HGUC?　D−SI(ディーエスアイ)

「停船信号‥？」

スモーカー02は12:00の方向から発せられる信号を探知する。

「キリュウ大尉、正面に何かいます。連邦機かと思われます」

「我々以外に友軍がいる筈がない。アルファ小隊、最大望遠で確認しデータ照合」

「了解」

トライバル隊の作戦は友軍でもごく一部の、それも上層部の人間しか知らない。なぜならこのC.O(カウンター・オデッサ)作戦はキシリアの特命なのだから。

「照合完了、地球連邦軍無人哨戒艇、D−SIです」

「やはり網は張っているか。だがここが一番手薄になるエリアだ。内通者の情報が正しければな‥」

「それに敵の無人機のデータまで。今までルナツーに仕掛けづらかったのは、アレのせいでしょう。火力、索敵能力共に中々厄介です」

「普通ならな‥」

トライバル隊は速度を緩めずそのまま敵の無人機と距離を詰める。

「地球でも作戦が開始されている頃だ。我々はルナツー港湾施設の破壊が第一目標だ。いずれ宇宙が主戦場になる。艦の居ぬ間に還る場所を潰せば、宇宙で軍備を整えるのにも時間がかかる」

「ええ、同胞には悪いですが地球はもう‥」

「気にするな。それよりここで足止めされては『本来の作戦』に支障をきたす。港湾破壊用バズーカ装備のブラボー、チャーリーは最大速でここを突破し先に行け。護衛のアルファは周囲を警戒しつつブラボー、チャーリーをアシスト」

「大尉は？」

「先ずはアイツをやる!各機散開！」

各小隊は各々で纏まるとスラスターを全開にし先程より長い光の尾を引く。新型のリック・ドムは従来のザクよりも速い機動を見せる。

リック・ドム各機はキリュウのザクFZを追い越しD−SIに更に接近すると閃光が周囲を照らした。

「目眩ましか⁉」

「違うな、信号弾だ。仲間を呼んだかルナツーに知らせたんだろう！」

敵の狙いが定まらないよう回避運動を取り入れながらリック・ドムは駆け抜けた。

停船信号を無視し距離を詰めた事からD−SIも実力行使に移行する。メインカメラからリック・ドム達が外れ、ザクFZのみになるとロングレンジに対応したメガ粒子砲がキリュウを狙う。照準を合わせるとザクFZをロックオンした。そして2門のメガ粒子砲が宇宙を切り裂く。

「敵機発砲！」

リック・ドム達も光り輝くメガ粒子を確認するが命令に従い手前のD−SIは相手にせずルナツーへ向かう。

「脅しかっ⁉」

キリュウはメガ粒子砲を避けるが狙いの甘さを感じた。本気で狙ったのではなく威嚇射撃のつもりだろう。初弾を避けその間に接近すると直ぐ様2発目が来る。今度は初弾よりも正確で明らかにこちらを撃墜しようとしている。

「こちらも試させてもらう！」

靭やかな回避で避けるとキリュウはMMP−80 90mmマシンガンを片手で構え射撃を開始する。このMMP−80は以前の120mmザクマシンガンよりも弾は小型だが初速や命中精度の向上が図られた新型携行火器である。統合整備計画により規格が見直されたのはMSだけでなく、それに付随される火器類も合わせて造られていた。

ザクFZの反撃にD−SIは自動回避システムで対応する。

「無人機と言えど避けるか」

DS−Iには後部以外にも姿勢制御や回避用にスラスターが各所に設けらている。D−SIは本来哨戒艇として高速で動くデブリや隕石を迎撃する為に造られており、対象物に接触しないよう高い運動能力を備えていた。また無人単独で長時間の運用を想定し大型バッテリーと大容量タンクを搭載している。開戦してからは対MS、艦艇プログラムも組まれルナツー周辺の防衛を担っていた。

D−SIもその機械的な動きで弾を避けると本体下部にあるミサイルランチャーでザクFZを狙う。搭載している6発のミサイルを躊躇いなく射出すると白煙の帯が伸びた。

キリュウは(その程度‥)と心で呟くとミサイルをマシンガンで撃ち落とし、爆炎を抜けるとD−SIに接近戦を試みる。

するとD−SIは正面にザクFZを捉えつつ逆噴射で後退した。

「所詮は只の砲台。格闘装備はないようだな」

キリュウはそう確信すると左腰に帯刀したヒートサーベルを抜いた。一定の距離を保ちつつD−SIは近接用バルカン砲でザクを近づけないよう連射する。

「ここで手間取る訳にはいかんっ‼」

キリュウはヒートサーベルでD−SIのメインカメラに突き刺すとスラスターの限り押し込んだ。本体までサーベルが突き刺さったD−SIは機能が停止し反撃不可となる。キリュウは脚部を使いD−SIを蹴るとヒートサーベルを引き抜く。そのまま目もくれずザクFZはその場を離脱するとDS−Iは爆散した。

「キリュウ大尉！敵増援２‼同じ奴です！」

ルナツーに先行する隊から通信が入る。

「案外早かったな。アルファ小隊対応しろ」

「了解！」

先の信号弾でやはり仲間を呼んでいたようだ。だがそれ以上の増援はない。事前の情報通り敵の防備が手薄なのとマゼランやサラミスといった艦艇の姿がないのは確かであった。

「さっさと出ろ、お前達‼」

「俺達は訓練生で飛行時間もまだっ⁉」

「五月蝿いっ！このままだとルナツーがやられるぞっ！ジムを動かせる奴は全員出撃だ！」

ルナツーは突然の奇襲により混乱していた。主力となる艦隊やジムは既に地球へ向け出撃し、基地に残っているのは稼働試験を終えていないジムとパイロット候補生しかいない。

「クソったれ！こんなのあるかよ?!」

「教官はどこにいるんだっ⁉」

「知るかっ！」

訓練生達はありったけの不満を吐きつつをジムを起動させる。

ぎこちない操作によりジムは歩きだすと不安定な動作でカタパルトに脚部を固定する。そしてシグナルがレッドからグリーンになると、電磁カタパルトは火花を散らしながらジムを前線に送り出した。

〜to be continued〜

ご覧いただきありがとうございました(・∀・)

トライバル隊は何故このタイミングで仕掛けられたかというと、オデッサ作戦、内通者、と言えば感の良い方はお解りですかね(*´艸｀*)

ではガンプラ紹介!今回は無人哨戒艇という設定で作りましたD−SIです。

この機体案は0083スターダストメモリーからでコンペイ島付近でガトーが踏みつけたりしていた無人監視衛星を参考にしました。人員不足を補ったり頭数を合わすのに無人機も必要だろうと思った次第です。

では何を使ったかというとコチラ！

ハロプラ モビルハロです。

この胴体部分をD−SIのメインに使用しており他も99%ガンプラで1%ディテールパーツで作ってます。

お顔はビルダーズパーツのレドームで下部のミサイルランチャーは旧HG陸ジムからいただきました。上部砲身は61式です。メガ粒子砲✕2は何かのガンプラ付録かだったかと思います。

後部は陸戦型ガンダムのランドセルとコンテナ本体中身のジャンクを使用しそれっぽく仕上げました。他のディテールもビルダーズパーツハンドや旧キットの使わないパーツを使用してます。

まさにガンプラは自由だ〜!

因みにネーミングはdrone‥無人機、surveillance‥監視、intercept‥迎撃の頭文字から取りました。

※最初間違えてすみません。型番がパトロールボートドローンの略でPBDでした(；´Д｀)

次回はマサムネ・キリュウ大尉のザクFZ(トライバル隊仕様)をご紹介予定です。FZはまた再販されますので通常機を作るのに欲しい一品。

また見てくれたら嬉しいです

(人∀・)ﾀﾉﾑ