はじめに
バンダイ MG 1/100スケールキット ズゴック量産型をプロポーション変更と海洋迷彩を目標に制作しました。
私はコロナ禍の影響で2020年のGWから復帰した出戻り組です。復帰する前は16年の断絶があったのでその間に出たキットの詳細を理解していませんでした。そのため単なる色変えキットだと思っていたので、後発キットにあたるシャアズゴの改良点を知ったときにはショックでした。知っていたらシャアズゴ買ったのに!
幸い(?)組み立て途中でズゴックの一部パーツをもう一組欲しくなったのでシャアズゴを追加で購入し、ブラッシュアップされた該当パーツを差し替えました。なのでMGズゴック同士のミキシングという謎ムーブが発生。
現代の目で見ると大味なアニメロボであるファーストデザインを、幾分でも『リアルっぽい雰囲気』を出すために改修するのですが、その指針としての方向性はポケ戦の「ズゴックE」です。ズゴックEとハイゴッグは、怪獣的要素のファースト水陸両用MSたちを局地戦用特化メカとして上手に昇華させたと思っています。ですがズゴックEを作りたいわけではないのでズゴックEぽさがあるズゴックを目指しました。
また前置きが長くなりましたが、復帰二作目、ぜひご覧ください。
MSM-07 開発経緯
ジオン軍は、第二次降下作戦で制圧したキャルフォルニアベースにおいて鹵獲した地球連邦軍の潜水艦をベースに、MS運用ができるように改修した「ユーコン級潜水艦」を進水。それと同時に開戦前からサイド3の海洋バンチで開発されていた水中運用可能なMSを配備して、潜水母艦と水陸両用MSという組み合わせの海洋機動部隊が誕生した。ジオン軍は、地表の7割を占める海洋を制することは、地上を制することと信じて疑わなかったために、その後小さくないリソースを割き水陸両用MSの開発を行っていくことになる。
ジオン独立戦争開戦時のジオン公国内は挙国一致体制となっており、企業ごとバラバラに担当していた兵器群も、各種検証データの共有など、お互い協力しあい日進月歩の勢いで進化を果たしていた。
軍がMSM-07に要求した性能は、水中戦を行えるのはもちろんのこと陸上戦でもMS-06J以上の機動力と戦闘力、ビーム兵器の実用化、MSM-03よりも小型で軽量な設計というものだった。
水中機動ではゴッグの整流効果に劣る結果となっているが、上陸後の陸上戦ではMS-06Jを超える機動力で火力、装甲ともジオン独立戦争期の地上運用されたMS群の中では高性能を示す。
先行開発配備されたMSM-03は、上陸時の低機動帯に狙い撃ちされる状況下で、水中での水圧に耐えるための堅牢設計が、数発耐える重装甲として役にたっていたのだが、過装甲および重量過多のため、陸上での機動力はMS-05にも及ばない鈍重なものだった。そのため機動中のジェネレーターは常に高稼働状態が続き、高出力なメガ粒子砲も加わり、上陸作戦でのタンク役を期待されていたが、陸上での継戦能力は低かった。
そこでMSM-07は、MSM-03より小型化設計で軽量化に成功した結果、ユーコン級潜水艦のみならず、ガウ攻撃空母に搭載しての空挺揚陸作戦にも使用できる汎用性を得た。軽量化により各部負担も軽減し結果、耐久性の向上をもたらしている。
MSM-07 装備解説
武装は、MSM-03のメガ粒子砲より出力は抑えられたが、収束率が上がり、命中率が向上、射程距離が延び、連射が可能になったメガ粒子砲を両腕に装備。
装弾の種類によって雷撃、対地、対空で使い分けが可能な6連装240mmロケット砲(6×3発)を頭部に。
近接格闘用の武装としてアイアンネイルが両腕に装備されている。ズゴックのパワーと伸縮機構を利用したアイアンネイルの刺突は、うまく決まれば一撃でMSを仕留められるほど強力だった。
余談だがジオン独立戦争期の水陸両用MSのほとんどが、マニピュレーターではなくクロー状のものが採用されているのは、水中でのマニピュレーター運用に弊害が多いのと、艦艇を沈めるのに物理的なアタックが最も容易でコスト的に優れているためである。
水中推進器は背中に背負った二機と足裏の二機が担っている。陸上に上がってからは腰回りに配置された大小7機のロケットブースターの推力によって跳躍が可能で、中には頑強なボディ構造を利用して水平機動の物理的アタックに利用するパイロットもいたようだ。
速やかに上陸するために、強襲揚陸するためのオプション装備ラケーテンガルテンと、腰部周りの7発のロケットブースターの組み合わせを用いて、海中から一気に飛び出し目的地まで短距離飛行を行う運用で、上陸時間を圧倒的に縮めることに成功した。
プロトタイプは胸部前面に廃熱フィンが設けられていたが、前面打撃への耐久力を上げるため、排熱、吸水、排水時に引き出されるボックスタイプへ変更となり、それに伴い背部左右に排熱ダクトが設けられた。
背部に突起したシャークフィンはラケーテンガルテン使用の上陸ダイブ中の姿勢制御に使われるほか、フィン突端には観測プローブが装備されており、ワイヤーを引き出し浮子の要領で海上に浮かべて、海中に潜伏しながら水上の様子を伺うことができる。
頭頂部と腰部前面にはソナー及び各種センサーが、水中航行時のライトとカメラが背部上面に設けられているほか、胸部前面と腰部前面に自機を隠すための、そして両肩後方には目標へ撃ち込む用と2種類のスモークディスチャージャーを装備している。
MSM-07 総括
要求された性能確保のため開発が難航したMSM-07ではあったが、その苦労の甲斐あってかジオン独立戦争期における水陸両用MSの中でも最も完成されたMSとなり、海洋の王者として君臨する。そしてその後の水陸両用MSの開発停滞もあり、ジオン軍残党だけでなく鹵獲運用した地球連邦軍ともに、戦後も永く使用されたMSとなった。
背中に背負った推進器は設定上では、熱核水流ジェットと化学燃料ロケットのマルチ推進器なのですが、個人的にそんなものが成り立つ(成り立っても性能が満たされない)のかと疑問があったので、自己設定として役目を分けました。背中の推進器はスクリューとおぼしきパーツもあるので水流ジェット推進器とし、ロケットとしての役目は腰部に。股下三発だけでこの巨体を飛び上がらせるのは難しそうだったので四発追加しました。
頭部の六連ロケットも装填数は30発設定なのですが、スペース的に無理だろうということで18発(これも無理そう)という設定です。
そのほかにも私の設定はオラ設定だらけなのでこのページに書いてあることは何も信用しないでください
MG量産型ズゴック 制作
このズゴックは前作のMGザクver.2.0に次ぐ復帰二作目で、生涯で完成させた二作目のズゴックでもあります。簡単に作るつもりでしたが、結果は一年で完成させた四機のうち最長の3ヶ月半ほどかかりました。
改造のアイデアの大部分は制作開始初期に思いついていたもので、その後は延々と工作していたので、もう終盤は終わりにしたくて仕方ありませんでした。
蛇腹腕部と脚部は水中航行形態に差し替えで実現しようとか、ズゴックEのように肩アーマー設けようとかロケットブースターパックの強襲揚陸仕様のほか、差し替えで雷撃戦仕様とかアイデア的にはあったのですが、今回も我慢できず、制作3ヶ月を迎える頃には、制作を終わりにするために行くつかのアイデアは諦めて塗装工程に入りました。
各部の主な改造箇所
・胸部プロポーションをパテで変更
・胸のフィンダクトをボックスタイプへ、背部に廃熱ダクト増設
・背部に航行時用のライト類
・背中のフィン設置とフィン先には偵察用プローブ
・腰部パーツを切り刻んだり盛りつけたりでボリュームアップ、前後インテークはプラ板で作成
・股下&お尻にロケットブースター増設
・ブースター付きサイドアーマーはパーツ取り用で購入したキットのパーツを組み合わせてそれっぽく
・ふくらはぎに吸水口をジャンクパーツで設置、ふくらはぎサイドに吸水口を開口
・オプション装備ラケーテンガルテンを作成
・全身にディテールアップおよびディテール追加
パーツどりのために、安いキットを二つ購入したのですが、思った感じにならず、結局MGを追加してミキシングするという見た目と内容の割にはコストがかかりました。
実際使ったパーツは蛇腹腕部と脚部パーツ以外では、たったの5パーツですが、モノアイパーツを切り出していないのにランナーごと捨ててしまったり、モノアイガードのクリア吹きを失敗してしまったり、外装パーツを拭くときに装着しておける塗装用のフレームを用意できたり、塗装用テストピース(未使用)と以外と多く使用しているので追加のズゴックも成仏してくれたと思い、、、ます。
プラ板工作した腰部の前後インテークや背中のシャークフィン、プラパイプから作ったらケーテンガルテンなどプラ材工作は、経験不足の割にまあまあ満足できました。ダメだったのは表面処理と左右対称にする成形力と整形力ですね。
ラケーテンガルテンは使い捨て設定なのでパージできるように作っています。
ダブルアクションハンドピースの扱いに慣れていない(二作目)ため細吹きがうまくできず、海洋迷彩は想定よりぼんやりした仕上げになってしまいました。胸部の波紋迷彩は言われなければわからないぐらいになってしまったのでこちらもイマイチでした。全体的な色味としては狙った感じになっていると思います。
ザクで汚しすぎたと反省した結果、ズゴックは控えめになってしまいましたが、こちらこそもっと汚してよかったのかなと思います。
前作のMGザクJ ver.2.0の後を受け2020年7月下旬より取りかかり11月7日に完成しました。
終えた後に思うのは工作も塗装もいろいろ中途半端だったのですが、完成してみるといろいろいじった割にちゃんと普通にズゴックに見えるので、うまくまとまった感じで結果的にすごく気に入った作品になりました。
復帰作二作目のズゴック。我ながら長文ウザいけど見てください(シャクティ)
コメント
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今回も詳細な設定と見事な工作に感服しました。
水陸両用兵器の役目を考えると、どれも非常に説得力を感じる改造だと思います。
量産型とシャア専用って色替えだけじゃないんですね!私も10年以上ブランクがあり知識不足なので、いい勉強になりました。
この作品の一部になれたのであれば、バラバラにされた赤ガニも本望だと思います(笑)
ポケ戦は水陸両用MSがイロモノやられキャラではなく、特化キャラなんだって描写した良い作品でした。強襲揚陸の仕方など納得、興奮ものでしたからね。
パーツ採りにキットを潰してしまったことをしばらく悶々としてましたが、終わってみれば結構利用したので成仏してくれたと思いますw
海洋迷彩がいいですね。最後の見上げるアングルも良いですね。
お褒めいただきありがとうございます。狙った通りできず失敗だったんですが、完成したらこのぼんやり感も悪くないなって思えているので結果オーライですw
ゴッグにも負けないガッチリ体型。どことなくゼ―ゴックとの関連性もありそうなデザインですね。
コメントありがとうございます。エントリィ!!!って見ながら作っていましたw
人類がガンプラを生み出してから40年、人はキットを買い、組み上げ、そして積んでいった、、、
若さゆえの過ちを繰り返し、時代を作るのは老人ではないと知りつつも、自身の足跡をこの電脳領域をお借りして記録しておこうと思います。
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