妄想戦線
”それ”は次世代機として開発された。
国を、そこに住むものを守るため開発された。
多くの人が”それ”に期待した。
多くの願いが込められた。
多くの資産が投じられた。
しかし、”それ”はその全てに裏切られた。
”それ”が悪かったわけではない。
”それ”に何か問題があったわけではい。
ただただ、タイミングが悪かったのだろう。
新たな技術が、機体がいきなり現れた、ただそれだけだった。
その出現はそれ以前の全てを時代遅れにし、”それ”もその流れにのまれた。
”それ”は一応完成した。
しかし彼に続く兄弟達は生まれることさえできなかった。
”それ”は最初にして最後の一機になった
さらにプロジェクトは凍結され、開発基地は放棄、撤退…”それ”もまた放置された。
誰もいない、訪れるもののない基地の奥底で”それ”は静かに存在だけしていた。
人の手を離れた建造物は老朽化し、緑が全力で自己主張をし、基地は森にのまれ”それ”もまた時の中で埋もれていくはずだった。
ある時、少しだけ変化が起こる。
廃墟となった基地に訪問者が現れたのだ。
訪れたのは子供といえる年齢の少年少女、肝試しにでも来たのかおそるおそる荒れた基地内を歩く彼ら彼女たちは、とうとう”それ”を見つける。
それ以来、基地と”それ”は子供たちの秘密の遊び場となった。
子供たちは”それの周りではしゃぎ、遊び、笑い、成長していくのを”それ”はみ続けた。
それは多くを破壊し、死を重ねるはずだった一つの兵器がたどった数奇な、しかしどこにでもある物語・・・。
最後まで見ていただいてありがとうございます。
佐布吹いた状態、ガラケー時代に取ったので画質が荒いです。
これはこれでありかなと思ったのを覚えています。
キットのまま片膝立ちできるのってあんまりないですね。
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