妄想戦線
一年戦争末期、ガンダムとの戦いで最愛の女性であるララァを失い帰還したシャアは傍目に見ても憔悴していた。
そんな彼を痛ましい目で見ていた部下たちは、何とかしてやれないものかと頭を悩ませた。
結論として、ガンダムに勝つしかないだろうという結論に達した。
結論は出たのだが、言うは易しというやつである。
シャアはこれまで何度となくガンダムとは対戦しているが、そのすべてで敗退している。
生半可な機体ではまた撤退する羽目になるだろう。
まあ、すでに白い悪魔としてジオンの憎悪を一身に集めるガンダムから逃げおおせるだけでも結構大したものなのだが、それを倒すためにはそれこそ同等クラスの機体を用意する必要があるのだが、今回は最新鋭でエース級専用機体であるゲルググを使ってなお負けたのだ。
ゲルググを超える機体は今のジオンにはない。
しかも血栓が近いこの時期に新たな機体を一から作る時間もない。
そんなことをっ考えていた彼らの目に、シャア専用ザクの姿が目に留まった。
ゲルググに乗り換えることでお蔵入りしていた赤い彗星のザク、だれもが無言で回収に取り掛かった。
とりあえず、機体前部を追うような装甲を作る時間はなかったので、主要な部分にリアクティブアーマーを取り付けた。
ビームライフルに対してどれだけ効果があるかしれないが…シャア大佐ならきっとやってくれるはず。
次に武装面では機体各所に搭載ポイントを作ることで大量の火器を持って出撃できるようになった。
その分重量が上がっているのだが、宇宙空間では許容量だった。
とはいえ問題がないわけではない。
大量の武器を搭載できるが、その分分使いまわしが難しくなったが、シャア大佐ならきっとやってくれるはず‼‼
そして、06Rの足に取り換え、更にはバックパックに大型のブースターを付けることによってとんでもない推進力を得ることが可能になった。
追加装甲や武器などで増加した重量を推進力でチャラにするどころかさらなる速度をたたき出すという暴論である。
これによって実は三倍ではなく1.3倍であった機体の出力は3倍かそれ以上を達成した。
まさに赤い彗星の異名に偽りなしである。
まあちょっとやりすぎて例のズタのように自壊の可能性がなくもないが…それでもきっとシャア大佐ならやってくれる…はずである。
そんなこんなでガンダムとの最終決戦用にチューンされたシャアザクだが…紫B〇Aなキシリア様のせいでシャアはジオングに乗ることになり、部下たちの努力は無に帰した。
サプライズを企てていた部下たちは泣いた。
結局、このザクはアバオアクーの防衛戦に参加することはなかった。
これだけのハイスペックになるとシャアくらいしか扱えず、下手なパイロットが乗るとそのパイロットの命が危ないまである代物になっていたからだ。
それでもシャアがいればどうにかなったかもしれないが、いないものはしょうがない。
その後、ザクは連邦に鹵獲され、カラーリングを変更して運用される予定だったが、案の定扱えるパイロットがおらず、こんな機体を扱える赤い彗星恐るべしと伝説に一役買ったとかどうとか、ちなみに案の定というべきか最大出力を調べるテストで自壊、空中で大きな花火になって爆散した。
後々このことを知ったシャアがどんな表情になったかを知る者はいない。
最後まで見ていただいてありがとうございます。
ビルドシリーズは余剰パーツが多くて好きです。
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しがないプラモ好きですが、頑張って作ったのでよかったら見て行ってください。
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