サメ映画の季節。
タイトルにガンダムの名があるが、今回の主役はこっち。
シャークゴッグ!
XMSM-03S SHARKGOGG
で、ある。
MSIGLOO外伝
「大顎。太平洋朱に変えて」
〜MSイグルーテーマ曲〜♫
宇宙世紀0079、7月XX日。我々第603技術試験隊は、その旗艦となる試験支援艦ヨーツンヘイムのクルー共々、地球にいる。私は、第603技術試験隊技術中尉オリヴァー・マイ。ヨーツンヘイムの機関メンテナンスの為、一時的に艦を降りることとなった我々に、地球、太平洋に面した水陸両用MSの基地にて試験運用されているMSの評価試験の任が与えられたのだ。
戦前は造船所だったこの基地は、すぐ隣にビーチがあり多くの人々が涼を求めている。戦時中にもかかわらず。いや、戦時中だからこそなのだろうか。
そんな基地のMSハンガーの奥。ひっそりと屹立するそのMSを見た我々は…。暑さで頭がやられたのかと…。
XMSM-03S シャークゴッグ
名は体を表すと言うが。この機体はツィマット社のゴッグ、その後継機として総合整備計画に基づくMSの試作機を使用して開発された。ASLM社(聞いたことのない社名だ…)によって改修されている。
ここに、ASLM社の技術者たちの会話を記録した映像がある。二人の技術者がモニターに映る映像を観ながら会話をしている。モニターはこちらに背を向けているのでどのような映像なのかはわからない。
「技術長これは、」「見たまえ、地球の大部分は海だ。この地球の制圧には、この海の制圧が重要だ。その為にこの海の最強を知る必要がある。」「はぁ…最強ですか、」「そうだ、そして、その最強がこれだ。…サメだよ。」「サメ…ですか?」「この資料映像を見てみたまえ。」「…こ、これは、お、大きい、空母より!」「これもみたまえ…。」「そんな、サメが地中を!…ああっ!竜巻に乗って空を飛んでっ!う、宇宙空間にまで…」「そうだ。サメとは素晴らしいのだよ。…そして、これだ。」「あ、頭が二つ、三、四、六つもあるのですか?」「フフフ…どうかね。」
待て、彼らは一体何を見ているのだ。資料映像?サメは、空を飛ばない、頭も一つだ。ただの魚類のはず、彼らは何の技術者なのだ。
理解の難しい記録映像を見たことで、痛む頭を下げて目頭を揉む。この暑さもある。そのとき、閉じたラップトップの上に、水色の液体の入ったグラスが置かれる。
「まだやっているの」
モニク・キャディラック特務大尉の声だ。
「あぁ、キャディラック特務たい…」
振り向いた私の目に映るのは…
「し、失礼ですが、な、なぜ特務大尉は、水着を…」
バカンスに決まっているでしょう。さも当然のように言い放った特務大尉は、水色の液体の入ったグラスをヒラヒラさせながら、ペタペタと、基地の隣に広がるビーチへと歩いていく。待ってください、我々は任務でここに…。
「あの〜、自分もこれで失礼します」
そう言って、シュノーケルをつけ、大きな浮き輪を持つヒデト・ワシヤ中尉がそのあとを追うように走っていく。任務、任務じゃないのか。
「戦士の休息であるな」
その重々しい言葉に振り返ると、明らかに基地の人間ではない美女を両側に、マルティン・プロホノウ艦長が…。
「…戦士の休息だ」
に、二回言った…。二人の美女の腰に手を回した艦長に付き従うように、パラソルとクーラーボックスを持ったエーリッヒ・クリューガー副長が行く。
もしかして、軍服姿なのは、僕だけか…ラップトップの上に置かれたままの水色の液体の入ったグラスをあおる。ソーダのようだ。空になったグラスを置き、軍服のボタンを外すのだった。
翌日、別任務で基地を離れていた専属パイロットの少尉が帰還した為、評価試験を開始する。初め、我々の不安をよそに思いがけずスムーズに進む評価試験だったが、評価試験を行うポイントを変更する為の移動の最中にそれは起きた。
「一体、何が起きている!」
鳴り響くアラート、パニックになったパイロットの声が聞こえる。機体の制御が効かないのだ。
「これはっ、暴走警報っ」
パイロットの手を離れたその機体は、その進路をビーチへ向け、そして、ロックオン。一体何を。特務大尉が、モニターを切り替えコクピット内モニターに変える。そこに映し出されたのは。人。人だ、ビーチでビーチバレーを遊ぶ大学生陽キャ男女グループだ。海へ飛んでいったボールを、俺がとってきてやるよ。と、泳ぎ出すいかにもアメフトをやっていそうな男(マッチョ)が、機体の制御を失ったシャークゴッグに…。
その後も、ビーチの人影のない所でイチャイチャしているカップルや、高級クルーザーの上で盛り上がっているセレブ男女グループが、次々と襲われていく。
そんな時、センサーに反応がある。MS反応。パイロットの少尉に呼びかける。
「少尉っ、MS反応ですっ。機体照合、こ、これは、RX-78、…ガンダム、です」
こちらでも確認したっ。どうやら機体の制御が戻ったようだ。突如現れたガンダムに対し、素早く迎撃態勢をとるシャークゴッグ。それに対し現れたガンダムは、その手に持つ武装を稼働させる、データにない武装。
「あ、アレ、チェーンソーなんじゃ」
回転する細かいブレードを見たワシヤ中尉が叫ぶ。
すごい。あのガンダムを相手に、見事な立ち回りを演じる少尉に称賛しつつ、戦闘の記録を録る。しかし、パイロットの技量は、相手の方が上か、チェーンソーと言う扱い辛そうな武器を巧み振るうガンダム。初めガンダムを翻弄していたシャークゴッグも、徐々に押されはじめ、やがて。
「あ、あぁ…、少尉…」
ガンダムのチェーンソーに両断され、炎に包まれるシャークゴッグ。
「…シャークゴッグの反応、…消失しました」
シャークゴッグの起こす一際大きな爆発が収まった後、ガンダムの反応は何処にも確認されなかった。
「…以上が、今回の技術評価試験の概要です」
薄暗い部屋、記録映像を見終えたアルベルト・シャハト技術少将がこちらに向き直る。
「ご苦労だった、技術中尉。最後に現れたRX-78ガンダムであるが、こちらの調査の結果。木馬に搭載された機体とは別の機体と言うことが確認された。連邦は、ガンダムの量産に成功した。と、言うことになるな。技術中尉」
「つまり、戦況が動く。と、言うことでしょうか」
「うむ、…ところで、技術中尉」
「はっ」鋭い技術少将の眼光を受け、思わず居住まいを正す。数秒の沈黙の後、技術少将は口を開く、静かに。力強く。
「モニク・キャディラック特務大尉の、…水着姿の、記録映像は…、ないのかね」
「………」
〜MSイグルーテーマ曲〜♫
XMSM-03S SHARK GOGG
太平洋に面したビーチにおいて、暴走するものの、その後遭遇する、地球連邦軍MS、RX-78ガンダム。と交戦、善戦するも、大破、消失する。パイロットは、機体の爆発に巻き込まれ戦死している。
私は、一人のMS技術師として、この機体に対し、多くの疑問を抱かなくてはならない。皆、誰もが思っていたと思うのだが、あれは、MSだったのだろうか、何か微妙に生き物だった様な気がするのだが。自分だけだろうか。暑さのせいでどうかしていたのかもしれない。
第603技術試験隊技術中尉 オリヴァー・マイ 記す
巡航形態
テールユニットに、ミサイルポットを装備。基地や艦船の攻撃に使用される。
もし、この機体がサイクロプス隊に配備されていたら…。クリスマスの悲劇は起きないのかもしれない。
ガンダムのパイロットは、フィン・シェパード大尉。対水陸両用MSのエキスパートだ。チェーンソー型の専用武装で、水陸両用MS(主にサメ)をやっつける。(意味不明)
最初、「サメ」部分にモールド掘って、メカザメにするつもりだったのだが、このサメプラモ、余りの出来の良さに、素組みで使用している。
「おぉ…、おぉ」
「…っ!ワシヤ中尉っ!貴様、なにを撮っているっ!今すぐそのカメラを止めろっ!」
「中尉っ、記録願います。願いますっ」
コメント
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ヤツが最後の一体とは限らない……ふたたびヤツが、いや奴らが現れたなら、、、
ハイサイ♪例のプラモの大変美味しい調理レシピですね!
コレでアンモニア臭も無問題!
でわでわおじゃましました〜〜(笑)
あたまー!w
イグルー!ww
アサイラムー!www
楽しませていただきましたm(_ _)m
巡航形態、何気にカッコいいです!!
数日前にテレビでサメ映画の解説みたいなのやってたので容易に映像が頭に浮かんでくる😫(笑)
巨大なシャークゴッグの口の中にチェンソーを持ったガンダムが飛び込んでいく…
夢に見そう(笑)
あ、サメのような質感の塗装もお見事ですw
お疲れ様です。作品のインパクトはもちろん、往年の映画調のストーリーがたまりませんね。アメフトやってそうな男の件とか(笑)巡航形態もカッコいいです✨
プラモ好きの40代
サッと色塗ってパッと作るあまり複雑な改造はしない人(最近はパッと作ってはいない)
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見上げ、夢見て、追想の先に、見上げた先になにを見るのか…。