状況解説 ジオン地上軍を取り巻く環境

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UC.0079.1月3日に開戦した一年戦争は一週間戦争で国連宇宙軍を撃破し制宙権を確保したジオン軍が3月に地球降下作戦を開始。地球側にとって未知の脅威であったジオン軍最新鋭兵器”モビルスーツ”を前に従来兵器しか持たない国連軍と各国軍は各地で敗北。地球の主要拠点はジオン軍の手に落ちた。しかし、地球側にとってのMSが未知の脅威だったようにジオン軍にとっても地球そのものが未知の脅威であった。

元々ジオン公国軍の前身は国連認可の下で設立された自治政府防衛部隊のジオン共和国防衛隊であった。そのため設立当初からサイド3駐屯の国連軍から武器の供与および各種訓練など軍事支援を受けていた影響もあり、公国軍改編後も戦術および部隊編成などにその名残は残っていた。一方で国連軍がジオン側に行った軍事支援はあくまでコロニー内における暴動およびテロ鎮圧、または海賊など大規模犯罪組織制圧任務を前提としていたため陸上戦力中心の支援であり、また供与および独自生産を許可した兵器も戦車など強力な陸戦兵器の保有は認めず、公国軍再編前でさえ公式には最大火力は装輪装甲車程度であった。

元々ジオン公国軍の前身は国連認可の下で設立された自治政府防衛部隊のジオン共和国防衛隊であった。そのため設立当初からサイド3駐屯の国連軍から武器の供与および各種訓練など軍事支援を受けていた影響もあり、公国軍改編後も戦術および部隊編成などにその名残は残っていた。一方で国連軍がジオン側に行った軍事支援はあくまでコロニー内における暴動およびテロ鎮圧、または海賊など大規模犯罪組織制圧任務を前提としていたため陸上戦力中心の支援であり、また供与および独自生産を許可した兵器も戦車など強力な陸戦兵器の保有は認めず、公国軍再編前でさえ公式には最大火力は装輪装甲車程度であった。

共和国廃止と公国への移行により国連サイド3駐屯軍が引き上げられ、経済制裁が行われる中でジオン側はジオン共和国防衛隊をジオン公国軍へ改編。密かに行われていた兵器開発と元国連兵で編成された軍事顧問団の指導もあって

共和国廃止と公国への移行により国連サイド3駐屯軍が引き上げられ、経済制裁が行われる中でジオン側はジオン共和国防衛隊をジオン公国軍へ改編。密かに行われていた兵器開発と元国連兵で編成された軍事顧問団の指導もあって"軍"として生まれ変わった。また、地球側との圧倒的兵力差を埋めるべく最新兵器のMSを軸に各部隊の編成が行われ、各サイド制圧戦や地球降下作戦緒戦では地球側を圧倒した。しかし、ジオン軍にとって最大の誤算はここから始まってしまった。

ジオン地上軍の将兵の殆どは職業軍人、徴用兵問わずコロニー育ちであり、地球の風土病に対する免疫を持っていなかった。勿論ジオン軍側もそれを考慮に入れて各種薬品および医療従事者を地球へ送っていたが、それよりも早いペースで体調を崩す兵士が続出。特に衛生環境が劣悪な東南アジア、南米、中東、アフリカでは士気に関わる深刻な問題となっていた。更にMSを軸とした戦術も広大な地球では全軍配備は難しく、キャリフォルニアベースなど地球でもMSの生産が始められたが戦闘による破損や損耗とその修理、補充もあり、地球撤退までその問題は解決されなかった。このためMSがいない戦場では地の利を生かした国連軍が戦術面では有利であり戦線が硬直化。主要都市や拠点から撤退し進軍が困難な山岳地帯やジャングルなどに拠点を新たに構えた国連軍に苦しめられる結果となり、ジオンが重力戦線と命名した地球侵攻作戦はジオンの資源と人材を食い潰す泥沼の戦場となった。

ジオン地上軍の将兵の殆どは職業軍人、徴用兵問わずコロニー育ちであり、地球の風土病に対する免疫を持っていなかった。勿論ジオン軍側もそれを考慮に入れて各種薬品および医療従事者を地球へ送っていたが、それよりも早いペースで体調を崩す兵士が続出。特に衛生環境が劣悪な東南アジア、南米、中東、アフリカでは士気に関わる深刻な問題となっていた。更にMSを軸とした戦術も広大な地球では全軍配備は難しく、キャリフォルニアベースなど地球でもMSの生産が始められたが戦闘による破損や損耗とその修理、補充もあり、地球撤退までその問題は解決されなかった。このためMSがいない戦場では地の利を生かした国連軍が戦術面では有利であり戦線が硬直化。主要都市や拠点から撤退し進軍が困難な山岳地帯やジャングルなどに拠点を新たに構えた国連軍に苦しめられる結果となり、ジオンが重力戦線と命名した地球侵攻作戦はジオンの資源と人材を食い潰す泥沼の戦場となった。

戦争が長期化する中で前線の兵士たちの中には建前だけは立派で安全圏から指揮する将官に見切りを付けてランバ・ラル隊のように創意工夫と柔軟な発想で国連軍と戦う部隊も出始めていた。また、当初から十分な補給も無く捨て駒扱いで日本戦線に投入されたジオン海兵隊やジャングル戦を繰り広げていた東南アジア戦線のジオン極東方面地上軍のようにジオン製兵器のみならず鹵獲した国連軍や現地軍の兵器も使用して戦線を維持した。皮肉な事に戦後ジオン共和国軍戦史編集部が元地上軍兵士を対象に

戦争が長期化する中で前線の兵士たちの中には建前だけは立派で安全圏から指揮する将官に見切りを付けてランバ・ラル隊のように創意工夫と柔軟な発想で国連軍と戦う部隊も出始めていた。また、当初から十分な補給も無く捨て駒扱いで日本戦線に投入されたジオン海兵隊やジャングル戦を繰り広げていた東南アジア戦線のジオン極東方面地上軍のようにジオン製兵器のみならず鹵獲した国連軍や現地軍の兵器も使用して戦線を維持した。皮肉な事に戦後ジオン共和国軍戦史編集部が元地上軍兵士を対象に"戦場で役立った兵器は何か?"と調査したところ、MS以外ジオン製兵器は出てこず、地球製兵器が殆どだった。その理由は要約すると"劣悪な地球環境でコロニー設計のジオン製は性能は良いがすぐに故障するから物によっては使い物にならない。地球環境込みで設計された地球製兵器は多少古臭いが故障に強く、使い勝手も良かったから重宝した"であった。

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