OZ総帥の座を追われ失脚したトレーズ・クシュリナーダが密かに開発させていた機体[1]。機体設計には、トールギスとオペレーション・メテオに投入された5機のガンダムのデータが反映されている[4]。
トレーズ本人の騎士や軍人としての信念を結実させた機体であり[1]、「人類は闘ってこそ意義がある」というトレーズの美学、とりわけ格闘戦に美しさを見出していたトレーズの意向が色濃く反映されているため、本機の武装は接近戦用の物のみである[5]。2種類の格闘兵装と高い機動性を駆使し、拠点制圧も可能としている[6]。
胸部にはカメラアイでは補足しきれない情報を収集するため、サーチアイを設置[1]。脇腹部にはサイドスラスターを設け、姿勢制御能力を強化している[1]。また、胸部のエアダクトは装甲一体式となっており、防御力を落とさずに排熱が可能となっている[1]。スラスターはウイングゼロと同等の出力を発揮する[7]。
ゼロシステム(エピオンシステム)
ウイングガンダムゼロと同質の特殊な操縦インターフェイス。ウイングゼロと同じく「ゼロシステム」と呼称する資料と、「エピオンシステム」と呼称する資料がある[注 3]が、作中ではトレーズが同質のインターフェイスであると語る。
このシステムはリアルタイムで推移する戦況を演算処理し、導き出された最良の戦術、および実行後予測される結果を搭乗者の脳に直接伝達する。また、脳内神経伝達物質の分泌量をコントロールすることでドーピングのような身体能力の向上を行うことも可能で、機動時のG負荷や痛覚などの感覚を緩和あるいは欺瞞させ、人体の限界以上の環境下での機体制御を可能としている。端的に言えば、パイロットに能力以上の力を出させ、勝利のみを追求するシステムである。
ただし、同システムは伝達した戦術と搭乗者の理性・倫理を天秤に掛け、戦術の実行を強制させようとするため、通常の人間ではシステムに取り込まれてしまい、使いこなすことが困難となる[11]。このため、搭乗者にはシステムからの望ましくない命令を取捨選択し跳ね除け、耐えられるだけの精神力が要求される[11]。トレーズは「敵」を見失うヒイロ・ユイに道標としてこのエピオンを託すが、「その機体に乗って勝者になってはならない」と忠告している[12]。
尚、本機では情報伝達をよりダイレクトに行うため、搭乗時はシステムや各部センサーと直結した専用のデータヘルメットを着用する。このため、コクピット内部は他の機体に比べモニターやコンソール類が極端に少ない[13][注 5]。
モビルアーマー形態
エピオンの可変形態。資料によって外見だけでなく内装機器の配置を組み換えることでエネルギー効率を向上させ、長時間の巡航を可能とする宇宙用高速巡航形態[1]、メインスラスターを防ぐ形になるため高速性は形状変化を考慮しても変化がないとした説明が確認できる[5][注 6]。また、宇宙巡行形態であり、外観は二つの頭を持つ竜を想起させるもので、同形態の高速性能はウイングガンダムゼロのネオバード形態を上回るとした資料もみられる。爪先部には「MAアイ」を備えている。MSにバード形態を盛り込むガンダムのコンセプトに影響を受けており、モビルアーマー形態時の機構はワイバーンのものを取り入れている。
変形後の姿を「モビルアーマー形態」と呼称する資料と[7][1]「バード形態」と呼称する資料が存在する[4]。EW版ではテレビ版の変形方法をほぼ踏襲しているが、両爪先に牙を持つ口のような開閉構造が追加されており「ワイバーン形態」という呼称で呼ばれている。テレビシリーズの小説版においてはMA形態は省略されている。
武装
ビームソード
右腰にマウントされた大型ビームサーベル。従来機で採用されているサーベルの柄にエネルギーを充電する方式ではなく、柄尻と右腰エネルギーサプライヤーに接続されたケーブルを介し、機体のジェネレーターから直接エネルギーを供給する[1]。これによって形成するビーム刃は非常に大きくなるため、ビームソードと称される。ソード基部にはビームを固定するためのカバーが設置されている[5]。
ジェネレーター出力を上げることでビーム刃を伸ばすことも可能なようで、バルジ攻防戦では出力を最大にしたビームソードは宇宙要塞バルジの中央司令部まで届くほどの巨大なものとなりり大上段の構えから振り下ろし、一刀両断、沈めている。ちなみに、その際に生き延びたのはOZ宇宙軍の残党わずか18名だった。[注 8]
エピオンシールド
左腕のガンダニュウム合金製シールド[1]。小型だが格闘時の取り回しに優れる。表面に施された特殊コーティングによって、ビーム兵器に対しても高い防御力を発揮する[1]。
EW版では、MA形態時の取り付け位置が大腿側からフロントスカート側に変更されている。後述のシュトゥルム・ウント・ドラング装備時はリアスカート側に装着され、裏面に設置されたサプライヤーから各武装にエネルギーを有線供給する[15]。
ヒートロッド
エピオンシールド先端に接続された鞭状の武器。使用時は表面が灼熱化し、敵装甲を熔断する[6]。延伸距離は数十メートルに及び、敵機を捕縛する事も可能[6]。資料によっては一撃でリーオー3機を撃破する威力を有するが、パイロットに技量を要求する装備でもあると説明される[1]が、アニメーション本編においては一振りでビルゴ2機から3機を破壊している[12]。
本放送当時の設定画稿ではヒートロッドを収納したものは見られないが、後年の書籍類では不使用時に先端を残して収納したように描かれたシールドも存在する[6][注 9]、この機能は、同じくトレーズが製造させたトールギスIIIのヒートロッドにも採用されている。
エピオンクロー
両前腕のクロー。敵機を切り裂く攻撃に使用可能なほか、MA形態のランディングギアとしても機能する[1]。
EW版ではより腕と一体化したデザインとなり、MA形態時に大きく展開する方式に変更されている。
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