1000年の目覚め〜U.C.0975〜

「ガンプラ凄技テクニックHG編」を参考にウォッシングを施し、ドックはサビを表現、ガンダムはサビずに堆積した埃と風雨による汚れを表現しました。

Twitterにも載せております（https://twitter.com/1979_rx/status/1354682296125644803?s=21）

また、2020年から1000年後なので謎の植物を絡み付けて年月の経過を表現しています。実際に1000年経過したらガンダムもドックも崩壊して跡形も無いとは思うのですが、そこは1000年後もガンダムという文化が残っていて欲しいという願いを込めています。

【妄想設定】

宇宙世紀0975。

人類は幾度もの大きな戦争を潜り抜け、いまや居住圏を金星から土星にまで広げていた。総人口は1000億を超え、そのうちの3割は「ニュータイプ」となり人類の文明は新たなステージに移行していた。宇宙世紀初頭ではごく少数しかいなかったニュータイプが増えたことにより、その高い感能力によって人間の本質が魂であることを証明。かつては宗教によってのみ伝えられてきた霊界の存在も常識となり、人生はこの世限りではないという考えが浸透した結果、大規模戦争が根絶。それから200年が経過していた。

【妄想設定2】

ニュータイプの持つ高い感能力には個人差があれど、初歩的なものであれば瞑想や心の統御を学ぶことで誰でも身につけることが判明している。それでも未来が見えるような超能力に匹敵するほどの力を持つ者はほぼおらず、もはや神話の時代のニュータイプであるアムロ・レイのような者は皆無だった。そこで人類は機械的に感能力を高める技術を構築し、ニュータイプ能力が開花しない者でも短距離におけるテレパシーなどは一般的なものとなっていた。

【妄想設定3】

ただ、やはり距離は文化、技術だけではなく人の心も離れさせてしまう。
ニュータイプ技術は技術革新に繋がり、宇宙空間にある高速次元空間を感知できるようになった人類は数光年の距離であれば数日での移動が可能となっていた。ただ安全面から外宇宙まで探査にいくのはニュータイプの中でも特に能力の高い者に限られていたため、まだ人類は太陽系から外へ行くことはなかった。
よって地球圏からもっとも遠い居住地は土星圏となり、太陽系開拓の最先端はここであった。ただ、あまりに母なる星から離れすぎており、太陽の恩恵が薄い地域に暮らす人々の心にも光が届きにくくなっていく。

【妄想設定4】

土星の開拓は水素やヘリウムなどの資源および、各衛星から採取できる鉱物を使って新たなコロニーの建設および資源を地球圏に運ぶことにある。かつて月の裏側サイド3で起きたような人権を主張する運動が考えつかないほど遠い土地で、一人のニュータイプが生まれた。男の名はアロンツォ。衛星エンケラドゥスでの作業中、突如吹き出した間欠泉によって顔に大火傷を負ってしまう。その引き換えに高いニュータイプ能力に目覚めることとなった。しかし、自身の不幸を呪うあまり、人が覗き込んではいけない深淵に触れてしまう。

【妄想設定5】

人の欲望は太陽系を超えて銀河をも喰らい尽くそうとしている。人の本質である魂は共存共栄を求め、より高次なる発展を求めているというが、本当なのか？ただのエゴが行き着いた結果ではないか？魂があって神が見つからないのはなぜか？アロンツォのニュータイプ能力が銀河の声を拾う。心の光、魂の幸福など幻想。生命は他を食らい尽くすように作らた。神は生命の共食いを酒のツマミとしているのだ。ならば生命としての使命を果たせ。人は人と争うのだ。
アロンツォは「ソーレ・ノッテ党」を設立。人の使命とは平等幸福であるというスローガンを掲げて戦闘コロニー「サトゥルヌス」を開発。14億人もの同志を従えて地球圏へと侵攻を開始した。
人類にとって100年ぶりの戦争がはじまりである。

【妄想設定6】

地球圏のニュータイプたちによって土星圏の暗い影はすでに察知されていた。しかし、200年以上大きな争いがなかったために軍事産業は衰退しており、戦闘用のMSは一年戦争時ほどの性能にまで低下していた。軍艦もなく、防衛船という小規模テロ組織用の小型戦艦があるだけで「ソーレ・ノッテ党」率いる戦闘用MSおよび軍艦に対抗しうる兵器がなかった。そのため、電撃侵攻してきた「ソーレ・ノッテ党」はわずか3ヶ月で地球の半分を支配。地球圏のサイド郡も次々と降伏していった。

ソーレ・ノッテ侵攻から6ヶ月。
遥か昔、日本と呼ばれた地域は経済特区として地球と各惑星における貿易の要となっている。トーキョー港、ヨコハマ港は地球有数の宇宙港でもあるため、ソーレ・ノッテもかねてから奪取のための動きを見せていた。

ついいソーレ・ノッテのMS「リゼス」3機がヨコハマ港に威力偵察をしかける。街と港が焼かれていくなか、MS高専に通う17歳の少年マサキ・イシイはリゼスの攻撃によって抉られた地面の中に古いドックを発見する。そのドックは蔦のような苔に覆われていた。マサキはその中に白い白鳥が飛んでいくのを見てドックへと走る。
ドックには見たこともない古いMSが屹立してる。最初期のMSで操作系統は操縦桿を使うクラシックなもの。エンジンが外部にあり、MS本体とはケーブルで繋がれていた。
再びリゼスの攻撃で大きく揺れるドック。このままでは死ぬと感じたマサキはコックピットに乗った。ここなら死なないかもしれない。しかし、座席に座った途端にMSが起動してしまう。状況に混乱するマサキ。するとモニターの向こう側に古い連邦軍の制服を着た少年が空に浮かんでいるのを見た。
少年は声を出さず「ガンダム」とマサキに告げる。
「ガンダム？こいつの名前か？これで何をしろっていうんだ？」
少年は何も言わずに消える。直後、ガンダムに気付いたリゼスが接近してくる。
無我夢中でコンソールパネルに触ると、ドックごと地上へと上昇。追いかけてくるリゼス。何か武器はないか？コンソールパネル右下には背中に刺さっている２本の筒が点滅しているのが見えた。右側の筒をタッチ。コンソール左上に「ビームサーベル　アンロック」と表示されたがマサキは見ていない。
モニター正面に迫るリゼスがビームアックスを振り上げる。
「このおおおおおっ！」
マサキが無我夢中で操縦桿を前に押し出す。ガンダムの両目が光り、ケーブルで繋がれている熱核エンジンを引きずりながら前に出た。
それを見たリゼスが一瞬怯む。ガンダムはビームサーベルを引き抜き、スパークと共にビーム刃を発生させてリゼスを両断した。
爆風がガンダムを包む。ガンダムおよびドックに絡みついていた苔のほとんどが吹き飛ぶ。
実に1000年の時を超え、白いモビルスーツ「ガンダム」がヨコハマで再起動した瞬間だった。

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妄想設定は以上です！
長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございます！
以下、制作内容およびコンセプトなどを書いております。

横浜ガンダムことRX78F00を生で見て、すぐにこれを作ろうと思い立ちました。
コンセプトは「1000年後の横浜ガンダム」よって強めのウェザリングと、ドックに植物を絡みつかせることは最初から決めていました。また、100円ショップでLEDがあったので電飾も初挑戦することにしました。
もともとはガラスジャーなどに入れて光る小物をつくるためのLEDですが、光る部分がかなり小さかったので、これを使おうと決めました。
なんとか押し込んだのは写真の通りですが、頭部は目だけ光らせたかったのが、頭の下や、パーツのつなぎ目から光が漏れてしまっています。
胴体は腕のつなぎ目から光りが漏れるも、胸部ダクトからはあまり光が漏れず思うようにはできませんでした。
とはいえ、電飾を仕込めたという点は良かったと思っています。

ドックのサビ表現です。ガンプラ凄技テクニックHG編のドムを参考にしています。
工程としてはベースカラーとしては明灰色をざっと全体に塗る→ウェザリングカラーのグレイッシュブラウンを薄めて塗る→スポンジチッピングでレッドブラウンを全体にまぶす（強めに）→タミヤウェザリングマスターのアカサビをピンポイントにこすりつけます。このときアカサビは角といより、面の中央付近およびレッドブラウンの縁につけることでリアルなサビの出方を狙いました。

続いてグリーンモスです。ダイソーで購入したものをほぐし、蔦のようにみせるため余計な部分を指でブチブチと抜いて木工用ボンドでつけました。木工用ボンドにしたのは乾くと白い部分が透明になって目立たなくなること、瞬間接着剤だとつけたあとの修正が難しいためです。

ガンダムドックの地面にクラックを入れたくて、水のり塗装をしてみました。
工程としてはベースカラーとして明灰色を塗る→水のりを塗る→水のりが乾く前にフィールドグレーを塗る→乾くとクラックして下地の色が見えるようになります。
が、色々失敗していて1枚目はレッドブラウンを下地に塗ったのですが、水のりが乾いてから色を塗ったためにクラックが発生しませんでした。
二度目は水のりが乾く前に塗ったのですが水のりの量が多すぎたために大きなクラックがいくつかできただけで、理想とする細かいクラックにはなりませんでした。
クラック塗装については別の方法として水性サーフェイサーの上から、アクリジョンのベースカラーを塗る方法もあるらしいので、再チャレンジしたいと思います。

平手の改造です。
ガンプラは手で感情を表現すると考えているので、平手がついているキットではいつも改造しています。また、ビルドハンドパーツの平手を流用することもあります。
今回は起動直後なので静か決意といった趣で、ビームサーベルおよびシールドをつかめるような手の形としました。

ガンダム本体のウェザリングです。
工程はドックと違ってベースカラーを塗りません。本体そのままのカラーを活かします。ただ、F00は多数のモールドと塗り分けが特徴なので塗り分けられている部分は最初に塗りました。その後はマルチホワイト→グレイッシュブラウンで全体を汚し、ウェザリングマスターのマッドやススを各所にこすりつけました。塗装が荒い部分に強めの汚しをいれることでごまかしています（腕など）。
また、横浜ガンダムをみたときに現代の大仏を見上げたような感動があったので、後光として円形の針金をつけました。
それにともない、目立たない箇所にではありますがゴールドをドライブラシで塗っています。

ガンダムドックの全体像です。
正面の文字が入っている部分はとくに見てほしいところで、これはシールの上からウェザリングをほどこして経年劣化感とサビをうまく出せたと思っています。
グリーンモスのモシャモシャ感はもっとあってもよかったかなと思いつつ、せっかくつけたサビ感を隠しすぎない程度に抑えています。
また、参考として浦賀ドックの写真を見ながらサビの感じを出してみました。

最後にガンダムの側面です。
ケーブルでガンダムの支柱とつなげているのはエヴァリスペクトです。シン・エヴァがはやく公開されることを祈っています。
支柱のうしろにあるのがLEDの電池ボックスで、もともと透明だったものにウェザリングをほどこして目立たないようにしています。中の電池を交換することもあるためグリーンモスはつけていません（ポロポロとれちゃうので）
妄想設定の余談ですが、この横浜ガンダムは2号機で熱核エンジンのテスト用として作られたという妄想です。熱核エンジンの小型化がまだ不十分でガンダム内部に搭載できないため、支柱として外部に設置。ただ支柱としても不安定かつガンダムの動きを阻害するため、結局はケーブル接続としてガンダムと離された…という感じです。

最後まで読んでいただきありがとうございます！約１ヶ月で作成しましたが、色々なチャレンジも出来てとても楽しかったです。ぜひ横浜ガンダムを見に行った際はお土産にどうぞ(*´∀`*)