L1コロニー群出身の技術者ドクターJが、同僚と開発していたウイングガンダムゼロ(ウイングゼロ)のデータを参考に完成させた機体[1]。パイロットはドクターJの英才教育を受けた少年工作員ヒイロ・ユイが務め[1]、地球圏統一連合に対する一大テロ作戦「オペレーション・メテオ」に投入される。
本機はウイングゼロの設計思想がもっとも強く反映された汎用機であり[3]、飛行形態「バード形態」への変形や大火力武装のバスターライフルなどに共通項が見出せる[1]。ただし、技術的な問題点をもつインターフェイス「ゼロシステム」や、その他過剰とされる部分は撤去され、パイロットのヒイロの技量によって不足分を補っている
本機の機動性の大半は、バックパックに接続された一対のウイングユニットに集約されている[3]。このユニットは単純に揚力を発生させるのみならず、翼の分割されたパーツを可動・変化させることで機体の空力特性を適宜変化させ、失速から極超音速飛行までに至るあらゆる速度域に対応することができる[3]。宇宙空間においても、質量移動(AMBAC)や内蔵されたバーニアスラスターを併用した高い姿勢制御能力を発揮する。さらにバード形態に変形し、機動力と行動範囲を上昇させることで、ほかのガンダムよりも上の作戦行動が可能[3]。胴体中央に配置されたサーチアイは、頭部のカメラアイでは収集できない映像や電波情報も補足可能としている[4]。膝裏のレッグスラスターを駆使することで高い走力を発揮し、バード形態時の推進器としても機能する
コクピット
オペレーション・メテオによって使用された5機のガンダムのコクピットは各機共通のものを用いながらも、シートやグリップの位置は各機それぞれに個体差が存在する[注 1]。また、コクピットシートは少年の体格に合わせて作られており、大人が座席に搭乗することはできない[注 1]。
コクピット部分は球状のカプセルとなっており、機体頭部の動きに連動して同じ向きに稼働する方式をとっている[6]。コクピットカプセル周囲はリニアフレームで覆われる[7]。ガンダムのコクピット部はOZ製のものとは異なり、衝撃を緩和する機能を備えたフローティングコクピットとなっている
武装
シールドバード形態時の機首を兼ねるガンダニュウム合金製シールド[1]。バード形態時は先端にバスターライフルを接続する。先端部は鋭利で、そのまま打突武器としても使用される[1]。テレビ版では先端部にセンサーが設けられているが、EW版では省略されている
バード形態
ウイングガンダムの高速飛行形態。ACの世界では航空兵力として戦闘機が現役であり、MSを飛行戦用とした場合、エアリーズのように攻撃力が低下する機体も見られた[3]。ウイングガンダムでは、バード形態の変形機構によって戦闘機とMS双方の機体特性を獲得することに成功している[3]
変形は全自動で行われ、スラスター位置や空力特性が変化する。これによってバード形態では、各スラスターのベクトルが後方へ集中す
バード形態は移動から空中戦闘で使用され、バスターライフルの使用も可能[4]。同形態時の性能は従来型の戦闘機をしのぎ、大気圏突入も可能となる[7]。
EW版では腰は旋回せず、膝の折り畳み方向もテレビ版と逆になっている。
製作エピソード
テレビ版のデザインを担当した大河原邦男は自著において、『新機動戦記ガンダムW』の前作『機動武闘伝Gガンダム』の流れから日本をモチーフにしたガンダムをデザインしており、肩の意匠は家紋をベースにしたと語っている。また、その可変機構はゴッドガンダムの画稿の中で没になったものにも通ずるとしている
バスターライフル
ウイングゼロのツインバスターライフルをもとに開発されたビーム砲[1]。オリジナルのツインバスターライフルは機体本体からエネルギーを供給する方式を採用しているが[9]、本兵装の場合は、エネルギーを物質化寸前まで縮退化させて詰め込んだ専用カートリッジを銃身に3基装着しており[3]弾数は3発となる[10][7][4]。戦艦の主砲クラスと同等の威力を発揮する[7]。出力もツインバスターライフルの半分以下に抑えられている[11]が、最大出力射撃時のエネルギーは中規模都市の1日の消費量にも相当し、射軸を中心とした周辺の大気を一瞬にして電離(イオン化)させ、半径150メートルにおよぶ激烈なプラズマ過流と数十キロメートルにおよぶ灼熱の奔流を巻き起こすほどの威力をもつ[3]。また、このビーム自体が複合的な層をもち、高速で貫通力の高いビーム帯を中心に、低速で破壊力の強い粒子束がさらに貫通する[3]。バード形態を併用した本機の機動性と合わせれば、戦略兵器としての運用も不可能ではない[3]。エネルギー経路がカートリッジで完結しているため、規格の異なる別の機体でも使用可能な利点を持ち、作中でもカトルが(「敗者たちの栄光」ではヒイロが)発砲している。プラモデル「マスターグレード ウイングガンダム」では下腕部のランディングクローを使い、バスターライフルの保持を補佐する新解釈が取られている。EW版では機体の全高並みに長大化され、銃尻にはバード形態時に頭部を覆うフェアリングパーツが追加されている。同時に、片腕に3発、左右合わせて6発分の予備カートリッジを収めた専用ラックを懸架する。撃ちきると軍用の補給施設でないと再充填が行えないこともあり、「敗者たちの栄光」の劇中ではヒイロが残弾数を常に意識していた
ビームサーベル
シールドに1基格納された接近戦用武装。耐久性に優れたガンダニュウム合金製部材を採用することで、水中でもいっさい減衰しないほどの高出力を発生させる。抜刀時はシールドが中折れしグリップが露出する。EW版ではシールドの中折れギミックが省略され、裏面に格納される。
バルカン
頭部に2基内蔵された機関砲。斉射した際はマシンキャノンとともに、1分も経たずに弾切れとなる[13]。主な用途は牽制や接近戦での使用となる[14]。EW版には装備されていない。
マシンキャノン
両肩に2基内蔵された機関砲。中・近距離用の兵装で、内部はドラム構造であるため連射ができる[
最近変形機構のある、プラモばっかり作ってる気がします。
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