじさんは今度こそはと一生懸命プラ板を刻みました。
まずはAKさんの作風を目指しました。
みなさん、この手だけでどれだけのプラ板を切り出さないといけないか想像したことありますでしょうか(zaku-kao8)
ハッキリ言います。これだけで気が狂います。
それに貼り付けるのもセンスなのか正確さなのか、AKさんみたいにはなりません(zaku-kao9)
まずAKさんに敗北。
そしてますらおさんの作風ですが、
わかりにくいかもですが、ますらおさんはプラ板に三つ穴をあけがちです(zaku-kao8)
アタシはこれには自信が有りました。
….しかし、三つの穴を開けるだけということが、むしろ難しくて、変なバランスになります。何パーツかやってみましたが、ますらおさんみたいになりません(zaku-kao4)
ますらおさんのやりそうなことで、排気のヒダヒダはまぁ出来た感じですが、鉄棒みたいな飾りはブサイクになりました。
ますらおさんにも敗北です(zaku-kao8)
…というワケで、今回も惨敗しました。
AKさんとますらおさんは、出来上がった【型】が確立してると思います(zaku-kao8)
今日現在は負けを認めて撤退しますが、
また、お二人の型に挑みにいきますからね(zaku-kao8)
写真は
『ドーン‼️』と『私はこれで会社を辞めました』です。
【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第十章 -【なんで言ってくれなかったの?】-【期間限定公開】
お久しぶりです神宮寺Re⑦です。
今日も今日とてビルドダイバーズ(Re:RISE)二次小説を気楽に投げているアカウントです〜
ってなわけであれからのつづきです。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻《ユメノトビラ》
生まれた意味はいったいなんなんだろう──。
あらすじ
義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。
これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。
***
前回→
***
第二巻《ユメノトビラ》第十章 -【なんで言ってくれなかったの?】-
***
日差しも健やかに暖かさを取り戻してきた五月初旬。
わたしは模型部の活動としてフィギュア製作に取り掛かっていた。
気合いを入れてはじめたのはいいんだけど……
「だぁぁぁぁぁぁ……!?設計とか言われたってなにをどうやっていけばいいかわかんないよおこれぇぇぇぇぇぇ!?」
PCのモデリングソフトを立ち上げてポリゴン?なんかわかんないけどそんな横文字と戦ってるけど、マジでなに言ってるかわかんない……
「ちょっとうるさいよエリカ」
「だったらなんか助言くれてもいいんじゃないかなぁハルナァ!?」
「だってよカグヤ」
「なんでそこでおれを見るんだよ……」
「そりゃあね?」
「……なんだよ」
「ねぇ〜?エリカ」
ここでわたしに目線を合わせても困るんですけどねっ!?
いや実際ほんとに困ってるのはわたしなんですけれどもね?
キオ・アスノをフィギュア化するためについこの前に行った金型製作工房T3の資料と睨めっこしてるけど、なんのこと言ってるかわかんないんだよ……阿鼻叫喚だよぉ……ううぅ……
(ってかさ〜文化祭に間に合うわけ?こんな体たらくで)
(……進路調査表にセミって書いたこと怒られるんじゃないかなぁ?)
(将来のこととかもう知らない!いまこのときでさえめちゃくちゃなのにもうワカンナイヨ!)
(ハルナの胸……わたしより大きいね……うらやましす……へへへへへへ)
(だれだこのおっさん)
(バイトの給料の使い道はそう!エアブラシの買い替えに全BETだぜぃ!)
(先のこと考えなよわたし……)
んなことより今の状況をなんとかすること考えなよわたし!
試作品を作るところさえもまともに進まないよ……
ガンプラ組んでるほうがマシなくらいだよ……
◇◇◇
「あ〜でさ〜エリカ」
「……な、なに〜?いまずっと忙しいんだけど〜あぁもう!数値弄ってたらおかしくなった!?なんなんだよもう!」
「余ってるガンプラもらっていいかなぁって相談を……」
「えぇ〜?あぁ……いいんじゃない〜?またなんか変なとこに縮小させちゃったんだけどぉ!?なにこれどうやって修正してけばいいの!?」
「……ほんとにいいの?」
「えぇ〜とこれをこうして……違う違うこれじゃサイズ大きすぎ!まともにパーツ作れないじゃんわたし!死にたいんだけどすでに!誰だよこんなのやろうって言ったやつ!」
……ほんと誰だよこんなフィギュア製作なんてやろうなんて言いはじめた戦犯は!ごめんなさいわたしでした、調子こいてマジでむりです。
いまやってる作業全部投げたしたいです……無力なバカですわたし。
「……いいんじゃ、ないかなぁ!?……はじめてから一時間経ってるのにまともに目のパーツすらできてないとかこういうの向いてなさすぎでしょわたし」
「ちゃんと許可とったからね?あとで言いにきても私対応できないからね?」
「……えぇ〜?あぁ〜うぅん」
なんの話?いまほんとそれどころじゃないんだけど!?
って!なんだよデータが消えちゃったじゃん!また一から作り直さないといけないの!?……もうやだやりたくない。
「だから言っただろ死にたくなるって、おれの忠告を無視するからこんなことに……」
「だったらなんとかしてくださいよカグヤ先輩!」
「……そもそもなんである程度のスケジュール立ててやろうとしない時点で失敗するルート一直線なのに気づけよエリカ」
「ううぅ……だってぇ……そう言ってもぉ……」
「一回作業休め、会議をはじめるぞ」
「秘密基地で両手絡ませてやるやつですか?」
「だれがエヴ○のゲ○ドウのモノマネやれって言ったんだよ?話を聞けよ、殴りたくなるだろ」
「……はい」
なんかこういうときに限ってカグヤ先輩いっつも怖いんですけど初期プリセットにそう設定されてるんですか?……あぁこれはこっちの話です。
「ここに座ってまずは計画書をだな」
「座ってます、よね?」
「いいからそのPCから離れろ、考えるのを一旦端におけ」
「いやだから……その」
「だ!か!ら!ちゃんとこっち向いて聞けって言ってんだよ!」
バイトはじめた手前味噌だけどあんまり面と向かって人と話すの苦手なんだよぉ……こわいんだって……
◇◇◇
「カグヤちょっとやりすぎ、そんなんじゃ誰も話を聞いてくれなくなるでしょ?」
「……つい言いすぎた」
「いいですけど……」
ちょっとキリキリしすぎじゃないかなぁカグヤ先輩?
っていうかハルナの首から下げてる十字架のペンダント誰からもらったの?転校した最初にはなかったよね?
「ハルナのそのペンダントどうしたの?」
「あぁこれはね──」
「まずはおれの話をさきにだな……」
「……ご、ごめんなさい悪気があったわけじゃなくて」
そして机に紙を置いて話をし出すカグヤ先輩。
「まずここに完成までの期間に必要な工程の締め切り期日を決めてくれ」
「まだはじまって三日目ですよ!?」
「いいから書けと言っている」
「目安になる日数とかってないんですか?」
「大方の企業のスケジュールだと原型完成までにおおよそ半年またはそれより半分は必要にはなるが……」
「じゃあ三ヶ月?」
「……企業では、と言っただろ」
「ということは……?」
「おれたちがやれるのは二ヶ月だ」
「鬼ィ!?ここに鬼がいるよ!?そんなの無茶ですよ!?ど素人なんですよわたし!?」
「そうは言っても文化祭の発表は秋頃の一〇月、そこから軽く見積もっても塗装や仕上げまでやると早めに終わらせないと間に合わないだろ?おれは進学があるから受験生なんだぞ?サポートできる時間はあまりないと考えくれないと困る」
「……それに体育祭と修学旅行がありました、よね」
「君らは二年生なんだから当たり前だろ、なんでそのことを忘れてやれると思っていた?」
「そしたらそのこと早く言ってくださいよ!なんで先に言ってくれなかったんですか!」
ごもっともです……あぁいや別に簡単そうだからとかいう理由とかじゃないんです……やれそうじゃんと思ったわたしが悪いので……はい。
アカネが来るの遅いよぉ、なにやってんの!連絡してくれよ!
「……遅れてスッパムーチョ!」
「やっときたのアカネ」
「部費の予算会議で呼び出されてね〜話がまともに取り合ってくれないから余計に時間がかかっちゃってさ〜」
「ご苦労なことで〜」
「カグヤ先輩いつもこんなのやってたんですね……」
「部長たちの話を聞くのは大変なんだよいろいろとね」
「ほんとにやってるんだフィギュア製作……」
「まぁね……」
と、ようやく模型部らしい活動ができてきたところです。
……わたしの無計画さに目をつぶってもらっていただいてもらってほしいところで、なんて言ってる場合かぁ!完成させるんだよキオくんを!わたしのつくるキオくんを!ここで!
***
遡ること一週間前。
私とカグヤは四回目のデートにショッピングモール〈ロンド・ベル〉に二人揃ってきていた。
「久しぶりのデートだねカグヤ?」
「そうだな……」
「なにかあった?」
「なんでもない」
「ほんとうに?無理しなくてもいいんだよ?」
「気にしなくていい、行きたいところはあるか?」
「……んん〜そうはいってもなぁ、あらかたここは回ってきたし」
「新しいガンプラ作りたいんじゃなかったのか?」
「それもそうだけど……」
そうなんだけど……なんかあんまりいい気分じゃないっていうか……デートすること自体は楽しいからいいんだけど。
っていうかなんかいつもより私に気を遣ってない?
「それよりそのいつもつけてるそのベール、外してもいいんじゃないか?汗かくぞ?」
「これは外すわけにはいかないよ、知ってるのがあなただからそれでいいんだよ私」
「ならいいが……」
私のこと心配してくれるのはいいけどデートなんだから楽しも?
「そんじゃとりあえず模型&ホビーショップ〈AXIZ〉にいくか」
「そうしよそうしよぉ〜!おぉ〜!」
「おい、ひっぱるなよ!」
「歩くのが遅いよ〜カグヤ!」
「待ってくれよ……」
カグヤの手を掴んで揃って歩いていく私たち。
両端に広がる店先には七夕に向けた商品が陳列されたショップの店員さんたちが宣伝活動をしていた。
「もうすこしで七夕だな、短冊に願い事とかしてたの小学生くらいまでだったな……」
「七月七日になにかあるの?」
「織姫と彦星が年に一度逢瀬をするための日、ではあるけどそんなだったら最初から怒られるような事しなければいいのになって思うだろう普通」
「どういうこと?」
「……簡単にいえば双方が見せびらかすようにイチャイチャしだすもんだからそれに怒った天帝が二人の距離をひっぺがしたって話だよ」
「リア充爆発しろ的な?」
「やめろその話はおれたちに効く」
「あっはは〜!たしかにそうだね〜!」
そんなの気にしたって仕方なくない?やりすぎはよくないとは思うけどさ?
そして〈AXIZ〉へとやってきた私たちは新しいガンプラを作らために品定めをしていた。
「なにか見つかったか?」
「……うぅんなんかこうパッとするやつないかなぁ」
「そんな都合よくあるわけないだろ」
「わかってるけどさ〜」
かわいいやつってないかなぁ?そんなのあるわけない?
「アッガイとかどうだ?」
「なんか違う」
「別の世界では大人気なんだけどな……派生機もいっぱいあるし……よくわかんねえやおれの彼女……」
「じゃあ私の好きな食べ物は?」
「ミートソース……とか?」
「不正解でぇ〜す!答えはグラタンでした〜!」
「初めてのデートのとき食べてなかっただろそれ、わかるわけないだろ」
「それはカグヤと一緒のものが食べたかったからだよ?」
「……お、おう、それは嬉しいが」
まあ私から言わないのもよくないけど、ちょっとくらいはさ?
あっ!なんか可愛いやつみつけた!なんだろこれ?
「これなにカグヤ?」
「ズサって書いてあるだろ」
「ずさ?ちっこいけどなんかミサイルいっぱいついてるねコレ」
私が手に取ったガンプラの名前は「ズサ」というらしいけど、これユニコーンverってあるけどどういうことなの?
「ゆにこーんばーじょんってなに?」
「話をするとオタクしぐさ全開になるからあんましたくないんだが……」
「カップルの彼氏が彼女に教えてる構図にしかならないよ?」
「機動戦士ガンダムZZに登場した地球侵攻を目的とした量産型MSでマシュマー・セロが乗るやつでジュドーのゼータガンダムと戦ってたりするんだよ」
「じゅどーってだれ?」
「それはまた別のときにでも……」
「んでユニコーンverってどゆこと?」
「そこに書いてあるガンダムUCにも出てて、袖の装飾が追加されたやつなんだよ……原典版のやつは通販限定になってるけど」
「なんでそうなっちゃったの?どっちも売ればよくない?」
「そうも言ってられないんだよ、なんせ種類が多くなってきてるから生産管理が大変だからだろ」
「よく知ってるね?」
「そら製造業の息子だからな……痛いほどわかるわけで……」
工場見学行ったときもお父さんとなにかありそうだもんね?
これ以上は知らないほうがいいやつなのかな……
「まぁいいやこれで!買ってくるね!」
「いってら〜」
◇◇◇
模型&ホビーショップ〈AXIZ〉での買い物を終えた私たち二人は夕食を取るためにフードコートにきていた。
私は今日ドーナツを四つほど買ってイートインスペースで彼を待っていた。
「……これハルナにプレゼント」
「え?なんで?ありがたい……けど……どうして……」
「前回のお詫びと言ってはなんだが、誕生日も知らないし彼氏としてはこれくらいしかやれることないから」
受け取ったのは十字架のペンダント。
……プレゼントをもらったのは生まれてきてからはじめてだった。
なんだろ、なんていうか……ちょっと泣きたくなってくる。
両親からはまともに貰ったことがなかったし、こっちにきてからも人から優しくされたのはこれで二回目になる。
そういえば修道院にここ最近顔を見せてないや。
子供たち私のこと待ってたりするのかな?
「……ご、ごめんなんかその嬉しくてつい」
滲ませる涙を堪えながら私は彼に微笑みを返す。
笑ったことなんていままでなかったけど、ちゃんと笑えてるよね?私?大丈夫だよね?
「気に入らないなら一緒に買いに行くか?」
「うぅん、いいの……カグヤが選んでくれたのがいい」
「大丈夫か?なにか気に障ったのなら先に帰っても」
「……ちがうって違うから!私のことを想ってくれたのがわかったからだから!」
「そ、そうか」
「さ!たべよ!たべよ!」
私たち二人は久しぶりのデートを満喫しながらこの日を終えた。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第十七章までpixiv先行にて2025/10/20現在更新中です〜はやく読みたい方はそちらのほうまで〜
お久しぶりです神宮寺Re⑦です。
今日も今日とてビルドダイバーズ(Re:RISE)二次小説を気楽に投げているアカウントです〜
ってなわけであれからのつづきです。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻《ユメノトビラ》
生まれた意味はいったいなんなんだろう──。
あらすじ
義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。
これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。
***
前回→
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第二巻《ユメノトビラ》第十章 -【なんで言ってくれなかったの?】-
***
日差しも健やかに暖かさを取り戻してきた五月初旬。
わたしは模型部の活動としてフィギュア製作に取り掛かっていた。
気合いを入れてはじめたのはいいんだけど……
「だぁぁぁぁぁぁ……!?設計とか言われたってなにをどうやっていけばいいかわかんないよおこれぇぇぇぇぇぇ!?」
PCのモデリングソフトを立ち上げてポリゴン?なんかわかんないけどそんな横文字と戦ってるけど、マジでなに言ってるかわかんない……
「ちょっとうるさいよエリカ」
「だったらなんか助言くれてもいいんじゃないかなぁハルナァ!?」
「だってよカグヤ」
「なんでそこでおれを見るんだよ……」
「そりゃあね?」
「……なんだよ」
「ねぇ〜?エリカ」
ここでわたしに目線を合わせても困るんですけどねっ!?
いや実際ほんとに困ってるのはわたしなんですけれどもね?
キオ・アスノをフィギュア化するためについこの前に行った金型製作工房T3の資料と睨めっこしてるけど、なんのこと言ってるかわかんないんだよ……阿鼻叫喚だよぉ……ううぅ……
(ってかさ〜文化祭に間に合うわけ?こんな体たらくで)
(……進路調査表にセミって書いたこと怒られるんじゃないかなぁ?)
(将来のこととかもう知らない!いまこのときでさえめちゃくちゃなのにもうワカンナイヨ!)
(ハルナの胸……わたしより大きいね……うらやましす……へへへへへへ)
(だれだこのおっさん)
(バイトの給料の使い道はそう!エアブラシの買い替えに全BETだぜぃ!)
(先のこと考えなよわたし……)
んなことより今の状況をなんとかすること考えなよわたし!
試作品を作るところさえもまともに進まないよ……
ガンプラ組んでるほうがマシなくらいだよ……
◇◇◇
「あ〜でさ〜エリカ」
「……な、なに〜?いまずっと忙しいんだけど〜あぁもう!数値弄ってたらおかしくなった!?なんなんだよもう!」
「余ってるガンプラもらっていいかなぁって相談を……」
「えぇ〜?あぁ……いいんじゃない〜?またなんか変なとこに縮小させちゃったんだけどぉ!?なにこれどうやって修正してけばいいの!?」
「……ほんとにいいの?」
「えぇ〜とこれをこうして……違う違うこれじゃサイズ大きすぎ!まともにパーツ作れないじゃんわたし!死にたいんだけどすでに!誰だよこんなのやろうって言ったやつ!」
……ほんと誰だよこんなフィギュア製作なんてやろうなんて言いはじめた戦犯は!ごめんなさいわたしでした、調子こいてマジでむりです。
いまやってる作業全部投げたしたいです……無力なバカですわたし。
「……いいんじゃ、ないかなぁ!?……はじめてから一時間経ってるのにまともに目のパーツすらできてないとかこういうの向いてなさすぎでしょわたし」
「ちゃんと許可とったからね?あとで言いにきても私対応できないからね?」
「……えぇ〜?あぁ〜うぅん」
なんの話?いまほんとそれどころじゃないんだけど!?
って!なんだよデータが消えちゃったじゃん!また一から作り直さないといけないの!?……もうやだやりたくない。
「だから言っただろ死にたくなるって、おれの忠告を無視するからこんなことに……」
「だったらなんとかしてくださいよカグヤ先輩!」
「……そもそもなんである程度のスケジュール立ててやろうとしない時点で失敗するルート一直線なのに気づけよエリカ」
「ううぅ……だってぇ……そう言ってもぉ……」
「一回作業休め、会議をはじめるぞ」
「秘密基地で両手絡ませてやるやつですか?」
「だれがエヴ○のゲ○ドウのモノマネやれって言ったんだよ?話を聞けよ、殴りたくなるだろ」
「……はい」
なんかこういうときに限ってカグヤ先輩いっつも怖いんですけど初期プリセットにそう設定されてるんですか?……あぁこれはこっちの話です。
「ここに座ってまずは計画書をだな」
「座ってます、よね?」
「いいからそのPCから離れろ、考えるのを一旦端におけ」
「いやだから……その」
「だ!か!ら!ちゃんとこっち向いて聞けって言ってんだよ!」
バイトはじめた手前味噌だけどあんまり面と向かって人と話すの苦手なんだよぉ……こわいんだって……
◇◇◇
「カグヤちょっとやりすぎ、そんなんじゃ誰も話を聞いてくれなくなるでしょ?」
「……つい言いすぎた」
「いいですけど……」
ちょっとキリキリしすぎじゃないかなぁカグヤ先輩?
っていうかハルナの首から下げてる十字架のペンダント誰からもらったの?転校した最初にはなかったよね?
「ハルナのそのペンダントどうしたの?」
「あぁこれはね──」
「まずはおれの話をさきにだな……」
「……ご、ごめんなさい悪気があったわけじゃなくて」
そして机に紙を置いて話をし出すカグヤ先輩。
「まずここに完成までの期間に必要な工程の締め切り期日を決めてくれ」
「まだはじまって三日目ですよ!?」
「いいから書けと言っている」
「目安になる日数とかってないんですか?」
「大方の企業のスケジュールだと原型完成までにおおよそ半年またはそれより半分は必要にはなるが……」
「じゃあ三ヶ月?」
「……企業では、と言っただろ」
「ということは……?」
「おれたちがやれるのは二ヶ月だ」
「鬼ィ!?ここに鬼がいるよ!?そんなの無茶ですよ!?ど素人なんですよわたし!?」
「そうは言っても文化祭の発表は秋頃の一〇月、そこから軽く見積もっても塗装や仕上げまでやると早めに終わらせないと間に合わないだろ?おれは進学があるから受験生なんだぞ?サポートできる時間はあまりないと考えくれないと困る」
「……それに体育祭と修学旅行がありました、よね」
「君らは二年生なんだから当たり前だろ、なんでそのことを忘れてやれると思っていた?」
「そしたらそのこと早く言ってくださいよ!なんで先に言ってくれなかったんですか!」
ごもっともです……あぁいや別に簡単そうだからとかいう理由とかじゃないんです……やれそうじゃんと思ったわたしが悪いので……はい。
アカネが来るの遅いよぉ、なにやってんの!連絡してくれよ!
「……遅れてスッパムーチョ!」
「やっときたのアカネ」
「部費の予算会議で呼び出されてね〜話がまともに取り合ってくれないから余計に時間がかかっちゃってさ〜」
「ご苦労なことで〜」
「カグヤ先輩いつもこんなのやってたんですね……」
「部長たちの話を聞くのは大変なんだよいろいろとね」
「ほんとにやってるんだフィギュア製作……」
「まぁね……」
と、ようやく模型部らしい活動ができてきたところです。
……わたしの無計画さに目をつぶってもらっていただいてもらってほしいところで、なんて言ってる場合かぁ!完成させるんだよキオくんを!わたしのつくるキオくんを!ここで!
***
遡ること一週間前。
私とカグヤは四回目のデートにショッピングモール〈ロンド・ベル〉に二人揃ってきていた。
「久しぶりのデートだねカグヤ?」
「そうだな……」
「なにかあった?」
「なんでもない」
「ほんとうに?無理しなくてもいいんだよ?」
「気にしなくていい、行きたいところはあるか?」
「……んん〜そうはいってもなぁ、あらかたここは回ってきたし」
「新しいガンプラ作りたいんじゃなかったのか?」
「それもそうだけど……」
そうなんだけど……なんかあんまりいい気分じゃないっていうか……デートすること自体は楽しいからいいんだけど。
っていうかなんかいつもより私に気を遣ってない?
「それよりそのいつもつけてるそのベール、外してもいいんじゃないか?汗かくぞ?」
「これは外すわけにはいかないよ、知ってるのがあなただからそれでいいんだよ私」
「ならいいが……」
私のこと心配してくれるのはいいけどデートなんだから楽しも?
「そんじゃとりあえず模型&ホビーショップ〈AXIZ〉にいくか」
「そうしよそうしよぉ〜!おぉ〜!」
「おい、ひっぱるなよ!」
「歩くのが遅いよ〜カグヤ!」
「待ってくれよ……」
カグヤの手を掴んで揃って歩いていく私たち。
両端に広がる店先には七夕に向けた商品が陳列されたショップの店員さんたちが宣伝活動をしていた。
「もうすこしで七夕だな、短冊に願い事とかしてたの小学生くらいまでだったな……」
「七月七日になにかあるの?」
「織姫と彦星が年に一度逢瀬をするための日、ではあるけどそんなだったら最初から怒られるような事しなければいいのになって思うだろう普通」
「どういうこと?」
「……簡単にいえば双方が見せびらかすようにイチャイチャしだすもんだからそれに怒った天帝が二人の距離をひっぺがしたって話だよ」
「リア充爆発しろ的な?」
「やめろその話はおれたちに効く」
「あっはは〜!たしかにそうだね〜!」
そんなの気にしたって仕方なくない?やりすぎはよくないとは思うけどさ?
そして〈AXIZ〉へとやってきた私たちは新しいガンプラを作らために品定めをしていた。
「なにか見つかったか?」
「……うぅんなんかこうパッとするやつないかなぁ」
「そんな都合よくあるわけないだろ」
「わかってるけどさ〜」
かわいいやつってないかなぁ?そんなのあるわけない?
「アッガイとかどうだ?」
「なんか違う」
「別の世界では大人気なんだけどな……派生機もいっぱいあるし……よくわかんねえやおれの彼女……」
「じゃあ私の好きな食べ物は?」
「ミートソース……とか?」
「不正解でぇ〜す!答えはグラタンでした〜!」
「初めてのデートのとき食べてなかっただろそれ、わかるわけないだろ」
「それはカグヤと一緒のものが食べたかったからだよ?」
「……お、おう、それは嬉しいが」
まあ私から言わないのもよくないけど、ちょっとくらいはさ?
あっ!なんか可愛いやつみつけた!なんだろこれ?
「これなにカグヤ?」
「ズサって書いてあるだろ」
「ずさ?ちっこいけどなんかミサイルいっぱいついてるねコレ」
私が手に取ったガンプラの名前は「ズサ」というらしいけど、これユニコーンverってあるけどどういうことなの?
「ゆにこーんばーじょんってなに?」
「話をするとオタクしぐさ全開になるからあんましたくないんだが……」
「カップルの彼氏が彼女に教えてる構図にしかならないよ?」
「機動戦士ガンダムZZに登場した地球侵攻を目的とした量産型MSでマシュマー・セロが乗るやつでジュドーのゼータガンダムと戦ってたりするんだよ」
「じゅどーってだれ?」
「それはまた別のときにでも……」
「んでユニコーンverってどゆこと?」
「そこに書いてあるガンダムUCにも出てて、袖の装飾が追加されたやつなんだよ……原典版のやつは通販限定になってるけど」
「なんでそうなっちゃったの?どっちも売ればよくない?」
「そうも言ってられないんだよ、なんせ種類が多くなってきてるから生産管理が大変だからだろ」
「よく知ってるね?」
「そら製造業の息子だからな……痛いほどわかるわけで……」
工場見学行ったときもお父さんとなにかありそうだもんね?
これ以上は知らないほうがいいやつなのかな……
「まぁいいやこれで!買ってくるね!」
「いってら〜」
◇◇◇
模型&ホビーショップ〈AXIZ〉での買い物を終えた私たち二人は夕食を取るためにフードコートにきていた。
私は今日ドーナツを四つほど買ってイートインスペースで彼を待っていた。
「……これハルナにプレゼント」
「え?なんで?ありがたい……けど……どうして……」
「前回のお詫びと言ってはなんだが、誕生日も知らないし彼氏としてはこれくらいしかやれることないから」
受け取ったのは十字架のペンダント。
……プレゼントをもらったのは生まれてきてからはじめてだった。
なんだろ、なんていうか……ちょっと泣きたくなってくる。
両親からはまともに貰ったことがなかったし、こっちにきてからも人から優しくされたのはこれで二回目になる。
そういえば修道院にここ最近顔を見せてないや。
子供たち私のこと待ってたりするのかな?
「……ご、ごめんなんかその嬉しくてつい」
滲ませる涙を堪えながら私は彼に微笑みを返す。
笑ったことなんていままでなかったけど、ちゃんと笑えてるよね?私?大丈夫だよね?
「気に入らないなら一緒に買いに行くか?」
「うぅん、いいの……カグヤが選んでくれたのがいい」
「大丈夫か?なにか気に障ったのなら先に帰っても」
「……ちがうって違うから!私のことを想ってくれたのがわかったからだから!」
「そ、そうか」
「さ!たべよ!たべよ!」
私たち二人は久しぶりのデートを満喫しながらこの日を終えた。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第十七章までpixiv先行にて2025/10/20現在更新中です〜はやく読みたい方はそちらのほうまで〜
独白
初めて鋳造表現というのをやってみた
実験の素体にしたのはHGダンバインだから画像は差し控えるが
宇宙世紀のMSと親和性の高い技法だから今後の作品に活用出来るだろう
初めて鋳造表現というのをやってみた
実験の素体にしたのはHGダンバインだから画像は差し控えるが
宇宙世紀のMSと親和性の高い技法だから今後の作品に活用出来るだろう
