妄想戦線
元々は鉄器兵中隊に支給されるはずだった予備部品が支給前に部隊がジオンのMSによって壊滅してしまい、宙に浮いていたところをくみ上げて一機のガンキャノン初期型にしたものが原型である。
本機はジオン独立戦争の開戦と同時に地上に送られた。
これは宇宙で惨敗を喫した連邦軍が、いったん戦線を地球にまで下げて再起までの時間を稼ぐために戦力を地球に集めたため、その流れでこの機体も地上に降りたのだ。
ジャブローに配備されたこの機体は防衛任務にあたったようだが、メインパイロットが誰なのかは特定されていない。
どうやら複数人のパイロットが交代していたようだ。
あるいは当時まだ供給数の少なかったMSの習熟訓練に使われていたのかもしれない。
そんなガンキャノン初期型だったが、徐々に姿を変えていくことになる。
当然戦闘をすれば破損し、消耗する部分が出てくるが、初期型と後期型ではパーツに若干の際が存在し、それが問題でパーツの流用などが出来なかったため、結果破損したらその場にあるものでどうにかするしかなく、ありあわせの物で現地改修が行われた結果、このようなつぎはぎだらけの姿となった。
元々、MSの中では装甲の厚いガンキャノンに、拠点防衛だからとさらなる装甲を追加、火力も増やしたため機動力はガンタンクよりも下になった。
その分火力と防御力は上がっている。
最終的にこの機体大破することなく終戦を迎えることになる。
正確に言うと終戦後に発見されたという方が正しい。
最後の出撃がジオンのジャブロー侵攻の時に敵を倒すために地上に出たところまでは記録に残っている。
その直後に連邦とジオンの激しいぶつかり合いが起き、ガンキャノンは多くのMSがそうであるようにその存在をロストした。
関係者は皆大破しただろうと考えていたのだが・・・数年後、亜熱帯の森林の奥深く、ほぼ無傷の自然に抱かれるように全身を錆びだらけの状態で発見されたのだ。
装甲を見ると間違いなく戦闘はしたようだが、戦闘不能になるほどの損傷はなく、同時にコックピットは開け放たれ、パイロットの死体などはない。
敵前逃亡の可能性が高いが、真実を知るのは本人と物言わぬガンキャノンだけである。
その後、すでに時代遅れになった機体をいまさらレストアする意味も薄かったため、とある町の戦争博物館に戦中の資料として寄贈され、博物館の目玉として来館者の目を楽しませている。
ちなみにラストとは最後という意味と錆をかけたのを誰かが言い出して広まった名前である。
今日もラストガンキャノンはその姿で戦争を語っている。
最後まで見ていただいてありがとうございます。
ガンタンク初期型と同じ砲が個人的に好きです。
コメント
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見た目もストーリーも好きですGood
コメありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
ラストガンキャノン…すごい装備と佇まいなので、想像を絶するくらいのバトルストーリーを期待出来るタイトルでした。。。ですのでゆっくり、丁寧に読ませて頂きました。読むにつれ、ほぼギャグだったので急降下して複雑骨折しました。(笑)パイロット敵前逃亡やん。だって故障して電源消失になっただけなら何とかして故郷に戻るだろうし。。。それでも‼️前向きにパイロット行方不明の考察をすると、亜熱帯のクマの中でトラとかクマに喰われてしまったのだろうという仮説は出来ますかね。(笑)
コメありがとうございます。
そのあたりはまあ個々人の創造の翼次第ということで、案外08小隊のようなルートもあり得るかもです。
しがないプラモ好きですが、頑張って作ったのでよかったら見て行ってください。
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