海上を駆ける蒼き王者『アグゥ』

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「見せてやろうか!虎は海でも戦えるってことを!!」

 

今年初の作品投稿。久々ですが、今回の作品は『エピソード オブ メモリー』の第3弾。ザフトが海での戦闘を想定して開発した試作機……という設定の機体になります。

こちらはラゴゥをベースにしたモノです。最後までお付き合い下さいませ!

アグゥ型式番号:TMF/A-803AQUAザフトが陸戦タイプのラゴゥを海での戦闘に特化させた機体として改良を加えた試作機。バクゥやラゴゥと違って脚部に本来ある無限軌道(キャタピラー)は外され、代わりにホバー走行用のスラスターを4足にそれぞれ取り付けた。ホバー走行により陸上だけでなく、海上での高速移動が可能となる。またホバー用スラスターは海の中でも使え、スラスターを利用することにより高速での水中移動も可能。その際には水中戦時形態に形態を使い分けられる。このことから本機はバクゥやラゴゥとは別機体になった為、名前は『アクアラゴゥ』と名付けるところをバクゥやラゴゥに近づける別機体という想いから『アグゥ』と名付けられる。本機はコックピットの改良により複座式から一人用となっている。武装はラゴゥと違い、頭部のビームサーベル以外は全て実弾。これは水中での戦闘をより生かす為の装備とも言える。更に水中戦用のドラグーンシステムが搭載されており、これは後の第2世代のドラグーンシステムの試作品であり、水中用兵装としての実験用の武装となっている……という設定です。 本機は前大戦時に開発されていた試作機『TMF/A-802 TYPE-A 水中戦用バクゥ』からの発展機という自分が考えた設定でもあります。しかし、それらの機体は『オペレーション・スピットブレイク』において、連合のサイクロプスに巻き込まれ、開発された全てが全滅。その為、残っているのはデータのみ……という設定。ジャンク屋が扱う宇宙用のバクゥもあるので、水中用のバクゥがいてもおかしくない…という考えから生まれました。また、今作はラゴゥを海の上で走らせたいという願望から考えた機体です。 そんな本機ですが、パイロットは元バルトフェルド隊の人間にしようかと。  ジャルド・デファイアル前大戦時、バルトフェルド隊のメカニック担当だった中年男。当時、配備されたばかりのバクゥのメンテナンス等を行なっており、更に隊長であるバルトフェルドとは仲良しだった。しかし、アークエンジェルとの戦いになる前の戦闘で大怪我を負い、隊長だったバルトフェルドの計らいで治療が万全な施設へと搬送され、そのまま治療を受けることに。その間にバルトフェルド隊はアークエンジェルと戦って敗北し、それからしばらく経ってバルトフェルドがクライン派に加担したり……といろいろ起きていた頃には、怪我は完全に回復し、そのまま地上のザフトの基地に残ることに。そして戦争は終結し、それから数年が流れた現在は……ZTT隊のメンバーの一人に。 ↑実はこの人物、エピソードの2話に当たる『ザフトレイ』のストーリー内に少しだけ出た人です。覚えてる方はいらっしゃいますか? 「カロウ!ストライカーを使え!!」 と、メモリーに完成したばかりのサプレスストライカーに乗るよう言ったおやっさんがこの方だったんです。知らない方は『ザフトレイ』のストーリーを観ることをおススメします。 周りから『おやっさん』と言われる程親しみやすいキャラですが、メカニックであり、なにより元バルトフェルド隊だったことから上の命令でアグゥのテストパイロットになるという流れになります。ちなみに好きな飲み物はあの人と同じコーヒーで、ケバブはチリソース派。

アグゥ

型式番号:TMF/A-803AQUA

ザフトが陸戦タイプのラゴゥを海での戦闘に特化させた機体として改良を加えた試作機。バクゥやラゴゥと違って脚部に本来ある無限軌道(キャタピラー)は外され、代わりにホバー走行用のスラスターを4足にそれぞれ取り付けた。ホバー走行により陸上だけでなく、海上での高速移動が可能となる。またホバー用スラスターは海の中でも使え、スラスターを利用することにより高速での水中移動も可能。その際には水中戦時形態に形態を使い分けられる。このことから本機はバクゥやラゴゥとは別機体になった為、名前は『アクアラゴゥ』と名付けるところをバクゥやラゴゥに近づける別機体という想いから『アグゥ』と名付けられる。本機はコックピットの改良により複座式から一人用となっている。

武装はラゴゥと違い、頭部のビームサーベル以外は全て実弾。これは水中での戦闘をより生かす為の装備とも言える。更に水中戦用のドラグーンシステムが搭載されており、これは後の第2世代のドラグーンシステムの試作品であり、水中用兵装としての実験用の武装となっている……という設定です。

 

本機は前大戦時に開発されていた試作機『TMF/A-802 TYPE-A 水中戦用バクゥ』からの発展機という自分が考えた設定でもあります。しかし、それらの機体は『オペレーション・スピットブレイク』において、連合のサイクロプスに巻き込まれ、開発された全てが全滅。その為、残っているのはデータのみ……という設定。

ジャンク屋が扱う宇宙用のバクゥもあるので、水中用のバクゥがいてもおかしくない…という考えから生まれました。また、今作はラゴゥを海の上で走らせたいという願望から考えた機体です。

 

そんな本機ですが、パイロットは元バルトフェルド隊の人間にしようかと。

 

 

ジャルド・デファイアル

前大戦時、バルトフェルド隊のメカニック担当だった中年男。当時、配備されたばかりのバクゥのメンテナンス等を行なっており、更に隊長であるバルトフェルドとは仲良しだった。しかし、アークエンジェルとの戦いになる前の戦闘で大怪我を負い、隊長だったバルトフェルドの計らいで治療が万全な施設へと搬送され、そのまま治療を受けることに。その間にバルトフェルド隊はアークエンジェルと戦って敗北し、それからしばらく経ってバルトフェルドがクライン派に加担したり……といろいろ起きていた頃には、怪我は完全に回復し、そのまま地上のザフトの基地に残ることに。そして戦争は終結し、それから数年が流れた現在は……ZTT隊のメンバーの一人に。

 

↑実はこの人物、エピソードの2話に当たる『ザフトレイ』のストーリー内に少しだけ出た人です。覚えてる方はいらっしゃいますか?

 

「カロウ!ストライカーを使え!!」

 

と、メモリーに完成したばかりのサプレスストライカーに乗るよう言ったおやっさんがこの方だったんです。

知らない方は『ザフトレイ』のストーリーを観ることをおススメします。

 

周りから『おやっさん』と言われる程親しみやすいキャラですが、メカニックであり、なにより元バルトフェルド隊だったことから上の命令でアグゥのテストパイロットになるという流れになります。ちなみに好きな飲み物はあの人と同じコーヒーで、ケバブはチリソース派。

さて、ここでアグゥの各形態を披露。まずは通常時。ここはホバーではなく、徒歩での移動となります。

さて、ここでアグゥの各形態を披露。

まずは通常時。ここはホバーではなく、徒歩での移動となります。

陸戦、または海上での高速移動時。陸はもちろん、海上をホバーで高速移動する形態。脚のホバーを下に向けるようにします。この時、両肩と腹部に搭載された水中用ドラグーンを分離し、海に潜らせて遠隔操作することが可能。

陸戦、または海上での高速移動時。

陸はもちろん、海上をホバーで高速移動する形態。脚のホバーを下に向けるようにします。

この時、両肩と腹部に搭載された水中用ドラグーンを分離し、海に潜らせて遠隔操作することが可能。

水中戦時。海上だけでなく海に潜れるアグゥの特徴ともなる形態。脚のスラスターを後ろに向けるように動かすことで、水中での高い機動性を出せるかと…。こちらは水圧対策として腹部の隙間を隠し、水中用ドラグーンを射出してからの形態になります。

水中戦時。

海上だけでなく海に潜れるアグゥの特徴ともなる形態。脚のスラスターを後ろに向けるように動かすことで、水中での高い機動性を出せるかと…。

こちらは水圧対策として腹部の隙間を隠し、水中用ドラグーンを射出してからの形態になります。

ここからアグゥの各武装を説明。・『チェンジングキャノン』 アグゥの最大の特徴の一つで、この機体だけに搭載された特殊主兵装。4種類の弾頭に切り替える武装で、弾を装填する際にそれぞれの弾に切り替えられるという優れもの。また砲台は軸を上下はもちろん、中心に360度回転して動かすことが可能。この武器は水中でも使用できる。一つ目の弾は普通の『通常弾』(最大8発)、2つ目は超高速で貫通力が非常に高いことからPS装甲を一撃でフェイズシフトダウンにさせる程の威力を持つ『超高速貫通弾』(最大2発)、3つ目は大量の球体の散弾が詰まった『対空榴散弾』(最大3発)、4つ目はメモリー専用ザクに搭載されたのと同じ『ダミーバルーン弾』(最大2発)の計15発の発射ができる。それぞれの弾数に制限があるモノの、弾の種類や性能はかなり優れたモノとなるだろう。そんな武器ですが、発射する際は頭部のアンテナに当たらぬよう頭部を下げるか、砲台を横にズラしての発射となる。

ここからアグゥの各武装を説明。

・『チェンジングキャノン』
 

アグゥの最大の特徴の一つで、この機体だけに搭載された特殊主兵装。4種類の弾頭に切り替える武装で、弾を装填する際にそれぞれの弾に切り替えられるという優れもの。また砲台は軸を上下はもちろん、中心に360度回転して動かすことが可能。この武器は水中でも使用できる。

一つ目の弾は普通の『通常弾』(最大8発)、2つ目は超高速で貫通力が非常に高いことからPS装甲を一撃でフェイズシフトダウンにさせる程の威力を持つ『超高速貫通弾』(最大2発)、3つ目は大量の球体の散弾が詰まった『対空榴散弾』(最大3発)、4つ目はメモリー専用ザクに搭載されたのと同じ『ダミーバルーン弾』(最大2発)の計15発の発射ができる。それぞれの弾数に制限があるモノの、弾の種類や性能はかなり優れたモノとなるだろう。

そんな武器ですが、発射する際は頭部のアンテナに当たらぬよう頭部を下げるか、砲台を横にズラしての発射となる。

・クロー 脚部にそれぞれ装備された武装。ラゴゥのモノと同じ。  ・3連ミサイルポット×3 両肩、腹部に装備するスラスター搭載のミサイルポット。陸はもちろん、水中でも魚雷代わりに使用できる武装。3つのうち一つが分離して遠隔操作可能の水中用ドラグーンで、残りの2つもスラスター部分が分離してその部分が水中用ドラグーンとなっている。 

・クロー

 

脚部にそれぞれ装備された武装。ラゴゥのモノと同じ。

 

 

・3連ミサイルポット×3

 

両肩、腹部に装備するスラスター搭載のミサイルポット。陸はもちろん、水中でも魚雷代わりに使用できる武装。3つのうち一つが分離して遠隔操作可能の水中用ドラグーンで、残りの2つもスラスター部分が分離してその部分が水中用ドラグーンとなっている。

 

そして、このアグゥにしか装備されていない水中用ドラグーンを説明。水中ということもあり、このシステムはドラグーンではない名前にしました。名付けるなら、 ・セイレーンシステム 宇宙用のドラグーンに対して開発された水中用ドラグーンシステム。両肩と腹部に搭載されており、水中にて分離し、水中にいる敵や海上の敵に向けて遠隔操作による攻撃ができる。第2世代のドラグーンシステムの試作兼実験用のモノの為、誰でも扱える。 本機に搭載されたセイレーンシステムは3つ。一つはスラスター搭載ミサイルポットに加えて水中の敵に突き刺して水圧で機体を耐えられなくさせる為の武器『アクアファング』を装備。敵に突き刺した際、至近距離からミサイルを発射することも可能。残りの2つは両肩から分離したスラスター部分。分離する前に装備されている『連装砲×2』が武器だが、分離した際に内側から各2門の『連装砲』が出現。計6門となるこの武器は水中や海上の敵を攻撃する。

そして、このアグゥにしか装備されていない水中用ドラグーンを説明。水中ということもあり、このシステムはドラグーンではない名前にしました。

名付けるなら、

 

・セイレーンシステム

 

宇宙用のドラグーンに対して開発された水中用ドラグーンシステム。両肩と腹部に搭載されており、水中にて分離し、水中にいる敵や海上の敵に向けて遠隔操作による攻撃ができる。第2世代のドラグーンシステムの試作兼実験用のモノの為、誰でも扱える。

 

本機に搭載されたセイレーンシステムは3つ。

一つはスラスター搭載ミサイルポットに加えて水中の敵に突き刺して水圧で機体を耐えられなくさせる為の武器『アクアファング』を装備。敵に突き刺した際、至近距離からミサイルを発射することも可能。

残りの2つは両肩から分離したスラスター部分。分離する前に装備されている『連装砲×2』が武器だが、分離した際に内側から各2門の『連装砲』が出現。計6門となるこの武器は水中や海上の敵を攻撃する。

そして、頭部の武装。・ビームサーベル ラゴゥと同じモノで、本機唯一のビーム兵装。  ・カッターブレイド アグゥの口部分の先端に搭載されたオリジナル武装。対ビームコーティングされた特殊カッターとなっており、敵のビームサーベルを受け止めたり、敵に突き刺すことが可能。 と、頭部の武装はここまでなのですが、この頭部には思いもしないギミックが隠されてます。画像を見れば分かると思いますが、首部分にあるモノを取り付けました。どんなギミックなのかについて語りたいところですが、その前にストーリーに入ろうかと思います。ストーリーで登場させますので。

そして、頭部の武装。

・ビームサーベル

 

ラゴゥと同じモノで、本機唯一のビーム兵装。
 

 

・カッターブレイド

 

アグゥの口部分の先端に搭載されたオリジナル武装。対ビームコーティングされた特殊カッターとなっており、敵のビームサーベルを受け止めたり、敵に突き刺すことが可能。

 

と、頭部の武装はここまでなのですが、この頭部には思いもしないギミックが隠されてます。画像を見れば分かると思いますが、首部分にあるモノを取り付けました。

どんなギミックなのかについて語りたいところですが、その前にストーリーに入ろうかと思います。ストーリーで登場させますので。

ここまでアグゥの説明を終えましたが、本機は元々砂漠の虎に譲渡しようとしていた機体でした。最初は開発チームが量産化を目指していたが、セカンドステージの最新の水中MSであるアビスの開発案が出たことで量産化の夢は絶たれてしまい、結果アグゥはこの一機のみとなる。いずれ砂漠の虎が乗るであろう本機を一部の上層部は大事に保管していた……という設定です。そんな機体ですが、この後に語られるストーリーで登場。たまたま遭遇した地球連合に対し、蒼き虎は鼓動する。今回のストーリーのタイトルは『虎、海戦でも疾風の如く』。蒼き海を舞台に戦場を駆け抜けろ、アグゥ!↑思わず予告風にしました。 では、ストーリーをご覧下さいーーー   戦争が再び起きて間もない中、ザフトの技術試験部隊の一つであるZTT隊に新たな任務が与えられる。またしてもプラント本国に出頭する隊長のジナとメモリーの両名は上官から直接新たな任務を与えられ、メモリーは資料に目を通す。 「水中戦用のラゴゥ…?」「ホバー走行により機動性が高い試作改良機だ。君達には『アグゥ』の試験をして貰いたい」 そう語る上官に、ジナはあることに気づく。水中戦用の機体の試験、つまり地球に降りるということである。 「我々にも地球での活動を?」「君達には一度カーペンタリア基地へ行き、ある機体を受け取って貰いたい。アグゥの試験はついで……ということになる。アグゥの試験終了後、基地の機体と共にすぐ宇宙に戻ってくれ。その後に、次の指令を出す」 上官からの命令を聞いた2人は敬礼し、その場を後にしようとした。その時、上官は言い忘れていたことを思い出す。 「そういえば、アグゥのパイロットだが…ZTT隊にいる元バルトフェルド隊の人間にしてやらせて欲しい」「元バルトフェルド隊?」「メカニックでも、是非パイロットとして検証して欲しい。砂漠の虎の傍にいた者に……」 上官がそう口にする中、メモリーは首を傾げる。誰のことなのか、この時はまだ知らなかったからだーーー    その後、ZTT隊は『アグゥ』と共に地球へ…。彼らの艦は地球軌道上にて、降下の準備を行う。 今回の試験機であるアグゥが専用のシャトルに積もうとする中、そのパイロットである男にメモリーは近づく。  「驚きましたよ?まさか、おやっさんが元バルトフェルド隊の人だったなんて…」 そのパイロットは周りから『おやっさん』と親しまれている中年メカニックの『ジャルド・デファイアル』だった。メモリーだけでなく、隊のほとんどのメンバーも彼の素性を知らなかった。このことを知っていたのは隊長のジナと艦長だけだったらしい…。

ここまでアグゥの説明を終えましたが、本機は元々砂漠の虎に譲渡しようとしていた機体でした。最初は開発チームが量産化を目指していたが、セカンドステージの最新の水中MSであるアビスの開発案が出たことで量産化の夢は絶たれてしまい、結果アグゥはこの一機のみとなる。いずれ砂漠の虎が乗るであろう本機を一部の上層部は大事に保管していた……という設定です。


そんな機体ですが、この後に語られるストーリーで登場。たまたま遭遇した地球連合に対し、蒼き虎は鼓動する。



今回のストーリーのタイトルは『虎、海戦でも疾風の如く』。



蒼き海を舞台に戦場を駆け抜けろ、アグゥ!


↑思わず予告風にしました。

 

では、ストーリーをご覧下さいーーー

 

 

 

戦争が再び起きて間もない中、ザフトの技術試験部隊の一つであるZTT隊に新たな任務が与えられる。

またしてもプラント本国に出頭する隊長のジナとメモリーの両名は上官から直接新たな任務を与えられ、メモリーは資料に目を通す。

 

「水中戦用のラゴゥ…?」

「ホバー走行により機動性が高い試作改良機だ。君達には『アグゥ』の試験をして貰いたい」

 

そう語る上官に、ジナはあることに気づく。

水中戦用の機体の試験、つまり地球に降りるということである。

 

「我々にも地球での活動を?」

「君達には一度カーペンタリア基地へ行き、ある機体を受け取って貰いたい。アグゥの試験はついで……ということになる。アグゥの試験終了後、基地の機体と共にすぐ宇宙に戻ってくれ。その後に、次の指令を出す」

 

上官からの命令を聞いた2人は敬礼し、その場を後にしようとした。

その時、上官は言い忘れていたことを思い出す。

 

「そういえば、アグゥのパイロットだが…ZTT隊にいる元バルトフェルド隊の人間にしてやらせて欲しい」

「元バルトフェルド隊?」

「メカニックでも、是非パイロットとして検証して欲しい。砂漠の虎の傍にいた者に……」

 

上官がそう口にする中、メモリーは首を傾げる。

誰のことなのか、この時はまだ知らなかったからだーーー

 

 

 

 

その後、ZTT隊は『アグゥ』と共に地球へ…。

彼らの艦は地球軌道上にて、降下の準備を行う。

 

今回の試験機であるアグゥが専用のシャトルに積もうとする中、そのパイロットである男にメモリーは近づく。

 

 

「驚きましたよ?まさか、おやっさんが元バルトフェルド隊の人だったなんて…」

 

そのパイロットは周りから『おやっさん』と親しまれている中年メカニックの『ジャルド・デファイアル』だった。

メモリーだけでなく、隊のほとんどのメンバーも彼の素性を知らなかった。このことを知っていたのは隊長のジナと艦長だけだったらしい…。

「バルトフェルド隊とは言っても、当時もメカニックだった人間だ。何で上はこんなオッサンにコイツの操縦を?」「この機体は元々、プラントに帰るであろう砂漠の虎に譲渡する機体だという噂です。検証次第では機体の疑問点などを改善し、完璧な機体に仕上がるかと…」「完璧な機体なんて、この世には存在しない。……前に、あの男にも言った言葉だ」「砂漠の虎ですか?」 アグゥを見ながら語るジャルドは昔、友人に話したのと同じことをメモリーにも話す。 「こういった機体を生み出したのは人間で、操縦するのも人間。完璧にしたつもりが、どこかで不具合が起きたり、運悪く敵の攻撃が当たったり……っていうこともある。つまり、どんな機械もその日の運次第ってことさ。戦うヤツらも皆そうさ」「運任せ…ですか?」「戦ってる連中はそんな気持ちで戦ってはいないんだが、結局は運なんだよ。運じゃなければ……運命かな?パイロットとその機体の…」 ジャルドは語り終えると、そのままパイロットスーツに着替えに向かって行った。話を聞いていたメモリーはこの時、『砂漠の虎は何て答えていたんだろう?』と考えてしまう。しかし、その答えは砂漠の虎本人とジャルドにしか分からないことなのは言うまでもないーーー    ーーーそして、いよいよ降下。 アグゥを載せたシャトルは地球・カーペンタリアへと降り立つ。アグゥには既にジャルドが搭乗しており、シャトルには操縦するパイロットとジナ、そしてメモリーが搭乗。 それに続き、エリッサのザフトレイも大気圏突入準備を終え次第、単機で降下する予定である。ザフトレイには重力下でのデータが無い為、共に地球に降りることとなった。 それはそうと、アグゥを載せたシャトルは先に大気圏を突入し、カーペンタリア基地へ………と思った瞬間! 「3時の方向から高エネルギー帯!」 シャトルのパイロットが飛んでくるビームに気づき、すぐさま回避行動へ。しかし、ビームは翼に直撃。大気圏を突破したシャトルは軌道が大きく変わり、基地からかなり離れた海に向かっていた。 「あのビームは一体…!?」 メモリーは確認したくても、ビームを放った機体はおろか一時レーダーが使えなくなる事態に。その為、確認する術がなかった。 ちなみにこの時、別の世界のコピーされたMSと時空を超えてC.E.の歴史を守る者の戦いが繰り広げていた。イノベイター…いや、イノベイドと転生者の戦いが……。だが、この時は誰も気づかなかった。特に、この時のメモリーはまだーーー   『ーーー隊長さん、聞こえるか?アグゥを出させてくれ』 アグゥに乗ってるジャルドは降下中のシャトルから発進し、シャトルを軽くすることを提案。その提案にメモリーも賛成し、ジナはすぐさま指示を出した。 アグゥはシャトルから発進し、4足に取り付けられたホバーを使って何とか海の上に着地。アグゥは唯一、海で浅目のところへ移動して辺りの状況を確認。 そんな中、シャトルは直撃された翼から煙が出ていたが、海のど真ん中に不時着した際、海の水が消火代わりになったことで大事には至らなかった。 「カロウ、大丈夫か?」「はい、何とか……」「こっちも無事です」 ジナはカロウとパイロットの無事を確認。今の着地でなのか、シャトルは行動不能で動けず、更にレーダーも故障してしまっていた。 彼らのシャトルは今、カーペンタリア基地からだいぶ離れた海域にいた。ジナはすぐさま救難信号を出すよう指示を出すが、先にシャトルから脱出したアグゥのジャルドから通信が入る。 『聞こえるか?今、シャトルの後方にいるんだが…敵だ』 最悪なことに、敵が近くにいた。敵は連合の空母一隻で、MS・ウィンダム7機がシャトルに向かって発進したとのこと。 そんな連合軍だが、ジャルドのアグゥの存在に気づいていない様子。 『このままだとアンタらはお陀仏だ。ここはアグゥで戦う他ない』 「……分かりました、ここでアグゥの試験を開始します」「カロウ、何を勝手に?」「このシャトルには対MS用の武器がありません。唯一の対抗策はおやっさんのアグゥだけです」「そ、そうだが……」 これは試験というより実戦。このような状況にジナはメモリーの言葉が正しいと判断した。

「バルトフェルド隊とは言っても、当時もメカニックだった人間だ。何で上はこんなオッサンにコイツの操縦を?」

「この機体は元々、プラントに帰るであろう砂漠の虎に譲渡する機体だという噂です。検証次第では機体の疑問点などを改善し、完璧な機体に仕上がるかと…」

「完璧な機体なんて、この世には存在しない。……前に、あの男にも言った言葉だ」

「砂漠の虎ですか?」

 

アグゥを見ながら語るジャルドは昔、友人に話したのと同じことをメモリーにも話す。

 

「こういった機体を生み出したのは人間で、操縦するのも人間。完璧にしたつもりが、どこかで不具合が起きたり、運悪く敵の攻撃が当たったり……っていうこともある。つまり、どんな機械もその日の運次第ってことさ。戦うヤツらも皆そうさ」

「運任せ…ですか?」

「戦ってる連中はそんな気持ちで戦ってはいないんだが、結局は運なんだよ。運じゃなければ……運命かな?パイロットとその機体の…」

 

ジャルドは語り終えると、そのままパイロットスーツに着替えに向かって行った。

話を聞いていたメモリーはこの時、『砂漠の虎は何て答えていたんだろう?』と考えてしまう。しかし、その答えは砂漠の虎本人とジャルドにしか分からないことなのは言うまでもないーーー

 

 

 

 

ーーーそして、いよいよ降下。

 

アグゥを載せたシャトルは地球・カーペンタリアへと降り立つ。

アグゥには既にジャルドが搭乗しており、シャトルには操縦するパイロットとジナ、そしてメモリーが搭乗。

 

それに続き、エリッサのザフトレイも大気圏突入準備を終え次第、単機で降下する予定である。ザフトレイには重力下でのデータが無い為、共に地球に降りることとなった。

 

それはそうと、アグゥを載せたシャトルは先に大気圏を突入し、カーペンタリア基地へ………と思った瞬間!

 

「3時の方向から高エネルギー帯!」

 

シャトルのパイロットが飛んでくるビームに気づき、すぐさま回避行動へ。

しかし、ビームは翼に直撃。大気圏を突破したシャトルは軌道が大きく変わり、基地からかなり離れた海に向かっていた。

 

「あのビームは一体…!?」

 

メモリーは確認したくても、ビームを放った機体はおろか一時レーダーが使えなくなる事態に。その為、確認する術がなかった。

 

ちなみにこの時、別の世界のコピーされたMSと時空を超えてC.E.の歴史を守る者の戦いが繰り広げていた。イノベイター…いや、イノベイドと転生者の戦いが……。

だが、この時は誰も気づかなかった。特に、この時のメモリーはまだーーー

 

 

 

『ーーー隊長さん、聞こえるか?アグゥを出させてくれ』

 

アグゥに乗ってるジャルドは降下中のシャトルから発進し、シャトルを軽くすることを提案。

その提案にメモリーも賛成し、ジナはすぐさま指示を出した。

 

アグゥはシャトルから発進し、4足に取り付けられたホバーを使って何とか海の上に着地。アグゥは唯一、海で浅目のところへ移動して辺りの状況を確認。

 

そんな中、シャトルは直撃された翼から煙が出ていたが、海のど真ん中に不時着した際、海の水が消火代わりになったことで大事には至らなかった。

 

「カロウ、大丈夫か?」

「はい、何とか……」

「こっちも無事です」

 

ジナはカロウとパイロットの無事を確認。

今の着地でなのか、シャトルは行動不能で動けず、更にレーダーも故障してしまっていた。

 

彼らのシャトルは今、カーペンタリア基地からだいぶ離れた海域にいた。

ジナはすぐさま救難信号を出すよう指示を出すが、先にシャトルから脱出したアグゥのジャルドから通信が入る。

 

『聞こえるか?今、シャトルの後方にいるんだが…敵だ』

 

最悪なことに、敵が近くにいた。

敵は連合の空母一隻で、MS・ウィンダム7機がシャトルに向かって発進したとのこと。

 

そんな連合軍だが、ジャルドのアグゥの存在に気づいていない様子。

 

『このままだとアンタらはお陀仏だ。ここはアグゥで戦う他ない』

 

「……分かりました、ここでアグゥの試験を開始します」

「カロウ、何を勝手に?」

「このシャトルには対MS用の武器がありません。唯一の対抗策はおやっさんのアグゥだけです」

「そ、そうだが……」

 

これは試験というより実戦。このような状況にジナはメモリーの言葉が正しいと判断した。

「分かった!これよりアグゥの試験を開始する!」 隊長・ジナから許可が下りる。ジャルドは海上をホバーで移動し、敵MSに向けて主兵装『チェンジングキャノン』を構えた。 「見せてやろうか!虎は海でも戦えるってことを!!」  アグゥは先制攻撃を行う。シャトルへと向かうウィンダムの一機に直撃した。 『敵襲!』『どこからだ?』『次が来た……うわっ!!』 続いて2機目も撃破成功。MS部隊はここでアグゥの存在に気づいたようだ。 『何だ!?海の上を走るバクゥ?』『いや、大きいぞ!散って仕掛けるぞ!』 バラバラに散開した敵はアグゥに集中攻撃。アグゥは主兵装で様々な弾に切り替えて応戦する。と、ここでアグゥは形態を変えて海に潜った。 『ヤッター!当たって海に沈んだ!!』 そう思い込んだ連合兵だが、海の中からミサイルが飛んできてそのまま3機目の撃破に。残りのウィンダムは4機。水中に潜ったアグゥに警戒する。 『あの機体、水中戦用の機体か』『上から集中攻撃だ!』 海に潜ったアグゥの影を追い、ウィンダム部隊はライフルで集中攻撃を行う。しかし、彼らは知らない。アグゥにはあるシステムが搭載されていることに……。 「水中用ドラグーン改め『セイレーンシステム』を使用する!」 海に潜った際、既に射出した新たなドラグーン『セイレーン』を使うジャルド。海の中で散開する『セイレーン』と呼ばれる武器は真上を飛ぶウィンダムに目掛けて攻撃を始める。 『こっちか!』『待て!ここだ……うわっ!』『これは…!?』 セイレーンによる連装砲やミサイルを上手く動かし、更に本機のアグゥも攻撃を行う。敵を混乱状態にさせ、追い込んでいく。 一方、その光景をシャトルから肉眼で確認するカロウはアグゥの戦いがある戦術と酷似していることに気づくーーー  「ーーーこれは前大戦時、バルトフェルド隊が当時最強と呼ばれてたストライクを追い込んだ戦術!?でも、おやっさんがなぜこの戦い方を?」「当時の戦闘記録を見ていて、それを真似ているか。もしくは、たまたま同じ戦い方をしているか……だな」 ジナはそうメモリーに語る。理由はどうあれ、連合のMSはまたもや撃破。残り2機となった。 と、ここで味方MSがその場に現るーーー

「分かった!これよりアグゥの試験を開始する!」

 

隊長・ジナから許可が下りる。

ジャルドは海上をホバーで移動し、敵MSに向けて主兵装『チェンジングキャノン』を構えた。

 

「見せてやろうか!虎は海でも戦えるってことを!!」

 

 

アグゥは先制攻撃を行う。

シャトルへと向かうウィンダムの一機に直撃した。

 

『敵襲!』

『どこからだ?』

『次が来た……うわっ!!』

 

続いて2機目も撃破成功。

MS部隊はここでアグゥの存在に気づいたようだ。

 

『何だ!?海の上を走るバクゥ?』

『いや、大きいぞ!散って仕掛けるぞ!』

 

バラバラに散開した敵はアグゥに集中攻撃。アグゥは主兵装で様々な弾に切り替えて応戦する。

と、ここでアグゥは形態を変えて海に潜った。

 

『ヤッター!当たって海に沈んだ!!』

 

そう思い込んだ連合兵だが、海の中からミサイルが飛んできてそのまま3機目の撃破に。

残りのウィンダムは4機。水中に潜ったアグゥに警戒する。

 

『あの機体、水中戦用の機体か』

『上から集中攻撃だ!』

 

海に潜ったアグゥの影を追い、ウィンダム部隊はライフルで集中攻撃を行う。

しかし、彼らは知らない。アグゥにはあるシステムが搭載されていることに……。

 

「水中用ドラグーン改め『セイレーンシステム』を使用する!」

 

海に潜った際、既に射出した新たなドラグーン『セイレーン』を使うジャルド。

海の中で散開する『セイレーン』と呼ばれる武器は真上を飛ぶウィンダムに目掛けて攻撃を始める。

 

『こっちか!』

『待て!ここだ……うわっ!』

『これは…!?』

 

セイレーンによる連装砲やミサイルを上手く動かし、更に本機のアグゥも攻撃を行う。

敵を混乱状態にさせ、追い込んでいく。

 

一方、その光景をシャトルから肉眼で確認するカロウはアグゥの戦いがある戦術と酷似していることに気づくーーー

 

 

「ーーーこれは前大戦時、バルトフェルド隊が当時最強と呼ばれてたストライクを追い込んだ戦術!?でも、おやっさんがなぜこの戦い方を?」

「当時の戦闘記録を見ていて、それを真似ているか。もしくは、たまたま同じ戦い方をしているか……だな」

 

ジナはそうメモリーに語る。

理由はどうあれ、連合のMSはまたもや撃破。残り2機となった。

 

と、ここで味方MSがその場に現るーーー

「こちらエリッサ!皆さん、遅れてすみません!!」 大気圏突入を行ったザフトレイが合流し、戦闘に参加。エリッサにとって初めての重力下での空中戦。ウィンダムもまさかの増援に苦戦を強いられる。 そんな中、連合も増援を送り込む。 『ザムザザー、発進せよ』 敵艦からまさかのMA『ザムザザー』が現れた。MAが現れたことをメモリーはすぐさまジャルドやエリッサに伝える。 『連合艦から大型MAが現れました!ミネルバ隊がオーブ近海で交戦したのと同型のモノです!』 「モ、モビル…アーマー……!?」「いくらザフトレイでも、あんなヤツを相手にするのは無理だ。ここは水中戦のアグゥで…!」 未だ海に潜るアグゥは高速移動したまま上を飛ぶザムザザーに攻撃を仕掛ける。ザムザザーは回避し、海に向かって反撃。いくらビームでも火力が高い為、海の中ではカスることも許されない。 エリッサのザフトレイも援護しようにも、2機のウィンダムが邪魔に入る。 「邪魔をするなぁ!!」 ウィンダムに攻撃を仕掛けるも、ザムザザーが彼女のザフトレイにも攻撃を行う。ギリギリで交わすも、ウィンダムによる連携もあり、エリッサは苦戦状態に。 ジャルドは彼女を助けるべく、ザムザザーの真下にアグゥとセイレーン3基を集結。ザムザザーの弱点であり、唯一防御兵装が無い真下からによる攻撃で一気にケリを着けるつもりだった。 ところが、 「やらせるかぁ!!」 ザムザザー、真下に一斉射撃。『しまった!』と口に出すジャルドは回避行動を取るも、火力の高いビームによる一斉射撃の爆風に巻き込まれ、最悪なことにセイレーンの一基がアグゥの腹部に突き刺さってしまった。 結果アグゥは機体に海水が入り込み、上昇できないどころかそのまま沈み始めたーーー   「ーーーおやっさん!!」「まさか、アグゥが…!おやっさんが……」 アグゥがザムザザーによって……。 残る戦力はエリッサのザフトレイで、ここで彼女はウィンダムの一機を撃破するもザムザザー相手にするには厳しい状況だった。 「お姉ちゃん、今そっちに……ーーー」    『ダメだ、エリッサ!!』 聞き覚えのある声が通信を通して彼女に叫ぶ。 と同時に海水から何かが現れ、真っ直ぐザムザザーへと迫っていく。 「下から何かが…!」「な、何だと!?」 ザムザザーのパイロット達は予想外のそれに、思わず対応が遅れてしまう。

「こちらエリッサ!皆さん、遅れてすみません!!」

 

大気圏突入を行ったザフトレイが合流し、戦闘に参加。エリッサにとって初めての重力下での空中戦。

ウィンダムもまさかの増援に苦戦を強いられる。

 

そんな中、連合も増援を送り込む。

 

『ザムザザー、発進せよ』

 

敵艦からまさかのMA『ザムザザー』が現れた。

MAが現れたことをメモリーはすぐさまジャルドやエリッサに伝える。

 

『連合艦から大型MAが現れました!ミネルバ隊がオーブ近海で交戦したのと同型のモノです!』

 

「モ、モビル…アーマー……!?」

「いくらザフトレイでも、あんなヤツを相手にするのは無理だ。ここは水中戦のアグゥで…!」

 

未だ海に潜るアグゥは高速移動したまま上を飛ぶザムザザーに攻撃を仕掛ける。

ザムザザーは回避し、海に向かって反撃。いくらビームでも火力が高い為、海の中ではカスることも許されない。

 

エリッサのザフトレイも援護しようにも、2機のウィンダムが邪魔に入る。

 

「邪魔をするなぁ!!」

 

ウィンダムに攻撃を仕掛けるも、ザムザザーが彼女のザフトレイにも攻撃を行う。

ギリギリで交わすも、ウィンダムによる連携もあり、エリッサは苦戦状態に。

 

ジャルドは彼女を助けるべく、ザムザザーの真下にアグゥとセイレーン3基を集結。

ザムザザーの弱点であり、唯一防御兵装が無い真下からによる攻撃で一気にケリを着けるつもりだった。

 

ところが、

 

「やらせるかぁ!!」

 

ザムザザー、真下に一斉射撃。

『しまった!』と口に出すジャルドは回避行動を取るも、火力の高いビームによる一斉射撃の爆風に巻き込まれ、最悪なことにセイレーンの一基がアグゥの腹部に突き刺さってしまった。

 

結果アグゥは機体に海水が入り込み、上昇できないどころかそのまま沈み始めたーーー

 

 

 

「ーーーおやっさん!!」

「まさか、アグゥが…!おやっさんが……」

 

アグゥがザムザザーによって……。

 

残る戦力はエリッサのザフトレイで、ここで彼女はウィンダムの一機を撃破するもザムザザー相手にするには厳しい状況だった。

 

「お姉ちゃん、今そっちに……ーーー」

 

 

 

 

『ダメだ、エリッサ!!』

 

聞き覚えのある声が通信を通して彼女に叫ぶ。

 

と同時に海水から何かが現れ、真っ直ぐザムザザーへと迫っていく。

 

「下から何かが…!」

「な、何だと!?」

 

ザムザザーのパイロット達は予想外のそれに、思わず対応が遅れてしまう。

(※コマ撮り画像の為、画像をクリックしてみて下さい) 真下から飛んできたモノ、それはアグゥの頭。そう、アグゥの隠されたギミックとは首部分に搭載されたロケットエンジンで頭部だけを飛ばす『ロケットヘッド』のことだったのだ。カッターブレイドだけでなく、ビームサーベルを放出した状態で敵に迫るアグゥの頭部。この頭を飛ばすというギミック、元々は撃破される際に戦闘データ等を記録してある頭部だけでも味方に飛ばして届けるという目的のモノ。それが今、味方を助ける為に飛ばすのであった。 結果、真下からの攻撃によってロケットヘッドは直撃。ザムザザーは撃破となるのだった……。 残る敵MSは隊長機と思われるウィンダムだったが、その場から撤退。敵空母もすぐさま、この海域を後にした。

(※コマ撮り画像の為、画像をクリックしてみて下さい)

 

真下から飛んできたモノ、それはアグゥの頭。

そう、アグゥの隠されたギミックとは首部分に搭載されたロケットエンジンで頭部だけを飛ばす『ロケットヘッド』のことだったのだ。カッターブレイドだけでなく、ビームサーベルを放出した状態で敵に迫るアグゥの頭部。

この頭を飛ばすというギミック、元々は撃破される際に戦闘データ等を記録してある頭部だけでも味方に飛ばして届けるという目的のモノ。それが今、味方を助ける為に飛ばすのであった。

 

結果、真下からの攻撃によってロケットヘッドは直撃。ザムザザーは撃破となるのだった……。

 

残る敵MSは隊長機と思われるウィンダムだったが、その場から撤退。敵空母もすぐさま、この海域を後にした。

戦闘が終わった。だが、アグゥは海に潜ったまま姿を現さない。レーダーは故障中の為、アグゥがどういう状態なのかが分からない。メモリーとジナ、そしてエリッサは通信で必死に呼び掛ける。 そして、通信がやっと繋がる。 『よぉ…、終わったか?』「おやっさん、無事でしたか?おかげで敵MS6機及びMAの撃破に成功。MS一機には逃げられましたが、連合艦と共に撤退して行きました」『そう…か……』「おやっさん、早く上昇して下さい!アグゥは今の戦闘でどこか故障した可能性があります。このまま沈んでいけばアグゥでさえも水圧に…!」 メモリーがそう語る後ろでジナはエリッサにザフトレイで水中に潜るよう指示を出すが、ジャルドは止める。 『ザフトレイは水中に適していない。潜れたとしても、一緒に溺れるのがオチだ』「分かってる!だが、どうしたら……」『良いんだ、俺はもう助からない。これが俺とコイツの運命だったみたいだ…』 ジナにそう話すジャルドは既に覚悟を決めたかのように語るのだった。向こうではアグゥのコックピットから鳴り響くアラームが未だに聞こえてくる一方で、何かがきしむ嫌な音も響いた。 ジナとカロウはどうすることもできず、ただ声を聞くことしかできなかった。ザフトの人間として、仲間の最後の言葉を聞く者として…。 しばらくして、ジャルドはある言葉を残すのだった。 『アグゥはいい機体だったぜ、バルトフェルドーーー』  その瞬間、大きな雑音と共にアグゥとの通信が途絶えた。レーダー等が使えない為分からないが、おそらくアグゥのシグナルが消失したに違いない……ーーー  その後、彼らはカーペンタリア基地から来たザフトの部隊に救助され、メモリーはその艦で今回のアグゥの試験報告書を書くのだった………。  『アクシデントにより不時着した海域で連合艦に遭遇した我々は独自の判断によりその場でアグゥの試験を始めてしまう。実戦となってしまった我々だが、アグゥは途中から援軍として降下したザフトレイと共に連合MS7機及びミネルバ隊がオーブ近海で戦闘した同型のMAを相手にした。海での戦闘を目的としたアグゥの高い戦闘力に敵MS一機には逃げられるも、MS6機とMAの撃破に成功。しかし、アグゥは戦闘で受けたダメージにより機体は水圧で押し潰されてしまい、パイロットのジャルド・デファイアルと共に失ってしまう。海での高い機動性は認めるが、今後似た機体を開発する際は火力の高い機体との戦闘を想定し、より防御面の強化に力を入れて欲しいだろう……』 少し涙目になっていたメモリーは涙を拭いながら報告書を書き終えている頃、艦の格納庫にいるジナも今回の戦闘で唯一回収できたモノの中にあったアグゥの頭部を見つめながら泣いていた。また、ザフトレイのコックピットに隠れて乗り込むエリッサも同じく泣いていた……。ザムザザーに向けて飛ばしたアグゥの頭部はほぼ無傷で、中の戦闘記録のデータも無事だったとのこと。だが、パイロットを失ったことはジナ達にとって大きな損失になったのかもしれない。 ZTT隊で皆から親しまれていたおやっさんはもういない。元バルトフェルド隊の彼はきっと、どこの部隊にいても人気者だったに違いない。でなければ、彼を想って悲しむ人間がこんなにもいないのだから………。  一方その頃、ザフトの一部の人間がターミナルを通して意味深なメッセージをある男に向けて送られたーーー 『ヨーグルト派へ。       チリソース派が海でケバブを落とした。             最後、『コーヒーが飲みたかった』と呟く』 メッセージを見た人は『何だ?』と訳が分からない顔をする一方、意味を知ったとある男はコーヒーを静かに淹れていた。友が好みだった味のコーヒーを自分のマグカップと……もう一つのマグカップに注いで………。 「…もう一度、飲ませたかったな…」砂漠の虎はそう呟き、自分のマグカップをもう一つのマグカップに軽く当てて乾杯するのだったーーーー  戦争では誰かが死に、誰かが生き残る。人間誰もがそれを知っているというのに、なぜ争いは無くならないのか。その答えはまだ誰も知らない………。  C.E.73年12月戦争はまだ終わる様子が見えない…。 『エピソード オブ メモリー 第3話:虎、海戦でも疾風の如く』  と、ストーリーはここまで。  今回は初となる戦死者が出てしまったエピソードになりました。 「悲しいけど、これ戦争なのよね…」 と、あるキャラの台詞の通りです。『エピソード オブ メモリー』のシリーズは今後もこのようなストーリーがありますので。

戦闘が終わった。だが、アグゥは海に潜ったまま姿を現さない。レーダーは故障中の為、アグゥがどういう状態なのかが分からない。

メモリーとジナ、そしてエリッサは通信で必死に呼び掛ける。

 

そして、通信がやっと繋がる。

 

『よぉ…、終わったか?』

「おやっさん、無事でしたか?おかげで敵MS6機及びMAの撃破に成功。MS一機には逃げられましたが、連合艦と共に撤退して行きました」

『そう…か……』

「おやっさん、早く上昇して下さい!アグゥは今の戦闘でどこか故障した可能性があります。このまま沈んでいけばアグゥでさえも水圧に…!」

 

メモリーがそう語る後ろでジナはエリッサにザフトレイで水中に潜るよう指示を出すが、ジャルドは止める。

 

『ザフトレイは水中に適していない。潜れたとしても、一緒に溺れるのがオチだ』

「分かってる!だが、どうしたら……」

『良いんだ、俺はもう助からない。これが俺とコイツの運命だったみたいだ…』

 

ジナにそう話すジャルドは既に覚悟を決めたかのように語るのだった。

向こうではアグゥのコックピットから鳴り響くアラームが未だに聞こえてくる一方で、何かがきしむ嫌な音も響いた。

 

ジナとカロウはどうすることもできず、ただ声を聞くことしかできなかった。

ザフトの人間として、仲間の最後の言葉を聞く者として…。

 

しばらくして、ジャルドはある言葉を残すのだった。

 

『アグゥはいい機体だったぜ、バルトフェルドーーー』

 

 

その瞬間、大きな雑音と共にアグゥとの通信が途絶えた。レーダー等が使えない為分からないが、おそらくアグゥのシグナルが消失したに違いない……ーーー

 

 

その後、彼らはカーペンタリア基地から来たザフトの部隊に救助され、メモリーはその艦で今回のアグゥの試験報告書を書くのだった………。

 

 

『アクシデントにより不時着した海域で連合艦に遭遇した我々は独自の判断によりその場でアグゥの試験を始めてしまう。実戦となってしまった我々だが、アグゥは途中から援軍として降下したザフトレイと共に連合MS7機及びミネルバ隊がオーブ近海で戦闘した同型のMAを相手にした。海での戦闘を目的としたアグゥの高い戦闘力に敵MS一機には逃げられるも、MS6機とMAの撃破に成功。しかし、アグゥは戦闘で受けたダメージにより機体は水圧で押し潰されてしまい、パイロットのジャルド・デファイアルと共に失ってしまう。海での高い機動性は認めるが、今後似た機体を開発する際は火力の高い機体との戦闘を想定し、より防御面の強化に力を入れて欲しいだろう……』

 

少し涙目になっていたメモリーは涙を拭いながら報告書を書き終えている頃、艦の格納庫にいるジナも今回の戦闘で唯一回収できたモノの中にあったアグゥの頭部を見つめながら泣いていた。また、ザフトレイのコックピットに隠れて乗り込むエリッサも同じく泣いていた……。

ザムザザーに向けて飛ばしたアグゥの頭部はほぼ無傷で、中の戦闘記録のデータも無事だったとのこと。だが、パイロットを失ったことはジナ達にとって大きな損失になったのかもしれない。

 

ZTT隊で皆から親しまれていたおやっさんはもういない。元バルトフェルド隊の彼はきっと、どこの部隊にいても人気者だったに違いない。

でなければ、彼を想って悲しむ人間がこんなにもいないのだから………。

 

 

一方その頃、ザフトの一部の人間がターミナルを通して意味深なメッセージをある男に向けて送られたーーー
 



『ヨーグルト派へ。

       チリソース派が海でケバブを落とした。

             最後、『コーヒーが飲みたかった』と呟く』

 


メッセージを見た人は『何だ?』と訳が分からない顔をする一方、意味を知ったとある男はコーヒーを静かに淹れていた。

友が好みだった味のコーヒーを自分のマグカップと……もう一つのマグカップに注いで………。
 


「…もう一度、飲ませたかったな…」


砂漠の虎はそう呟き、自分のマグカップをもう一つのマグカップに軽く当てて乾杯するのだったーーーー

 

 

戦争では誰かが死に、誰かが生き残る。人間誰もがそれを知っているというのに、なぜ争いは無くならないのか。

その答えはまだ誰も知らない………。

 

 

C.E.73年12月

戦争はまだ終わる様子が見えない…。

 

『エピソード オブ メモリー 第3話:虎、海戦でも疾風の如く』

 

 

と、ストーリーはここまで。

 

 

今回は初となる戦死者が出てしまったエピソードになりました。

 

「悲しいけど、これ戦争なのよね…」

 

と、あるキャラの台詞の通りです。『エピソード オブ メモリー』のシリーズは今後もこのようなストーリーがありますので。

さて、今回はここまで。使用したガンプラはベースが『ラゴゥ』。一部パーツは『ガンプラバトルアームアームズ』や『インパルス』のスラスター(2体分)、更には『RX-78-2 ガンダム』の『ハイパーバズーカ』の先端や『ストライクルージュ』の『I.W.S.P』の一部のモノ等を使いました。オリジナリティ溢れる作品を今回も出せましたが、今年もこの調子でやろうかと思います。 最後は今回の話でも登場したザフトレイとのツーショットで終えようと思います。では、次回も宜しくお願いします。

さて、今回はここまで。

使用したガンプラはベースが『ラゴゥ』。一部パーツは『ガンプラバトルアームアームズ』や『インパルス』のスラスター(2体分)、更には『RX-78-2 ガンダム』の『ハイパーバズーカ』の先端や『ストライクルージュ』の『I.W.S.P』の一部のモノ等を使いました。

オリジナリティ溢れる作品を今回も出せましたが、今年もこの調子でやろうかと思います。

 

最後は今回の話でも登場したザフトレイとのツーショットで終えようと思います。

では、次回も宜しくお願いします。

蒼き海を舞台に戦場を駆け抜けろ、アグゥ!

コメント

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  1. firefalcon 12時間前

    グーンとは違った魅力があります。

  2. RH少佐 12時間前

    製作お疲れ様です!水中での運用に説得力ある各種ギミックに水中ドラグーンのセイレーン、イカしてます(zaku-kao6)熱いストーリー展開も楽しませていただきました👍

    • ありがとうございます。陸戦タイプのモノを水中戦に変えたという考えは自分でも良いアイデアだったかと思ってます。またセイレーンもドラグーンに対抗するような意味もあってこの名前にしたと言っても過言ではありません。

      このようなオリジナル機体はこれからも登場しますので、是非とも宜しくお願いします。

  3. オリジナル機体、オリジナルストーリー、楽しめました 奥深いコズミック・イラにまた名機が誕生しましたね アグゥ、覚えました ありがとうございます

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