雪原を駆ける疾風　『アサルトリベロ』

『アサルトリベロ』

意味は『猛烈に攻撃する』や『襲いかかる』。GNキャノンのコンテナを脚部に装着することでコンテナから発するGN粒子で機体を浮遊させ、左肩のリベロドライヴユニットをスラスターとして高速移動を行うホバー走行の形態。スラスターの役割を持つ肩は逆でも可能。その姿はまるでスキー板を装着したかのような姿で、雪原地帯以外でも海上や砂漠地帯でのホバー走行による高速移動が得意となった。

この形態で主に使用できるシステムはトランザム。驚異的な速度で地上を移動でき、武器の威力もより高めること間違いありません。

武装は以前の投稿でも紹介したモノばかりですが、改めて紹介します。

『ツインロングライフル』

リベロユニットドライヴに搭載される2本の『ロングライフル』を一つに合体させた武器。左肩のリベロユニットドライヴはこの形態の間、機体のスラスターの役割をしている為、この武器は右肩のモノを使用。右肩と左肩、それぞれ逆にしても可能。武器の威力は敵のビームシールドを貫通できる程の高出力。だが、連射ができないのがデメリットになる。

実はこの武器はG3セイバーの強行戦闘のバスターライフルに似せた武器になります。

『ピストルガン』×2

多種装備ハンドガンに搭載されている銃。連射性は高いが、威力はそこまで高くない。

『GNキャノン』&『ガトリング砲』×2

コンテナに装備されている武器。今回は脚に装着した状態で、これらの武装も普通に使える。

『バルカン砲』と『ビームバスター』

頭部と腹部、それぞれに装備されている武器。

『ロビンホーク』×2

腰のサイドアーマーとして装備している斧。詳しい詳細は近々投稿予定の別形態に紹介しますが、実弾に対抗した武器でもある。

そして今回初めて紹介する武器

『シザークナイ』×10

GNキャノン等が装備されている各コンテナに5本ずつ搭載されている投擲武器。計10本あるという設定。これは『ガンダムハルート』の『シザービット』を投げつける武器としてオミットさせたモノ。投げつけるハサミで敵を切断する。その切れ味はシールドすら切断可能。

隠し武器に入るとは思いますが、『ビームサーベル』×2

脚のつま先から出るビームサーベル。接近してきた敵に対し、隠し武器として使うことが可能。使い方次第では防御にも使える。

そして、『レギルスシールド』×2

展開すると胞子ビットが放出するレギルスのシールド。リベロドライヴを守る役割で装備している。放出量によって、機体を覆い尽くすバリアを創ることが可能で、高速移動しながら攻撃を防ぐこともできる。

〜ここから『機動時空転移 ガンダムリベロ』の第８話〜

宇宙世紀0224年、キリマンジャロ基地付近

一年戦争から役140年後の世界。雪に覆われた地形を舞台に、戦闘がこれから起きようとしていた。基地の周辺には『セツルメント国家議会軍』のMSとMW部隊が待ち構える。

そんな場に、猛スピードで山の頂上から降ってくる一機のMSの姿があった。

その機体はクロストラベラーのガンダム、リベロの形態の一つ『アサルトリベロ』だった。パイロットは毎度お馴染みのX（クロス）……ではなく、ある少女が搭乗していた。

「うわぁぁぁっ！！ハの字が逆でしたぁぁぁ！！」

スキー初心者(？)と思われるニノ・ニノマエが操縦を行なっていた。

なぜ彼女がリベロに？その理由には遡ること30分前のことだったーーー

ーーー30分前

ブリーフィングルームにキュリア以外のメンバーが集結し、X(クロス)がある重大な情報を得たことを語る。なんでもクロストラベラーはこの日、コピーズを生み出しているであろう時代をとうとう突き止めたのだ。

宇宙世紀0224年キリマンジャロ基地。場所はともかく、時代についてはニノやカナにとって140年先の未来の世界でもあった。

「この時代の宇宙世紀は世界情勢はおろか、地球連邦軍の壊滅やMS開発技術にも影響が出ている時代…」

「連邦軍いないの？」

X（クロス）は話を聞いていたカナに説明する。

宇宙世紀の220年代にはもう地球連邦軍は崩壊し、MSの開発技術も弱体化、しかも更なる問題は食糧不足による危機が起きている時代とも言える。他にもコロニーのことも『セツルメント』と名称が変わったりしていたりと……いろいろ変わった時代とも言える。

「分かったかな？」

「ん〜、カナにはよく分からない！」

「分かりやすく言うと、いろいろある時代ってことなんだよ」

「よし、分かった！」

X(クロス)では子供相手に説明するのは難しく、ずっと傍にいたメモリーが分かりやすく(？)説明。本当に分かったのか、カナは理解したかのような顔を見せていた。

「私も援護の為、出撃します」

「ザクでか？素人には向いてない戦闘だ。特にザク以外のMSに乗ったことすら無い人間が……」

メモリーの言葉に膨れっ面を見せるニノはその場を後にした。

アースから『今のは酷くない？』と言われ、メモリーは『ヤベッ』的な反応をする。

そんな中、X(クロス)の説明は続く。

「これから向かう時代のキリマンジャロ基地はかつてニュータイプ研究を行なっていた場所。現在は『議会軍』が『MW（モビルウェポン）』の研究を進めている。ちなみに『議会軍』とは『セツルメント国家議会』のことで、地球連邦に代わる新たな連邦制国家。そしてMWは無人MSでーーー」

ﾋﾞｰｯ！ ﾋﾞｰｯ！

船のアラームが突然鳴り響いた。

ブリッジにいるキュリアからモニターで通信が入る。

『リーダー、リベロが起動！出撃して宇宙世紀に転移した！』

「退室したのはニノだけ。つまり、彼女が無断でリベロに乗った…と考えられる。いろいろ問題だが、一番の問題がある。なぜ彼女がザク以外のMSに乗ったのか……だ」

その場にいた一同は一斉に一人の人物に視線を走らせる。

誰かは言わなくても分かるだろう…。

「…え？あっ、俺か？」

「お前以外に誰がいる？」

アースに言われるメモリーだったーーー

ーーーそして現在に至る。

ニノはザク以外の機体を無断使用し、酷いことを言ったメモリーを見返そうとしていた。リベロならザクよりも性能が遥かに上だと判断した彼女だったが、ここで思わぬ事態が起きていた。

リベロの操縦がほとんど分からないことである。その証拠に、彼女が乗るリベロは未だ逆ハの字で滑り続けていた。猛スピードで……。

「これじゃなくて…、このスイッチも……えぇ！？止め方が分かりません！！」

リベロは真っ直ぐ敵の防衛ラインに向かっていた。このままでは、いつ敵と遭遇してもおかしくない。

果たして、彼女の運命はどうなることになるのだろうか…？

ーーーその一方、リベロが向かうであろうその先で、突如として現れる一機のMS。

パイロットは辺りを見渡し、ここが地球だと知る。

「どういうことだ？宇宙にいたはずなのに…」

その時、彼のMSに通信が入る。女性の声だった。

『こちら、ギャザーロード隊のユノ・アスタルトです。『イルミナーティ』の『リード・フォックス』さんですね？』

G:ユニバースのユノからだった。だが、ここで彼らですら予想だにしないことが起きていた。

「何を言ってる？僕は『マーク・カラン』だ」

『え？誰？』

そして、ギャザーロード隊の小隊の機体もその場に現れるのだったーーー

『機動時空転移 ガンダムリベロ　第８話:キリマンジャロの戦い-前編-』

と、ストーリーはここまで。

今回はニノがリベロを無断使用し、更にブレイク現象も混じってGセイバーのパイロットが映画の主人公『マーク・カラン』で、更にバトルアライアンスのキャラも登場…と、いろいろ起きた回になりました。続きは次回へ。

『マーク・カラン』を知らない方の為に軽く説明します。

映画本編の主人公で、元セツルメント国家議会軍のエースパイロット。演習中に起きた事故がきっかけで上官と対立し、軍を退役。その後は深海農業研究施設で食料問題解決の為の研究を行う。その施設に侵入してきたサイド・ガイア生物工学主任を務める助教授の女性『シンシア・グレーブス』を助けたことから彼は事件に巻き込まれ、殺人容疑で軍に追われることに。彼女とその仲間、更には婚約者と共に宇宙まで逃げた彼だったが地球とガイアはとうとう戦争に発展してしまったことで最新MS・Gセイバーで戦うのだった……。

ネタバレになりますが、映画の最後では彼はシンシアと一緒に地球に帰ります。Gセイバーはその後、一年後を描いたゲームの主人公・リードの搭乗機になります。ゲームではマークのその後のことは語られてはいませんが、きっとシンシアさんと結婚し、幸せな生活をしていることを心から願います。

さて、今回紹介したアサルトリベロは如何でしたか？

実はこの形態、PS2のゲーム『Gセイバー』に登場するMS『G3セイバー強行戦闘形態』にある程度似せました。比較してみてください。

では、今回はここまで。次はギャザーロード隊のMSを紹介する予定です。次回も宜しくお願いします。