つぶやき
- 作品・8587
- フォロー・10
7月後半〜9月前半戦果(`・ω・´)ゞ
ご無沙汰です。
7月終わりから8月は欲しい再販品無かったり延期だったりしてジークアクス系新製品と連載前のガンダムジリウス買いましたが、珍しく8月のガンダムベースの抽選に2回も当たり各週のベース限定品やら新製品を嫁に借金しつつ購入(だって当選すると思わなかったんだもん(*´ェ`*))。で、9月の再販品探しがドンピシャで休みの日に在庫が有り購入できました。ようやくMGアッガイ(2個目)作れそうです。ドーベンウルフは都内あたりは二桁納品だったけど地方は2個でした。新工場稼働の恩恵は今後影響してくるのでしょうか。海外向けの工場だとしたら現地に作れば良いのに…。なんて事考えつつ再販品探しの旅を続けます(`・ω・´)ゞ
ご無沙汰です。
7月終わりから8月は欲しい再販品無かったり延期だったりしてジークアクス系新製品と連載前のガンダムジリウス買いましたが、珍しく8月のガンダムベースの抽選に2回も当たり各週のベース限定品やら新製品を嫁に借金しつつ購入(だって当選すると思わなかったんだもん(*´ェ`*))。で、9月の再販品探しがドンピシャで休みの日に在庫が有り購入できました。ようやくMGアッガイ(2個目)作れそうです。ドーベンウルフは都内あたりは二桁納品だったけど地方は2個でした。新工場稼働の恩恵は今後影響してくるのでしょうか。海外向けの工場だとしたら現地に作れば良いのに…。なんて事考えつつ再販品探しの旅を続けます(`・ω・´)ゞ
【試し読み】陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。第二巻《ユメノトビラ》第五章 -【人間になりたくて】-【期間限定公開】
お久しぶりです神宮寺Re⑦です。
なにも変わることなくビルドダイバーズ二次小説を気楽に投げているアカウントです。
さて、あれからの続きです〜
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻《ユメノトビラ》
生まれた意味はいったいなんなんだろう──。
あらすじ
義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。
これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。
***
前回→
***
第二巻《ユメノトビラ》第五章 -【人間になりたくて】-
***
「おねえちゃんたち楽しそうだねェ!?ワタシたちと一緒にアソボウヨ」
「オレもいるってことワスレナイデくれよ」
フォース〈ASTERLISK〉と〈JUPYPER CRISIS〉のバトルの最中に乱入してきたのは「レイ」と「キラ」と名付けられているAIダイバーの二人。
「こんなときに誰なんだよおまえら!?」
エリカの一言に一切反応しないAIダイバーの二人。
「えぇ〜!?やだコワイヨ〜キラおにいちゃん〜たすケて〜」
「……レイにその口答えするとハ、なってないなぁお嬢ちゃん!?」
そうして本当のフォースバトルが幕を開けた──。
◇◇◇
GBN運営管理室でデュランダルとメイリンはモニター監視によるダイバーたちを見届けていた。
「どうやら“IRIS-0000“および“IRIS-0001”はフォースバトル中に乱入行為をしているようです」
「見ればわかる」
「しかしこの状況どうするおつもりですか?」
「もともと彼らは高ランクダイバー向けのものだ、こちらが手を出さなくともやってくれるだろうさ」
「……ですが未だ行方不明の”IRIS-9999”のことはどうされます?」
「まだ発見できないのか?いつまで鬼ごっこしていれば気がすむのか」
「対処にあっていたフォース〈SLEEVE ENGEGE〉からの連絡が絶った以上、どうしようにもありませんが……」
「……またダイバーたちに協力をかければいいだろう、どのみち我々のまえに勝手に出てくる」
「了解しました」
◇◇◇
「……こいつらってエクストラボスなの?」
アカネはGBNでのミッション内でごく稀に現れる事象についてだと思っていた。
だが、そんな情報はダイバー間で共有されているはずなため見たこともないガンプラがこの場に出てきている時点で不可解としか言いようがない。
ましてGBN運営側からのミッション情報内で公表されているはずなため、この状況そのものをアカネは疑っていた。
「エクストラボスだったら表示されるはず……だよね?なんでなにも出てこないのコイツら……」
エリカもアカネと同じく突如として現れたガンプラと見ず知らずのダイバーに困惑していた。
「……あレあレあレぇ〜?オネエさんたちワタシタチのコトシラナイのカナぁ〜?」
AGE-FXをベースとした四方に鋭利に尖ったシルエットを形づくり、近接戦闘用であろう「ドッズランサー」を装備させたガンプラを操るIRIS-0001。
ダイバーネームは「レイ」と表示されている。
そして機体名は「ガンダムブラックランサー」と書かれていた。
◇◇◇
AGE-FX/XXXX ガンダムブラックランサー。
学生の女性モデラーである白鳥 明日香がかつて製作したガンプラ。
GP・デュエル全日本大会で負け続きであった彼女がAGE-1から3、およびFXのパーツを組み合わせてミキシングされたもの。
そのあとに木兎 理梨菜と出逢い友人になり、彼女の「ダイダルバズーカ」による砲撃主体の戦い方から近接戦闘特化仕様機として「ドッズランサー」に装備変更され、彼女の操るガンプラとして譲渡された経緯を持っている。
なお、元々のこのガンプラの名称は”革命“を冠した「ガンダムリヴォルツィオーネ」である。
カラーリングは黒と赤を主体としていた。
◇◇◇
レイは女性の容姿で黒髪ツインテール、そして眼の色はルビーでひときわ輝きを放っている。
「ガンダムブラックランサー!レイ!……タノシモウヨ!オネエチャン!」
エリカのザクに向かって急速に近づくレイ。
その後方ではキラが腰部から〈GNライフルビット〉を〈GNソードⅡブラスター〉と結合させ、砲撃態勢へと移行していた。
「……なんかヤバイのが来るよ!エリカ!アカネ!」
ハルナが危機を感じたのか高い声で注意を二人に呼びかける。
「すこしはフォースバトルに集中したらどうなのかしらね!」
この緊迫した状況の中でもマイラはハルナに〈シールドクロー〉を胴体部めがけて鷲掴みにするように迫っていた。
「……ちょっと!いまなにが起こってるかわかってないの!あんたは!」
「それとこれとは!話が違いますってのよ!初心者さん!」
混戦状態の最中、ハルナに掴み掛かろうとしたマイラ。
その攻撃を一瞬にして変えたのは──。
「……ウダぅだウルサイナ!オレのことを無視するとはイイ度胸シテクレルナ!テメエら!──〈対烈撃蛇話砲〉!」
眩い閃光とドリルのように回転しながら迫る強力な砲撃がマイラのガンプラを抉り取るように襲った。
「なにがおこったんで──」
「……っ!?」
振り向くその瞬間でさえも与えずにマイラとハルナは目前で消失していく。
「マイラぁぁぁぁああああああ!」
「ハルナまで──!?」
マイラがやられたことで叫ぶミリタ。
ハルナを倒されたことで唖然とするアカネ。
◇◇◇
GN-0000/KILL クアンタ・イミテーション。
同じく学生モデラーである鷹野 紗弥加が製作したガンプラ。
友人であった烏山 真夢梨が作り上げた同名機をそっくりそのまま模倣したもの。
ダブルオークアンタをベースに主武装として〈GNソードⅡブラスター〉や腰部に設置した〈GNライフルビット〉四基、左脚部に〈GNカタール〉一基、そして太陽炉を有する肩部バインダー部に〈GNバスターソードⅢ〉を装備させている。
サヤカがGBN内での〈プロジェクトIRIS〉に参加した際に前述のアスカの「ガンダムリヴォルツィオーネ」と一緒に供与され、デュランダルの企画によって確立された計画内で使用していた。
◇◇◇
キラの容姿は男性ダイバーであり、紅色ショートの髪型で緑色のエメラルドの煌めきを映し出していた。
フォース〈ASTERLISK〉はエリカとアカネだけになり、対していたフォース〈JUPYPER CRISIS〉はミリタのみとなってしまっていた。
「……よくも!二人を!」
ミリタがレイに向けて射撃を繰り出していく。
その攻撃にたいしてレイは脚部に装備させていた〈ビームサーベル〉を斬りあげた。
レイとの距離を詰めるミリタ。
だが……レイはまともに相手にすらしていなかった。
「……雑魚ハ!この世から消え失せロヨ!生ゴミごとキがヨォ!」
ミリタの視線のさきには〈ドッズランサー〉を逆手持ちするレイの姿が映し出されていた。
「なんなんだよ!おまえはぁぁぁぁぁあ!」
ミリタがエリカたちの前から消失していく。
「……ツギはおねえちゃんたち、だよネェ!?」
(……殺気しか感じられないこのダイバーは何者なの!?)
エリカは理解が追いつかないこの場面に恐怖心を抱きはじめていた。
「考える暇なんてないよエリカ!倒すよあの二人を!」
アカネが鼓舞するようにエリカに通信を紡ぐ。
「……わ、わかってるけどっ!」
エリカは〈ビームマシンガン〉で敵対する二機のガンプラに牽制攻撃を仕掛ける。
「すこしはっ……!当たってよね!」
アカネも援護するように〈ビームスナイパーライフル〉の援護狙撃を行いそれを支援していた。
絶えず撃ちだされるビームの雨にレイとキラは……
「──お兄さマ?連携デいきましょウ!」
「おウさ──!イモウトよ!」
キラはGNフィールドを展開し、そのうしろにレイは隠れるように身を潜めた。
その行動はまるでエリカとハルナが以前のバトルで使用した「戦術フォーメーションS34」そのものを具現化していた。
「……こんなに厄介な連携だったなんてね!やってやろうじゃないの!」
「これじゃあ勝てないよ!」
そのとき──。
『……そこをどいて』
誰かの声がエリカとアカネに届く。
その声に従って左右に散らばったエリカとアカネ。
すると後方から戦艦の主砲に匹敵するほどの緑色に光る粒子の長大な砲撃が二人の間をすり抜けてレイとキラに向かっていった。
「この砲撃っ……!?どこかで!?」
アカネはこの砲撃に見覚えがあった。
かつてブレイクデカールによって肥大化したエリカのザクに向かって支援攻撃が放たれたものとまったく同じだったからだ。
「……コンナノキイテないっ!」
「ここでお役御免だとでも言うのか──!?いささか地味な幕引きダナ……」
レイとキラのガンプラはその砲撃によってフィールドを軽々と突破され、撃破されていった。
「わたしたちを助けてくれたの……?でもどうして?」
エリカは後ろを振り向くと──。
『ようやく逢えたね?おねえちゃん』
白髪ロングの容姿。
蒼色のサファイアのように綺麗な瞳。
優しく包み込むような声でエリカとアカネを出迎える。
「……だれなの?」
アカネは彼女にたいして、名前を聞いた。
『ワタシの名前はメア、もウ一度あナたたちに逢いニきタよ』
そんなことを言われてもエリカとアカネには彼女のことの記憶はないに等しかった。
逢いに来たと言われても、初対面なはずの彼女には困惑してしまう。
「……一度逢ったことがあるの?」
『覚えててくれなかったノ……?悲しいナぁ……』
ダイバーネームの表示には「メア」とある。
そして個体識別番号であろう「IRIS-9999」の印字も見てとれた。
操るガンプラは……
「あれはガンダムエアリアルの……改修型?」
エリカがメアのガンプラを目視で確認する。
XVX-016RN ガンダムエアリアル改修型。
機動戦士ガンダム 水星の魔女に登場。
物語中盤から破損したエアリアルを全面的にブラッシュアップした本機はそのあと幾度かの戦闘ののち、アーシアンの勢力である「ガンダムルブリスウル」および「ガンダムルブリスソーン」と会敵する。
エルノラの娘であるエリクト・サマヤの模造品として作られたリプリチャイルドの”スレッタ・マーキュリー“が搭乗し、グエル・ジェタークの「ダリルバルデ」のなどと決闘を繰り広げた。終盤に「クワイエット・ゼロ」のメインユニットとしても稼働する。
メアのエアリアルは白を基調とする「νガンダム」のカラーリングで彩られていた。
「そこのエアリアル!ただちに運営のもとに戻りなさい!繰り返す!運営のもとに戻りなさい!」
GBN運営の警備隊である「ガードフレーム」三機から発せられる男性の声。
その指示にメアは聞く耳を持つことはなく……
『ワタシのことはホッといてよ!……うるさイんだよ!イツモいつも!』
(ちょっと……おこってる?)
エリカはメアの言動からなにかされたのかと感じとっていた。
『ワタシね?もう一度“人間“になりたいなって……そう思うノ──だからまた逢おうね?おねえチャン』
その言葉の本当の意味をエリカとアカネはなにもわからないまま、メアは刹那の光の速度で目の前から姿を消していった。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻《ユメノトビラ》第十五章までpixivにて先行更新中です〜つづきを早く読みたい方はそちらの方まで〜
お久しぶりです神宮寺Re⑦です。
なにも変わることなくビルドダイバーズ二次小説を気楽に投げているアカウントです。
さて、あれからの続きです〜
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陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻《ユメノトビラ》
生まれた意味はいったいなんなんだろう──。
あらすじ
義姉であるアカネが生徒会長になり、エリカは一度彼女との距離が縮まったものの束の間、より一層の寂しさが募るばかりだった。そんな中で模型部の活動に顧問の先生となるミノウ・セナが現れる。セナは模型部部員となったカグヤと対戦することに。ハルナとの交際が進むも上手くいかないカグヤ。そんな中GBNではAIダイバーによる脅威がじわじわと蝕みはじめていた。
これは星を追うものと星に打ちひしがれた者を紡ぐ物語──。
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前回→
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第二巻《ユメノトビラ》第五章 -【人間になりたくて】-
***
「おねえちゃんたち楽しそうだねェ!?ワタシたちと一緒にアソボウヨ」
「オレもいるってことワスレナイデくれよ」
フォース〈ASTERLISK〉と〈JUPYPER CRISIS〉のバトルの最中に乱入してきたのは「レイ」と「キラ」と名付けられているAIダイバーの二人。
「こんなときに誰なんだよおまえら!?」
エリカの一言に一切反応しないAIダイバーの二人。
「えぇ〜!?やだコワイヨ〜キラおにいちゃん〜たすケて〜」
「……レイにその口答えするとハ、なってないなぁお嬢ちゃん!?」
そうして本当のフォースバトルが幕を開けた──。
◇◇◇
GBN運営管理室でデュランダルとメイリンはモニター監視によるダイバーたちを見届けていた。
「どうやら“IRIS-0000“および“IRIS-0001”はフォースバトル中に乱入行為をしているようです」
「見ればわかる」
「しかしこの状況どうするおつもりですか?」
「もともと彼らは高ランクダイバー向けのものだ、こちらが手を出さなくともやってくれるだろうさ」
「……ですが未だ行方不明の”IRIS-9999”のことはどうされます?」
「まだ発見できないのか?いつまで鬼ごっこしていれば気がすむのか」
「対処にあっていたフォース〈SLEEVE ENGEGE〉からの連絡が絶った以上、どうしようにもありませんが……」
「……またダイバーたちに協力をかければいいだろう、どのみち我々のまえに勝手に出てくる」
「了解しました」
◇◇◇
「……こいつらってエクストラボスなの?」
アカネはGBNでのミッション内でごく稀に現れる事象についてだと思っていた。
だが、そんな情報はダイバー間で共有されているはずなため見たこともないガンプラがこの場に出てきている時点で不可解としか言いようがない。
ましてGBN運営側からのミッション情報内で公表されているはずなため、この状況そのものをアカネは疑っていた。
「エクストラボスだったら表示されるはず……だよね?なんでなにも出てこないのコイツら……」
エリカもアカネと同じく突如として現れたガンプラと見ず知らずのダイバーに困惑していた。
「……あレあレあレぇ〜?オネエさんたちワタシタチのコトシラナイのカナぁ〜?」
AGE-FXをベースとした四方に鋭利に尖ったシルエットを形づくり、近接戦闘用であろう「ドッズランサー」を装備させたガンプラを操るIRIS-0001。
ダイバーネームは「レイ」と表示されている。
そして機体名は「ガンダムブラックランサー」と書かれていた。
◇◇◇
AGE-FX/XXXX ガンダムブラックランサー。
学生の女性モデラーである白鳥 明日香がかつて製作したガンプラ。
GP・デュエル全日本大会で負け続きであった彼女がAGE-1から3、およびFXのパーツを組み合わせてミキシングされたもの。
そのあとに木兎 理梨菜と出逢い友人になり、彼女の「ダイダルバズーカ」による砲撃主体の戦い方から近接戦闘特化仕様機として「ドッズランサー」に装備変更され、彼女の操るガンプラとして譲渡された経緯を持っている。
なお、元々のこのガンプラの名称は”革命“を冠した「ガンダムリヴォルツィオーネ」である。
カラーリングは黒と赤を主体としていた。
◇◇◇
レイは女性の容姿で黒髪ツインテール、そして眼の色はルビーでひときわ輝きを放っている。
「ガンダムブラックランサー!レイ!……タノシモウヨ!オネエチャン!」
エリカのザクに向かって急速に近づくレイ。
その後方ではキラが腰部から〈GNライフルビット〉を〈GNソードⅡブラスター〉と結合させ、砲撃態勢へと移行していた。
「……なんかヤバイのが来るよ!エリカ!アカネ!」
ハルナが危機を感じたのか高い声で注意を二人に呼びかける。
「すこしはフォースバトルに集中したらどうなのかしらね!」
この緊迫した状況の中でもマイラはハルナに〈シールドクロー〉を胴体部めがけて鷲掴みにするように迫っていた。
「……ちょっと!いまなにが起こってるかわかってないの!あんたは!」
「それとこれとは!話が違いますってのよ!初心者さん!」
混戦状態の最中、ハルナに掴み掛かろうとしたマイラ。
その攻撃を一瞬にして変えたのは──。
「……ウダぅだウルサイナ!オレのことを無視するとはイイ度胸シテクレルナ!テメエら!──〈対烈撃蛇話砲〉!」
眩い閃光とドリルのように回転しながら迫る強力な砲撃がマイラのガンプラを抉り取るように襲った。
「なにがおこったんで──」
「……っ!?」
振り向くその瞬間でさえも与えずにマイラとハルナは目前で消失していく。
「マイラぁぁぁぁああああああ!」
「ハルナまで──!?」
マイラがやられたことで叫ぶミリタ。
ハルナを倒されたことで唖然とするアカネ。
◇◇◇
GN-0000/KILL クアンタ・イミテーション。
同じく学生モデラーである鷹野 紗弥加が製作したガンプラ。
友人であった烏山 真夢梨が作り上げた同名機をそっくりそのまま模倣したもの。
ダブルオークアンタをベースに主武装として〈GNソードⅡブラスター〉や腰部に設置した〈GNライフルビット〉四基、左脚部に〈GNカタール〉一基、そして太陽炉を有する肩部バインダー部に〈GNバスターソードⅢ〉を装備させている。
サヤカがGBN内での〈プロジェクトIRIS〉に参加した際に前述のアスカの「ガンダムリヴォルツィオーネ」と一緒に供与され、デュランダルの企画によって確立された計画内で使用していた。
◇◇◇
キラの容姿は男性ダイバーであり、紅色ショートの髪型で緑色のエメラルドの煌めきを映し出していた。
フォース〈ASTERLISK〉はエリカとアカネだけになり、対していたフォース〈JUPYPER CRISIS〉はミリタのみとなってしまっていた。
「……よくも!二人を!」
ミリタがレイに向けて射撃を繰り出していく。
その攻撃にたいしてレイは脚部に装備させていた〈ビームサーベル〉を斬りあげた。
レイとの距離を詰めるミリタ。
だが……レイはまともに相手にすらしていなかった。
「……雑魚ハ!この世から消え失せロヨ!生ゴミごとキがヨォ!」
ミリタの視線のさきには〈ドッズランサー〉を逆手持ちするレイの姿が映し出されていた。
「なんなんだよ!おまえはぁぁぁぁぁあ!」
ミリタがエリカたちの前から消失していく。
「……ツギはおねえちゃんたち、だよネェ!?」
(……殺気しか感じられないこのダイバーは何者なの!?)
エリカは理解が追いつかないこの場面に恐怖心を抱きはじめていた。
「考える暇なんてないよエリカ!倒すよあの二人を!」
アカネが鼓舞するようにエリカに通信を紡ぐ。
「……わ、わかってるけどっ!」
エリカは〈ビームマシンガン〉で敵対する二機のガンプラに牽制攻撃を仕掛ける。
「すこしはっ……!当たってよね!」
アカネも援護するように〈ビームスナイパーライフル〉の援護狙撃を行いそれを支援していた。
絶えず撃ちだされるビームの雨にレイとキラは……
「──お兄さマ?連携デいきましょウ!」
「おウさ──!イモウトよ!」
キラはGNフィールドを展開し、そのうしろにレイは隠れるように身を潜めた。
その行動はまるでエリカとハルナが以前のバトルで使用した「戦術フォーメーションS34」そのものを具現化していた。
「……こんなに厄介な連携だったなんてね!やってやろうじゃないの!」
「これじゃあ勝てないよ!」
そのとき──。
『……そこをどいて』
誰かの声がエリカとアカネに届く。
その声に従って左右に散らばったエリカとアカネ。
すると後方から戦艦の主砲に匹敵するほどの緑色に光る粒子の長大な砲撃が二人の間をすり抜けてレイとキラに向かっていった。
「この砲撃っ……!?どこかで!?」
アカネはこの砲撃に見覚えがあった。
かつてブレイクデカールによって肥大化したエリカのザクに向かって支援攻撃が放たれたものとまったく同じだったからだ。
「……コンナノキイテないっ!」
「ここでお役御免だとでも言うのか──!?いささか地味な幕引きダナ……」
レイとキラのガンプラはその砲撃によってフィールドを軽々と突破され、撃破されていった。
「わたしたちを助けてくれたの……?でもどうして?」
エリカは後ろを振り向くと──。
『ようやく逢えたね?おねえちゃん』
白髪ロングの容姿。
蒼色のサファイアのように綺麗な瞳。
優しく包み込むような声でエリカとアカネを出迎える。
「……だれなの?」
アカネは彼女にたいして、名前を聞いた。
『ワタシの名前はメア、もウ一度あナたたちに逢いニきタよ』
そんなことを言われてもエリカとアカネには彼女のことの記憶はないに等しかった。
逢いに来たと言われても、初対面なはずの彼女には困惑してしまう。
「……一度逢ったことがあるの?」
『覚えててくれなかったノ……?悲しいナぁ……』
ダイバーネームの表示には「メア」とある。
そして個体識別番号であろう「IRIS-9999」の印字も見てとれた。
操るガンプラは……
「あれはガンダムエアリアルの……改修型?」
エリカがメアのガンプラを目視で確認する。
XVX-016RN ガンダムエアリアル改修型。
機動戦士ガンダム 水星の魔女に登場。
物語中盤から破損したエアリアルを全面的にブラッシュアップした本機はそのあと幾度かの戦闘ののち、アーシアンの勢力である「ガンダムルブリスウル」および「ガンダムルブリスソーン」と会敵する。
エルノラの娘であるエリクト・サマヤの模造品として作られたリプリチャイルドの”スレッタ・マーキュリー“が搭乗し、グエル・ジェタークの「ダリルバルデ」のなどと決闘を繰り広げた。終盤に「クワイエット・ゼロ」のメインユニットとしても稼働する。
メアのエアリアルは白を基調とする「νガンダム」のカラーリングで彩られていた。
「そこのエアリアル!ただちに運営のもとに戻りなさい!繰り返す!運営のもとに戻りなさい!」
GBN運営の警備隊である「ガードフレーム」三機から発せられる男性の声。
その指示にメアは聞く耳を持つことはなく……
『ワタシのことはホッといてよ!……うるさイんだよ!イツモいつも!』
(ちょっと……おこってる?)
エリカはメアの言動からなにかされたのかと感じとっていた。
『ワタシね?もう一度“人間“になりたいなって……そう思うノ──だからまた逢おうね?おねえチャン』
その言葉の本当の意味をエリカとアカネはなにもわからないまま、メアは刹那の光の速度で目の前から姿を消していった。
***
陰キャアイドルはGBN〈惑星〉を救いたい。
第二巻《ユメノトビラ》第十五章までpixivにて先行更新中です〜つづきを早く読みたい方はそちらの方まで〜
ガンダムSEED 小火器 小ネタ
ファースト世代でありながら、Z以降は見ておらず、成人してから初めて見たガンダムガンダムがSEEDでした
第二話で炎の中、立ち上がるストライクに脳を焼かれましたが、ミリタリーマニアであった私は登場人物達の使う銃火器にも着目していました
連合軍が使うブルパップ式ライフル、マリュー・ラミアスが使うピストル 現用小火器に近いデザイン
ザフトの使うスタンダードなライフル、バルトフェルドが使うグロックタイプのピストル、アスランが脱出時に携行したオープンボルト式の簡易ピストル
オーブのカガリが使うスライドの短いピストル
実在してもおかしくないデザインにワクワクしたものです 中でもバルトフェルドがグロックタイプを構える姿は理にかなっており、惚れ惚れと眺めておりました 二枚目の画像から察するに、グロックのセカンドジェネレーションを参考にしたようなデザイン フレーム前方にアンダーレイルのような溝が見えますが、サードジェネレーションからなので、これはSEEDの中のオリジナル? 当時、日本国内で入手出来たエアガンでグロックタイプはセカンドジェネレーションまでなので、監督やスタッフはそれらを参考にしながら描いたのでしょう
カガリの持つ短いハンドガンはショーティタイプと言われます 携行する警官や軍人が、ジャケットの裾を跳ね避けて、抜き打ち射撃する為に取り回しをよくしています その分、マズルフラッシュはより激しくなりやすいですが
ガンプラと関係ないような話ですが、私なりに軍事考証しながらガンプラを作っています 戦史も古代から現代まで網羅しています ほぼガンプラとは無関係ですが、膨大な背景情報こそ、手の中のガンプラに説得力を与えられるのではないか?と思いつつ、製作しております
皆様もどのような思いを抱きながら製作されているのでしょうか? お聞かせください
アスランとカガリが無人島で遭遇した際、アスランが「オープンボルトの銃を投げるな!」と怒鳴ったシーンが、印象的でした アニメで銃火器の専門用語が聞ける日がくるとはね…
ファースト世代でありながら、Z以降は見ておらず、成人してから初めて見たガンダムガンダムがSEEDでした
第二話で炎の中、立ち上がるストライクに脳を焼かれましたが、ミリタリーマニアであった私は登場人物達の使う銃火器にも着目していました
連合軍が使うブルパップ式ライフル、マリュー・ラミアスが使うピストル 現用小火器に近いデザイン
ザフトの使うスタンダードなライフル、バルトフェルドが使うグロックタイプのピストル、アスランが脱出時に携行したオープンボルト式の簡易ピストル
オーブのカガリが使うスライドの短いピストル
実在してもおかしくないデザインにワクワクしたものです 中でもバルトフェルドがグロックタイプを構える姿は理にかなっており、惚れ惚れと眺めておりました 二枚目の画像から察するに、グロックのセカンドジェネレーションを参考にしたようなデザイン フレーム前方にアンダーレイルのような溝が見えますが、サードジェネレーションからなので、これはSEEDの中のオリジナル? 当時、日本国内で入手出来たエアガンでグロックタイプはセカンドジェネレーションまでなので、監督やスタッフはそれらを参考にしながら描いたのでしょう
カガリの持つ短いハンドガンはショーティタイプと言われます 携行する警官や軍人が、ジャケットの裾を跳ね避けて、抜き打ち射撃する為に取り回しをよくしています その分、マズルフラッシュはより激しくなりやすいですが
ガンプラと関係ないような話ですが、私なりに軍事考証しながらガンプラを作っています 戦史も古代から現代まで網羅しています ほぼガンプラとは無関係ですが、膨大な背景情報こそ、手の中のガンプラに説得力を与えられるのではないか?と思いつつ、製作しております
皆様もどのような思いを抱きながら製作されているのでしょうか? お聞かせください
アスランとカガリが無人島で遭遇した際、アスランが「オープンボルトの銃を投げるな!」と怒鳴ったシーンが、印象的でした アニメで銃火器の専門用語が聞ける日がくるとはね…
とある整備員の妄想改修シリーズ
次回投稿予定のイフリートと高機動ザク陸戦型の妄想ストーリーの序章を書いてみました😁
ちなみにこの投稿に完成品は一切登場しませんのであしからず…
投稿の際の妄想ストーリーが長くなり過ぎそうだったので、触りの部分だけつぶやきで投稿してみます(笑)
ご興味ありましたらご覧ください😌
✩✭✩✭✩✭
とある壮年のパイロットが一人、朽ち果てた港にそのままにされた船のヘリに腰掛け海を眺めながら煙を揺蕩わせていた。
「おや大尉、今日はお休みですか?」
ふと声をかけられた男は顔を向けず視線だけを流す。そこにはツナギ姿の男。手には工具箱らしきものを携えていた。
「…ああ。近頃は盛況なようでな。物資も食料品も、嗜好品まで潤ってるようで、週に二度も仕事があったら忙しいほどさ」
それがさぞつまらなさそうに雲の少ない空に煙を吐き出す。それはすぐに消えてなくなる。
「仕事がないなんて素敵じゃないですか。その分好きなことにいくらでも時間を費やせます」
「はっ、МSの操縦以外に好きなことなんてねぇよ。お前と違ってな」
自嘲気味に笑い煙草を踏み消すと初めて男は会話相手に顔を向け、その手の工具箱を目に留めた。
「何か修理か?」
「ああ、いえ。こちらも最近はちょっとした手直しばかりでして、もっぱら弾薬の補充がメインの仕事ですね。自分もヒマしてますんでこれから趣味のほうをちょっと…」
「まーた変な改造してるのか?」
「変なとは失礼ですね。ああ!そういえば大尉の機体の新たな改修プランがあるんですが…」
「おいおい勘弁してくれ。カエルで十分間に合ってるよ」
「そうですか。それは残念」
呆れたように乾いた笑いを上げたあと、男はまた次の煙草を口に咥え使い込まれたジッポーで火を点ける。
「お前さんはいつから変な…趣味の改造を始めたんだ?まだ歴年の整備士というには若いだろう」
「おや?大尉。私の崇高な趣味に興味がおありですか?」
「いや…ちょっとした怖いもの見たさというか、単純な…まぁ興味だな」
「ふふん!いいでしょう!大尉の暇潰しに語ってあげましょう。特別ですよ!」
「いや…軽くでいいんだが…」
整備員は趣味への時間を忘れたのか、手近な土台に登りまるでミュージカルスターにでもなったかのように語り始めた。
「…私が初めてモビルスーツに出会ったのは、ルウム戦のすぐあとくらいでした。あの頃、まだ十代だった私は父の経営する工場を継ぐために日々手に顔に油を塗りつけながら、経済的にも心も決して裕福とは言えない生活を送っていました一
30分後…
短くなった煙草を踏み消し寂しくなった指は無意識にポケットの中へと入っていく。手応えのなさに箱ごと取り出すと、煙草は残り2本だけだった。
(ん?朝開けたばかりだったはずなんだが…)
男が自らの足元に視線を送るとそこには踏み潰された無残な残骸が積み上げられていた。
(…吸い過ぎだな。今日はこの2本でやめておくとしよう)
「はぁ…」
新たに咥えた煙と共にため息を吐き出す。それはやはり雲になることはなく青空に消えていった一
「大尉?聴いてますか?」
「あ、ああ…聴いてるよ。あとどのくらいだ?」
「まだまだ序の口ですよ!ちゃんと聴いてくださいよ!私が昔のこと話すなんて滅多にないんですから」
「はいはい、分かったよ…」
声なく吐き出したため息は雲に一以下略
「ええと…どこまで話しましたっけ?そうですね…そんな若さと希望に溢れていた私が初めてモビルスーツを改造したのは、あの戦争がそろそろ終わりそうな頃でした」
ズコッ!っと大きな音を立てて男は危うく転げ落ちそうになってしまった。
「大丈夫ですか?大尉」
「あ、ああ…。あまりの早さに少し驚いただけだ」
「大丈夫ですか?引退にはまだ早そうですが…」
「煩い。早く話せ」
「はいはい。…その頃私は本国の研究機関にいました。それまでは様々な作戦に同行し修理改修をメインに動き回っていたんですが、現場での限界を感じていまして…。そんな折私のオリジナリティ溢れる改修に目をつけた上官から本国で計画されていた統合整備計画への参加を打診されまして」
(厄介払いだな)
「何か言いました?」
「……いや」
「そこではそれまでの雑多な開発軸を統合して万人に使いやすいモビルスーツの開発というのを主軸に皆さん開発をされていました。だがしかし!私からしたらそんな計画、ナンセンスにも程がありました!」
(お前が奇天烈なだけなんでは…)
壇上からジロリと攻めるような視線が向けられる。これが俗に言うニュータイプというやつなのか?
「そんな私の実力を買ってか、上長から私専用の開発室を頂いたんです!そこには計画のため集められた資材や様々なモビルスーツのパーツ、資材が集められていました」
(倉庫なんじゃ…)
「どんなモビルスーツを作ってやろうかと心を躍らせていたそんな時、とある二人に出会ったんです」
「二人?」
「ええ。本国親衛隊所属の…まぁ見習いというか雑用係のようなまだ幼い二人の若者だったんですけどね」
(お前も十代だったんでは…)
「その二人は私と違って雑務ばかりやらされると日々嘆いていました。まぁどんなに実力があっても結果が全てですからね。戦場に出れない兵隊では昇進も、私のように専用の開発室を与えられるなんて夢のまた夢でしょうしね」
「…そうだな。で?その二人の機体を作ったのか?」
「まぁまぁそう急かさないでくださいよ。ここからがストーリーの本番なんですから」
「そ、そうか…」
「え〜、その二人と私が意気投合したのは、二人が若さ故の過ちというわけではなく、私と同じようにやる気と才能に溢れていたからなんですよ」
「……」
「彼らは訓練校の成績も良く、研修配属された部隊でも敵機の撃破経験もあり、その実力を買われ親衛隊への配属が決まったらしいんですが…、まぁ親衛隊は戦うより守るのが任務ですからね。結果的に成果を上げなければ待遇も変わらないわけで、部隊内でいつも子供扱いされてやさぐれていたんですよ」
「まぁそれは仕方ないな…。俺もそうだった」
「ほう!大尉にもそんな可愛い時代があったんですね(笑)今度聞かせてください」
「……話は終わりか?」
「あぁ、失礼。それでですね、結果的に言えば二人のモビルスーツを作ってあげたんですよ。私の研究室内にはそれまで開発されたモビルスーツのパーツから、統合計画に関わる機体のデータにパーツも盛り沢山でしたので、それはもう楽しい時間でした!」
(こいつに倉庫番をやらせてはいかんな…)
「ではここからはどんなモビルスーツを作ったのかお話ししましょう!」
「!?ま、まだ続くのか…」
「ええ!ここからが本番です!」
男は手に持った箱の中身を見る。そこには寂しそうな煙草が一本だけ…。静かに手に取り火を点ける。
大きく吐き出した煙はやはり雲になることはなかった一
次回投稿予定のイフリートと高機動ザク陸戦型の妄想ストーリーの序章を書いてみました😁
ちなみにこの投稿に完成品は一切登場しませんのであしからず…
投稿の際の妄想ストーリーが長くなり過ぎそうだったので、触りの部分だけつぶやきで投稿してみます(笑)
ご興味ありましたらご覧ください😌
✩✭✩✭✩✭
とある壮年のパイロットが一人、朽ち果てた港にそのままにされた船のヘリに腰掛け海を眺めながら煙を揺蕩わせていた。
「おや大尉、今日はお休みですか?」
ふと声をかけられた男は顔を向けず視線だけを流す。そこにはツナギ姿の男。手には工具箱らしきものを携えていた。
「…ああ。近頃は盛況なようでな。物資も食料品も、嗜好品まで潤ってるようで、週に二度も仕事があったら忙しいほどさ」
それがさぞつまらなさそうに雲の少ない空に煙を吐き出す。それはすぐに消えてなくなる。
「仕事がないなんて素敵じゃないですか。その分好きなことにいくらでも時間を費やせます」
「はっ、МSの操縦以外に好きなことなんてねぇよ。お前と違ってな」
自嘲気味に笑い煙草を踏み消すと初めて男は会話相手に顔を向け、その手の工具箱を目に留めた。
「何か修理か?」
「ああ、いえ。こちらも最近はちょっとした手直しばかりでして、もっぱら弾薬の補充がメインの仕事ですね。自分もヒマしてますんでこれから趣味のほうをちょっと…」
「まーた変な改造してるのか?」
「変なとは失礼ですね。ああ!そういえば大尉の機体の新たな改修プランがあるんですが…」
「おいおい勘弁してくれ。カエルで十分間に合ってるよ」
「そうですか。それは残念」
呆れたように乾いた笑いを上げたあと、男はまた次の煙草を口に咥え使い込まれたジッポーで火を点ける。
「お前さんはいつから変な…趣味の改造を始めたんだ?まだ歴年の整備士というには若いだろう」
「おや?大尉。私の崇高な趣味に興味がおありですか?」
「いや…ちょっとした怖いもの見たさというか、単純な…まぁ興味だな」
「ふふん!いいでしょう!大尉の暇潰しに語ってあげましょう。特別ですよ!」
「いや…軽くでいいんだが…」
整備員は趣味への時間を忘れたのか、手近な土台に登りまるでミュージカルスターにでもなったかのように語り始めた。
「…私が初めてモビルスーツに出会ったのは、ルウム戦のすぐあとくらいでした。あの頃、まだ十代だった私は父の経営する工場を継ぐために日々手に顔に油を塗りつけながら、経済的にも心も決して裕福とは言えない生活を送っていました一
30分後…
短くなった煙草を踏み消し寂しくなった指は無意識にポケットの中へと入っていく。手応えのなさに箱ごと取り出すと、煙草は残り2本だけだった。
(ん?朝開けたばかりだったはずなんだが…)
男が自らの足元に視線を送るとそこには踏み潰された無残な残骸が積み上げられていた。
(…吸い過ぎだな。今日はこの2本でやめておくとしよう)
「はぁ…」
新たに咥えた煙と共にため息を吐き出す。それはやはり雲になることはなく青空に消えていった一
「大尉?聴いてますか?」
「あ、ああ…聴いてるよ。あとどのくらいだ?」
「まだまだ序の口ですよ!ちゃんと聴いてくださいよ!私が昔のこと話すなんて滅多にないんですから」
「はいはい、分かったよ…」
声なく吐き出したため息は雲に一以下略
「ええと…どこまで話しましたっけ?そうですね…そんな若さと希望に溢れていた私が初めてモビルスーツを改造したのは、あの戦争がそろそろ終わりそうな頃でした」
ズコッ!っと大きな音を立てて男は危うく転げ落ちそうになってしまった。
「大丈夫ですか?大尉」
「あ、ああ…。あまりの早さに少し驚いただけだ」
「大丈夫ですか?引退にはまだ早そうですが…」
「煩い。早く話せ」
「はいはい。…その頃私は本国の研究機関にいました。それまでは様々な作戦に同行し修理改修をメインに動き回っていたんですが、現場での限界を感じていまして…。そんな折私のオリジナリティ溢れる改修に目をつけた上官から本国で計画されていた統合整備計画への参加を打診されまして」
(厄介払いだな)
「何か言いました?」
「……いや」
「そこではそれまでの雑多な開発軸を統合して万人に使いやすいモビルスーツの開発というのを主軸に皆さん開発をされていました。だがしかし!私からしたらそんな計画、ナンセンスにも程がありました!」
(お前が奇天烈なだけなんでは…)
壇上からジロリと攻めるような視線が向けられる。これが俗に言うニュータイプというやつなのか?
「そんな私の実力を買ってか、上長から私専用の開発室を頂いたんです!そこには計画のため集められた資材や様々なモビルスーツのパーツ、資材が集められていました」
(倉庫なんじゃ…)
「どんなモビルスーツを作ってやろうかと心を躍らせていたそんな時、とある二人に出会ったんです」
「二人?」
「ええ。本国親衛隊所属の…まぁ見習いというか雑用係のようなまだ幼い二人の若者だったんですけどね」
(お前も十代だったんでは…)
「その二人は私と違って雑務ばかりやらされると日々嘆いていました。まぁどんなに実力があっても結果が全てですからね。戦場に出れない兵隊では昇進も、私のように専用の開発室を与えられるなんて夢のまた夢でしょうしね」
「…そうだな。で?その二人の機体を作ったのか?」
「まぁまぁそう急かさないでくださいよ。ここからがストーリーの本番なんですから」
「そ、そうか…」
「え〜、その二人と私が意気投合したのは、二人が若さ故の過ちというわけではなく、私と同じようにやる気と才能に溢れていたからなんですよ」
「……」
「彼らは訓練校の成績も良く、研修配属された部隊でも敵機の撃破経験もあり、その実力を買われ親衛隊への配属が決まったらしいんですが…、まぁ親衛隊は戦うより守るのが任務ですからね。結果的に成果を上げなければ待遇も変わらないわけで、部隊内でいつも子供扱いされてやさぐれていたんですよ」
「まぁそれは仕方ないな…。俺もそうだった」
「ほう!大尉にもそんな可愛い時代があったんですね(笑)今度聞かせてください」
「……話は終わりか?」
「あぁ、失礼。それでですね、結果的に言えば二人のモビルスーツを作ってあげたんですよ。私の研究室内にはそれまで開発されたモビルスーツのパーツから、統合計画に関わる機体のデータにパーツも盛り沢山でしたので、それはもう楽しい時間でした!」
(こいつに倉庫番をやらせてはいかんな…)
「ではここからはどんなモビルスーツを作ったのかお話ししましょう!」
「!?ま、まだ続くのか…」
「ええ!ここからが本番です!」
男は手に持った箱の中身を見る。そこには寂しそうな煙草が一本だけ…。静かに手に取り火を点ける。
大きく吐き出した煙はやはり雲になることはなかった一