HGUC?　MA-04XBビグレロ

そして今月のお戯れ「月刊GUNSTAエース2025新年1月号」!!!!

蒼く輝く炎で〜♪ビグレロアップ！

GUNSTAで知りましたがケリィさんって人気なんですね。GUNSTA内でも物語を作る方が増え、コラボで一緒に表紙になっていただける方がいたらコメントお待ちしてます〜(^_-)-☆

では宇宙の挽歌第三幕ラストのepisode5、デジラマストーリー行きます！

UC:00079、11月後半。ティアンム艦隊先遣隊の護衛で出撃したホワイトユニサスの艦隊はトライバル隊と交戦。戦力差で地球連邦軍側が有利であったが、トライバル隊の実戦経験と練度の高さ、更にケリィ・レズナー駆る試作モビルアーマー「ビグレロ」を前に圧倒されてしまう。

チェスターもカスタムされたガンダムで出撃するが、友の死を目にしトライバル隊指揮官であるモアのドム試作実験機に手も足も出ず窮地に陥る。ラストエピソードの結末は如何に!!　

ではどうぞ〜！

「敵未確認機動兵器、接触します!?」

「総員耐衝撃用意!!」

サラミス級巡洋艦ツシマのブリッジ要員は皆姿勢を低くし、身近な固定物を掴む。すると黄色い化物はブリッジ前を掠める様に抜けていった。一瞬、ただのニアミスかと思いきやサラミスの船体中央が勢いよく爆発し、破片がブリッジの前面窓に突き刺さる。

(…よし!)

ケリィは心の中で手応えを感じた。ビグレロはすれ違いざまに両腕部のヒートクローを展開し強力な斬撃を与えていた。高機動を特徴とするMAでは、対MSにおいてこの武装は大き過ぎ、敵を捉えるには不向きであるが艦船クラスの的なら一撃離脱の強襲にはうってつけの装備であった。サラミスには文字通り大きな爪痕が残り、そこから火の手が上がる。ビグレロはもう一度仕掛ける為、旋回し攻撃準備に入る。ケリィは旗艦と思われる白い戦艦を狙うが、上手く軌道に合わない。敵も手練れのようだ。MAは人型のMSと違い細かい機動は出来ず、常に進行している為に一撃離脱が主となる。その場合、一つのターゲットを再度狙う際の軌道の描き方としては、必然的に8の字の様になる。この白い戦艦はその8の字の軌道から少しづつズレており、ビグレロの照準に合わない様、回避運動をしていた。

「…あの白いの、敵ながらやる…!」

そして再度の攻撃を防ぐべく、ゼノのジムスナイパーカスタムとトムのコマンドボールが旗艦直衛に入る。

「ハイマン少尉、聞こえるかっ?!サーペント01だっ!!返事をしろっ!!」

トムは力なく漂うG-3ガンダムに大声で呼び掛ける。

「…サーペント?……ス、…スクリット教官…」

「そうだっ、しっかりしろ!!」

返答からトムはチェスターが戦意喪失に陥っているのを感じ取った。

「………バルと…バルとミッシェルは…?」

「言った筈だ!!お前も引っ張られるぞっ！」

「………っっ…!?」

止まっていた涙が感情と共にまた溢れ出す。

「いいか、よく聞けチェスター。俺は教官としてお前達に人の殺し方を教えたんじゃない。『生き残る術』を教えたんだ」

「………」

「この戦争の行く末なんか俺には分からん。だが、いつの世であっても可能性のあるお前達若者やこれから生まれる生命が無碍にされていい訳がないっ!」

「…………」

「現実は無情だ。この戦争では一部の馬鹿のおかげで死ななくてもよい生命が数多く絶たれていった。この宇宙で輝く星の数程だ」

「…………」

「しかし、人の光は生きてこそ輝くのだ。死んでしまっては自分も周りの者達も闇に包まれてしまう。だから生きて輝き、その道を照らしていかねばならん!!貴様達若者にはその責任があるっ!!」

「………光？」

「死ぬ気で生きろっ、チェスター・ハイマン!!俺からお前に教える最後の言葉だ!!」

トムはそう言うと通信を切る。そこへゼノのジムスナイパーカスタムが近づく。

「…アイツ、できる子なんですけどね」

「私もよく知っている」

「盗み聞きするつもりはなかったんですが…、すみません…」

「…構わんよ中尉。ヤツもあの艦でよい人間と出会えたようだ。チェスターを頼む」

「…よしてください少佐殿。あって間もないのに荷が重すぎですって…」

ゼノは察した。この人はあのモビルアーマーと刺し違えるつもりだと。

「あんたにも期待しているんだ。腕が立つのは分かるが、まだこちらの領域には達していないな…」

(……言ってくれる。どうしてこう歳を重ねると素直になれないかね)

ゼノは唾を飲むとそう思いつつ、敵モビルアーマーの攻撃に備えスロットルレバーを強く握る。

「俺が撃ちますっ!」

ゼノはモビルアーマーが照準に入るとビームライフルで狙い撃つ。するとモビルアーマーは避ける様子なくそのまま直進しビームを迎えうつ。

「何だっ、弾いたっ!?」

ゼノは目の錯覚かと疑った。確かに直撃のコースだった筈がビームは敵機の手前で四方に散らばった様に見えた。

「耐ビーム!?ならこっちの番だ。中尉は引いてもらおう！」

トムは前に出ると上部主砲で狙いを定める。

「真っ正面からやり合う気ですか!?」

「あれを仕留めるには至近距離で充分引きつけ全てを出す必要がある！」

「だからって!?」

「中尉は離れろっ、アイツを頼んだぞっ！」

「クソっ！」

ゼノは敵モビルアーマーと衝突を避けるため後退した。

「………っっ!!!?」

トムがトリガーを引こうとした時であった。敵が先手を打ちグレネード弾を放ち爆風でコマンドボールは煽られる。そのまま姿勢制御ができず後ろへ回転すると、それをビグレロの巨体が体当たりし弾き飛ばした。忽ちコマンドボールは飛ばされると破損した所から炎を噴き出し爆散した。

「…チッ、教鞭たれる人間がこんな後味悪い事をっ…!」

ゼノは舌打ちすると通り過ぎたビグレロを狙う。しかし、目の前を通り過ぎたその速さを前に狙いがつけられなかった。ビグレロの脅威は一旦収まるが戦闘はまだ続いている。

「……きょ、……教…官?」

チェスターは戦場の藻屑となったコマンドボールを見ると、自分の中で何か糸のような物が切れた音がした。

(…教官、…バル、…ミッシェル、……そんな、…そんなっ…!?)

G-3ガンダムは背部のツイン180キャノンパックをパージするとビームサーベルを抜いた。

「……ウアァァァァァっっ!?」

チェスターは絶叫し、無我夢中で力の限りスロットルを押し込むと自分の前に立ち塞がるモアのドム試作実験機に斬りかかろうとする。

「直線的な動きだ…」

モアはG-3ガンダムの大きな一振りを避けると、その右腕を切り落とす。ガンダムの装甲には新材のルナチタニウムが使用されており、そう簡単には破壊されない筈だが、モアの一撃は確実に芯を捉え一瞬にして腕部を寸断する。

チェスターはこの時、何が起きたか理解していなかった。モアの立ち回りが上回るだけでなく、今のチェスターは冷静さを欠き正常な判断が出来ずにいた。G-3ガンダムはまだサーベルを持った様に腕を振り回しドムへ攻撃しようとする。

「まるで何も見えていない…!」

暗闇の中で必死に藻掻くようなMSの姿にモアは憐れみさえ感じた。

「貴様のその苦しみ、断ち切ってやるっ…!!」

ドムはガラ空きの胴体部に勢いよく足蹴りすると、ガンダムは吹き飛んだ。コクピットにまともに衝撃を受けたチェスターは気を失う。切り落とされた右前腕部は電源カットがされず今だ炎を上げたままだ。

(……俺は、…いや、俺もこのまま…)

チェスターはこの果てしない宇宙空間に飲み込まれていく感覚がした。そこには光や温かさはない。ただ冷たく何も無く真っ黒い世界が視界に拡がっている。人の終わりとはこんなものだろうか。実に呆気ない。

「ホワイトウィング02、左舷カタパルトデッキに不時着しますっ!?」

ホワイトユニサスのオペレーター、エリー・スワンナは興奮気味で艦長へ報告する。

「こっちでデッキをガンダムに合わせろ!!上手く受け止めてやれっ!総員衝撃に備えっ!!」

艦長のイズモ・アキヅキはブリッジ内のクルー全員に命令する。イズモも頭上から火を吹き落下してくるG-3ガンダムを確認した。

(ありゃ、不時着というより墜落だな…)

「チェスターっっ!!!!」

ドムがG-3ガンダムへとどめを刺そうとすると、1機のMSが雷の如く近づき、それを阻止した。

「っ、何だ?」

突然の奇襲だがモアも反応しヒートホークで攻撃を受けとめる。

(私が気配に気付けなかっただと…?)

モアは振り払うと距離を取ろうとする。しかし連邦軍のMSは攻めの姿勢を緩めず、ビームサーベルで再度攻撃する。

「……チェスター返事をしろっ!姿勢を直せっ!!」

ゼノの叫びはチェスターには届かなかった。彼は今、ただ一人暗い宇宙の闇を彷徨っている。

「…このバイザー付き、悪くない…」

モアはジムスナイパーカスタムの剣撃を軽々と受けつつ、敵の力量を測っていた。2機は絡み合うように翔び、周りが援護できない位の激しい格闘戦を繰り広げる。

「こちらシュヴェーアトヴァール08。トライバル・リーダーへ」

「こちらトライバルリーダー。どうした?」

「残り燃料が少なく戦闘継続が難しくなりました」

ケリィは計器を見てモアに状況を伝える。

「そろそろ潮時か…」

「こちらではサラミス2隻、他MS、戦闘ポッドを複数撃墜しております。ただ試作のＩフィールド発生装置は不安定です。短時間かつビーム砲との併用にジェネレーターが追いついていません」

「戦果としては上々のようだな。Ｉフィールドは実戦データ取りにはいいだろう。撤退信号を出す」

モアも攻撃の手を止めると、信号弾を打ち上げ全機へ命令した。

「こちらトライバルリーダーから全機へ!作戦終了。全機帰投せよ!」

「デッキの人間は救出と消火を急がせろ!」

「了解っ!」

G-3は今だ延焼しており火の勢いが止まった左脚部もいつ再度爆発するか分からない。

「艦長!!敵MSが撤退していきます!!」

エリーに代わり航宙士のロルフ・スクレイドが報告する。光の尾が次々と地球の方向へ向かっていく様がブリッジからも確認できた。

「…手痛くやられたな」

副艦長のレイ・ローランドは苦虫を噛み潰した表情を見せる。

「……やれやれ、なんて恥をさらしてしまったかね。こりゃ、お呼び出しは免れないかな」

イズモは艦長シートにもたれ掛かると大きく溜め息をついた。

「スワンナ曹長、被害状況を報告」

「…あっ、はい!サラミス級巡洋艦『ツシマ』『ナイロビ』が撃沈、『ドレスデン』『アンカレッジ』が中破、ジム及びボールは被害多数ですが数はまだ未確認です」

「そしてガンダム中破か…」

レイはブリッジからクルー達が懸命に消火作業している左舷カタパルトデッキを見下ろした。

「サーペント01は?」

イズモが問う。

「……識別信号確認できません」

「…そうか、救出作業を急げ。ルナツーにも救援要請を出してくれ」

イズモは前屈みになり手を組むと暫くの間、口を閉ざした。

「……俺は…生きて…、いるのか?」

チェスターは微かながら意識を取り戻していた。周りでは何やら俺を呼んでいるようだ。そして目の前には自分と戦ったジオンのMSがこちらを見下ろしている。現実か幻覚か。もはやそんな事はどうでもいい。今はただ目を開く事さえしんどい。身体は鉛のように重く所々が鈍く痛む。

(…またあのMSと出会ったら俺は死ぬんだろうか?)

そんな事が頭を過ぎる。

(…戦わなくてはならないのか…、今度は誰が…いなくな……)

チェスターはまた意識が遠退くと、静かに目を閉じた。

〜to be continued〜

ご覧いただきました皆様ありがとうございました！

第3幕完走いたしました(´；ω；｀)

ここまで頑張れたのも、見てくださったりコメントしてくれたGUNSTAユーザーの皆さんに感謝です

ヽ(=´▽`=)ﾉ

ではラストエピソードでのご紹介は『ビグレロ』です!

旧キットザクレロを改造しオリジナルMAを作製しました。個人的にザクレロがモノアイならどんな感じになるかとイメージし改造しました。

今回は色んな所のキットからパーツ取りしてます。

名前の由来は

ザクレロ…母体となるMA

ビグロ…クロー部分

ビグザム…Ｉフィールド装備

の3つの特徴を混ぜて命名しました。

塗装前ですが顔はパテでほぼ新規造形ですね。初めてここまでパテを盛って作りました

(；・∀・)

口からは元のビーム砲だけでなく2連グレネードランチャーが飛び出してます。腹部にはガトリング砲もあり、背中の四角いのはミサイルポッドです。劇中では全武器は使いきれませんでした。

因みにビグレロは試験用Ｉフィールド装備の設定でクロー中心の金色の部分が発生装置としてます。

何より苦労したのは胴体延長するのに真ん中を1㎜プラバンを積層した所です。とにかくこれを成形して削るのが、半端なく大変で手の皮が捲れました

(TдT)

では最後のお知らせです！

「宇宙の挽歌」特別編を来年よりスタート(予定)いたします!!!!

(｀･ω･´)ゞ

本編の第3幕と第4幕を繋ぐ物語で、ホワイトユニサス隊とトライバル隊は少しお休みですが、皆さんご存知のガンダムキャラクター達が出演します！特別編だからって総集バンク使い回しなんてしませんからご安心くださいwww

更に年内にGUNSTAエース特別号を出す予定です！これはこの時期にやりたいデジラマがあり、その為の作品を鋭意制作中です(； ･`д･´)

この時期に見たい宇宙世紀ガンダム作品と言えばお分かりですかね♪

また見てくれたら嬉しいです！

(人∀・)ﾀﾉﾑ