またもや、俺はため息混じりに自らの乗機を眺めていた。
言っておくが、今度はハイザックが原因じゃない。
ハイザックは前回、戦闘の最中に失われしまった。
せっかく愛着が湧き出し始めた所だったのに、と考えに至ってしまい一人苦笑する。
全く九死に一生を得た戦闘よりも先に憎たらしいあのタコ顔が思い浮かぶとは。
乗機を失った俺に早速あてがわれたのはこのMSだ。
どんな兵士であれ先立つものが無ければ戦えない……つまりは新たなMSが配備されるまでの短い間だけでもR&Rでも取得できるかと思った矢先だったのだが、まったくもって人手不足とは困ったもの。
しかもお上の方曰く、新型だそうだ。
目の前のそれは真新しい白い装甲、輝く双眸、そして対のアンテナ……そう、これはーー。
「中尉殿!これでガンダムドライバーを名乗れますね!」
あぁ、やっぱり来やがった。
俺はやれやれと小さく肩をすくめ、その声の方に向き変える。
思った通りの人物、俺の機体の専属メカニックである若い軍曹が文字通り浮き足だって飛んできているところだった。
「よう、軍曹殿。フレッシュなお前さんにはあの機体がガンダムに見えるか?」
彼は手すりを掴み俺の隣に止まると不思議そうな顔で答える。
「そりゃ目が二つあってアンテナはえてれば……」
「ーーいや、聞いた俺がバカだった」
メカニックになら分かってくれると思ったのだが。
あれは皮こそガンダムであるが、中身は実質ジムだ。
流石に一年戦争事に乗っていたジムタイプよりも格段に性能は良くなっているものの、ハイザックからすれば今ひとつ足りないというのが慣らし運転した時の感想だ。
「性能に満足してないので?」
端的に言えばな、と歯切れ悪く返す。
中身はジムとは言え、曲がりなりにもガンダムタイプ……性能の忖度くらいはあっていいはずだ。
「人が作っている以上、ジムもガンダムも大して性能の違いはありませんよ」
思ってもみなかった発言だった。
先程の様子からてっきりガンダムというブランドを崇拝しきっていると感じたのだが。
「むしろ、無駄な箇所を積極的にオミットしている分、ジムの方にトータルバランスとして軍配が上がるのではないでしょうか」
ガンダムとジムにパイロットの問題抜きにして大きな性能差が無いとすれば、見た目の問題か?
それにどれほどの神通力があるというのか。
見てくれの力はある程度は認めてはいるが、それ一本で戦えるほどに甘くは無い。
「だとすると、自信を失うな」
俺は白い装甲を見上げる。
白いガンダム……あの一年戦争での伝説にあやかっていると聞く。
俺の現状はその幻想からは程遠いだろう。
最も俺は、戦時中に風の噂に聞いた程度でしかないが。
カートゥーンやパルプコミックじゃあるまいし、真実はおおよそプロパガンダだろう。
だとしてもですね、と軍曹が続ける。
彼はウジウジしている俺に呆れるどころか、真っ直ぐにこちらを見ていた。
「この機体に関しては我々メカニックが誠心誠意対応してますからね。中尉殿はガンダムの神通力を信じていただければと」
「何やら宗教めいてるな、それは」
「ーーそれに個人的に中尉殿にはまだやるべき事がありますから」
それは何か、と問う。
このきな臭いご時世、いつ死んでもおかしくはない。
俺も軍人だ、それなりに覚悟だけはしてきた。
だが、そこまで彼に思い寄せられるような事はしてないはずだ。
「私はまだ必勝の殺し文句教えていただいてませんからね」
あっけらかんと言う彼に対して思わず笑みが出る。
「この戦乱が終わったら考えてやるよ、ヒヨッコが」
全く、俺にはまだ、死に場所を求めて、という言葉を唱えるようになるにはどうにもヒヨッコであるようだ。
ちょっと前のつぶやきでかるーく触れた通り、盛った方以外の、あまりの方で作りました。
基になったキットはヘイズル2号機、もしくはジムクゥエルです。
当初はちょい盛りしたジムクゥエルって感じでしてたのですがね、HGのジムクゥエル……ガタイが強すぎる……!ってことでガンダムにしました。
いや、ジムでもかっこいいんだけどね。
こうなったらこうなったらで、ヘイズル予備機じゃね?ってのは禁句中の禁句。
一応、フレーバーストーリーに補足すると、以前作ったハイザックの後(どのくらい時間が空いているかは決めてない)くらいのお話です。
……ぶっちゃけストーリー間で整合性を取ろうなんか考えていませんがね……。
まぁ、BB戦士とかのコミックワールド的な感じで読んでもらえればと。
詳しくはハイザックのページにて(露骨な閲覧数稼ぎ)。
コンセプトとしては「量産機としてのガンダム 」です。
もしくは「オラ式AOZリファインガンダム」です。
それってジムじゃ……ってツッコミ入りそうなので、ここではジム=簡易量産機、このガンダム=高級量産機的な意味で考えててくだされ。
接着剤で例えると、ジム=市販品の接着剤、このガンダム=市販されているプロ用接着剤、RX-78とかのアニメのガンダム=専門店にしか売ってない接着剤……的なイメージ……逆に分かり難いか?
もしもヘイズルが連邦で量産機として採用されたら、というIFです。
機体の名前としてはヘーゼルとしております。
まぁフレーバーストーリーでは一度も呼ばれてませんが。
名前の元ネタは単純にヘイズルの表記揺れが元ですね。
ヘイズル=ティターンズのテストヘッド→連邦の量産機に採用→なぜに?……と思ったら『おのれアナハイムめ!』と唱えてください。
とりあえず設定の齟齬があれば、アナハイムのせいにしておけ、というスタンス。
そしてコレを書いてる最中(大体作る前に書き始めている)にアーリーヘイズルの存在を知ると言うね……お の れ ア ナ ハ イ ム め !
うん、正直に言ってしまうとですね、僕がヘイズルは開発経緯が複雑で追いきれなかったり、それプラスAOZの途中くらいから一時期ガンプラから離れていた時期で今更追うのを諦めていたってのは言い訳として挙げます。
藤岡建機のデザインラインは好きだからちょくちょく知ってはいたのですがね。
〜機体解説〜
ヘーゼル
Height:18.1m
Weight:40.8t
Total Weight:57.1t
Weapon:ビームライフル
ビームサーベル
多目的ランチャー
本機は試作実証機であるRX-78ガンダムの次世代発展量産機である。
非常に高い水準の性能を誇る本機は、活躍の場を問わない真なる汎用機として名高い。
それは長期間本機のパイロットをしている兵士がよく理解していることだろう。
本機の真価は瞬発的な性能にあらず、持続的な戦闘能力の維持である。
とある関係筋の言葉であるが、その称賛の言葉は疑いようもない。
兵装の互換はさることながら、例え戦場において偶発的破損についても柔軟に対応可能な土壌があり、素早い戦線復帰に期待されている。
更にはビームライフルをはじめとした標準兵装はその信頼性もさることながら、大型マガジンが標準装備であり継戦能力にも優れる。
本機こそが、現代のMS戦の要となり得るだろう。
なおヘーゼルと言うペットネームはテスト機時代の物を流用、そのまま定着したようだ。
〜とあるミリタリー系パルプ誌より抜粋〜
とりあえず制作です。
今回も何と途中写真はありませぬ。
代わりにヘイズル改の実戦配備の方を比較対象……になるかな……を持ってきました。
頭部。
正式量産機ってイメージをしてたので、シンプルなデザインのヘイズル予備機の方からチョイス。
通常の方は作るイメージとしてはトサカが複雑なデザイン過ぎる……。
ロッドアンテナは他のMSから整合性を考えるに過剰装備だと判断したので排除。
胴体。
当初ジムクゥエルと同タイプで考えてましたが、アーリーヘイズルを知ったせいでヘイズルと同タイプに。
おのれアナハイムめ!
コレはコレで2号機と被る事になったのはナイショ。
一応抵抗として加工としてはコクピットブロックを被さっている方をジムクゥエル、下をヘイズル改のタイプで組み合わせて使っています。
ほんのりガンダムMk-Ⅱっぽいを感じをイメージしました。
あと、首元、お腹で1mmプラ板で計2mm延長してます。
腕部。
ヘイズル系統を作る上で一番のネックポイントだと思います。
……ハメ殺しが多いんだココ……。
しかも分割めっちゃ目立つ場所だし。
肩アーマーをC字に切り欠いて後ハメやら、肩から二の腕の分割線をどうにか段差を作って誤魔化したり、前腕部も後ハメできるようにカットしました。
まぁ、この辺はそれをやってる人は多いし詳しいので、細かい説明は割愛です。
腰部。
ベースはパーツ紛失してしまったハイゼンスレイの物をベースに股関節中央ブロックとリアアーマーを手を入れてます。
股関節中央ブロックはまずV字モールドを削った上で、クリアレジンとプラ板形状変更、量産機という事でキャラクター性を削る方向性でやってます。
リアアーマーは好みでチョバムアーマー付きの方に変えています。
バーニア部分のモールドが甘いので全部開口。
真ん中の以外は穴開けると貫通状態なのでプラ板でいい感じに埋めました。
ハイゼンスレイの股関節は元キットと違って軸接続プラス太腿の回転軸で良い感じ。
脚部。
ガンダムに仕上げた最大の理由がここにあり。
ヘイズル、その派生は基本的に盛られていくために、下半身が貧弱に見えないように足が太めに設計されています。
ですんでジムだったら強くなり過ぎる……ガンダムだったらいけるかなって感じです。
アンクルアーマーをヘイズル改のものに変えて、スネのカメラをパテとクリアレジンで埋めました。
コレは、量産機的なデザインの簡略化と、設定的なコストダウンを狙ってのこと。
そもそもコレは設定的に対暴徒用の鎮圧時に使う為のセンサーらしいんで普通なら要らない。
バックパック。
ジムクゥエルの物を使用しました。
やはりシンプルイズベストで。
他の候補としては旧HGUCのガンダムMk-Ⅱ、無加工で付くコイツも正直捨て難かったケド、没個性を磨く上でMk-Ⅱは主張が強いと感じた為前者にチョイス。
……ヘイズル・ケルデルクとかあるのね……しらそん……。
おのれアナハイムめ……!
武器。
武器はMk-Ⅱのものを加工して使用。
ライフルのマガジンをヘイズルの二連マガジンに変更して、元キットの銃身を紛失していたので他キットのビームサーベルからでっち上げました。
コレによりロングビームサーベルかジュッテみたいな感じにもできるようになりました。
使いやすいとか、実用性があるのかとかは知らない。
ビームサーベルはキットそのまま。
二連マガジンはヘイズル系のキットに付いているのを、裏側をクリアレジンで埋めて使用しました。
カラーリング。
基本的にトリコロールをやりながら渋めなカラーリングを目指してます。
カラーパターン的にはガンダムMk-Ⅱを参考に。
白はインシグニアホワイト。
青はインターミディエイトブルー。
赤はダルレッド。
黄はライトサンド。
黒はジャーマングレイ。
バーニアはアルミシルバー。
あとは艶消し、シール、デカールで。
デカールの大半は前回に引き続き、100均の物を使用しました。
にしても今回の作品はミキシングか否か……。
確かに本体だけでも3キット分、武器を入れたら4キット分のパーツを使った……けど、同系列のキットからツギハギだからなぁ……殆ど変わった気がしない……!
まぁ、一応、キットごとに入っているパーツが違うから「あれはミキシングだ。私がそう判断した」で良いかもだけど。
まぁ、コレは2月に完成→投稿するつもりだったけど、ヒャア!我慢できねぇ!って事で投稿するのだ……。
目標達成の為に明日以降の僕が頑張るでしょう、多分。
長々と閲覧ありがとうございました。
刻が残した 熱い命を この手のひらで 明日に残そう
コメント
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お疲れ様でした😊 このマッシブさ❗❗😍💕堪りません😁🎶🎶建機デザインは垂涎モノ🤤💦💦正味4機分❗😳、ナントモ豪勢な構成ですが、このクオリティーを引き出す為なら数ナド問題では在りませんね
(^・ェ・^)(^._.^)ウンウン
カラーリングも素晴らしい👍👏👏👏あぁ、Mk-Ⅱだと確かに主張が強いデスモノね😅中々に使い勝手に困ります😣💭完成したら投稿したくなる気持ち!ヨ~ク❗❗判ります🤗⤴️⤴️
コメントありがとうございます♪
マッシブさ→ジオン系のMSと殴り合うならこんだけマッチョじゃないとですねぇ。
建機デザインのメカは近未来感があって良きなのです♪
この子は今後作る子(投稿するとは言ってない)の試作機みたいなものなんで、数なんてあってないようなもの……まぁ、その数マジで!?ってなりましたが。
実はトリコロールって彩度が高くてあまり好きじゃないのですが、どこまでの彩度だったら個人的に許容できるかって言う挑戦でした。
Mk-Ⅱのバックパック形状好きなのですが、迷ってる時にヘイズル・ケルデルクって知っちゃったから、もうね……。
完成が早かったってのもありますが、思ったより文章がすんなり終わったってのもありますね。
去年は密かに月一投稿を目標にしてました。
……成功したのかは何となく微妙なところ。
ですんで、今年は究極で完璧な月一投稿を目標に……!
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