ネプテイトガンダムを元ネタカラーに塗装してオプション装備を追加しました。
今回はガンダムSEED C.E.73-STARGAZERのその後を描いた妄想長編外伝です。
深宇宙探査開発機構『D.S.S.D』がGSX-401FW スターゲイザーの後継機として開発したのがGSX-501FW アストラルゲイザーである。
スターゲイザーが火星軌道以遠の太陽系内惑星探査を目的に開発されたのに対し、この後継機は太陽系外縁の向こう側、他恒星系に向けての探査を果たす為に開発されたことから『星の世界を見る者』という意味で『アストラルゲイザー』と名付けられた。
C.E.73の地球連合特殊部隊ファントムペインによるトロヤステーション襲撃事件後に地球圏に帰還したスターゲイザーの機体損傷は小破程度であったが、無人自立運用に必須なAIユニットが襲撃により喪失してしまったことから新たにAIを開発する必要があった。
D.S.S.Dに協力することになったスウェン・カル・バヤンを教導パイロットにする事で、彼のエース級の操縦技術をAIユニットに学習させたことにより開発期間の短縮に成功しソフト面の課題はクリアした。
修理したスターゲイザーに新造したAIユニットを搭載しての木星圏までの試験運用を経て、自立運用に必要なデータの検証は完了となり後継機の開発に着手した。
スターゲイザーの後継機として新機体は恒星間航行を実行できるだけのスペックが求められた。
これによりフレーム構造からの抜本的な設計変更が必要となり、完全新規フレームの開発が始まった。
本機の開発に際してプラント最高評議会議長ラクス・クラインがD.S.S.Dの平和的宇宙開発計画『スターゲイザー計画』の理念に賛同し、ZAFTのMS技術を積極的に提供している。
本機は従来のMSサイズを大幅に下回る独自設計の小型MSユニット『コアゲイザー』を中核に、ZAFTのセカンドシリーズのシルエット装備技術を昇華させたサードシリーズの試作換装システムを採用。
このMSの小型化と新型シルエット技術の完成には、ZAFTより技術顧問として派遣されたキラ・ヤマトが開発メンバーに加わったことで実現することができた。
地球軌道出発時に初速を稼ぐのに最大出力で発射されるプロパルジョンビームに耐え得るフレーム強度や、ヴォワチュール・リュミエール(VL)を長期間稼働できるだけのエンジン出力の兼ね合いから機体の大型化が恒星間航行への必須条件とシュミレートされたが、キラは新開発の小型核エンジンを複数搭載し安定的な出力を確保できるならば必ずしも機体が大型である必要は無いと考えた。
探査状況によっては機体の大型化がデメリットとなる可能性も憂慮したことで、MSとしての人型構成に必要なフレーム機能をコアユニットへ集約し、手脚を含めた各装甲を別ユニットとして切り分けることで最大機動時の機体性能と弾力的運用を兼ね備えた設計を行った。
また従来の装甲では高速巡航中にデブリ等の僅かな障害物に衝突するだけでも機体にとてつもないダメージが生じてしまうことから、本機ではヴァリアブルフェイズシフト装甲を採用している。
コアゲイザー胴体部とVLユニットにそれぞれ1基ずつ小型高出力核エンジンを搭載しており、装甲展開用と推進用に使い分けても余りある程の大電力の安定的供給が可能となったことで建造当時の最高水準を誇る高スペックな機体となっている。
各ユニットパーツとコアゲイザーとの分離合体はドラグーンシステムによって管制しており、フライトフレームユニットをプラットホームとしてユニット単位での単体換装も可能となっている。
ところが試験航行でユニット換装後のフライトフレームユニットがデッドウェイト化して運用する上でデメリットの方が多くなったことにより、フライトフレームユニットの本採用は見送られた。
GSX-401FW スターゲイザーに搭載されたVLユニットは中央で分割可能なトーラス型であり機体に高い機動性を与えていた。
実際にトロヤステーション襲撃事件時には特務部隊のファントムペインを相手に機動性だけで優位に立てていたが、この時のログデータからこれ程の戦闘機動を取れるスペックは過剰と判断され、アストラルゲイザーではあくまで推進器としての機能に限定した。
更にVLユニットを機体重心に近い位置に変更したことで、高速機動時の機体バランス向上やユニット接続部に掛かる負荷も軽減されている。
また不測の事態によりVLユニットが破損する事を防ぐ目的で、VL非稼働時にはトーラス部をユニット内部に格納している。
VL側面部ユニットだけは腕部装甲に接続することになるが、剥き出しになってるトーラス部分の保護はユニット上部にあるビームシールド発生器で対応している。
VLを起動しての推進には太陽風もしくは外部からのプロパルジョンビーム供給等が必要であるが、太陽系最外縁部のヘリオポーズまでは太陽風の存在は確認されている。
しかしそこを越えた星系間では未だ充分な研究が進んでおらず銀河系内で飛び交っている宇宙線の状態によっては機体が航路から流される可能性もあった。
恒星間航行には最低でも銀河系脱出速度の第4宇宙速度以上、且つ最終的には亜光速に近い速度で巡航しなければ他星系到着まで年月がかかり過ぎることから、本機は星間空間巡航中でも更に加速できるように非戦闘用MSでありながらビーム兵装を装備している。
地球連合から技術提供された小型ゲシュマイディッヒ・パンツァー搭載の観測用ドラグーンを中継機として、ロングビームライフルから発射したビームを2基で反射させて背面のVLユニットへ照射することで自機単体で加速できる手段を有している。
基本的にMSのスラスターは推進剤を燃焼させての化学推進方式であるが、いくら機体を大型化したとしても推進剤は積載量に限りがあり使用し続ければいずれ尽きてしまう。
そこでアストラルゲイザーのスラスターでは推進剤を使用せず核エンジンによって生み出される電力を用いての新型電気推進方式を採用している。
この新型推進システムには実は雛形となった原型があり、旧世紀の極東のある国で造られた小惑星探査衛星に搭載されたイオンエンジンがそうであった。
少ない燃料消費で噴射持続時間を長期に渡って維持することをコンセプトに作られたこのエンジンは長期間運用・長距離航行に適していた。
特に化学推進では推進剤噴射の物理的上限がでてしまい一定速度以上は出せないが、この電気推進ではかける電圧を上げれば上げるだけ噴き出す物質の噴射速度を上げられることから、大電力と排熱問題さえクリアすれば光速に達する速度を出す事も理論上では可能となっている。
この技術文献をD.S.S.D技術開発センター内のライブラリーで発見したキラはアストラルゲイザーへのサブ推進システムとして機体設計に組み込んだ。
2基の核エンジンで生成される大電力をプラズマ化しプラスとマイナスのイオンに分離、ZGMF-X20A ストライクフリーダムやZGMF-X42Sデスティニーに搭載された光圧推進システムの技術を応用し、分離したイオンを光圧推進の起爆剤とすることで圧倒的な高出力光圧推進が可能となった。
メインジェネレーターや燃料様式等の仕様の差はあれど、イオンエンジンの構造自体は現在でも通用する技術であり、まさにコズミック・イラの時代となって初めてその真価が発揮できたのであった。
主推進にはVLユニットを使用し、細かい軌道修正や緊急加速用に各手脚ユニットに光圧スラスターと排熱ダクトが配置されている。
VLはあくまで受動的なシステムであるため自機推進には環境的制限があった。
ビームライフルからのビーム供給推進は無重力下でしかドラグーンが運用出来ず、そもそも大気圏内や惑星重力圏から離脱するにはライフルでは出力不足な上に発射地点に捨て置いていくしかなかった。
そこでVL非稼働時に対応する為に大型高出力光圧推進ブースター『ヴォワチュールブースター』を肩部ハードポイントと側面VLユニットに接続フレームを介して2基装備したことで、高重力圏離脱も可能となる推進手段を有することができた。(あくまで想定上は木星重力の2倍程度)
本機は核エンジンを主機にしているが前人未到の未知の宇宙ではニュートロンジャマーと同じく核融合が抑制されてしまう環境が存在し、ジェネレーターダウンが引き起こされないとも限らない。
その状況を考慮しコアゲイザー自体に機体機能を集約したことでフレーム内の余剰スペースが広くなり各ユニットに小型パワーセルを搭載することができた。
容量制限はあるもののパワーセルのバッテリーだけで光圧スラスターを稼働させ、宙域離脱するだけの限定的な使用が可能となっている。
新型機の開発開始から数年後、ロールアウトしたGSX-501FW アストラルゲイザーの評価試験の最終チェックが全て完了した事を受けて、探査先候補の選定にフェーズを移行した。
まず始めに太陽系から4.3光年と最も近い恒星系であるケンタウルス座アルファ星が現実的に到達できる距離として探査の第1目標に挙げられた。
続く第2目標は大気が存在する可能性がある地球型惑星を擁している12光年先のくじら座タウ星系に決定した。
具体的なフライトプランを算出し始めた頃、プラント・オーブ・地球連合の関係改善に尽くしているラクス・クラインにより、このスターゲイザー計画を世界の友好の架け橋として共同式典を探査出発日に開催する提案がされた。
予め太陽系内で幾度ものスイングバイによって加速しておき最後のスイングバイで地球軌道を掠めるコースを通り、衛星軌道上に造られた大型レーザー発振衛星〔アポロンB〕のプロパルジョンビームの照射を受けて最終加速を行うそのタイミングで式典が執り行われた。
この日は先の戦争の停戦協定締結日にあたり、プラント最高評議会議長ラクス・クライン、オーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハ、地球連合准将マリュー・ラミアスによる共同声明と終結調印式が催され、その後にスターゲイザー計画責任者のD.S.S.D技術開発センター所長セレーネ・マクグリフの演説が全地球圏に向けて同時中継された。
地球圏全ての人々が見守るなか、アストラルゲイザーは光跡を残して星の世界へ旅立っていった。
〔アストラルゲイザーが旅立つその少し前の衛星軌道上〕
アストラルゲイザーの地球軌道最終スイングバイの進路誘導にあたるGSX-402FW スターゲイザー。
そのコクピットにはD.S.S.D技術者になったスウェンが搭乗していた。
スターゲイザーのコクピットに久し振りに座ったスウェンはふと昔の事を思い出した。
地球帰還後、捕虜となり戦犯として処刑されるのを覚悟していたがセレーネに助けられてD.S.S.Dに迎えられて以来、戦争を通して多くの人々を殺めてきた罪滅ぼしにとスターゲイザー計画をライフワークに取り組んできた。
その集大成が今まさにすぐ後ろを飛んでいる。
アポロンBからのプロパルジョンビーム照射ポイントが近付いてきて離れていくアストラルゲイザーを見ていると、幼い頃から憧れていた宇宙への想いに駆られつい自分がこのまま行きたくなる気持ちになってしまったことに笑みがこぼれた。
プロパルジョンビームを受け一瞬で光点になったアストラルゲイザーを見送りつつ、その先の遥か彼方の宇宙を見上げた。
「俺の代わりに行ってこい、アストラルゲイザー」
地球出発から20数年後…
ケンタウルス座アルファ星系の探査を終え、第2探査宙域のくじら座タウ星系に近づき亜光速航行から減速中のアストラルゲイザーに未知の重力嵐が襲った。
この強大な重力嵐によりメインコンピューターのシステムダウンが発生。
再起動後に周辺宙域観測を再開した矢先、タウ星系第3惑星にあたる地球のような青い星の付近で明らかに人工的に発せられた電波を受信した。
発信源に向かうとそこには一隻の赤い大型宇宙船が航行していた。
???「んん〜? 船長、データに無い未確認機動物体が接近してきてるぞ。トランスポンダーは出してないが、敵意があるような動きはしていないようだ」
???「見える…」
???「ねぇシュニッツァー、あんな大きな人型の戦闘機なんて銀河帝国で作ってた?」
???「俺は知らないぞ」
???「戦闘機というよりまるでロボットですね」
???「船長ぉ、そのロボットからすごく古典的な通信きたよ。 えーと…なになに、 G.U.N.D.A.M?」
???「何それカッコいい響きじゃん!!」
???「はいはい、落ち着いて三代目。 ミーサどうしよう?」
???「それは船長のあなたが決めなさい」
???「えぇ〜。それじゃあ…。
ケイン、相対速度合わせて距離を取って。 百眼は他にも未確認機いないか警戒しつつ、アレの分析。 クーリエ、回線繋いで」
「あー、あー、聞こえますか?
こちらは海賊船弁天丸船長、加藤茉莉香です」
Ex-s立ち絵風
いざって時の自衛予備でビームマシンガンをハードポイントに懸架してます。
一応ビームサーベルも装備
以上、ネプテイトガンダムをスターゲイザーの世界観に当てはめて、コズミック・イラの技術と宇宙工学や天文学的に何だかんだ話の整合性が取れるようにしてみたら劇場版入場者特典の小説くらい過去最長ロング妄想設定になっちゃいました。(一応相対性理論はどこかに置いといてください…)
更に終いにはモーレツ宇宙海賊の世界にもクロスオーバーしちゃってスパロボみたいに!?
アストラルゲイザーの話はここまでとなりますが、ここからの繋がりでモーレツ宇宙海賊のネタで1機製作中ですので乞うご期待ください。
もはやガンダムを超えたスケールの話になりました。
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ミキシングしたり設定に凝ったりと四六時中ガンプラの事考えていて、筆塗りでちまちま塗ってます。
最近は本物にこだわったロケ撮影でガンプラと一緒に全国を回ってます。
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