ザクハーフキャノン

ザクハーフキャノンとは、中距離支援機として製造されたザクキャノンの簡易版になり、戦闘中に損耗・擱座したザクキャノンの火力を極力短時間で戦線に再投入するために開発当初より計画されていた物である。その為兵装類をバックパックに集約し、既存の06シリーズ（C・F・J型）へ換装出来る様設計されていた。ザクキャノンの機体（本体）の特徴は、モノアイの360°全周化やサブカメラの装着、機体軽量化とウエイトバランスの変更、補助推進装置の装着などが挙げられる。当然これら処置が施されていない通常のザクにキャノン用バックパックを装着する場合、重量増やウエイトバランスの悪化による機動性の低下や火器類の命中精度の悪化が懸念されるが、その火力はデメリットを補って余りある物と判断されたのである。

ザクキャノン開発最初期は大型滑腔砲をJ型ザクのバックパックに装着する形でスタートしたが、命中精度の低さや取り回しの悪さ、機動性の低下などといった問題が解決できず頓挫していた。そこで中距離支援機と割り切って主兵装を180ｍｍキャノン砲または120ｍｍ6連装ガトリングに変更、対MS用兵装としてビッグガンの装着、更に被弾率低下などの観点からスモークディスチャージャーを取り付ける事で9機が完成に至る。そしてこの火力を更に有効利用する為にザクキャノンのバックパックのみを増産、火力増強を求める前線基地に送り現地で換装作業を行う事が決定された。しかしこれは新型MS等を潤沢に配備出来ないジオン軍の台所事情を表しているともいえた。

本機は、最近連邦軍製と思われる未確認MSが確認されている地域の小規模前線基地において急遽試験的に行われた換装実験により製造されたものである。この基地には2機のザクⅡが配備されていた。2機とも第二次降下作戦でキャリフォルニアベース攻略戦に参加したF型であり、作戦終了後この基地に配備されていた。よってこの機体の正式な型名は、MS－06FKとなる。何分急な決定であったため、機体カラーは見慣れたブラウン系の物ではなく通常の緑2色迷彩となっている。

バックパックの換装実験は順調に行われ、その後行われた稼働実験においても特に問題となる部分は無かった。懸念されていた機動性の低下は想定よりも低いレベルであり、命中精度も中距離支援機として十分なレベルであった為即時戦線投入が決定された。

連邦軍のMS目撃情報があると2機はペアを組んで現地に赴き、数度の遭遇戦を経験している。撃破には至らなかったものの戦闘時に連邦軍製MSのパーツや破片を回収する事が出来、それらの解析により連邦軍製MSは驚くほど堅牢な装甲でおおわれていることが判明。この事実にジオン軍上層部は驚愕した。

連邦軍はMSの実戦投入を開始した。当初その堅牢な装甲から倒すのは困難かと思われたが、攻撃ポイントを絞り火力を集中する事で対抗する事は可能であった。しかし火力を上げる事で少なからず機動性を犠牲にしている本機では単独で対抗するのが難しいのもまた事実であった。

戦闘に光明が見えたものの、戦況はジオン軍にとっては厳しい物となっていた。生命線の一つであるオデッサ鉱山基地が陥落したのである。攻勢を強める連邦軍により徐々にジオン軍の支配地域は縮小、敗走を余儀なくされていった。こうして徐々にジオン公国の衰退がはじまったのである・・・

さてさてかなりの長文になってしまいましたが(笑)
今回の製作にあたっては、ダークイエロー等で塗装しようと思っていたのですが、現物合わせをジャンクのザク（緑二色迷彩）で試していたら格好良く思いまして。
それにしても、やっぱりザクは格好良いですね！
武器モリモリの重装状態は重厚感がたまりません！

最後までお付き合い頂き有難うございました。