MS-06J ザクII 陸戦型

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はじめに

バンダイ MG 1/100スケールキット ザクII J型をディテールアップとAFV風塗装を目標に制作しました。
 私は2020年のコロナ禍で戻ってきた出戻り組です。このキットは2020年のGWより作りはじめ、2020年の7月に完成した復帰第一作目になります。完成品としては2002年以来となりました。
 どんなキットが出ているかも知らず、工法やマテリアル類もわからず浦島状態でしたが、今の時代はネットにいくらでもキット紹介やハウトゥが載っているので、毎夜毎夜ネットサーフィンを繰り返していました。特にYoutubeは当時わからなかった施工法や工具の使い方、新しいマテリアルなどが見れてとても勉強になりました。
 素組で終わらせるつもりも仮組したら出来の良さに感動してディテールアップし始め、ネットで得た知識でAFV風の汚しをしようと思い、それだったらそれっぽい設定を作ろうとディテールを追加したり武装のマウントを考えたりしてこの形になりました。
 考えたこと全てできたわけではないし、表面処理も甘いし、精度は出てないし、不備不満はいろいろあるのですが、出来上がった時の満足感はものすごく、気分は一気に少年時代に戻りました。
 長くなりましたが、復帰第一号、よろしかったらご覧ください。

MS-06J 機体解説 宇宙世紀0079、ジオン独立戦争の開幕とともに革新的機動兵器モビルスーツが登場し、戦争の様相は一気に変わった。

MS-06J 機体解説

 宇宙世紀0079、ジオン独立戦争の開幕とともに革新的機動兵器モビルスーツが登場し、戦争の様相は一気に変わった。

 開戦期に無双を誇ったジオン公国の傑作機、MS-06 通称ザク。戦場が宇宙から地球の地表に移った後もその優位は続いた。もともと地上侵攻を想定していたジオン公国は、宇宙用のモビルスーツを陸上でも使用できるよう開発を進めていた。本格的な初のモビルスーツとも言えるMS-05の流れを汲んだこの06系は、MS史の中でも指折りのバリエーション機の豊富さを誇る。 本機J型もそのバリエーション機の一種である。

 開戦期に無双を誇ったジオン公国の傑作機、MS-06 通称ザク。戦場が宇宙から地球の地表に移った後もその優位は続いた。もともと地上侵攻を想定していたジオン公国は、宇宙用のモビルスーツを陸上でも使用できるよう開発を進めていた。本格的な初のモビルスーツとも言えるMS-05の流れを汲んだこの06系は、MS史の中でも指折りのバリエーション機の豊富さを誇る。
 本機J型もそのバリエーション機の一種である。

 宇宙用の標準機であるF型をベースに開発されたJ型は、航宙機としての装備を地上用に変換および撤廃し、重力下での各部耐久強化、冷却系の変更、ソフトウェアの最適化などが施され、地上用MSとして生まれ変わった。 本機は中期生産型といわれるタイプで、初期型から随時改良が行われており、脚部の耐久性が向上しているのと武装マウント方にも変更点が見られ、対人対戦闘車両用のシステムも組み込まれている。

 宇宙用の標準機であるF型をベースに開発されたJ型は、航宙機としての装備を地上用に変換および撤廃し、重力下での各部耐久強化、冷却系の変更、ソフトウェアの最適化などが施され、地上用MSとして生まれ変わった。
 本機は中期生産型といわれるタイプで、初期型から随時改良が行われており、脚部の耐久性が向上しているのと武装マウント方にも変更点が見られ、対人対戦闘車両用のシステムも組み込まれている。

 無重力での運用とは違い重力下では常にストレスがかかり、腕部を動かすにも下半身の剛性に影響が出るなど、実際運用して得られるデータは想定以上だったようだ。生産時期によってどんどん改良されていたのもこのJ型の特徴ともいえる。特に脚部は剛性、耐久性の強化が顕著である。

 無重力での運用とは違い重力下では常にストレスがかかり、腕部を動かすにも下半身の剛性に影響が出るなど、実際運用して得られるデータは想定以上だったようだ。生産時期によってどんどん改良されていたのもこのJ型の特徴ともいえる。特に脚部は剛性、耐久性の強化が顕著である。

 武装類では脚部マウント式だった三連ミサイルポッドが肩部に移設されているのも実際運用した結果だ。元の脚部だと稜線射撃ができないのと、都市部や森林地帯などの遮蔽物が多い時の使用に制限がかかっていた。何より脚部をターゲットの方向に向けなければならないため、射線だけでなく機動にもかなり影響する問題を解決するためだった。

 武装類では脚部マウント式だった三連ミサイルポッドが肩部に移設されているのも実際運用した結果だ。元の脚部だと稜線射撃ができないのと、都市部や森林地帯などの遮蔽物が多い時の使用に制限がかかっていた。何より脚部をターゲットの方向に向けなければならないため、射線だけでなく機動にもかなり影響する問題を解決するためだった。

 母艦が戦域にいる宇宙戦では戦線維持を僚機に任せ、弾薬の補給や武装の換装も行えたが、機動力が格段に落ちる地上戦ではそれもままならずメイン兵装を複数携行して作戦を行うことも多い。当初はF型のオプションマウントで流用していたが、フレームや関節の強度と同じで、重力下での重装備状態の機動はマウント装置が破損する事故が頻発したため対策が練られた。 マウントアームの強度を出すためバックパックからではなく、より構造的強度のある胸部背面からに変更されている。これは運用データが少ない当時に簡単に強度を上げるための施策で以後の時代にはあまり見られない。

 母艦が戦域にいる宇宙戦では戦線維持を僚機に任せ、弾薬の補給や武装の換装も行えたが、機動力が格段に落ちる地上戦ではそれもままならずメイン兵装を複数携行して作戦を行うことも多い。当初はF型のオプションマウントで流用していたが、フレームや関節の強度と同じで、重力下での重装備状態の機動はマウント装置が破損する事故が頻発したため対策が練られた。
 マウントアームの強度を出すためバックパックからではなく、より構造的強度のある胸部背面からに変更されている。これは運用データが少ない当時に簡単に強度を上げるための施策で以後の時代にはあまり見られない。

 降下作戦配備後、宇宙戦と同じく圧倒的な成果を上げていたMS-06。地球連邦軍の主力戦車61式や基地に設置されている砲台、低空に侵入してくる攻撃機や爆撃機に対しては優位を保てたが、歩兵によるゲリラ戦術で沈められる報告が類発していた。 この機体では、物陰や塹壕に潜み携行ロケット砲で脚部関節を狙う歩兵に対し、強化した各種センサーをF型で設けられていた脚部のスラスタースペースを用いて増設し、股間部の機関砲と連動してターゲットを自動補足、迎撃ができる対地用ファランクスシステムが増設されている。

 降下作戦配備後、宇宙戦と同じく圧倒的な成果を上げていたMS-06。地球連邦軍の主力戦車61式や基地に設置されている砲台、低空に侵入してくる攻撃機や爆撃機に対しては優位を保てたが、歩兵によるゲリラ戦術で沈められる報告が類発していた。
 この機体では、物陰や塹壕に潜み携行ロケット砲で脚部関節を狙う歩兵に対し、強化した各種センサーをF型で設けられていた脚部のスラスタースペースを用いて増設し、股間部の機関砲と連動してターゲットを自動補足、迎撃ができる対地用ファランクスシステムが増設されている。

 ジオン公国軍の地上でのMS-06Jの運用思想は、まさに巨大になった歩兵といえる。のちに登場する運用方法が特化している各種MSとは違い、あらゆる作戦での運用が見受けられ、ターゲットも様々だ。性能は後発の特化型MSに劣るかもしれないが、その汎用性は間違いなくジオン公国軍の地上部隊を支えた巨大歩兵なのである。

 ジオン公国軍の地上でのMS-06Jの運用思想は、まさに巨大になった歩兵といえる。のちに登場する運用方法が特化している各種MSとは違い、あらゆる作戦での運用が見受けられ、ターゲットも様々だ。性能は後発の特化型MSに劣るかもしれないが、その汎用性は間違いなくジオン公国軍の地上部隊を支えた巨大歩兵なのである。

MS-06J 制作ここからは制作中の画像です。工作がほぼ終わったサフ前のチェック時のものです。 途中、毎日何時間も取り組んでいたので、早く完成させたくて仕方がありませんでした。以前、模型を作っていた最後の頃は、完成品を挟んで5体が未完成のまま終わってしまっていたので「途中で投げ出すのでは」と自分に対しても信用がありませんでしたw 無事完成してよかったです。

MS-06J 制作

ここからは制作中の画像です。
工作がほぼ終わったサフ前のチェック時のものです。
 途中、毎日何時間も取り組んでいたので、早く完成させたくて仕方がありませんでした。以前、模型を作っていた最後の頃は、完成品を挟んで5体が未完成のまま終わってしまっていたので「途中で投げ出すのでは」と自分に対しても信用がありませんでしたw 無事完成してよかったです。

 ジャンクパーツゴテゴテの背面ですが、塗ってしまったら何も気にならなくなるというのを学びました。 足首ソール部分をぐるっと囲んで施してある出っ張りは泥濘地での沈み込みと泥の跳ね返りを防ぐためのものです。

 ジャンクパーツゴテゴテの背面ですが、塗ってしまったら何も気にならなくなるというのを学びました。
 足首ソール部分をぐるっと囲んで施してある出っ張りは泥濘地での沈み込みと泥の跳ね返りを防ぐためのものです。

 上の写真より前のものですが、武装のマウントができた時のですね。メイン兵装のマウントは、ザクマシンガンとザクバズーカで選べます。アーム部分を外して基部パーツと差し替えで通常兵装にもできるようにしました。

 上の写真より前のものですが、武装のマウントができた時のですね。メイン兵装のマウントは、ザクマシンガンとザクバズーカで選べます。アーム部分を外して基部パーツと差し替えで通常兵装にもできるようにしました。

 増加前面装甲と自作武装、あと探しに探したスモークディスチャージャー。 スモークディスチャージャーは意外と苦労しました。AFV風といえばコレだよね!って思い、自作したりパーツを探したり、設置場所を延々と悩んだり、、、結果膝横を選んだのですが、宇宙世紀ではもっとスマートに施されているんですね(08小隊のノリスザク、、、)

 増加前面装甲と自作武装、あと探しに探したスモークディスチャージャー。
 スモークディスチャージャーは意外と苦労しました。AFV風といえばコレだよね!って思い、自作したりパーツを探したり、設置場所を延々と悩んだり、、、結果膝横を選んだのですが、宇宙世紀ではもっとスマートに施されているんですね(08小隊のノリスザク、、、)

 WAVEとコトブキヤのディテールアップパーツを組み合わせて、UCのドムが使ってたモノ風のハンドグレネードを自作しました。 切り出しているパーツを組み合わせると完成します。複製技術がないので何度も再現できるよう(のちのグフやドムでも装備させるかもしれないからね)既製品の組み合わせです。

 WAVEとコトブキヤのディテールアップパーツを組み合わせて、UCのドムが使ってたモノ風のハンドグレネードを自作しました。
 切り出しているパーツを組み合わせると完成します。複製技術がないので何度も再現できるよう(のちのグフやドムでも装備させるかもしれないからね)既製品の組み合わせです。

 向かって右側の脚部が汚し前の状態です。 センチネル0079っぽい色味にしたかったので「なかなかよく塗れたぞ」って思っていましたが、ウェザリング施すと(当たり前ですが)どんどん色味が変わっていく!もう後戻りはできないとガンガン汚しましたが、結果やってよかったです。

 向かって右側の脚部が汚し前の状態です。
 センチネル0079っぽい色味にしたかったので「なかなかよく塗れたぞ」って思っていましたが、ウェザリング施すと(当たり前ですが)どんどん色味が変わっていく!もう後戻りはできないとガンガン汚しましたが、結果やってよかったです。

 工作の後の塗装工程は「サフ」「各ベースカラー」「各ハイライトカラー」「部分塗装」「ドッティング」「デカール」「定着トップコート」「ウォッシング」「チッピング」「ドライブラシ」「粉物塗布」「フィニッシュトップコート」多分もっとうまいやり方がある気がする、、、 画像はデカール貼りが終わった状態です。

 工作の後の塗装工程は「サフ」「各ベースカラー」「各ハイライトカラー」「部分塗装」「ドッティング」「デカール」「定着トップコート」「ウォッシング」「チッピング」「ドライブラシ」「粉物塗布」「フィニッシュトップコート」多分もっとうまいやり方がある気がする、、、
 画像はデカール貼りが終わった状態です。

 最後までご覧いただきありがとうございました。 キットの進化(12年前発売)マテリアルや工具の充実(板状ヤスリ、コンプレッサー、ウェザリングカラーなどなど)ハウツーの獲得(Youtube、ウェブサイト)ただただ隔世の感で、見ること知ることが新鮮な毎日だったと思い出されます。 16年ぶりにガンプラに復帰しましたが、完成させられない病も克服でき、とても思い出深い復帰作になりました。 最後にこのような場を提供いただいているガンスタ運営様にもお礼申し上げます。ありがとうございました。

 最後までご覧いただきありがとうございました。

 キットの進化(12年前発売)マテリアルや工具の充実(板状ヤスリ、コンプレッサー、ウェザリングカラーなどなど)ハウツーの獲得(Youtube、ウェブサイト)ただただ隔世の感で、見ること知ることが新鮮な毎日だったと思い出されます。
 16年ぶりにガンプラに復帰しましたが、完成させられない病も克服でき、とても思い出深い復帰作になりました。
 最後にこのような場を提供いただいているガンスタ運営様にもお礼申し上げます。ありがとうございました。

復帰作一作目のザクで「ガンスタ初投稿」見てください(シャクティ)

コメント

  1. this has to be one of the most realistic field modification Zaku’s I’ve EVER SEEN! EXCELLENT JOB!

    • hidet 2年前

      Thank you for your compliment. I’m very happy.
      I added the AFV element as an essence to make it feel real.
      If you think it’s like a giant infantry, this modeling is a success.

      • Could you please post this on r/Gunpla fo discussion?
        also I’m trying to come up with a more suitable name for this modification. How About MS-06JI Zaku Ground Infantry Type?

        • hidet 2年前

          This Zaku is made with the same settings as the Zaku that appeared in the TV series. The interpretation that Zaku I was watching on the monitor was like this in my head.
          Therefore, it is not special with ordinary MS-06J. If I dare to say it, I think it’s a medium-term production type.
          I don’t know r / Gunpla fo discussion. sorry.
          It’s okay to have your friends discuss “What do you think of this Zaku?”

          • In my personal headcanon, I see it as a Zaku J modified and perfected into its own type by FIeld Mechanics and Veteran Pilots. The Orginal Zaku J was just a very basic field modification for use as basic Infantry this would be more the Veteran version, like those photos you see where they have non-standard kit, all sorts of extra bits and ammo etc.

            • hidet 2年前

              When your Zaku is complete, upload it to Gunsta. I’m looking forward to seeing what kind of Zaku it is.
              Since the expression of Gunpla is free, it is interesting to be able to reflect my thoughts.

  2. 74120’5 3年前

    実写映画化の話がありますが、それにはこんなテイストの機体デザインを使って欲しいと思いました。

    • hidet 3年前

      うれしいコメントありがとうございます! 実写化楽しみ半分、怖さ半分ですねw
      デザインの良し悪しは内容次第でどちらにも振れると思いますので置いとくとして、よくできたキレイなおもちゃが動いている感がなければいいなって思いますね〜。

  3. dope 3年前

    はじめまして、完成おめでとうございます😊

    私もメーカーさんから色々と発売されてる便利なツール、そしてハウツーをネットで気軽に調べられるとゆう環境に多いに助けてもらいながら模型を楽しんでいます👍🏻
    しかし、復帰作でいきなりこの完成度はもうただただ凄いと思いました!
    早く完成させたいとゆう逸る気持ちもあったと思いますが、ディテールの精度を上げていくとゆう目標に向かって辛抱強く制作されたとゆうのが感じられました☺️

    長々となってしまいましたが、本当に制作お疲れ様でした✨

    • hidet 3年前

      コメントありがとうございます。いや〜、模型界隈に限ってはホントに便利な世になりましたネ〜。
      このザクを作っているときは自分の技術を思い出しつつも、新しい知識の投入でどこまでできるか測っていた感じでした。手を入れ続けて飽きてしまったらまた復帰にならないだろうなと感じたので、この時点で手を打ちました。4体作って相変わらず精度難ですが、作り切ってしまえばそれなりに見えると妥協ポイントを学びましたw

  4. 4039 3年前

    色も汚しもディテールアップも設定も全て超カッコいいです!
    ミサイルポッドを肩に持っていくアイデア、素晴らしいですね。
    私もかねがね、足に付けるのは兵器としてはちょっとナンセンスだなと思っていました(宙間戦闘での装備ならともかくですが)。
    せっかくの18mという高身長を全く活かせてないですよね。

    • hidet 3年前

      ありがとうございます! 主流の手法ではないですが、汚しテクはいろいろ公開されて以前より敷居が低くなりました。ワタシも4039さんのお考えと同じで、脚では使いづらいだろう、高身長の優位性が活かせないだろう、肩の方がカッコいいだろう、そういう理由でコンバートしてみました。うまくいかなかったら腰の両サイドにマウントするつもりでしたw

  5. 3年前

    これは素晴らしい!!真似したくなる作品です!!工作が綺麗!!

    • hidet 3年前

      ありがとうございます! 真似したくなるだなんて、、、褒め上手ですね〜。工作は今でも精度が甘いのが悩みなのですw ガンスタ通じての初コメにも感謝いたします。

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