一年戦争が終結して間もなく、地上に残されたジオン残党に怖れられた部隊があった。残党狩り部隊。そこには、常に先陣を切る”ガンダム”の姿があった。
パイロットは、メリッサ・アドリー曹長(26)彼女は本来、別の部隊、ソロモン攻略作戦において後方支援部隊の一員として、宇宙に上がるはずだった。しかし軍は当時、軍曹だった彼女を昇進させ、ある地上部隊へ編入するそこに待っていたのは"ガンダム"、そして…
「君には失望したよ」
この基地の司令であるアラン・リード少佐は、重厚なオーク材の机の上に広がる報告書そして始末書、それらに目を通しながら静かに呟く。やがてその書類を読み終えた少佐はゆっくりと、重厚な机を挟み直立不動の姿勢を崩せない私の顔を見る。私の目を見据えるその目は蛇を彷彿させる。
「じ、自分は…」
「言い訳はいい」
一蹴される。静かに席を立った少佐は、固まっている私に背を向けて窓の外を眺める。沈黙。私がそれに耐えきれなくなった時、少佐は静かに口を開く、
「彼らのことは、残念だった、新しい人員を回す。曹長、君が指揮しろ、詳しくはおって通達。…それまで謹慎したまえ」
人気のないランチルームの隅、お気に入りのコーヒーも飲む気になれず、ぼんやりと窓の外の曇り空を見る、
「おい、アイツだろ、ガンダムに乗って情けない生き残り方してきたヤツって」
数人の兵が、この基地に元からいるパイロット達が、下卑た笑い声を上げながらやってくる。私は…、そんなヤツらに何も言えず、何も出来ず、下を向いたままその場を後にした。
あの時、あの出撃の時。まだ顔を合わせて三日もたっていない私達が、まだまともに連携すら出来ないような部隊が、これが甘えだとはわかっている。軍人として、いついかなる時もヤらなくてはならないことも。あの時、隊長だったエドガー少尉の案を受けなかったら…
「アドリー曹長、曹長の"ガンダム"は水中対応型なのだろ。ここ辺りの水深は深い、川の中に入って水中機動に慣れておいた方がいい」
そう言われ、素直に水中に入った私に真っ先に聞こえたのは、索敵担当としてホバートラックに搭乗していたリンジー伍長の悲鳴、知り合って間もないがよく笑う女性だった。そんな彼女の最後に聞こえた声、まるで踏み潰されたヒキガエルのような…
「コーディ、ヒルトは身を隠して待機!オレは対岸の林を抜けて敵機の後ろを取る。オレの攻撃に合わせて挟撃するぞ!アドリーはそのまま待機!ヤツらに"ソレ"はまだみせられん!」
爆発音と共に隊長の指示がとぶ。もし、あの時私が、"ガンダム"が地上に出ていたら、敵は私を狙っただろう。"ガンダム"が狙われることで、仲間はうまく散開し、うまく連携し、あのジオンを倒せただろうか。エドガー隊長のジムが狙撃され、コーディ伍長の反応が消えた時、私はもう何も考えられなかった、気がつくと眼下に敵機、アッガイ(ふざけたデザインだ)の姿を目にしていた。
「ーーーッ!」
声なき声を上げ、ビームライフルのトリガーをひたすらにクリックする。この"ガンダム"は細身ではあるが、装甲は厚い。多少の無理は効く。しかし、私はこの機体、"ガンダム"に慣れていなかった、これも、甘えだとわかっている。スロットルを踏み込んだ時、そのピーキーな反応に恐れを抱いてしまった、その結果繰り出した斬撃はアッガイの腕を斬り飛ばすにとどまり、その質量により川辺まで押し出されてしまった。
敵の攻撃により、機体の膝までを埋められ、腰まで水没し、コクピットから出られず、一日と半日、敵はご丁寧にも頭部のビーコンまで壊していった。味方の哨戒機に発見されるまでの一日半、小便を垂れ流しながらも私は耐えた。その惨めさに。その屈辱に。仲間達の復讐では無い。自分が情けなかった。あの時、私は力を持っていた。"ガンダム"という力をだ。にもかかわらず、"私"は何も出来なかった。
気がつくと、格納庫にいた。"ガンダム"の前にいた。アトラスガンダム、そう声に出して言ってみる。これは、牙だ。私の。
「アンタかい、噂の情けないガンダム乗りってのは、一緒に組ませてもらう。ツーマンセルだ」
不意に、背中に声がかかる。振り向くと、そこには自分より、頭二つ分も背の高い女性、
「デボラ・コフィ。軍曹だ。よろしく頼む」
そう言って差し出された褐色の手を握りながら私は思う。牙が増えた。ジオンを噛み砕く為の牙が。
正式採用され、少数ではあるが量産されて地上部隊に配備された、アトラスガンダムという設定。本家のサブレッグ、レールガンなどの装備は無く、水中対応した、陸戦型ガンダムのグレードアップ版といった所である。腰部に陸戦型ガンダムのバックパックを改良した物を、スラスターとして装備しており、サブレッグが無いことによる推力の低下を補っている。
水中対応型ビームライフル
水中でも使用可能、あるガンダムのライフルを改良した物だと言われている。
三連ミサイルポット
両脚部に装備、ミサイルの他、魚雷も装填可能。
ビームトライデント
本来、長柄だった物を、アドリー曹長が無理矢理改良させた。
メリッサ・アドリー曹長が、部隊に編入された時、宇宙ではア・バオア・クー攻略戦が進められていた。この部隊には、アドリー曹長を含め、比較的容姿の良い者が集められている。(当然、実力もある者ではあるが)どうやらこの部隊は、戦後に向けたプロパガンダ部隊としての役割があった。味方の指揮高揚、ジオン残党に対しての牽制など、しかし、この部隊は一週間ともたなかった。その後、アドリー曹長の元に編入された人員を見るに、プロパガンダ部隊としての役割は他の部隊に、彼女らの部隊は純粋にジオン残党を狩る為の部隊として配置運用されることとなる。
陸戦型ガンダムと同等のコンテナを装備可能、これにより、単機及び、少数機による様々な作戦行動が可能となる。
また長々とすいません
ミサイルポットが単色なのは、丸い部分が弾頭ではなく、フタ、蓋ってことで。塗り分けるのが面倒だったからでは無い。
あれ、コレ、地上用設定で作ったのに、肩とかのシール宇宙軍のだわ。脳内でSをGに変えて見てくださると嬉しいです。
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プラモ好きの40代
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